前置形副詞2008/10/01 (水) 12:45:27のコピー

形副詞のいくつかは前置される。
例えば前で見た指示形容詞がそうである。
tu miik(このリンゴ)

また、基数も前置される。
ko miik(リンゴひとつ)

強調や限定のcaも前置される。
kilseles, ca freian(剣士キルセレス)

ほかに命令、依頼、禁止、否定なども前置される。
日本語の「使用しない」のように否定が最後に来る言語では、「使用」と聞いたときに思わず「使用するのか」と思ってしまい、最後でガクっとなることがある。
そのため、最後を聞くまでウズウズさせられることがある。ウズウズするのは人間の認知上、不安にさせるような不協和音を放っているからである。

アルカではそれをなくすため、否定は前置する。
まず否定だということを宣言してから内容を述べる。これのおかげで後からひっくり返ってガクっとくることがない。
否定の形副詞はenである。従って、en miik(リンゴでないもの)や、en ke(行かない)という表現になる。

命令や依頼もまだ現実には起こっていない行為を指す。西洋語で言うところの未来形ではなく接続法にあたる。
未来は直説法なので副詞silを後置してもよいが、命令や依頼はアルカでは接続法に当たるので、否定同様、「もう現実のこと」とフライングして捉えられてはいけない。
そこで、命令なども副詞は前置される。
re ku(言え)、re kui(食べろ)、den kui(食うな)

制アルカでは学習効率のため、認知しやすさを抑えてでも後置修飾のみにしていた。
基数などの例外はあったものの、後置が基本だった。
新アルカは認知との兼ね合いを考慮して前後に形副詞を振り分けられるようになり、運用しやすくなった。
習うときは運用しにくく感じるが、使っていると使いやすい。

命令については命令_na9を参照のこと。

最終更新:2009年11月15日 19:35