何も無い場所だけれ、ここにしか咲かない花がある。
心にくくりつけた 荷物を静かに降ろせる場所……。
私はお母さんや、お父さん、友達を残し……こちらの世界に再び足を踏み入れた。
高校の卒業式を終え、家へ帰る前にトイレへ行くとお母さん言った。
私は隙をうかがい、学校から抜け出した。
そうして、私はあのトンネルを目指して歩み出した。
携帯電話は真っ二つに折って投げ捨てた。
制服姿の私が背負っている三年間使った鞄の中には今までの思い出を……。
手には人間の世界に存在した証拠の卒業証書を……。
今から一年前…………。
『あの人』……ハクが人間の世界に戻ってきてくれて私との再会を果たしてくれたのは。
でも……それは一瞬の出来事だった。
ハクは人間の世界では居場所を失った崩れ神。
長い間人間の世界に留まる事も出来ず、もうこの世界に来る事も出来ない事をハクの口から知った。
私はハクと離れたくない一心で、ハクを抱き……くちづけをした。
そして、ハクは消えた…………。
今日までの一年間、私はハクへの想いを積もらせて生きてきた。
ふいにこみ上げてくる悲しみに耐えながら生きてきた。
寂しさ隠せずにいるなら一人になればいい。それが出来ずに周りに当り散らしたこともある。
出会いの数だけ別れがある。でもハクのことだけは割り切れなかった。
もう、二度と別れたくない………………。
だから、今度は私がここに来た。
あの優しかった『場所』は今でも変わらずに私を待ってくれていますか?
そう遠くない場所から波の音が聞こえる。
波の音を聞いているとハクのこと、神隠しに逢った時のことを次々に思い出してゆく。
海を作りだした雨は先程まで降っていたのか石畳ではない箇所の道はぬかるんでいた。
ローファーに泥が付いた少し嫌だが、私が付けた足跡は今ここで確実に生きている証を刻んでいる。
森に入るまで何度も振り返った遠ざかる街に唇かみしめた。
確かにハクの事が何事にも代えられない大切な存在。
だが、両親や親友、先生とか私を支えてくれた人が大切じゃないとは嘘になる。
今まで慣れきった現代的な文明を捨て去る事にもまだ未練がある。
でも、その想いは……悲しみはその先に待っている幸せを教えてくれている。
個人的な我が侭で一生会う事ができず、突然行方不明になった私を心配してくれる人たちのことを考えるとやっぱり心が痛む……。寂しい……。
気が付くと…………制服のスカートの折り目を握りしめていた。
それでも…………。
『ハクに会いたい』
そんな願いは言霊となり、風に吹かれて空へと舞っていく気がした……。
ここにしか咲かない花。
ここにしか吹かない風。
ここでしか聴けない歌。
ここでしか見えないもの。
ここにしか……。
ここにしか…………。
ずっと想い続けた『あの人』に逢えるまで、もう少し……もう少し…………。
あの優しかった『人』は今でも変わらずに 私を待ってくれていますか?
……著作権とか大丈夫だよな?
二次創作な時点で怪しいし、歌詞をそのまま使っているとか末期ww
もし何か問題があれば消すつもりだけどね。
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