町を守れ

×月○日
最近この街で、タブンネというポケモンが確認された。
くりくりした目に小さな尻尾がとても可愛らしい
×月□日
気のせいか、ここ最近タブンネをよく見かけるようになった。
だがこんな間抜けそうなポケモンが何かするとも思えないのだ。
町興しになると市長は大喜びらしいが
○月△日
今日、息子が泣きながら帰ってきた。タブンネに攻撃されて玩具を奪われたという。
しかし、相手は野生のポケモンである。息子には後日新しい玩具でも買ってやろう
○月×日
近所で妖精グループの♀がタブンネに犯されるという事件が起きた。
おそろしい。我が家も用心しなくては
○月◇日
ここ最近、先日日記に記したような事件が多発しているらしい。
なんということだ。間抜けそうなポケモンだと思っていたらこんな顔を持っていたなんて。
近日中にタブンネ狩りが行われるらしい。
結果が楽しみだ
―――月日
あぁぁ…
許せない許せない許せない許せない
なんなんだあいつらは。ぁああ ぁぁあああ
出来ることなら、あの媚びた目をくり抜いて
口を割いて 首をへし折って 燃やして そして そして

そうだ、次回から俺もタブンネ狩りに参加しよう。
あんな害獣を俺たちの町にのさばらせておいていいはずがないではないか。
徹底的に苦しませて、殺してやろう

△月○日
明日から正式にタブンネ狩りのメンバーになる。
といっても、集団では行わず少数でするものらしい。
なんでもタブンネは聴力が異常に発達しているからだという
△月×日
タブンネ狩りに参加してきた。
今日は手本を見て帰ってきただけだが。
とりあえずここに参考にできそうなことを記しておこう。

  • タブンネという種族は非常に警戒心が緩い。
近づいても一向に逃げる気配がない。何のための聴力なのだろうか
  • タブンネはオボンの実が好物のようだ
  • 基本的にタブンネの攻撃手段はタックルのみである。
それもたいした威力ではないのだが
  • 子持ちタブンネはタブンネ一倍警戒心が強い。
最も、肝心の子供たちの警戒心が緩いので気にする必要はないと思われる

△月△日
本格的ににタブンネ狩りに参加してきた。
収穫は、タブンネの塒を見つけたことだろうか。
タブンネ夫婦に子供五匹の幸せそうな家族だ。
幸せそう?幸せそうだったさ。何故幸せなんだ?何故?
俺のポケモンは?どうなる?幸せを、一生分、奪われたんだぞ?
あの家族をまず、絶望に浸してやろう
△月◇日
今は例のタブンネ一家からの信頼を集めている。
といっても、巣に遊びに行ってはオボンを与えるだけだが
△月◎日
大分タブンネ一家からの信頼を得たようだ。
巣に赴くたびに子タブンネが足にすり寄ってくる。鬱陶しい。
ミッミッ などという媚びたその声も、今に絶望に染めてやる

△月▽日
例のタブンネ一家を家に連れてきた。
理由は言わずもがなだ。
明日から拷問を加えていこう。
後との比較のため、タブンネ一家の様子を記しておく。

俺がタブンネ一家の巣に赴くと、奴らの子供が出迎えてくれた。
ミィミィ ミッミ ミュイミュン
非常に五月蠅い。オボンの実を与えてやると、
ミィミィミュン!
お礼を言い残し、貪るようにオボンを食べはじめる。
全く可愛くない。むしろ…

巣の奥へ行くとタブンネ夫婦と赤子タブンネが歓迎してくれる。
思いつきで
子供を抱かせてくれないか?―――
そう言うと、素直に子供を渡してくれた。
それ程俺を信頼してくれているのだろう。
チィチィ
俺の腕の中で、拳大程の赤子タブンネが媚びた鳴き声を上げていた

□月×日 親タブンネ:生存 子タブンネ:一匹死亡
後で読み返すために、拷問の様子その他を詳しく書いていくことにした。
日記帳の残りページ数が少ないが、多分大丈夫だろう

