会場の端っこ、A-7。一人の書き手が、そこにいた。
青みを帯びた髪を長く伸ばした、まだ幼い体つきの少女。
古手梨花の外見を与えられた彼女の名は、 ◆.pKwLKR4oQ。
投下数において二番手以降に圧倒的な差をつける、誰もが認めるオールロワの筆頭書き手である。

「さて、どうしましょう」

眉をひそめつつも、刺して動揺を感じさせない声でpKは独りごちる。

「パロロワをスムーズに終わらせるには、死者を増やすというのが一番手っ取り早い手段です。
 ならば、無差別マーダーが一番ロワの進行に貢献できるのです。でも……」

彼女が所属するオールロワは、参加者数が100人を超える大規模ロワである。
故にそのトップ書き手であるpKは、結果として作品の中でたくさんのキャラを殺してきている。
彼女に、無差別マーダーになる下地は十分にあった。しかし、pKはその道を拒絶する。

「仲間がいなくなるのは、寂しいですから……」

現在、オールロワはお世辞にも盛況とは言えない状態だ。
今でこそ何人かの書き手が戻ってきたが、一時は約1年間pK以外の投下がないという時期すらあった。
彼女は、孤独のつらさを知っている。だから、それを他ロワの書き手に味わわせるわけにはいかなかった。

「行きましょう……」

彼女がデイパックから取り出したのは、小さな赤い宝玉。
パロロワではすっかりおなじみのインテリジェントデバイス、レイジングハートである。

「レイジングハート、セットアップ!」
『Ready』

電子音声と共にレイジングハートは杖へと姿を変え、それと同時にpKの服装も変化する。
それは高町なのはの白いバリアジャケットではなく、オールロワ本編でも梨花が魔法少女の衣装として着用していた巫女服だった。

「仲間を失って悲しむ人が、ちょっとでも少なくなるように……。
 このロワは、僕が終わらせるのです! 全力で!」

決意の言葉を口に出して叫ぶと、pKは会場の中心に向かって飛び立った。


【一日目・深夜/A-7 雪原】

【◆.pKwLKR4oQ@オールジャンルバトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】レイジングハート@ニコロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
1:全力で対主催!
※外見は古手梨花@ひぐらしの鳴く頃にです。

012:途上の物語 ◆時系列順に読む 014:参戦
012:途上の物語 ◆投下順に読む 014:参戦
◆.pKwLKR4oQ 067:向こうとした先/向く先

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年04月26日 20:24