人気のない深夜の家電量販店。
様々な電化製品が連なるそんな場所で蠢く一つの影があった。
それを"人影"と表現しなかったのは、影の正体がヒトよりもずっとずっと小さい外見の生物だったからである。



  ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (.;・∀・)< 何のキャラになるかと思ったら……これかぁ
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今となっては懐かしのキャラクターと言ってもいいアスキーアート・モララーに扮した書き手がいた。
彼こそは「2ちゃんねる・バトルロワイアル」のメイン書き手の一人、◆m8iVFhkTec(モララー・ザ・カオス)である。
その筆の速さと広い守備範囲で様々なキャラクターを時にカオスたっぷりに描いてきた彼は、人外とはいっても小さな小さな生物となっていたのだ。
というのも、該当ロワで最初にキャラクターの退場を描いたキャラクターがそれであったからである。


「これがウチのロワ準拠だったら、アレが使えるはずなんだけど……」

そう呟いたモララー・ザ・カオスが両の手にグッと力を入れた。
ス○ー・ウォーズのライト○ーバーならブゥン、と音が鳴ったかもしれないが、それに似たような武器が音も立てずに右手に現れる。
まだ誰の血も吸っていないというのに、その刃は紅に染まっていた。

「よかった、これならまだ戦えないこともないか」

モララー・ザ・カオスはホッと胸を撫で下ろした。
この刃は、モララーの出典元である有名FLASHムービーの『Nightmare City』での設定に準拠したものである。
つまり、刃ばかりではなく高くジャンプして空中で切り合いを演じるだけの身体能力も備わっていることになる。

「でも、これだけじゃ正直不安なんだよねぇ……」

何せ、ロワ書き手というものはどいつもこいつも一筋縄ではいかない相手だ。
登場キャラクターを考えてみても、ファンタジーの域に到達したキャラクターがごまんといる。
おまけに2ちゃんねるロワも例外ではないが、支給品にしたって普通のものの方が少ないくらいなのだ。

メイン書き手とはいえ、歴史の浅いロワの出であるモララー・ザ・カオスにはその辺りが不安要素として頭にこびりついていた。
この姿も決して戦えないわけではないが、他のロワを見渡してみれば素の力では弱者の方に属するかもしれないと考えている。
つまり、真っ向勝負を挑むのはあまりに無謀であると断じたのだ。

「ボクがさっさと退場しちゃったら、2ちゃんロワが全然目立てないからねぇ」

モララー・ザ・カオスはため息をついた。
かと言って、何もせずに日和見に徹したところで自分が、そして自分の出身ロワが目立てないことに変わりは無い。
それなりのスピードで回していながら、なかなか話題に上らない自分のロワに、そして自分の作品に。
どうにかしてこの機会にもっと光を当てる方法は無いものか……モララー・ザ・カオスがしばし考え込んだ。



「う~ん……考えれば考えるほど何すりゃいいのかが分からないぞ……」

長きに渡る思考の末に、モララー・ザ・カオスが一つの結論に辿りついた。

「とりあえず、他の人たちがどうしているか様子見……いや、勉強させてもらおう。
 マーダーが多いのか、対主催が多いのか、それとも単にワイワイしたいだけなのか……
 それを見極めてから方針を決めるのでも遅くはないよね、うん」

言い聞かせるようにして、モララー・ザ・カオスは家電量販店の中を歩きだした。
そして、いくつか目当ての品を手にし、ポイポイとデイパックへと放り込んでいく。
ICレコーダー、デジタルビデオカメラ、集音マイク……

「これだけあればいいかな」

ひとしきり、録音や録画機材を漁ったモララー・ザ・カオスが満足げな表情を見せた。

「幸いにもこの小さな体なら、隠れる場所には困らないだろうからね。
 どこか人の集まるところに行って、有名な人を探してその行動を追ってみよう。
 映像や音声を記録して、書き手としての生き様を吸収できるだけ吸収させてもらおうっと」



こうして、決意も新たに一人のニューカマーが闇へと飛び出した。
研究熱心な彼が何を見て、何を学ぶか……この時点では誰も知る由も無かった。


【一日目・深夜/E-2/家電量販店】
【モララー・ザ・カオス(◆m8iVFhkTec)@2ちゃんねる・バトルロワイアル】
【状態】健康
【外見】モララー@AA(Nightmare City)
【装備】なし
【持物】基本支給品、不明支給品1~3、ICレコーダー、デジタルビデオカメラ、集音マイク、交換用バッテリー
【思考】
基本:他の書き手の行動を記録して研究する
1:人の集まるところで、出来れば有名書き手を見つけて尾行したい

025:OliveOil Lost ◆時系列順に読む 027:「マグニスさまだ豚だって?」 「マグニスさま『が』豚じゃないかぁ!!」
025:OliveOil Lost ◆投下順に読む 027:「マグニスさまだ豚だって?」 「マグニスさま『が』豚じゃないかぁ!!」
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最終更新:2013年04月17日 04:38