午前六時、タブンネ共を入れてある部屋に出向く。
新品の毛布の上に五匹の子タブンネと二匹の親が気持ちよさそうに眠っている。
警戒心は微塵も感じない、どこまでも、どこまでも、馬鹿で間抜けで憎らしい。
しかし、そんな幸せはここで終わりさ。二度と感じさせはしない。そう、絶対に。
俺は寝ている子タブンネを一匹袋に詰めた。後は細かい準備をするだけだ。
残りの四匹の子タブンネをゲージに入れ、親二匹は大きめの水槽に入れ、蓋をする。
さぁ、今日からそれなりに地獄さ、糞豚共め……

今日はまだ一日目だ。いきなり何匹も死なれても困るしつまらない。
まずは精神から少しずつ削ってやろう。そうだ、あの子と同じ苦しみを。

ミッ!?
それからしばらくして、親タブンネが目を覚ました。
当然だろう。なんたって親タブンネの水槽に少しずつ水を注いでいるのだから。

ミィミィミィ
と慌て始めるタブンネ夫婦。実に醜い。
さて、ここからが本命。
子タブンネが入ったゲージを水槽の前に持ってくる。
お互いの存在に気付くと子も親も、より激しく鳴き始めた。
そしてここで、先程の袋(透明)タブンネを取り出す。
ミィミィと中で暴れている。今のうちに暴れておくがいい。おくがいいさ

こいつをゲージの中に放り込む。
袋越しに感動の再会を果たす子タブンネ。といっても、現状を理解しているのかは怪しいが。
因みにこいつ等は非常に仲がいい。兄弟がだれかに傷つけられれば、即座に癒しの波動を打つほどに。
そう。とっても仲がいい。そいつはとっても好都合。仲がいいのはいいことだろう。

無邪気で馬鹿な子タブンネ共にこう言ってやろう。
「お前らの親が溺れそうだぞ。大丈夫なのか?」
見ればわかることだが、それすらこいつ等は気付かない。だからわざわざ言ってやるさ。
ミッミッミ!
ゲージ越しに手を伸ばす子タブンネ達。
親も泣きながら手を伸ばす。親のほうは状況を把握しているのだろう。
しばらくそんな間抜けな様子が続いていたが、水が親の腹まで来た頃、
漸く子タブンネが事態の深刻さに気付いたらしい。
いきなり泣き始めた。大声で。だから五月蠅いというに。

しかしまぁ、これを待っていたわけだが。たったいま、この時を。
そしてこう言ってやろうじゃないか。子タブンネ共に向かって大声で
「お前らの親が溺れそうだなぁ。……よし、お前らのゲージの中に居る袋詰めのタブンネ。
ソイツをお前らの手で殺したら…な?また幸せに暮らせるぜ?」
ミ…ミィ?
絶句する子タブンネと親タブンネ。
しかし次の瞬間、
ミギャァッ!?
袋タブンネの悲鳴が上がる。
子タブンネのうち一匹が殴りかかったのだ。さっきとは打って変わって物分かりがいいな。
それに端を発して残りも同様に殴りかかる。
体を小刻みに震わして、目に涙を浮かべながら 何かをつぶやきながら
袋に入れられて動けない子タブンネをリンチにする
ミャッ ミグイッ ギャハゥッ ブフウッ ミャァ…
袋がどんどん紅く染まっていく。紅く…紅く…
ミ…
最後に小さく呟くと、袋タブンネは絶命した

ミギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
親タブンネが物凄い音量で泣き叫んでいる。近所に訴えられても文句言えないなぁ

□月×日追記
拷問のことを友人に話したら面白いものをもらった。
その名もタブンネ専用心読装置。
この装置はその名の通り、タブンネの心を読むことができるという。
タブンネは他人の心を触角を通じて知ることができる。
それを逆に利用してタブンネの記憶を入手できるとか。
早速母親タブンネに使ってみた。

……んん、、何かしら?お腹のあたりが、冷たい?
………あ、あれ?私たち、確かに毛布で寝てたはずなのに、ここは、、、?
…ねぇ、あなた、起きて!起きて!何か、変なのよ!
透明な部屋の中に私たちいるみたいなの!水が!水が降ってくるの!
え?寝ぼけてないわ!さっさと起きなさいよ!

そして子供達は?子供達はどこなの?
て、あぁ!あんなところに!籠の中に閉じ込められている!
なに?なにが起きているの?さては夢?やっぱり夢なのよね!?

そういえばオボンの人(※俺)は!?
あの人も捕まってしまったのかしら…
誰が?何のために?

