「この姿か。妥当かもしれないけど複雑だな……」

 周囲に樹木が生い茂る森林にて、男が溜息を吐いていた。
 茶色の髪に整った顔立ち、白を基調とした豪奢な騎士服。
 パロロワメモリを使って変じた彼の姿はコードギアスの枢木スザクだった。
 原作での身体能力を考えれば決してハズレではない。
 ならば彼はなぜ溜息など吐いているのか。
 それは彼のロワにとって枢木スザクとはある意味で特別なキャラクターだからである。
 いわく、不幸すぎる男。
 不幸四天王を決めようにも彼が飛び抜けすぎていて他が決められないレベルとまで言われている。
 一部を記すだけでも惚れ薬を飲まされマーダーに惚れたせいで同行者を殺害、親友の死体を撃つ、本来の思い人の記憶を忘れる、
 死に際に正気を取り戻すがそれまでに犯した罪に絶望しながら死亡という悲惨なものだ。
 これで終わったのならよかったのだが最近では主催側にゾンビ状態で生き返らせられ、手駒としてリサイクルされている。
 そして、このような顛末を辿る発端となった惚れ薬の話を書いたのが彼――多ジャンルバトルロワイアルの書き手だったU1なのである。

(落ち込んでいても仕方ない。それにスザクの姿とはいえ不幸になると決まったわけじゃ……ん?)

 その時である。彼の耳が背後からの奇妙な音を捉えたのは。

 ピシュン、ピシュン

(あ、やっぱり不幸だ)

 幸か不幸か、彼はその音に心当たりがあった。
 恐る恐る振り返ると、こちらに向かってくる存在――【寄生獣】イーボゥとばっちり目があった。
 後藤とシャドームーンは予約されただけで死亡フラグ。
 これは多ロワの常識である。


【一日目・深夜/D-3】

【U1(◆U1w5FvVRgk)@多ロワ】
【状態】健康
【外見】枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ
【装備】
【持物】基本支給品×1、不明支給品1~3
【思考】
基本:終わった……

【【寄生獣】イーボゥ(◆EboujAWlRA)@多ロワ】
【状態】健康
【外見】後藤@寄生獣
【装備】
【持物】基本支給品×1、不明支給品1~3
【思考】
基本:眼前の書き手を喰う。

082:俺はこのロワの参加者だ ◆時系列順に読む 084:覚悟と宣伝と敵討ち
082:俺はこのロワの参加者だ ◆投下順に読む 084:覚悟と宣伝と敵討ち
U1
032:寄り添い生きる書き手たち 【寄生獣】イーボゥ

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最終更新:2013年05月09日 19:51