例えば、生まれたときの記憶、あなたはそれを持っているだろうか?
もう一つ例をあげるなら、死んだ瞬間の記憶。
前者は間違いなく『覚えていない』し後者は『知る術がない』だろう。
だが、少女は持っていた。前者である、己が生まれた記憶を。
赤い瞳、流れる川のような銀髪、自身の名を名乗らず完全者という存在になった少女の姿を持つ書き手。
「何故我がこの殺し合いの場に呼ばれたのか、あの男の真意などわからぬし、従うつもりも毛頭ない……が」
その書き手は、先ほど主催者として書き手達に殺し合いを宣言した感電氏その人。
しかし彼は、主催者ではなく、Perfect World Battle Royal……略してPWBRの書き手……というか、スレ立てから投下から保管からWiki管理から殆ど1人で獅子奮迅の活躍を見せている、PWBRの感電氏である。
故に、彼に他の記憶はない。様々な作品を描き、時に真摯に、時に予想外に、まさしく百面相と言える物語を作り出す彼の一面、と表せばいいのだろうか。
彼はつまり、PWBRそのものだ。
口調も本来の彼よりは、刺されたメモリの影響が強く。
「我が行うことは……ただ一つ、記憶の増産、それだけよ」
PWBRは、参加者達のそのニッチさや知名度の低さからか、他のロワに比べれば作品数……記憶の数が少なかった。
口調こそ、少女完全者であるが、彼が望むことは自ロワを広め、誰かに読んで、書いてもらうという、おそらく大多数のロワ書き手が秘めては晒していることだ。
体になって、心になって、溶け込んだパロロワメモリを抱いて少女は静かに、ゆっくりと、強く宣った。
「全ての参加者を、全てのロワを『救済』し、我の在処を知らしめてみせようではないか!」
誰かの死に、自身を記憶させよう。
誰かの記憶に、この完全なる世界を伝えよう。
誰かの世界に、救済をもたらしてやろう。
「(我/俺)が書いて、(我/俺)が記憶して、(我/俺)が救おう!そして……(我/俺)と共に(新たな世界/PWBR)へと旅立とうではないか!」
彼で彼女は、二重の声で空を仰いだ。
新世界に至る『救済』の記憶は、未だ足りぬ。
掲げるは、彼女、完全者の武器である魔剣ダインスレイヴ。そして物語を書いてきたその腕。
【一日目・深夜/???】
【感電( ◆LjiZJZbziM)@Perfect World Battle Royal】
【状態】健康
【装備】魔剣ダインスレイヴ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
1:PWBRの存在をしらしめるために人々を救済する。
※救済って言っても助けるんじゃなくて皆殺しにするということ。容姿は完全者@エヌアイン完全世界。
※主催とは無関係。
最終更新:2013年04月12日 22:33