(さて、どうしたものかしらね……)
柊かがみの姿をした書き手が、頭上を仰ぎ見ながら思考する。
彼女はリリカルなのはクロス作品バトルロワイアルの書き手、非情の殲滅者。
見た目にそぐわない物騒な名前は、大勢の参加者を殺してきた、その仕事ぶりから名付けられたものである。
(見た目がかがみだったのは、まぁ、ちょうどよかったわ)
ホントはなのはの姿が欲しかったのだが、この際贅沢は言わないでおく。
派手好きな展開を好むなのはロワ書き手達の中、彼女は堅実なSSを投下して、地道にキルスコアを稼いでいた。
その姿勢は書き手ロワでも変わらない。
騙しや奇襲を最大限に駆使して、最小限の労力で、他の参加者達を暗殺していく。
なのはロワの仲間への義理立てなど知ったことか。とっくにあのロワは完結したのだ。
幸い、元が一般人であるこの姿なら、他の書き手達も油断してくれるだろう。
柊かがみのジンクスも、そろそろ時効だと信じたい。
「?」
そう思った、その時だ。
背後の扉が開け放たれ、そこから何者かが出てきたのは。
(これは……一体、どのロワの書き手なのかしら)
やって来たのは、何とも奇妙な風体の少年だ。
年齢はかがみよりも、若干下といった具合だろうか。
まるで原始人のように、腰布と槍を身に付けた姿は、寒くないのだろうかと心配になる。
「ああ、よかった。ちょうどよかった」
原始人然とした少年は、そう言って歩み寄ってきた。
殺すべきか? いやいや、相手は武器を持っている。正面から挑むのは面倒だ。
ここは油断させておいて、不意打ちで始末するのが妥当と言えよう。
「君のような書き手を探していたんだ」
「? 私のような?」
「ああ。こんなロワに呼ばれたのでは、いつ殺されるか知れたもんじゃない。自分が生き残れるという保障もない。
もちろん、生存のためには全力を尽くすが、保険をかけておかねばと思ってね」
保険、とは一体どういうことだろうか。
自身の作戦を考えるよりも、そこが引っ掛かり、首を傾げる。
「私は私が生きた証を、この世に残しておきたいんだ。そのためには、君のような女性の協力が要る。
ドーパントとやらの身体では、不確定要素はいくつかあるが、それでも打てる手は打っておきたいんだ」
ちょっと待て。何だか雲行きが怪しくなってきたぞ。
生きた証を残すというので、女性で身体というのはどういうことだ。
ひょっとするとこれはアレではないのか。こいつはそういうことを要求しているのではないのか。
何となく事情を察した顔が、かあっと赤くなっていく。
冷酷な暗殺者の指先が震え、だらだらと冷や汗が流れ落ちる。
刹那、原始人の左手が、非情の殲滅者の肩に勢いよく置かれた。
びくっと震える少女に対して、少年は大声で要求した。
「私の名は誘惑の蛇! 古生物ロワに所属する書き手だ!
頼む、一発ヤらせてくれ!! 私がこのロワで倒れた時、私の子を産んでもらいたいのだ!!!」
「絶ぇっっっっっっっっっっっっっっっっっ対にイヤッ!!!!!」
反対する非情の殲滅者の声は、それ以上に大きかった。
こいつは殺そう。作戦とか関係なしに今すぐ殺そう。
顔を真っ赤にして怒り狂う殲滅者が、ファイティングポーズを取るまでに、さほど時間はかからなかった。
【一日目・深夜/D-5 商社ビルの出入り口前】
【非情の殲滅者(◆HlLdWe.oBM)@リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル】
【状態】怒り、赤面
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】基本:優勝狙い。最小限の労力で、他の参加者達を暗殺していく
1:誘惑の蛇はとにかくぶっ殺す
※外見は柊かがみ@らき☆すたです
【誘惑の蛇(◆BdIG1U8FAs)@古生物バトルロワイヤル】
【状態】健康
【装備】石槍
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:生き残る。もしくは自分の生きた証を残す
1:非情の殲滅者に子を孕んでもらう
※外見はY染色体アダムです
最終更新:2013年04月26日 18:23