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 天の邪鬼と小人が起こした異変が解決して、秋を迎えた幻想郷。


「れ~む~。お茶~」
「私は冷たい麦茶でな」
「私はあなた達の世話係りじゃないのよ!?」
 博麗神社の巫女、博麗霊夢が声を荒げるのには理由がある。
 招待したわけでもない二人の金髪少女がさも当然のように居間でくつろいでいるからだ。
「呼んでもないし、来るとも聞いていないあんた達の面倒をなんで私が見なきゃいけないのよ」
「何も催し事が無い日に参拝客は来ないんだから、問題ないだろ?」
 霊夢とはもはや腐れ縁とも言える霧雨魔理沙が悪びれもせずに言う。
「だから、あんたらみたいな魔法に魅入られた人間や妖怪がいるから余計来なくなるんでしょ」
 霊夢がきつい眼差しを向けた先には霧雨魔理沙の他に宵闇の妖怪、ルーミアがいた。
「じゃあこいつはいても問題ないのかよ?」
 ちゃぶ台の上の針妙丸を指差して、魔理沙は言う。
「当たり前じゃない。野宿でも全然平気そうな金髪二人とは違うんだし」
「魔理沙はともかく私は家がないとだめ」
 心外だ、とルーミア。
「私だってか弱い乙女だせ?」
「マスパをぶっ放すような人間が弱い訳がないわ」
 さらりと毒づく霊夢。
「それに今さらじゃない? 私はずっと博麗の巫女には良くしてもらってるし」
 結局お茶の用意に向かった霊夢を見ながらルーミアは言った。
「確かに一時期寄りつかなかったけど、確かにこいつ私が小さい頃からいたわね」
 霊夢は飲み物の用意をしながら、昔を思い出していた。
「ふぅん。それで、何で一時期神社に来なかったんだ?」
「悪霊や鬼がいる神社なんて妖怪でも寄りつかないよ。……宴会以外は」
 妖怪の巣窟とも噂される神社は弱い妖怪も普段は寄りつかない神社になったいたらしい。
「まぁ、悪霊も鬼もいなくなったから平和になったから良いけどね」
「結局神社に来るのが妖怪なら、私にとっては変わらないわよ」
 霊夢が冷たい麦茶を持って居間に入る。
「とにかくよく神社の周りにいる妖怪一号はルーミアってことになるんだな」
「ちなみに二号は?」
「風見幽香」
 魔理沙の発言に他の三人は一人の強力なあの妖怪の姿を思い浮かべ苦笑した。
「呼んでもない宴会に色々集まるのは幽香の仕業かしら」
「ところで、ルーミアさんは霊夢と付き合い長いんですか?」
 ずっと黙っていた針妙丸がルーミアに恐る恐る尋ねる。
 ルーミアが比較的弱い妖怪でも針妙丸からすれば恐い対象だった。
「だから「さん」はいらないって言ってるよね?」
「はぁ……」
 ルーミアが何度「さん付けはしなくて良い」と言っても針妙丸は直そうとしなかった。
「そうよ。堅苦しくなくて良いから。ルーミアは激弱だもん」
「そうだぜ。小さいままのお前でも良い勝負になるんじゃないか? スペルカードルールが前提だけどな」
「自分で言うのもおかしいけど、私弱い方だし。スペルカード抜きでも」
 本人含め、全員がルーミアは弱いと言う状況に針妙丸は思わず吹き出した。
「でも、なんというか、さん付けのほうがしっくりくるの」
「なら、それでも良いけどさ。それで私と博麗……霊夢との付き合いだっけ?」
「はい。とても仲が良さそうだったので」
 ルーミアは少し懐かしむ表情をした。
 姿は幼くても、人間より長い時を生きている。それを否応無しに感じさせる。
「私の方はさ、霊夢が赤ん坊の頃から知ってるの。その頃にはとっくに博麗の巫女には良くしてもらってたの」
「じゃあ、私よりも付き合い長いのかよ、霊夢とルーミアは」
 親友でライバルな魔理沙よりも付き合いが長いことを自慢げにルーミアは笑う。
「本当、小さい頃の霊夢は素直で可愛かったよ」
「親戚のおばさんかお前は」
「というか今は可愛くないみたいな言い方が気になるんだけど?」
「そりゃ、妖怪は片っ端から退治する巫女だろ? 字面だけなら可愛さの欠片もないな(笑)」
 魔理沙の軽口にルーミアはレミリア・スカーレットの起こした異変を思い出した。
「……紅霧異変の時は怪しいからって私も退治されたっけ。先代だってもう少しは理性的だったよ」
「もはや通り魔だな」
「んなわけないでしょ! 妖怪は人間に退治されるものなのよ。それに紅霧異変の時はルーミアもノリノリだったじゃない!?」
 自分は正しいのだと霊夢はいつもの主張をする。
「まさか全力で来るとは思ってなかった。……まぁ、霊夢の昔話は今度するとして、」
「いや、やらなくても良いから。というか話さないで」
 幼い頃の恥ずかしい記憶があるのは霊夢とて例外では無いらしい。
 


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最終更新:2014年12月02日 00:26