「待って」
殺し合いが始まった途端、彼は話しかけられた。
青を基調とした服の上に軽めの鎧、青い帽子に銀の髪。
ドラゴンクエスト6のテリーの姿の彼の名は、星空の守り人・トゥープル。
DQ2ndでも数々の作品を手がけてきた書き手だ。
そんな彼が、早々に声をかけられた。
黒と桃色が混じったような不思議な長髪の、一人の少女に。
「あなた神雷の英雄ね?」
告げられた名前に、トゥープルはハッとする。
それは、DQ1stでの話。
"雷"の異名を持つ最終回書き手、というのも彼のことだ。
今、少女が告げたのは復元されたDQ1stWikiにて彼に付けられたあだ名。
なぜ、少女はその名前を知っているのか。
そもそも、トゥープルの方ですら名乗っていないというのに。
「目的は……?」
武器を持たずとも戦えるフォームに入りながら、トゥープルは少女へと問う。
「特に悪意はないわ、ただ単にそうであるかどうかというのを確認したかっただけ」
長い髪をなびかせながら、至ってクールに少女は彼に言う。
なんだがペースに乗せられている気もしないが、トゥープルは黙って話を聞く。
「私は新安価ロワの魔法少女ジョインジョインZ9よ。
 少女院ジーナとでも好きに呼べばいいわ」
いや、別にそこまでは言ってないと心の中で突っ込みながらも、続く少女の言葉を待つ。
「新安価ロワと暁美ほむら、この二つが関連するのならば、私にとって貴方は最高のパートナーになり得る。
 だから声をかけさせてもらったの」
新安価ロワ、噂には聞いたことがあるが一週間という爆速で完結したロワだ。
そのロワの人間が、なぜ自分に声をかけてきたのか。
「……話がいまいち見えないが」
トゥープルは、思ったことを正直に言う。
知らないことは知らない、と言っても大丈夫であると踏んだ。
少女は一息の後に続けて喋る。
「話すと長くなるけど、ほむらであるということは領域「アンバー」が使用できるということ。
 いわば許されたメタ視点、ということね。
 貴方の"もう一つの名前"を知ることができたのもそれが理由よ」
よくわからない固有単語がチラホラ出てきて話の本質を見抜くことができない。
いや、固有単語は十八番のRPGを題材としたDQ書き手が言うべき台詞ではないのかもしれないが。
そんな懸念をよそに少女は話を続ける。
「そして、新安価ロワは"ゲーム"だった。
 キャラクター達は所詮基板を流れる電流でしかない。
 さらに新安価ロワのほむらは"名前から関連する力"を使うことができた。
 もう、わかったかしら?
 暁見ほむらの姿である私にとって、貴方は"この上なく相性のいい"パートナーなのよ」
「……なるほどな」
だいたいの話は読めた。
"名前"が関連する能力なのだとすれば、自分の名前から力を引き出そうとしているのだろう。
そして雷、つまり電気があればこの殺し合いを打破できるかもしれないと考えているのだ。
「ほむらは登場話しか手がけてないはずの私が、ほむらというのも変な話だけれど、ね。
 これはもしかしたら、感電の用意した罠かもしれない。
 新安価ロワの最終回を書いたのは、彼だから。
 下手に"雷"から"電子"へ変換して脱出なんてしようものなら、それこそ自殺行為ともいえるわね」
だが、そうもホイホイ脱出できるわけもなく。
主催であるラジオツアーの人間は、それくらい対策を張っているだろう。
ましてや、自分の書いた最終回なら。

「じゃあ、お前はどうするんだ?」
脱出を封じられている状況なら、彼女はどうするのか。
トゥープルは少し構えながら、少女に聞いた。
「ほむらの目的は"殺し合いゲーム"の破壊。
 せっかくチート増し増しのこの体になったんだから、大暴れしたいわよね」
答えは願い通りのもの。
きっと彼女と戦うことになれば、そんじょそこらの消費では済まないからだ。
まあ、仲間としてはこの上なく心強い。
スタンスをどうするかも決めかねていたが、ここは対主催と行こう。
テリーはかっこいいキャラだと、証明しなくてはいけないからな。
「それじゃ、よろしくね。トゥープルさん」
「……自己紹介が省けて助かるぜ」
差し出された手を握り、トゥープルはニヒルに笑った。

【一日目・深夜/A-5/せつない雪像前】
【星空の語り人・トゥープル(◆2UPLrrGWK6)@DQ2nd】
【状態】健康
【外見】テリー@DQ6
【装備】雷鳴の剣@DQ2nd
【持物】基本支給品、不明支給品0~2
【思考】
基本:さて……

【魔法少女ジョインジョインZ9(◆Z9iNYeY9a2)@新安価ロワイアル】
【状態】表記する必要などない
【外見】鹿目まどか風アンリミテッド暁美ほむら
【装備】表記する必要などない
【持物】表記する必要などない
【思考】
基本:"ゲーム"の破壊
【備考】
※本編同様、領域アンバーでいろいろできるみたいです。

039:行け!! この地の何処までも!! ◆時系列順に読む 040:生きた証を残すため
039:行け!! この地の何処までも!! ◆投下順に読む 040:生きた証を残すため
星空の語り人・トゥープル
魔法少女ジョインジョインZ9

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最終更新:2013年04月22日 00:40