「……とは言ったものの、誰も見つからないんだよな」

ネラー・ザ・ダークネスは動いていた足を止めて言う。
あれからかれこれ数分歩いているが、誰一人見当たらない。
いや、だからといって殺し合いに乗っている人に出会っても困るのだが。
2chロワの投下数トップ書き手として、ネタを探し求めなければいけないのだ。

「まぁ、まだ殺し合いが始まってそんなに経っていないしな……とりあえず適当に誰かを……ん?」

暗い中に、微かに光る何かを見つける。
参加者かもしれないし、接触しない理由もない。
とりあえず、近づいてみる――――と、よく見るとそこにいたのは学ランの少年であった。
何かを読んでいるようだが……声をかけていいものだろうか。
いや、考えてみろ。 ここで声をかけずにいつかける。
いつやるの? 今でしょ! って前誰かも言ってた覚えがある。
何事もチャレンジ、レッツトライだ。

「あの、すみません……そこの人」
『……』
「あの……」
『……』

完全に黙っている。
一応、何か読んでる――――っていうかジャンプ読んでるけれども、というか殺し合いの場で何とも悠長な。
少なくとも殺し合いには乗っていないだろうし(乗っていればこんな場所でジャンプを読んでいないはずだ)情報交換くらいはしたい。

「すみません! あの――――」
『……はぁ』

と、少し大きめの声で声をかけた時だった。
その少年はゆっくりと立ち上がり、こちらを見る。

「すみませんあの……」
『ソーリー、悪いが聞こえないよ』
「――――え?」

その少年は左手に螺子を握っていた。
ただの螺子ではない、人を刺し殺せるような大螺子だ。
ホームセンターに行っても売っているかわからないというか、絶対に売っていないサイズだ。
刺される、自分はそう覚悟した。
その少年の死んだような目、やる気のなさそうな真顔、どう考えてもそれは『過負荷』そのものだった。

だが、彼がとった行動は意外な事であった。


グチャ、という擬音が耳に入ってくる。


目の前で、少年は自分の耳に大螺子を刺していた。
そう、マジックでもない。 血がダバダバと出ている。
血の気が引いた、だが少年は焦る様子もない。
それどころが――――


『耳に螺子が入っていてね』


狂ったような笑みを私に見せる。
その光景に恐怖だけではなく、狂気までも生み出てくる。

「っ、う、うわあああああああああああああああああ!!」

いつの間にか自分はその少年から逃げていた。
書き手ってのは、こんな狂った奴しかいないのか――――。
ふと、頭のなかにそんな言葉が浮かんだ。


【1日目・深夜/E-3】
【ネラー・ザ・ダークネス(◆i7XcZU0oTM)@2ちゃんねる・バトルロワイアル】
【状態】恐怖、逃走中
【外見】加賀(擬人化)@2ちゃんねる・バトルロワイアル
【装備】なし
【持物】基本支給品、不明支給品1~3
【思考】
基本:様々な書き手と触れあって、続きを書く為のネタを得る。
1:なんなんだ、あの人……。
2:そういえば、2chロワの他の書き手はどうなってんだろうか。



◆        ◆        ◆



『あーあ逃げちゃったよ……ちょっと驚かせすぎちゃったかな?』

謎の少年――――球磨川禊、の格好をした書き手は笑った。
零崎継識(◆VxAX.uhVsM)――――掲示板の削除人としても、ある意味納得の姿ではある。
継識は耳に刺さった大螺子を引っこ抜く。
そして、その傷がみるみる消えていく。
まるで最初から『無かった』かのように。

『でも、僕のジャンプタイムを邪魔するから悪いんだぜ? せっかく静かに読みたかったのにさ』

と、先ほどまで読んでいたジャンプを見る。
これだけのために、ネラー・ザ・ダークネスは耳に螺子というシュールで恐怖な光景を見せられることになったのだ。

『んー……まぁ、ジャンプ読み終わったしそろそろ僕も行動しようかな』
『どうせ、他の書き手さんも来てるんだろうしさ』
『僕みたいなのまで呼ばれたんだ、きっと来てるだろう他の人も探さなきゃね』

『1日目の深夜で/E-3にいるよ』
『零崎継識(◆VxAX.uhVsM)@新西尾維新バトル・ロワイアル』
『状態?』『いたって健康さ』『耳に螺子が刺さってた?』『何言ってるんだい』
『外見は』『球磨川禊@新西尾維新バトル・ロワイアル だぜ』
『装備は』『大螺子@新西尾維新バトルロワイアル さ』
『持物は』『基本支給品、ジャンプ最新号@現実』
『思考とか?』
『基本方針は新西尾ロワの皆と帰る、少なくとも誰か一人は生還させたいね』
『1番目は新西尾ロワの書き手の皆を見つける事かな』

059:いのちあるもの ◆時系列順に読む 066:受け継いだもの/いつの間にか受け継がれていたもの
060:When They Cry ◆投下順に読む 062:101回目のリバイバル
047:書き手として…… ネラー・ザ・ダークネス :[[]]
零崎継識 097:命の価値なんてそんなもん

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最終更新:2013年12月11日 11:39