少女は、一人ぼっちだった。
スレの中にはたくさん人がいたけれど、それでも孤独感を隠しきれなかった。
所詮人は、自分一人で生きていかねばならない生物。
どれだけ読み手がいようとも、どれだけ書き手がいようとも、頼れるのは自分だけなのだ。
「……くそっ、なんだよ、これ」
彼女の名前は、作者6。
非リレーロワである、ネギまバトルロワイヤルの一時代を築いた書き手だ。
人がどれだけいようとも、孤独に耐えて作品を仕上げねばならぬネギまロワの出身者だ。
ネギまロワは、現存の非リレーロワイアルと違い、最終回まで書き上げた後でなければ投下すら許されぬ。
生きるか、死ぬか。
和気あいあいとしたスレに出られるのは、地獄の道をくぐり抜けられた者だけ。
その背後には、無数の屍が積み上げられてる。
「わかんねえよ……わかるわけねえだろうが」
そこで何とか生き抜いてきた。
そこで何とかトップに立って生きてきた。
苦労がようやく報われていた。
なのに何故。
リレー舞台ではしゃしゃり出なかった私が何故、こんなことをさせられるのか。
交流所とやらがあると知っていても、あまり話題に出さず、大人しくしていたのに。
何故いきなり、こんなことに巻き込まれるのか。
「どうしろっつーんだよ……」
故に彼女のビジュアルは長谷川千雨。
作者6を筆頭に、一般人故にマーダーによくなっていた少女の姿。
現実的思考を持っており、クラスから浮いていた少女の姿。
まさにリレーロワにおける自分のような、少し異質な少女だ。
「ちくしょう……」
彼女は知らない。
リレーロワでは、影が薄いとガンガン処分されることを。
それでも彼女は知っている。
孤独だろうと、戦わねばならないことを。
誰も助けてなどくれない、自分で“終わり”を迎える他、光の当たる世界に行く術は無いと。
「殺したくなんてねえよ……」
だけど彼女は肝心なものを知らない。
武器を取る意味を見い出せていない。
戦う理由を持たない者が武器を持っても、決して強マーダーにはなれない。
ネギまロワでも、そういう手合いはよくて中ボス止まりだ。
彼女の心は、迷子だった。
それでも彼女は歩みを止めない。
歩みを止めることの怖さを知っているから。
「死にたくねえ……」
そして彼女は薄々理解している。
長谷川千雨というキャラクターになった時から。
一般人ロワの作法を知るわけではないが、ことネギまロワにおいて、怯えるだけのこの手のキャラがどうなるのかを。
「……私は……」
ズガン要員を避けたければ、殺すしかない。
ネギまロワ初の優勝エンドを飾った作者として、このロワでも優勝エンドを飾るしか無い。
長谷川千雨になった時点で、掌返して対主催になったところで待っているのはツンデレ死亡だけなのだから。
「また、書き上げるんだ……ネギまロワを……」
ぶつぶつと虚ろな瞳で呟きながら、一人ぼっちの行軍は続く。
ネギまロワに魅入られし亡者達は、歩みの止め方を知らない。
陽の目を見るまで、とりつかれたように進むしかないのだ。
非リレー書き手の孤独な行軍は、死を迎えるまで、決して終わりを迎えられない。
【一日目・深夜/不明】
【作者6@ネギまロワイヤル】
【状態】健康
【外見】長谷川千雨@魔法先生ネギま!
【装備】不明
【持物】基本支給品×1、不明支給品1~3
【思考】
基本:死にたくは、ない
思考:ならば、やることは――――
最終更新:2013年05月11日 19:56