気持ちの整理がつかないまま翌朝を迎えていた。
結局昨日はよく眠れなかった。
朝食を食べて着替えた私はベッドで横になり、天井を見上げていた。
なんと言おうか、バイトのことよりも自分自身のことについてが心配だった。
心配で心配で仕方ない。
はっきり言って、新たな生活環境に慣れるのが私は遅いほうだ。そのせいで酷い自己嫌悪に陥らないか……と。
それが旅館で働きたくない理由の一つ。
高校に入学して数ヶ月。
自分と周りに齟齬を感じ、『その他大勢』と違う私に何度も自己険悪に陥りかけていたことが何度もある。
決して自惚れなんかではない。ハッキリとしたマイナスが私の中にある。
慣れるのに遅い理由や自己嫌悪に陥りやすい『その理由』はめったな事がない限り他人には話せない。
今までその自己嫌悪の悩みを人生の中で話してきた人の数は片手だけで足りる。
お母さんやお父さんはそれを知っているからこそ、住み込みで早いうちから社会に出そうと考えた。私のことを心配した上でのこと。
これはお母さんやお父さんが用意してくれた精神的に向上するために必要なこと。
それでも、身体が嫌がる。
私は寂しがり屋だ。誰かと一緒で無いと不安だ。
だから普段は失敗しても、くよくよせずに明るく振舞っている。
明るい私に自然と人も寄ってくる。
でも、あまり人と関わりたくないのも……本音だ。
相手を信じ、(本当にちょっとした事なのだが)裏切り、裏切られたり、期待はずれをしたり、されたり……。
そのたびに心が傷付く。
傷つくのが嫌なら誰とも関わらなければ良い。でも寂しがり屋の性分がそれを拒む。
そして無理して、苦手な人とも表面上は仲良くして、溜め込んで………………誰もいないところでふと、涙がこぼれる。
「美雪! そろそろ出掛ける支度しなさい!」
一階からお母さんの声がする。
ゆっくりと私はベッドから起き上がった。
これはもう決定事項。覚悟を決めなればならない。
大きく深呼吸をすると忘れ物はないかと確認し、私は今日から……たまにしか帰らない主を待つことになる部屋を見つめた。
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