白い。真っ白だ。
例えば、世界が大きな金魚鉢で、そこに一滴のミルクを垂らしたとすれば、おそらくはこんな風になるに違いない。
濃密。まるで液体であるかのように濃密な霧。
その霧の中、一定の間隔で、ゴリゴリと、何かを引きずるような音が響く。
金属の音。
それも、巨大な金属の音。
巨大な金属が、固い石の地面に引きずられる音。
それは異形であった。
錆びた匂い。錆びた鉄の匂い。血の匂い。
真っ白で濃密な霧の中を、鋭角な貌で切り裂いてゆくかのように、音の主が現れた。
赤い、三角頭。
元々は白かったのであろう、薄汚れた、時代がかった服を着ている。
手には、引きずるようにして巨大な赤錆びた鉈。
そして頭部は ―――。
仮面…というには大きすぎ、箱、と言うには異様なモノ。
赤錆びた鉄で出来た三角形。
横から見ると、それは鳥のくちばしのように前方へと一片を尽きだしている。
その三角頭は、まるで意志無き人形のように、ただ機械的に霧の中を歩いている。
右手には巨大な鉈。
そして左手には、赤黒い物体。
かつて人であったモノ。
一人の男性の死体を引きずっていた。
これは何?
これは人?
人? モノ? 或いは……?
それは、参加者であった。
この殺し合いの場に呼び寄せられた参加者であった。
そのモノのことを、これからは便宜的にこう呼ぶこととする。
「◆HGBR/JBbpQ 三角頭」
と。
三角頭は、鉈と死体と、そして白く濃密な霧を引きずりながら、この広大な会場を彷徨い始める。
まるで意志無き人形のように ―――。
【一日目・深夜/東京有明ビッグサイト】
【◆HGBR/JBbpQ 三角頭@ホラーゲームバトルロワイアル】
【状態】普通
【装備】巨大な鉈、ジェイムズ・サンダーランドの死体、三角頭、サイレントヒルの霧
【持物】なし
【思考】
基本:ホラーの時間だ!
※外見はサイレントヒルの三角頭。三角頭の中身は不明。
時系列順で読む
投下順で読む
最終更新:2009年03月21日 11:49