鬼。
俺をそう最初に呼んだのは誰だったか・・・
そんなことは知らない。
だけど、人間とは怖いものだとは感じた
1人が言うとまた1人に広まり、段々と鬼から白夜叉といわれるようになった
そして、敵は俺を見ると、大勢でかかってきた。
それか逃げ出すやつもいた
味方の奴らは俺を見た
そして決まってコソコソと話を始める
俺には聞こえないようにこっそりと。
最初は俺には確かに悲しいという感情があった
だが、慣れとは恐ろしい。
そんなことも当たり前となって、俺は白夜叉として崇められた
次の日も次の日も、俺は人じゃない生き物・・異星人の天人を斬る。
赤い血が飛び掛る。
最初は気持ち悪かったが、それも慣れた
血に染まるのが当たり前だった。
仲間を失うことも日常茶飯事だった。
でもそれは慣れなかった。
昨日まで飲み明かしていた仲間。
くっちゃべっていた仲間。
俺を恐れる仲間。
そいつらは次の日には帰らなかった時が多かった
だけど泣く暇なんか無かった
戦場で気を緩めるのは命取り。
仲間を失ったことで泣いて背後でも取られたら大変だ
それを全員承知の上で泣かなかった。
天人を全員追い払い、残った地面には赤い血で染まった大地と。
天人の死体と。
仲間の死体が無残に転がっている。
中には踏まれて原型をとどめていない者もいた
でも泣いちゃぁいけないんだ
これは戦争。
死ぬことを覚悟でこいつらは戦った
不利なのを覆そうと頑張った。
俺が弱気になっちゃいけねぇんだ
だから、心は強く持っていたつもりだった
仲間を失っても冷静に。
冷静に。
冷静に。
冷酷な鬼になるしか無かった。

ふと、俺は呼ぶ声がして目が覚める。
目前には、赤くは無い、天井が遠めに見えた
まだ辺りは暗く、真夜中だろう。
俺は体を起こして周りを見渡す
だが、そこには誰もいなかった
ふと、横を見る。
そこには。
「あ~そういやぁ・・・」
幸せそうな寝顔で寝る、新八と神楽がいた
確か、神楽のわがままで一緒に寝ることになったんだけか・・・
神楽が寝言で俺の名前を言っていた
あぁ・・・呼んだのはこいつか・・・
俺はさきほどまでの夢を思い出す。
血と戦場と仲間、そして俺という鬼。
体が無意識に少し震えた
いやな夢を見た・・・
「久しぶりに見たなあんな夢・・・」
あの夢のせいで寝れそうもない。
俺は起きようと思い、こいつらを起こさないようにゆっくりと立ち上がる準備をする
      • が、腕をがっちりと何かに捕まれた。
「ん?」
捕まえているであろう神楽と新八を見る
「どした?」
「・・・すぴ~」
「・・・・寝てやがる・・・」
がっちりと俺の腕を掴んだまま寝ている。
無理に剥がすのも気が引けて、俺は布団に留まった
壁を背もたれにして、腕の自由が利かないまま、じっと壁を背もたれにぼーっとしていた
腕から伝わるこいつらの優しい暖かな体温が気持ちよかった。

「銀さん、起きて下さい。朝ですよ」
この声で俺はまた目が覚める
だけどまだ眠い。
「あと5分・・・」
「そう言っていつも10分は軽く寝てるじゃないですか。早く起きて下さい」
「あと2分・・・」
「ダメです」
「あと1分・・・」
「いい加減にしろぉぉ!!!」
布団を新八に引っぺがされた。
朝の低い室温が俺の体を通り抜ける
「さむっ!!」
「起きないからですよ」
布団をひっぺがされては何も出来ない。
俺は渋々、布団から出た。
あのまま寝ちまったらしい。
あの夢も見なかった
「神楽ちゃんも早く起きて」
「うるさいアル~もう少し寝かせろヨこのダメガネ」
「眼鏡関係ないだろぉぉぉお!!」
いつもの騒がしい日常だ。
「今日のご飯当番って誰でしたっけ?」
血も見ない、平凡的な普通の日常。
護るべき奴等。
少し騒がしいが、俺はこんな暮らしが出来るとは思ってはいなかった
「多分銀ちゃんネ」
「あ?神楽じゃねぇの?」
「銀ちゃんのはずアルヨ!!昨日私だったネ!!」
「昨日は俺だっただろ!!」
「私!」「俺!」「私!」「俺!」
あの時は神様なんか信じちゃいなかったが・・・
あながち、神様ってのはいるんじゃねぇかなと俺は思った

「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」



 ☆あとがき☆

いや・・・あの・・・えっと・・・ただシリアス書きたかっただけって言うか・・・
ほのぼのも書きたかったって言うか・・・・
色々混ぜて遊んでみたかったって言うか・・・(おまw
銀さんはこの平凡でうるさい生活(笑)が幸せだって感じてくれれば嬉しいなぁ~とか、
銀さんだってきっと弱いんだよね。精神的部分みたいな感じって言うか・・・
悪夢だって見るよね。それを子供達が安心させて安眠みたいなって言うか・・・
本当意味不な物語すみませんでした(苦笑
あ、最後のは新八のつっこみですw多分このあとじゃんけんか何かで決めるんじゃないでしょうか←
(by銀牙)
最終更新:2008年12月20日 20:18