『長門と朝寝』
暁の女神が紫の帳を開けた。
基地内の居住区にも、金の陽は差し込んでくる。
目を閉じていても入って来て、まどろんでいる者も現実に引き戻してしまうほどだ。
提督は、目醒めたままベッドに横たわり、今日の業務内容に思いを巡らせていた。
深海棲艦との戦いのため、資源は本部から全艦隊へ供給されている。
だが、一日や一週間ごとに本部から示される任務をこなした艦隊には、優先的に戦略資源が配給されるのだ。
目を閉じたまま、提督は眉間に皺を寄せた。
……腹時計が間違っていないとすると、これは……
すると、親愛に満ちた囁きがすぐ横から響いた。
「おはよう、提督」
「……おはよう、長門」
提督は、渋面のまま目を開けた。そして自分の顔を楽しそうに見ているルビー色の瞳に目を向けた。
微笑を浮かべた秘書艦は、彼の枕の横に頬杖をついて彼を見下ろしている。
彼女はただの女の姿になって、提督と同じようにベッドの中に寝転んでいた。
外された艤装はベッドの横に置かれ、用済みという言葉を体現するようだ。
横目にそれを捉えつつ、提督は体を起こした。
頭を掻きながら壁の時計に目をやると、機巧は彼の予想と違わない時刻を示している。
「長門」
「何だろう、提督?」
「予定していた起床時刻を過ぎている。どういうことだ?」
「あなたの寝顔を見ていた」
長門はまったく悪びれずに答えた。
司令官の顔から視線を離さないまま、彼女は朝顔のように顔をほころばせた。
「いつもの顔も悪くないが、こちらも子供のようで可愛らしいものだな」
提督は秘書艦に懐疑的な目を向けた。
長門は相変わらず彼を見つめ返して微笑している。
「ふむ」
提督は頷くと、彼女の桜色の頬に手をやった。長門は満面の笑みのまま目を閉じた。
期待に満ちた彼女の顔に体を傾けた提督は、自然な動作で唇を重ねる。
しばらく感触を味わった後、彼が顔を離しても、長門は睫毛を伏せて余韻に浸っていた。
頬を撫でられ、長門は猫のような声で鳴いた。
普段の武人然とした姿とはまた違った様子に、提督も唇の端を曲げた。
「たしかに、朝に見るお前もかわいい」
「ふふ」
長門は目を開けると、紅玉色の瞳に咎める色をこめて提督を見上げた。
「それにしても提督、あなたはひどい人だ」
「いったい何のことだ?」
頬を撫でる手を捕らえ、長門は優しく叱るような口調で言った。
「最近は演習ばかりで、私に前線をなかなか任せてくれない。まるで陸奥ではないか。
それに、ケッコンカッコカリが実装されるというのに、私より先に北上が最高レベルへ到達しそうだ」
「ああ。あれか。でも実際どんなもんかはわからんぞ」
長門の頬を撫でまわしながら、提督は眉を吊り上げた。
「北上さんがお前より先にレベル99になりそうなのは、演習にも前線にも連れ出してるからだ。
戦艦が魚雷と甲標的を詰めれば違ってたかもな」
「むう」
「つうか、そうだ。朝の演習。朝くらいしか午前の分の演習の時間はねえんだぞ」
提督は時計へ視線を戻した。
司令部から提示される任務の中には、一日に複数回の演習を行うというものも含まれている。
この任務を完全に消化するには、午後三時、演習相手の組換えが行われるまで、演習を五回行う必要があった。
長門は唇を三日月の形に曲げた。
まだ気づかない彼に身をすり寄せる。
「それは失礼した……」
布団の中で彼に密着すると、長門は提督の二の腕を胸元に抱きしめた。
見返す彼の前で、双丘が柔らかく二の腕を包み込む。
提督が静かに目を向けると、長門は凛然たる美貌に妖花の笑みを浮かべた。
手先を布団の中に差し入れると、提督の下腹部に手を這わせる。
朝の生理現象と、長門に触れられたおかげで、提督の男の部分には血が集まり始めている。
硬度を増す提督を手中に弄びながら、長門は熱のこもった声で囁いた。
「あなたの罰を受けよう」
言いながら、長門の唇の中で、ピンク色の舌が毒虫のように蠢いた。
すでに熱をもって欲望の捌け口を探していた男根は、それを見てますます充血した。
鼻腔に、かすかに欲情した牡の臭いが入り込んでくる。
長門に握られた部分を布団の上から指さし、提督は言った。
「じゃ、こいつを何とかしてくれ。美人の秘書艦は目に毒だ」
「了解した」
布団をずらし、長門は彼の下半身を外気に晒した。
寝衣の隆起した部分の上に体を動かすと、充血して十分に勃起した男根を取り出す。
天を衝いて反り返った男根を見て微笑すると、長門は恋人に愉快そうな目を向けた。
「こちらも、可愛らしいものだ」
「お前ほどじゃない」
言いながら提督は、スカートをめくり上げ、完璧な桃のような長門の尻を撫で始めた。
下着をずらしてしまった後、決して長門の陰には触れないまま、その感触を味わう。
