飼っているタブンネがもうすぐタマゴを産みそうだ。
パパンネは得意気な顔でお腹の大きなママンネを見ている。そして……
「ミィ!?ミッミッミッミッ…!!」
ついに二人の愛の結晶がこの世に誕生しようとしていた。
ママンネは仰向けになり普段と違う呼吸を始める。パパンネはママンネの手を取り必死に励ます。
「ミッミッフー、ミッミッフー…」
「ミッミッ!ミッミッ!」
ママンネの両足の間から白いタマゴが頭を見せた。ミッミッフーと呼吸をするたびにタマゴはゆっくりと出てくる。
「ミィミィ!ミッミッ!!」
パパンネが――よくやった、あと少しだ!――と涙を流しながら鳴く。タマゴはもう半分ほど出てきていた。
……僕達二人の初めての、
可愛い赤ちゃん。
生まれたら三人でいっぱい遊んで、いっぱい色んなところに行って、いっぱい素敵な思い出を作ろうね……
タマゴが8割ほど出てきたとき、俺はママンネに近づいた。
俺がこの腐臭を撒き散らす喧しい糞豚どもを飼ってきたその理由、その目的。今こそ達成するときだ。
「ミィ♪」
幸せそうなママンネに微笑みかけ、タマゴに優しく手を乗せる……そして!
タマゴを一気にママンネの腹の中に突っ込んで押し戻す!
「ミヒィィィ!?」
緩んだ胎内にタマゴを戻されママンネの顔が引き吊る。パパンネはいきなりのことに驚き狼狽えている。
そしてさらに……再び膨らんだママンネの腹に渾身の一撃、鉄拳を振り降ろす!
「ビャアアアアアアアアアアア!!!!!」
パキプチというタマゴが割れる音と同時にママンネの絶叫が響き渡る。
白目を剥き、舌を伸ばし、体を仰け反らせるママンネ。顔面蒼白、絶望の表情で俺とママンネを見るパパンネ。
この瞬間のためだけにお前ら糞豚は生かされてきたのだ。
この絶頂のためだけにお前ら糞豚のタマゴは粉々になったのだ。
ざまあみろ。清々しい気分だ。
夥しい血と共にママンネの股間からゴミが流れ出てきた。タブンネの赤ちゃんだった。20センチ程のそれは、タマゴの殻が全身に刺さり苦悶の表情を浮かべていた。
俺はそのゴミを摘まんでゴミ箱、すなわち息も絶え絶えなママンネの口の中に叩き込んだ。
さらにゴミの血にむせて咳き込もうとしたママンネの顔面に勢いよく踵を落とす。
ママンネは前歯が全て折れて醜い顔になった。そして今の蹴りが効いたのか、ピクリとも動かないただの脂肪の塊になった。
「ミィィィィィアアァァァァ!!!」
妻子を殺され発狂したのか、パパンネが凄まじく泣き叫ぶ。
うるさいので蹴りを入れると鼻血を噴き出して倒れた。
こいつももう用済みだ。床を殴って悔しがるパパンネの金玉を踏みにじり、容赦無く潰す。
あまりの痛みに叫ぶことすらできずパパンネは泡を噴きながら真っ赤になった目をゆっくりと閉じた。
……そんな…僕の妻が…僕達の赤ちゃんが…………
終わり
最終更新:2014年08月14日 17:35