詳細
夢に干渉する魔族
- 睡眠中の相手に精神干渉を行う魔族
- 現在では種族全体で交雑が進んでおり、純血種はほとんどいない。
「夢魔というのは、それほど強力な魔族ではないの。彼らの精神支配が及ぶのは睡眠中などの
無防備な相手だけだから。それに人間との交雑が進んで、純血の夢魔なんて、ほとんど残って
いないしね」
肉体構築
だが遅い。闇を斬り裂いて伸びてきた漆黒の鞭が、その前に死角から古城を打ち据える。
苦痛を訴える間もなく吹き飛ぶ古城。
古城を打ち据えた鞭の正体は、鋭く尖った先端を持つ尻尾だ。魔力で紡がれた黒い尻尾を、
これ見よがしに高く掲げて、小柄な少女が姿を見せる。
身体にピッタリと張りついた水着のような薄い服。その背中には黒い翼が生えていた。
憑依転生
「夢魔という種族は、吸血鬼みたいに不老不死ではないから、転生という形で力を引き継ぐの。
先代のリリスが死んだあと、次の世代のリリスが世界のどこかで誕生する。リリスの器の適性
を持っていた江口結瞳は、偶然、それを引き当ててしまったってわけ」
精神支配
「だから、強力な精神支配能力を与えられた〝夢魔〟こそが、かつて〝生体兵器〟の制御装置
として神々に生み出された存在だ、と推論するのは、多少でも魔術を囓ったことのある人間な
ら、そう難しいことじゃない。クスキエリゼの会長はともかく、太史局なら当然気づいていた
でしょうね」
「莉琉ってば、人の精神が読めちゃうし、うんざりなんだよね。同情とか偽善とか。どうせあ
なたたちも可哀想な子どもを助けて自己満足に浸りたかっただけでしょ。それとも本気で結瞳
に劣情を抱いてたりとか? やだ、古城さんのロ・リ・コ・ン!」
元ネタ
夢魔(Incubus)
古代ローマおよびキリスト教における悪魔の一種。別呼称では婬魔。
人間の夢に現れ性交を行うとされる下級の悪魔。
女性型はサキュバスといい、男性型はインキュバスという。後世のイメージで容姿は美男美女で蝙蝠の羽を背中から生やし、スペードの尻尾を持つとされている。
悪魔は元来生殖能力を持たないが、『魔女に与える鉄槌』によるとサキュバスは自分の誘惑する男性から精液を集め、その後、インキュバスとなって人間の女性を孕ませることで子供を設けることができるとされている。
ジョセフ=アントワーヌ・ブーランによると夢魔の肉体は悪魔や死者の降霊の際に使用される「流体」という物質で作り、それを使って生身の人間と交接するとされている。
宗教的な伝承においては、夢魔との繰り返しの性交は心身を悪化、時には死に至らしめると考えられている。
関連項目
作中で夢魔が使役した古代兵器。
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最終更新:2020年04月24日 00:13