―The Four Elements―
ゴルベーザは,4つの光のクリスタルとそれに対応した4つの闇のクリスタルを携え,あの
少年の宿敵に相見えようとしていた.
4つの光のクリスタル・・・.土,火,水,風のクリスタルを手にするなど・・・まるで
光の戦士の真似事でもしている積もりか?だが笑止!私の絶対的な魔力でゴルベーザ,貴様を
闇の世界から,いや,この14番目の世界からすらも駆逐してみせよう!
その為にまず私は,この14番目の世界の,とある駒を蘇らせ,裏切り者の断罪を謀ろうとした.
その駒とは,ルークとなったエクスデスだ.次元城にあり,このパンデモニウム城に繋がる
次元の扉のすぐ近くでクリスタル鉱石の残骸と化したあの破壊者エクスデスから,4つの光の
クリスタルについて聞き出そうと思ったのだ.
半幻想跳躍ランドウォームによって,ルークを残骸から元の姿に戻した私は,エクスデスを
我が居城に招いた.
「何故私を蘇らせ,此処へ呼んだのだ」
開口一番はその一言か.絶対的な力を持つ私を畏れはしないのか.
「貴様に1つ訊きたいことがあってな.
この世を統べる4大元素と光のクリスタルの関連性についてだ.
聞けば貴様は五番目の幻想でかのクリスタルに封印されていたという話ではないか」
「クリスタルなど水晶の欠片も同然・・・所詮私を封印していたもの,だけに過ぎぬ・・・」
「破壊者エクスデスよ,記憶が次第に蘇りつつあるのではないか?」
「ファファファ・・・貴様,何が言いたい・・・」
「何も思い出せぬのなら,この私が消し去っても良いのだぞ」
「クリスタルで出来た駒に何が出来るというのだ・・・.しかし,良かろう,クリスタルの
意味を教えてやろう.この14番目の世界でのクリスタルの役割は,
私が元いた世界のクリスタルのそれと同じものだ・・・.
混在し断片と化した世界を元の秩序ある世界に還すのだ・・・」
「秩序・・・だと?」
私が呟くと,エクスデスは紫がかった霧の様なものを噴出させ始め,次第に何処かへ姿を
消してしまった.我ら混沌の神に与する者が秩序など,馬鹿げた事を・・・.14番目の世界
での役割が5番目の幻想のそれに同じ・・・ならば,尚更エクスデスに尋ねたい事が出来る
ではないか.壊れかけたロボットを起動させた私は,エクスデスの行方を探った.
すると,闇の世界にいる,とロボットはパネルに弾き出した.奴はつい先程まで此処にいた
ではないか.それで幻想跳躍し闇の世界に行ったというのか?姑息な真似を・・・.
こうなれば私も,と思ったが,私はあくまでも我が居城で混沌の駒を操作する立場なのだ.
…光のクリスタルなどもう良い.闇のクリスタルへ素速く関心を向けた私は,
この14番目の世界で,ゴルベーザの他にもう一人,クリスタル鉱石で出来ていない
男がいたのを思い出したのだ.
最終更新:2011年07月11日 16:50