携帯電話のアラームが鳴り響く。
手探りで携帯を掴むと、画面を開き、時刻を確認する。
「んぁああぁぁぁぁぁ……。もうこんな時間かぁ……」
なんだか疲れがとれない。それを裏付けるようにまぶたが痛いくらいに重い。
私はまだ若いはずなんだけど、もしかしたら体は思っているより若くないのかも……。
とても嫌なことだが…………。
そもそも、そんなの認めたくは………………。
嫌な考えを認めたくない小さな足掻きのように寝返りをうつ。
「…………あれ? 美雪は……」
視界に入った美雪の布団は既に畳まれてて、美雪は……いない。
一気に眠気が覚める。
「あいつ、妙なことしてんじゃないだろうな?!」
最近わかったことだが、美雪は良くも悪くも好奇心の塊だ。
和モノにすごく興味があるみたいだ。
最近の傾向だが、あたいの持ってるもので、美雪が知らないものだと即質問攻めだ。
……それが変な方向に暴走したか?
昨日はあの後、質問攻めにあった。寝不足の原因はそれか?
私は着替えもしないまま、美雪を探すことした。
従業員スペースにはいなかった。
少し不安を覚えたが、すぐにそれは解消されることになる。
ロビーまで来た時、竹箒の音がして、玄関から外に出てみると、美雪が玄関周りの掃除をしていた。
「美雪ぃ、こんな時間から仕事始めてたのかぁ?」
すると、美雪はあどけない笑顔で答えた。
「いち早く玄関を綺麗にして、朝早くに出発するお客さんに気持ち良く利用してほしかったんです」
「そうか……。でも、こんなに早くなくてもよかったんだけどな……」
そもそも今日は早く出るお客様はいないのだけど。
「奈積さん、何か言いました?」
「いや、なんでもない。私が起きた時に、あんたがいなくて驚いただけだからさ」
「そう」
そう言って、美雪はうっすら雲のかかる空を少し向いて掃き掃除を続けた。
どこか清々しい笑みをしている美雪の瞳にはどんよりした空も、清々しい景色が映ってる。
そんな気がした。
私の見た限り美雪は異聞以外に何か抱えている。
異聞の使用の是非よりも、もっと奥深い何かを。能力の事ではない何かを。
そして、再び異聞のことで悩むかもしれない。
多感な時期だ。色々と考えが変わったりするだろう。
まぁ、なんだかんだいって、美雪自身がゆっくりと結論を出せばいい。
どんな結論だって構わない。自分で見つけることが大切なのだから。
私に出来るのは結論が出るのを手助けして、見守る事くらいだろう。
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