エリアE-4、アスファルトと雑居ビルに囲まれた街の中、学ラン姿の少年が歩いていた。

『うーん、人を探すならこういう街や施設の方がいいと思ったんだけど自ロワどころか他のロワの書き手さんもいないなんてさ』

括弧つけたように話す球磨川禊の姿を借りるのは新西尾維新バトルロワイアルの書き手、零崎継識。
とりあえずは自身と同じ新西尾ロワの書き手の姿を探すべく街を練り歩いていたのだが、未だに誰にも出会えないでいた。
実際は同じエリア内のとある民家にてKAIXA・ムラカミとオリーブオイルの伝道師の戦いが始まっていたのだが幸か不幸かその戦いの余波に彼が気づくことはなかった。

『ああ、そういえば新西尾ロワじゃ地図に載ってる施設しか使ってないから気づくのが遅れたけどこういう民家やビルにいる可能性もあるんだっけ』

書き手さんはどうもそういうところで律儀なんだよなあ――とこれまた括弧つけて目についた民家に入ろうとしたそのときだった。

ざっ、と足音が響く。

継識が振り返るとそこにいたのはパニッシャーを肩に担ぎ、ラディカルグッドスピード脚部限定を装備したリヴィオ・ザ・ダブルファングの姿を借りた書き手がいた。

『西尾キャラじゃないってことは新西尾ロワ書き手じゃないよね。君はもう新西尾ロワ書き手に出会ってたりしてないかい?』

へらへらと友好的に問いかけた継識に対し、リヴィオ、否、マルチジャンルバトルロワイアル書き手ウォット・ザ・エクスピードが返した答えは、

「知らねえな」

という無愛想な発言と、

ドガガガガガガ!!

という無数の銃弾が発射される音だった。

『うわっ、ちょっ……』

咄嗟に手に持っていたジャンプで防ごうとするも、たかが雑誌一冊でパニッシャーの弾丸を防げるはずもなく。
どさり、と発射して一分もしないうちに倒れる音が空しく響いた。
継識の体を見れば、学ランは血に染まった状態で所々体は抉れ、頭部は脳みそが露出している。
○ロワ内で再生能力を持つキャラは複数いたが、いずれも首を切り離されたり頭部を破壊されれば制限により確実に死ぬ。
百人が見れば百人が死んでいると答える、紛れもない死体の完成だった。

「死亡確認、だな」

ウォットは感慨もなく呟き、その場を離れる。

「全く、骨がなさすぎる。新西尾ロワっつったか?この調子じゃ他のやつらも大したこたぁなさそうだ」

他のロワのやつらはちゃあんと俺を楽しませてくれよ――と誰にも聞かれることのない嘆きと死体だけがその場に残った。

【一日目・黎明/E-4】
【ウォット・ザ・エクスピード@○ロワ】
【状態】無傷
【装備】パニッシャー@○ロワ ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@○ロワ
【持物】基本支給品×2不明支給品0~4
【思考】
  基本:最速で皆殺し。熱いバトルが出来ればなお良し。
  1:どっかに骨の有るやつぁいねえかね。
  2:新西尾ロワのやつらは大したことなさそうだな。


【零崎継識(◆VxAX.uhVsM)@新西尾維新バトル・ロワイアル  死――】

『おっと、勝手に殺さないでくれよ』

むくり、と起き上がる継識の姿がそこにはあった。
新西尾ロワの読者でなくとも、原作のめだかボックスを読んだことのある者なら知っている者も多いかもしれない。
球磨川禊の持つ過負荷(マイナス)――『大嘘憑き(オールフィクション)』、『なかったこと』にできるスキル。
シャーマンキングもかくやというレベルでノーリスクで蘇生を連発するそれは原作から緊張感をゲフンゲフン。
――ともかく、ロワにおいてタブーである蘇生という行為だが、新西尾ロワにおいては回数制限のみで使用そのものには制限はかかっていなかった。
現に、新西尾ロワの某話では球磨川ととあるキャラが死んだ話が投下された際にその話を書いた書き手が「この後蘇生させるパート書きますか?」と提案するくらいである。
そんなわけで球磨川の姿を借りた彼も蘇生をやってのけたのだった。

『さすがにメモリが抜けてーなんてことにはならないか。できたとしてもその場合はスキルが使えなくなって蘇生できなくなっちゃうしね』

首輪を外すのに頭が邪魔なら一度頭を吹っ飛ばしてしまえばいいじゃない、の論理で首輪解除をした彼だったがメモリを使用する書き手ロワではそれは不可能のようだった。
そして知ってか知らずかウォットが走り去った方向とは逆の方角へ向かう継識。

『僕がこんなだから他の書き手さんもあんなだろうしなあ。やっぱりあちこち探し回らなきゃいけないみたいだ』
『ああ、そういえば』
『毒吐きは蘇生で云々言ってたんだっけ?全く、蘇生ごときで荒れるなんて馬鹿馬鹿しいよ』


『1日目の黎明で/E-4にいるよ』
『零崎継識(◆VxAX.uhVsM)@新西尾維新バトル・ロワイアル』
『状態?』『いたって健康さ』『さっきまで死んでいた?』『何言ってるんだい』
『外見は』『球磨川禊@新西尾維新バトル・ロワイアル だぜ』
『装備は』『大螺子@新西尾維新バトルロワイアル さ』
『持物は』『基本支給品、ジャンプ最新号@現実』
『思考とか?』
『基本方針は新西尾ロワの皆と帰る、少なくとも誰か一人は生還させたいね』
『1番目は新西尾ロワの書き手の皆を見つける事かな』
 ※大嘘憑きによる蘇生は少なくともあと一回はできますが、場合(とその場のノリ)によってはもっとできるかもしれません。



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096:ライブ感が大事な話 ◆投下順に読む 098:[[]]
003:その男、最速につき ウォット・ザ・エクスピード
061:あの画像が今――――! 零崎継識

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最終更新:2013年12月13日 07:30