落ち着きましょう。落ち着こう私。
子供達は無事なんだよね?
ほら…みんな…あれ?一人居ない…?
あ、でもちょっと待って。透明な何かに入れられてるけど、全員居るみたい。
なんだよかった…よかったよ…
ゲージの中で不安そうに、、、すぐ助けてあげるからね。

暫くして
――お前らの親が溺れそうだぞ。大丈夫なのか?
これはオボンの人の声!あの人も無事だったんだ!
私たちのこと、気にかけてくれるなんて…やっぱり人間は優しい。
でも、、確かにマズイかも。。。
水が結構……

お腹が水の中に沈むころ、子供たちが泣き始めた。
柵の隙間から必死に手を伸ばして、、大丈夫、大丈夫だよ!
だからそんなに泣かないd
―――お前らの親が溺れそうだなぁ(ry

え!?今…何て?
まってまってまってまって、やっぱり夢だったの?夢?
人間さんがそんな酷いことさせるはずが!させるわけ!
可愛い子供達にそんな!狡い!いや、そうじゃなくて!
なに?なに?なに?こんなこと!まさか!
私たちは何もしてないのに!特にあの子たちは!
いままで、そしてこれからも幸せであり続けるはずなのに!
駄目!喧嘩はダメ!私たちは平気だから!そのまま待っていて!

ミキサーに閉じ込めれた子タブンネ。昨日のパーティでオレンの実のジュース
を作ってやったからミキサーの威力はよく知っているハズ。
「ミッミッミッミヤァァァァァァァァァァ!!!」
閉じ込められた子タブンネは絶叫を上げ、自分もまたも訪れる死の予感に恐怖
した。恐怖の余り糞尿を垂れ流しながら必死に生き延びようとガリガリと爪を
立てて這い上がろうとしたがもちろん無意味。ミキサーにもカメラは仕込んで
ある。絶望に満ちた子タブンネの顔が俺ん家のテレビに度アップで映った。
他の4匹の子タブンネ達は家族を助けようと体当たりを繰り出すが全く効果は
無い。母タブンネも自分の改造された体にまた、驚きを隠せない様子だ。
「ミッミッミッミッ!?」早く助けなければ、母と4匹の子供達は混乱するし
かなかった。そろそろ別れの時だ。おれはリモコンの黒いボタンをもう一度
押す。
「ミギャアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・。」
ミキサーがフル稼働し、中の子タブンネは絶望の声を上げながら自分の糞尿
と共にカッターに刻まれ溶けていった。このタブンネ集落地獄絵図ショーの
最初の犠牲者がここに誕生した。

□月▼日 親タブンネ:一匹死亡 子タブンネ:生存
例のタブンネ心読装置は実に面白いものを見せてくれた。
今後も使っていくが、面倒なので日記には記さないことにする。
そして今日行った拷問の様子は以下の通り。

昨日と同様に、明け方タブンネどもを起こしに行く。
子タブンネ共はすやすやと寝息を立てて眠っていた。
昨日兄弟を殺したというのに、けろっとしてやがる。
対して母タブンネ。こっちはそうもいかなかったらしい。閉じた目の周りが赤く腫れている。
一晩中泣いていたのだろう。俺は一週間立ち直れなかったというのに。
一晩では足りない。足りるわけがないのだから。愛する者の死にはな。
しかし父タブンネの方は気持ちよさそうに寝ていやがる。
こいつはどういうことなのだろうか。わが子の死が、あの惨劇の末の死が、悲しくなかったのか。
もしそうなら……いや、そうなのだろう。
今日の犠牲者はこいつだ。犠牲者?犠牲か?犠牲者はあいつだ。
こいつらは当然の運命を迎えるだけなのだから。

父タブンネを水槽から取り出して天井から吊るす。
非常に重たい。俺の憎しみの方がはるかに重いのだが、いやそれはいい。
兎に角重いのだこいつ。誰だ31kgとかいった奴は。優に45はあるぞ。
吊るすだけでも一苦労さ。まったく。その分苦しんでもらおうか?体力その分あるんだろう?

