マホガニーの執務台の上には切子で出来た豪奢なスタンド。
最低限まで絞られたその光源以外、照明は落とされた薄暗い部屋。
その窓際に据えられた革張りの安楽椅子に、一人の男が腰掛けていた。
平時ならば、忙しなく人が行き交い、あるいは怪しげな密約でも交わしているであろうその部屋に、存在するのは男のみ。
それゆえ、男は誰に見咎められる事も妨げられる事もなく、この部屋の本来の主が座るであろう安楽椅子に深々と腰を下ろし、片肘をついた姿勢で窓に目をやっていた。
男の眼下に広がるのは、展望台に登るような物好きでなくとも目を奪われるような高層ビルの群れ。
だが、男の意識はそこには無かった。
見ていたのは、窓に映る自分の姿。その姿に男は皮肉げに口の端を吊り上げてみせた。
「ふっ、まとめレッドだの赤き冒険者だの呼ぶから、てっきり明石暁の姿になると思っていたが。よもやこちらだとはな」
目深に被ったフードから覗く金の髪。どこの物ともつかない異国風のローブ。身に纏うのは禍々しい金色のもや。
窓の外の暗闇を、そこだけ切り取ってガラスに映し出したその姿は。
『3人目の自重しない主催者』ロンのものだった。
ロボロワならドラス。
スパロワならユーゼス。
アニロワ2ndならばアンスパたん………
異論はあるだろうが、それぞれのロワには各々のロワを代表するキャラクターがいる。
そして、赤き冒険者 まとめレッド◆i1BeVxv./w が所属する
戦隊ロワにおいては、主催者 ロンがそのキャラと言えるだろう。
その自重しない主催者っぷりは定評通り。
参加者達に狡猾な罠を仕掛け、誘惑の言葉を耳に囁き、その苦しみに、その迷いに、愉悦の笑みを浮かべる。
その自重しなさは登場回数にも及んでいる。
他のキャラ達がようやく2桁を数える中、ロンの登場回数はぶっちぎりの21回。自重しないにも程がある。
そして、まとめレッドはその名が示す通り、戦隊ロワのまとめサイト管理人にして、投下数トップの書き手でもある。
その作品傾向は熱血・和み・鬱・ギャグ・バトル・考察とオールマイティ、多岐に渡るが、彼が得意とする物は別にある。
バラ撒かれ、積み重ねられたフラグ。見落とされた矛盾。何気なく出された支給品。
指を一つ打ち鳴らし、ある時はそれらを活かし、ある時はその全てをひっくり返して、住人の思いも寄らぬ展開でド肝を抜く。
『超展開』それが彼のもっとも得意とするものだった。
もっとも投下(した)数の多い書き手であるまとめレッドと、もっとも投下(された)数の多いキャラであるロン。
戦隊ロワを代表する書き手である彼が、戦隊ロワを代表するキャラであるロンの姿になったのはあながち不自然な事でもないだろう。
だが、それにしてもだ。
眼下に街の灯を見下ろす薄暗がりの部屋に、怪しく笑う怪しげなロン。どう見ても良からぬ事を企んでます。本当にry
「この姿ならば、もっともふさわしい行動はやはり煽動型のマーダーかな?」
あ、やっぱり企んでた。
「だが、俺はあえてその道を選ばない。なぜなら」
目深に被っていたフードを取り払い、ニヤリと笑う。
「ロンの姿で対主催をする。それもまたちょっとした冒険だからだ!」
ここにもし竜宮レナでも通りかかれば『嘘だッ!!!(AA略』とでも叫びそうな一言を言い放つと指を一つ打ち鳴らし、ドアを大きく開け放ち、眼下の街へ一歩を踏み出した。
【東京都/都庁 知事執務室/1日目-深夜】
【まとめレッド◆i1BeVxv./w@戦隊ロワ】
【状態】健康
【装備】なし
【持物】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:俺はあえて対主催を選ぶ!なぜならそれもまたちょっとした冒険だからだ!!
1:とりあえず、街に降りるか。
※外見はロン@獣拳戦隊ゲキレンジャーですが、中身は明石暁@轟轟戦隊ボウケンジャーのものです。
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最終更新:2009年03月21日 11:52