私はイッシュ全土の憎きタブンネを処分する計画を提出した。
最初は可哀想、罪のないポケモンをという反論も出ていた。
しかし時間を掛けていかに害獣か、処分しなければ農作物に被害が出る、繁殖率と人類の関係等というデータを出し、説得し続けた結果愛護派もついに首を縦に振った。
色違いや絶滅防止の為数頭残して隔離するという条件が残ったがまぁ仕方ない。この地方にタブンネ…いや、害獣が居なくなると思えば些細な事だ。
全土のタブンネを処分するといっても政府だけでは手が足りない。
そこでタブンネ一頭につき五十円、モンスターボールで捕獲した場合はそのボール代も返還するという方法を実施することにした。
格安だったかとも思われたが小学生、中学生を中心にモンスターボールが大量に毎日届けられた。
時にはプロのタブンネハンターが何百個、何十頭の子タブンネを捕獲してくる。
受け取ったタブンネはボールから出してボールは再利用、タブンネ本体はガス室で抹殺という方法で処分をしている。
中にはタブンネ虐待愛好会というところへ連れて行かれ、ダルマや肉塊、撲殺死体や水死体となって返還されるものもあった。
死体は大半が焼却処分、もしくは埋め立てで処分されている。
ちなみに既に飼われているタブンネは去勢をすれば現状維持で構わないらしい。
絶滅防止といい特例とはいえタブンネが残るのは腹立たしい。しかしこれを許さねばタブンネ処分など許されなかったのだろうと自分に言い聞かせる。
少なくとも野性で見かけなくなっただけでも良いではないか。
タブンネをこの地から一掃してから一ヶ月、さまざまな変化が起きている。
高級ポケモンショップにはタブンネが並ぶようになった。昔ならば無能タブンネは二束三文の値段で取引されていたのだから信じられない。
今や絶滅器具種とならぶタブンネは無能でも店頭に並べばあっという間に売れてしまうらしい。勿論去勢済だ。
虐待派との衝突を一番恐れていたのだが意外にも衝突は無かった。
今まではタブンネとはいえポケモン、いきすぎた虐待・殺傷を行えば逮捕されていたのだが、闇ショップという形で政府黙認のタブンネ虐待店が出来たのが理由らしい。
店には数々の拷問器具も豊富らしく虐待派にはリラクゼーションスペースとも言える。
タブンネを余り見なくなった現状は心地よい。
しかし時々思う。私は逆に奴等を特別なものへと昇華させてしまったのでは…と。
最終更新:2014年06月22日 22:04