水槽とゲージ、両方に蹴りを入れてタブンネを起こす。
ミィ!? チィチィ!
などと慌てた声を出している。気にする必要なんてない。あるわけがない。
むしろ俺の怒りを……もう充分に怒っているわけだが。タブンネと言う種族に対して。
ミッ!ミィミィミィ!
母タブンネが夫の状況に気づいたようだ。
昨日の件が余程効いたのか、涙を流して赦しを請いている(タブンネ心読機より)。
ミャァミャァッ! チィィ!
続いて子タブンネ共も気づいたようだが、こっちは俺に対して威嚇している。
ふぅん。いいのか?別に俺はいいが。寧ろ父タブンネの殺し慨が出来たってもの。

やがてタブンネ共の視点が俺と父タブンネに集中する。さぁさぁ、こっからさ!
苦しめ!悲しめ!泣け!喚け!そして、死ね!
ポケットからナイフとライターを取り出す。
そしてナイフをライターで炙る。熱されて赤く染まるナイフは非常に美しい。
そしてこれからタブンネの血でより紅くなるのだ。
ミャァァアアアアア!
母タブンネが、何をしようとしているのか気付いたらしい。ん、、意外と賢いのか。
よし、こいつは最後まで残しておこう。

熱されて高温になったナイフを父タブンネの耳に当てる。
更にライターを反対側の耳に。
ギャゥギャゥギャゥギャゥ!!
母タブンネの悲鳴をバックに、今!今ここで!ここで!
ミギィィァアアアアアアアアアアアアアアアアアア
そして父タブンネの悲鳴が―――――

ミグゥウウァアアアアアァアアアアアアアアアアアアアア グゥ
片耳は高温のナイフで切断され、片耳はライターで炙られている。
その痛みは尋常ではないだろう。凄い悲鳴、途轍もなく、聞くに堪えない悲鳴。
そんなモノを上げながら父タブンネは気絶した。
ミィミィミィ チィ…
水槽の壁に手をついて、呆然とする母タブンネ。悲鳴あげないのか?上げろよ。
そして父タブンネの有様を見て、昨日の兄弟の結末と被せてしまって、泣きながらゲージの隅で丸くなる子タブンネ四匹。
「明日は誰がこうなるんだろうな?誰がなっても、公平に全員殺していくさ。なぁ?」
こう言ってやったら、震えが一層強まった。こいつらに恐怖を与えるのはたまらんな。
反応がストレートで、全人類のサディズムと、怒りとを、より高めてくれる。

グビィァアアアアアアア(ry
気絶したタブンネの股間を、ライターで炙って起こしてやった。
そのまま、全身に火が燃え移っちまったのは誤算だが。いや、それくらい考えてたさ!
ミギャァアァアア ビィアアア!
全身が焼かれ、必死で体をくねらせるファイヤータブンネ。実にシュールだが、派手でもある。
ミィミィミィ!
遂に母親が泣きだした。今更遅いんだがなぁ。遅すぎる。早けりゃいいってもんでもない。
ミガァッ
て…あー。吊るしてたロープが焼けちまったか。地面に落ちて動かなくなる父タブンネ。
後に残ったのは黒こげのローストポーク。食えんの?
しっかしもっと、苦しんでもらう予定だったのになぁ。
そしてこのローストポークはこいつ等の今日の夕食かな。

夜、餌皿に乗った肉を見て沈黙する母タブンネ。何も言わない。なーんにも。
対する子タブンネ。こいつらは兄弟で取り合いをするほど気にいってくれている。
出してから十分足らずで無くなっちまった。食い意地はるなぁ。薄情者ども。
さてさて母タブンネ。未だに手をつけない。
つーことなので無理やり口に突っ込む。無理やり咀嚼させる。無理やりさせる。
ングッングゥ ン… ウォェエエエエエエエエエエエエエエエエ
何が起こったかは、 割愛させていただこう

□月乙日 親タブンネ:生存 子タブンネ:二匹死亡

初日に行った拷問は、一方的な殺しあいのような何か。なんて呼べばいいのか。
二日目はシンプルな見せしめタイプの拷問。
さて、三日目はどうするか…

朝タブンネどもを起こしに行くと、なんと母タブンネがすでに目覚めていた。
俺が部屋に入るなり、いきなり鳴き始める。
ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-
一定のリズムで、ただひたすらに、俺に向かって鳴いている。
水槽の壁に手をついて、懇願するような眼でひたすらに。
ミ-ミ-ミ-ミ-ミ-
もしかしなくても、謝っているのだろう。それでどうなるというのだろうか。
許しを斯う、ということは俺が許してくれると、俺のことを信じているということ。
因みに涙は出ていなかった。しかし目の周りは真赤だ。涙もでなくなるほど泣いたのだろう。

