アニメイト大爆発!!ぶっちぎりバトルライターズ

 くるり。
 指先で弄ばれる帽子。
 闇の中で真紅の帽子が、さながら駒のように回転している。
 その手を操るのはコートの男。
 赤いコートは決意の赤。はたまた血と惨劇の赤か。
 逆立った金髪の箒頭と、丸いサングラスをかけるのは、不屈のガンマンヴァッシュ・ザ・スタンピード。
 ただし、ここは書き手ロワの会場である。
 その姿はただの記号でしかない。
 ヴァッシュの顔をしているこの男は、ヴァッシュ本人というわけではなかった。
 男は1人のネット作家。
 ◆jiPkKgmerY。三銃の騎士。リリカルTRIGUN。様々な名前を持つ男。
 くるり、と回していたアーカードの帽子を、金髪の上に被る。

「さてさて、どうしたものでしょうか」

 落ち着いた声で、男が呟いた。
 ここがバトルロワイアルの会場であることは間違いない。
 これまで自分達の織り成す空想であった殺し合いが、現実として機能しているというのは、何ともまぁ奇妙な話だ。
 ロワの登場人物は、大体このような気分なのか、と実感する。

「そういえば……書き手ロワイアル、と言っていましたか? あの人は」

 書き手ロワについてはどこかで聞いたような気もする。
 自分達パロロワ作家(もっとも自分の場合、本業はクロスSS作家なのだが)が、書き手ではなくキャラクターになる特殊なパロロワ。
 ということは、自分以外の参加者もまた、全員パロロワ作家であると考えていいのだろうか。
 ではその参加者の中に、自分と同じなのはロワの出身者はどれだけいるだろう。
 あらゆるジャンルのキャラ・作風を、巧みに操る◆Qpd0JbP8YI氏。
 電光石火の速筆と、熱いバトルシーンを得意とする◆9L.gxDzakI氏。
 多くのマーダーと誤解フラグを扱ってきた、狡猾かつ残忍な◆HlLdWe.oBM氏。
 凄まじい技量に裏打ちされたハードなバトルは、ロワ内屈指の爆発力を誇る◆WslPJpzlnU氏。
 熱い正義のヒーローの扱いに長けた、仮面ライダー書き手の◆gFOqjEuBs6氏。
 丁寧な考察描写を得意とする、ロワの頭脳とでも言うべき◆7pf62HiyTE氏。
 いずれも味方になれば頼もしいことこの上ないが、

「敵に回せば厄介ですね」

 肩を竦めながら、苦笑混じりに呟く。
 彼らはこの殺し合いの中で、一体どのように動くのだろう。
 たとえば、熱血好きを公言する◆9L.gxDzakI氏なら、対主催の道を選んでいるかもしれない。
 逆に、どちらかと言えば鬱な作風を展開することの多い◆WslPJpzlnU氏や◆HlLdWe.oBM氏は、マーダーになっているのかもしれない。
 だが、所詮はどれも「かもしれない」だ。確かなことは何一つない。
 そもそも彼らの中で、一体何人がこの場にいるかすらも分からないのだ。

「まぁ、捜すだけ捜してみましょう。同じロワの仲間ではありますし」

 かつり、かつりと音を立て、男は1人歩き出す。
 彼自身はどうなのだろう。
 殺し合いに乗るか乗らないか。男はどちらの道を選ぶのだろう。
 リリカルなのはのクロスSSスレに、トライガンのSSを投稿している作家としての彼は、基本的には王道書き手だ。
 人間台風ヴァッシュ・ザ・スタンピードと、と魔法少女の心温まる触れ合いは、スレ内でも人気を博している。
 だが、バトロワ書き手としての彼は、マーダー有利な展開の数々を打ち立てる男。
 獰猛な殺戮者ミリオンズ・ナイブズを操り、たった1人で4人ものキャラクターを抹殺した。
 連載SSで愛でた高町なのはを、バトロワでは無惨に葬っている。
 正義のヒーローと虐殺者。
 さながらヴァッシュとナイブズのごとく、相反する2つのスタンス。
 どちらを取ってもおかしくないのが、今ここにいるこの男。
 その心中は分からない。
 ただ冷静な表情と共に、かつかつと足音を立てるだけ。

「ただ……そうですね」

 そして不意に、くるりと踵を返す。
 彼の視線の先にあるのは、秋葉原名物アニメイト。
 店員も客も1人もおらず、いわゆる「中に誰もいませんよ」といった状態だった。
 にやり。
 静かに、男の表情が浮かぶ。

「どうせバトロワに参加したのならば……」

 ◆jiPkKgmerY。三銃の騎士。リリカルTRIGUN。彼は様々な名前を持つ男。
 だが実はもう1つ、彼に付けられた称号があった。
 そしてその名前こそが、なのはロワにおける彼を象徴する、最も簡潔かつ正確な名称。
 その名前こそが、この場での彼に与えられた名前。

「――ここでもふっ飛ばさせていただくとしましょう」

 どかん。
 瞬間、鳴り響いたのは強烈な爆音。
 輝く光。炎の赤。もうもうと立ち込める煙。
 先ほどまで健在だったアニメイトが、連続発生する爆発の中、轟音と共に崩れ去っていく。

「さて……このロワの中で、私はいくつのフィールドを壊せるでしょうかね?」

 彼の名は――フィールド破壊の貴公子



【一日目 深夜/東京都 アニメイト秋葉原店跡地前】
※アニメイト秋葉原店がありましたが、フィールド破壊の貴公子が仕掛けた切嗣手製の爆弾@○ロワによって崩落しました。

【フィールド破壊の貴公子◆jiPkKgmerY@なのはロワ】
【服装】ヴァッシュのコート、アーカードの帽子
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】デイパック、基本支給品、ランダム支給品0~2
【思考】
 基本:???
 1.とにかくフィールドを壊して回る。どんなフィールドや施設があるか楽しみ
【備考】
 ※外見はアーカード@HELLSINGの帽子を被ったヴァッシュ@トライガンです

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フィールド破壊の貴公子 115:絶対運命交差点

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最終更新:2009年03月26日 15:06
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