そのトカゲ、ゲーム脳につき

夜風を受けて、マントがばさりと翻る。
マントの中にあるのは、緑色の鱗に全身を包まれた細身の体。その尻からは、長い尻尾が伸びている。

「あー、うん。そっか。ロワかー。これ、明晰夢ってヤツ?」

二本足で大地に立つ奇妙な爬虫類が呟いた。
人間離れした外見のその人(?)は、◆6XQgLQ9rNg。
狂人スヴェルグという二つ名を冠した、RPGキャラバトルロワイアルの書き手だった。
そのカッコいい二つ名とは似ても似つかないトカゲの外見をしながら、狂人スヴェルグは頬を抓る。

「夢じゃないのかなぁ。つーか、夢でも痛みを感じるんだったらこんなことしても意味ないか」

ぶつぶつ独り言を言いながら、狂人スヴェルグは、ロワのルールを思い出していた。
バトルロワイアルというゲームにおいて提示された勝利条件は、他の参加者を殺し自分だけが生き残ることだ。
優勝したのが自分であった場合、いわゆるエンディングを迎えることになる。
しかし得てして、ロワでは、別のエンディングになる場合が多い。
それは、主催者を倒して脱出するというものだ。
対し、自分が死亡してしまった場合、このゲームは途中で終わってしまう。それは、バッドエンドに他ならない。

(要するに、マルチエンドのゲームだよね。しかも一周限定の)

狂人スヴェルグは、決められたルールや道筋があるからこそ、ゲームは面白いものである、という認識を持っていた。
だからこそ、ゲームマスターとは絶対の存在だ。逆らうなど、ゲーマーとしてあってはならない態度だと思う。
そう、彼は、無類のゲーマーなのだ。
ゲームに参加したのならば、ゲームのルールに従って最善を尽くし、勝利を目指す。
それ以外の考えが浮かばないくらいの、ハードゲーマーだった。
そして得てして、ゲーマーというものは、ゲームにおいては完璧を目指すような人種である。

たとえば、ファイアーエムブレムをプレイしていて、誰一人死者を出さないように。
たとえば、サモンナイト3をプレイしていて、全てのステージでブレイブクリアを目指すように。

そんなゲーマーが、バトルロワイアルと言うゲームに参加した場合、取る行動は決まっている。

主催者が定めたルールに従い、敵を倒し、完璧にゲームクリアを目指すだけだ。

そのための武器を、鱗に包まれた手で握っている。
咎人の剣“神を斬獲せし者”。
RPGロワには出ていないゲームにおいて、最強の攻撃力と最大級の不安定さを持つ武器を手に、心優しき科学の申し子の姿をしたそいつは、軽快に歩いていく。

狂人スヴェルグは迷わず、彼自身のルールに従って他人を殺していくことにした。
理性もあり意識もあり正気のままでありながら、彼は、一般的な倫理観から逸脱した選択肢を即座に選び取ったのだ。
人はきっと、そんな人物を称するのだろう。
“狂人”と。

【一日目・深夜/愛知県】
【狂人スヴェルグ@RPGロワ】
【状態】健康。ゲーム脳。
【装備】“神を斬獲せし者”@AAAロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:バトルロワイアルというゲームのルールに従い、クリアする。
1:このゲームを楽しむ。

※外見は トカ@WILDARMS 2nd IGNITION です。

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狂人スヴェルグ 幻想(ゆめ)だけじゃ守れない

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最終更新:2009年06月13日 12:43
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