夜空にたなびく真紅のコート。
腰の部分で分岐した特殊な作りの外套は、暗い中でも目に鮮やかだ。
ブロンドの髪を風に遊ばせて、座りながら一人作業を行っている。


かちり。

かちり。


手に持つ銃に一つ一つ弾を込めていく。
現代日本に生きる書き手としての自分にはまるで馴染みのないはずの感覚。
しかし同時に手の延長線上のようにしっくりとくる無骨な銃の感触。

デザートイーグルの装弾数は8発。
予備弾も含めマガジンへと装填を行う。
迷いない動きで、作業は速やかに進められた。
ブレックファーストに卵とベーコンを焼くような、日常的に行っている者の慣れた所作。
日々の延長線上にあるかのような慣れ親しんだ感触に、違和感と同時に胸にすとんと収まる納得があった。


これでいい。


書き手としての自分とこの体の経験が二重に重なっていながら、違和感なく同居する不自然さ。
パロロワメモリという胡散臭いものの効果だろう。
このような馬鹿騒ぎに巻き込み、かつ意に沿わぬ自我の変質をさせた主催に対しては、ちりりと胸を焼く不快感があった。




ならば仲間を募り、主催に反逆するだろうか。

いや。

ならば人を助け、人を頼り、人を救う為に尽力するだろうか。

いや。

「ここは戦場」

自分に、世界に言い聞かせるような独白。

思い出すのは書き手として元の世界で共に筆を進めた同志たち。
あれもまた、一つの戦場だった。


かちり。

全ての装弾を済ませ、立ち上がる。
覚悟は出来ていた。



彼女の所属ロワはマルチジャンルバトルロワイアル。
トリップは◆SqzC8ZECfY。
名前は――――「戦う者」スクイズ・ザ・バトルファング。


同意もなく引きずり出され、宣戦布告を鼻っ面にたたきつけられた。
ならば戦争を開始しよう。

立ちはだかる全てを足元にひれ伏せてやろう。
生けるもの全てを打倒し、荒野に何一つ残すまい。

そして私はこの偽りの戦場にではなく――――あの懐かしの戦場へと帰還する。

戦場屋(バラライカ)の姿をした彼女は、平和主義者(ヴァッシュ・ザ・スタンピード)の外套をまとい一人、戦端を開く。


【一日目・深夜/F-5】

【「戦う者」スクイズ・ザ・バトルファング(◆SqzC8ZECfY)@オールスターロワ】
【状態】健康
【外見】ヴァッシュ・ザ・スタンピード@TRIGUNの外套を羽織ったバラライカ@ブラック・ラグーン
【装備】デザートイーグル
【持物】基本支給品 、不明支給品0~2
【思考】
基本:戦争を開始する

080:真夜中のお茶会へようこそ ◆時系列順に読む 082:俺はこのロワの参加者だ
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「戦う者」スクイズ・ザ・バトルファング

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最終更新:2013年05月09日 19:45