真っ白な肉に指を埋め、柔らかく跳ね返す弾力を楽しむ。
長門は笑声を零した。
「ふふ……ん」
目を閉じ、長門はすべすべした亀頭へ愛情を込めて口づけた。
舌を這わせ、鎌首をもたげた先端にすっかり唾液をまぶすと、脈打つ竿を口の中へ迎え入れる。
髪をかき上げて、長門は奉仕を始めた。
自分の口を犯している肉塊に舌を絡めながら、歯を当てないよう頭を上下させる。
髪にやっていない方の手は、自然に自分の胸を弄んでいた。
服の合間から差し入れて、素肌の乳房を弄ぶ。
柔らかい胸の中で、頂は熱をもって服を押し上げている。
「はは、前見てみろ、長門」
「う……?」
愉快そうな声に目を開けると、目を疑うほどの淫らな光景が長門の視界に飛び込んできた。
寝台の上に横になった提督。
髪の長い女が彼の上に四つん這いになり、彼の眼前に尻を突き上げている。
勃起した陰茎を口に咥えたまま、女は乳房をみずから揉みしだいていた。
彼女は頬を発情に上気させ、欲情に潤んだ真紅の目でこちらを見ている。
鏡台に映った自分の姿に、長門はもう赤くなっていた顔をさらに赤くした。
「あ、これは……」
「お前たちの化粧直し用だったのが、こんな役に立つのは予想外だった」
唇で淫していた男根から、長門が思わず口を離してしまうと、ざらつく舌が彼女の裂け目をなぞった。
「ひあああっ」
鏡に映った女は男の性器にすがりつくようにして崩れ落ちた。
長門の悲鳴を楽しみながら、提督は長門の陰唇を何重にも嘗めた。
逃げ出さないよう長門の尻をしっかり捕まえて、熱く潤い始めた陰に舌を差し入れる。
長門の尻に、提督と長門の涎が垂れ流れて汚した。
長門が目を上げた先では、突き上げた尻を男に舐めまわされながら、彼の股間に顔を埋めるような恰好をしている女が、涙目で悶えていた。
喘ぎ声を出しながら、彼女はあさましく尻を振り、膨れ上がった醜悪な男根へ愛しげに頬をすり寄せている。
「あ、侮るなよ、提督」
唇を引き結んで、後ろから自分を弄んでいる男に宣言すると、長門は鏡の自分を睨みながら、反り返った男根を再び口に含んだ。
舌を絡めて、先程よりも早く頭を動かす。唾液が溢れて、提督の股間を濡らした。
先走った雫の味がしたと思うと、長門の唇に挟まれた亀頭が膨れ上がり、長門の口へ提督は熱い体液を吐き出していた。
知らず、腰を無意識に期待して動かしながら、噴き出した精液を舌で受け止める。
咽喉に飛沫があたらないよう舌を操りながら、長門は自分が男の体液を口に注がれている様子を見届けていた。
長門の口は粘つく体液で満たされた。
「ん、う……」
尿道に残ったものも吸い取ると、長門は上を向いて、自分の口へ吐き出された液を飲み下していった。
一度、二度と、長門の咽喉を青臭い粘液が嚥下されていく。
鼻を衝く臭気に、長門は陶然と胸を撫でた。
その胸を守っていた服が外され、提督と長門の間に落ちる。
提督の体の上に膝を折って座る形になっていた長門が体をひねると、提督は上半身も裸になっていた。
長門の足の間では、提督が力を取り戻して長門の体を押し上げている。
「……ふふ、まだおさまりそうもないな、提督?」
長門は微笑し、男根を柔らかく包んでしごいた。
長門の方も、提督の上に乗った尻は熱く燃えて、雄を求めている。
提督は取り払った長門の服と自分の寝衣をベッドから放り投げると、長門と体勢を入れ替わるようにした。
彼は裸身の長門をベッドに押し付けた。
「もう一つ罰を与える」
「存分に罰してくれ」
長門は微笑した。
秘書艦へ自分の隆起した股を押し当て、提督は長門へと侵入した。
白く濁った涎を垂れ流し、熱い肉の襞が歓喜に満ちて男の体を受け止めた。
「結局、演習する時間がなくなっちまった……」
乱れたベッドに横たわったまま、提督が嘆息した。
彼に腕を絡みつかせた長門は、猫のように提督の首筋に鼻梁をこすりつけた。
「愛しているぞ」
「……ああ、俺も愛してるよ」
空に日は昇り、ラバウル基地を照らしている。
das Ende/koniec/конец/おわり
446 :スターリン:2014/02/10(月) 20:01:11.42 ID:Dgaxzjb+
午前中に演習できなかったのはいちゃついてたせいだと補完してます
あ、この長門は提督を造物主とかお父様とか呼んでない設定で
スターリンってのはエロパロ板に落とすときいつも使う名前ですが 保管庫見てみたらシリーズ名扱いされてて笑えました
いえ、面白かったので是非そのままでお願いします
タイトル名を赤くしていただいた同志 ありがとうございました いかにもヤンデレっぽくて僥倖でした
最終更新:2014年02月20日 21:50