奈須きのこ作品に登場する存在。
魔術礼装あるいは
使い魔の一つ。
映写機に投影される影でできた猫の魔物。
空の境界とロード・エルメロイ二世の事件簿では微妙に異なる。
存在についての詳細
形容
フラットのすぐ後ろを、一匹の平べったい猫が追っているのだ。その異様な速度もさる
ことながら、ぎろりとこちらを見やった目に──瞳はなかった。
すべてが漆黒に塗りつぶされ、厚みさえも感じさせない、平面の猫。
映写体
- 攻防速が極めて高く無敵
- 強化の使い手が強化した肉体を上回る速度・敏捷性を発揮する。
無論、それも魔術師ならではの『強化』を施された走法であり、灌木や茂みも軽々と躱
していくいっそ呆れるほどの身のこなしだったのだが、薄っぺらい猫はぴたりとも離れる
ことなく少年を追跡してきた。
- あらゆる攻撃を無効化する
- 霊体特効の武具でも傷一つつけられない。
- 空間ごと影を消滅させても本体となる幻灯機械がある限り何度でも復活する。
威力こそ平凡たるものの、軌道と効果は千変万化。あるいは炎。あるいは嵐。あるいは
無数の針と化す。ただのひとつも同じ魔術はなく──いや、橙子が看破した通りであれば、
場所が変われば同じ魔術など使えぬのかたてつづけの魔術が猫を爆撃した。
しかし、そのことごとくが猫を傷つけられず、森の樹木や地面にのみ爪痕を残したので
ある。
攻撃手段
黒いネコは二階に到達すると、アルバへと近寄っ
て口を開けた。人間大ほどのネコの体が、その足元
からばくんと開かれる。脳天を蝶番にして開く宝箱
に似ている。
厚さのない、平面のはずのネコの中には、さきほ
ど呑み込んだ異形のモノ達の残骸がドロのようにヘ
ばり付いている。
アルバはようやく得心した。これがネコに似たカ
タチをしただけの、口だけの生き物だったという事
を。
- ロード・エルメロイ二世の事件簿では爪で攻撃する
- 爪は2次元近くまで薄いため神秘を纏っていない物質を切断できる。
その爪の鋭さは知っている。鉄パイプはおろか、爪よりも分厚い鋼板すらたやすく断ち
切るだろう。二次元そのものまで薄くなった爪は、いかなる三次元の硬度もものともしな
い。アッドの神秘としての強度が相手を上回ってなければ、受けた鎌ごと自分も両断され
ていたはずだ。
正体
- 幻灯機械から映し出された映像
- 幻灯機械は空の境界では映写機、ロード・エルメロイでは映写機の機能をつけた鳥の人形。
- 映写機となる本体を不可知の魔術をかけて隠している。
自分の目にすら見えない──おそらくは不可視か不認識の魔術をかけられていたのだろ
うそれは、地に墜ちてようやく形を成した。
鳥を模した使い魔だった。身体と翼は真鍮線で形成されており、瞳は紅玉。さらに内側
では極小のフィルムのリールじみた何かが回転しており、瞳の宝石を通して何らかの光を
投射していたのだ。
元ネタ?
ナハツェーラー(ドイツ語:Nachzehrer)
ドイツの民間伝承に登場する吸血鬼。
正確には死後蘇生した死体で、肉食・吸血・殺戮を好み、その影に触れたものは呪い死ぬとされている。
関連項目
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最終更新:2023年05月20日 01:15