俺が子タブンネのゲージを指さすと
ミィッ!
ひときわ強く鳴いた。

返してほしいの?
こう言ってやったら、母タブンネはぼろぼろと涙をこぼして泣き始めた。

ゲージの子タブンネを一匹摘みあげる。それを母タブンネへ パース。
ミギィッ
支えきれなくて倒れてしまうが、親子共々無事なようだ。更にもう一匹投げる。
親が受け止められなかったらしい。床に顔面で着地。しかしこっちも無事。
ミミィ!! ミィ!
嬉しそうに俺に手を振るタブンネ。次も!いいですよ!と言ったとこか。
でも、なぁ。うん。ここで最後の二匹渡すはずも、ないよな?
ミィ?
俺の反応がないことに顔を曇らせるタブンネ。
あぁ!その顔だ!それが、もっと見たいのさ!俺は!
残ったタブンネをさ、こう両手で持ってさ、こう言ってやったよ。誰でもこう言いたくなる
「さてさて、こいつ等のうち、どっちを返してほしい?」
………?
母タブンネ、沈黙を確認しました!
「言ってること、分かってるよな?さぁ!どっち?」
ここで母タブンネはどんな行動をとったか。
ミィミィ!
正解は、許しを斯う。当然だな。何の捻りもない。
「んん、、後三秒で頼むよ母タブンネさん?」
ミ…?ミミゥ……
タブンネ、焦る。
「さーん」
チィチィ
自分も母タブンネのとこに行けると思っている子タブンネ。
「にー」
ミギィィゥ…
母タブンネ 焦る 焦る 焦る
「いーち」
ミィ…
母タブンネは、俯いて、左の子タブンネを、大きい方を、選んだ

言われた通り大きなほうをタブンネに投げる。
ミグッッ
よたよたと危なっかしい感じで何とかキャッチする母タブンネ。
ミ…ミィ?
安堵の表情で助かった子供たちを見て、不安な表情で俺の手に残った子タブンネを見る。
その子は?どうなるの?といった顔だ。しかし、そんなのは後回し。
「あー、タブンネちゃん大きい子を選んだの?ヨクバリダナー。
おお、そうだ、一つ面白い話をしてあげよう」
ミ?
キョトンとする母タブンネ。しかしキョトンとしてるだけで、警戒心はない。
何度もひどい仕打ち受けてるのにねぇ。因みに話したのは舌切雀。
「赫々云々で欲張り婆は大きい箱を選んだのさ。タブンネちゃんと同じね。同じだよ。
タブンネちゃんは欲張り婆さ。そしてその箱から出てきたのは……大勢の妖怪♪」
ングングゥ
そこまで話すと先程投げたタブンネが震えだす。
グベァアアアアアアアアアアアアアア!!!
そして大きい箱もとい子タブンネからは大量の植物の蔦が…

目から 鼻から 口から 耳から 兎に角体中の穴という穴から蔦が生えている。
子タブンネは当然即死。生き延びるとよりひどい苦痛に襲われるわけだが。
「ほら、大きな籠の中身は妖怪だったでしょう?欲張りものは損をする。
得たものは妖怪。逃したものは小さな籠。小さな籠の中にはね、大判小判がざっくざくだったのさ」
ヒィイイイイイイイイイ!!???
俺の話なんて聞いちゃいない。ただ我が子の姿に驚いている。
そしてそのまま、、、蔦ブンネを放り投げた。宙を舞う蔦ブンネ。
ミイヒッ!?
母タブンネは自分のしたことに気づいたよう。さっきのは無意識なのだろう。
無意識に子を避けたのだ。極悪非道のママンネはそのまま・・・

ぐしゃっ
追いつくわけないですがねー。蔦に支配されたタブンネの体は落下の衝撃で分散。
タブンネだった何かが母タブンネに降り注ぐ(大した量でもないが)
沈黙していた母タブンネだが暫くすると我が子だったものを掻き集め出した。
ミィ…
心の中で何度も我が子に謝っているのだろう。
涙と血液とよくわからん液でできた何かを見つめている。
そのまま母タブンネは気絶した。

さーて、残った小さな籠はどうするかねぇ。
最終更新:2014年08月03日 23:58