世界がまだ戦争中の頃、ホウエン軍はイッシュの制圧作戦に出た。イッシュ軍はヒウンシティに立てこもり、決着の時を待っていた。
ヤグルマの森の中を進軍するホウエン軍。森のポケモン達が何事だ、と草むらの間から顔を出している。
やがてホウエン軍は進軍を中止、広場でテントを広げ昼食の準備をし始めた。
森の中で取った木の実や野菜を器用に切っていく兵士達。
そして沸騰する大きな鍋にそれらを全て入れて、白い粉と牛乳を大量に入れた。どうやら今日はシチューらしい。肉が無いのはご愛嬌。
しばらくすると辺り一面が美味しそうな匂いに包まれた。兵士達は今か今かと待ちわびている。
すると、周りの草むらや木の陰から、森に不釣り合いなピンク色のポケモンがこちらを覗いていた。
その数ざっと20匹。皆見るからに腹がへっているようで、こちらをじーっと見つめて指をくわえている。
そういえばここら一帯の木の高さはタブンネよりも遥かに高かった。しかしタブンネ以外のポケモンには充分な高さだった。
手も短く跳躍も得意では無いタブンネ達は木の実が採れず、毎日腹を鳴らしていたのだろう。
不思議に思った兵士達だったが、今は昼食の時間だ。さっさとよそってさっさと食べている。
すると空腹に耐えかねたのか一匹のタブンネが草むらの中からのそのそと出てきた。
とてとてと歩いて美味しそうなシチューを食べている兵士達の前まで来ると、顔をよだれまみれにして手を差し出し、ぴょんぴょんと跳ねている。
これはタブンネの中でいう「ちょうだい」なのか。「ミッミッ♪ミッミッ♪」と媚びた声を出している。
それを見たタブンネ達は一斉に草むらから飛び出し、皆だらしなくよだれを垂らしながら「ちょうだい」をしている。
しかし兵士達はそれを珍しい物を見るかのような目を見るだけで、誰一人哀れな豚達に食べ物を恵む者はいなかった。
すると見よう見まねで大人達のちょうだいダンスをしていた子タブンネ達が兵士達の足もとに抱きつき目に星を浮かべお願いをしている。
「ミィ~♪ミッミミィ~♪」甘ったるい声を出して媚びる子タブンネ達。しかし兵士達は足もとにまとわりつく子豚達を蹴散らすと、皆次々と食べ終わった皿を出しにいった。
「ミッミッミッミッミッミッミッミッミッ♪」「ミィ~♪ミミィミィ~♪」
兵士達はタブンネの大合唱にイライラしながらも、思い思いの方法で休息をとっている。
するとさすがに疲れてきたのか、さっきまで笑顔でちょうだいダンスをしていたタブンネ達は膨れっ面になり、またもやけたたましく鳴き始めた。
「ミッミッ!ミィミミミミィイッ!」「ミィイイイ!ミッミィ!」
早くその美味しそうな物をよこせ、とでも言いたそうな声で鳴きながら、鍋を指さして兵士達に何か訴えている。
しかし兵士達が空いてにしてくれるわけもなく、「うるせーぞ!」と喝を入れられてしまった。
「ミィィイイイイイイ!!」
それに逆上したタブンネは顔を真っ赤にしてドタドタと鍋に走っていき、鍋に体当たりをした。
ガコン!という音の後、鍋が倒れ中の物が地面にぶちまけられてしまった。
それを見たタブンネ達は目の色を変えて一斉に鍋へと向かっていった。さながらゴキブリのようだ。
するとなんということか、タブンネ達は地面にぶちまけられたそれを意地汚くペロペロと必死になって舐め始めた。
地面を綺麗に掃除したタブンネ達はあろうことか鍋の中に飛び込み必死になって内側を舐め始めた。
「ミッヒャァアアアアアア!!」
あまりの高熱にタブンネ達は鍋から飛び出しじたばたと唾液で汚れた地面を転がっている。
滑稽すぎるその姿に兵士達から笑いが巻き起こった。
するとまたもやタブンネ達は顔をクリムガンにして汚い体を揺らし兵士達に近づいていった。
食べカスを撒き散らしながら何やら喚いている。そして突進の体制を取ると兵士に向かってバタバタと走っていった。
しかしそんな鈍い攻撃は当たるはずもなく、腹に強烈なキックを食らわされ全く逆方向にぶっとんでいった。
「ミギャァァアアアアアア!!!」
顔中のあらゆる液体を撒き散らしながらタブンネはボーリングの球のようにタブンネ達の集団に突っ込んでいった。
これまたボーリングのピンのように倒れていくタブンネ達。またもや兵士達から笑いが巻き起こった。
ボーリングのピン達はワンパターンにも顔を真っ赤にして鳴き喚いている。
そしてピンの内一匹が、積み上げられていた皿に体当たりをした。
ガラガラと音を立てて崩れる皿の山。落ちた皿は割れてガラス片になり辺り一面に散らばってしまった。
「ミィイイ!ミィッヒヒィ!」ドヤンネ~
得意気に鼻を鳴らし胸を張るタブンネ。
すると鍋舐め競争に負けた子タブンネ達がわらわらとその皿に群がっていく。そして欠片を小さなおててでキュッと掴み、こびりついたシチューをペロペロ舐めている。
すると群がっていた子タブンネが急に悲鳴を上げゴロゴロと転がり始めた。
「ミニャァァアアアアア!ミヒィッ!ミヒィッ!」
どうやら皿の破片がハートの肉球にブスリと刺さってしまったようだ。
それを見た親豚達はますます顔を赤くし、所構わず糞尿を撒き散らし始めた。
「この糞豚共!誰が
後片付けすると思ってんだ!もう許さねえぞ!」
片付けの係と思わしき男がボールからメタグロスを出した。
「メタグロス!コメットパンチだ!」
男がそう命じると、メタグロスは皿を割って得意気にしていたタブンネに飛んでいった。
そして大きな拳をふりかぶると、流星のように光り輝く鉄拳がタブンネの腹に炸裂した。
「ミボォッ!?ミィイイイギャァアアアアアアア!!?」
血を吹き出しながらすごい勢いで殴り飛ばされたタブンネ。
するとぶっ飛ばされたタブンネは腹から木にぶち当たり、上半身と下半身が別れてしまった。内臓が木にへばりついている。
「ブィ……ブゥィイイ…………」
しかし上半身だけになってもまだ心臓は動いているようで、汚い声を上げながらタブンネ達に助けを求めていた。
一瞬の沈黙。タブンネの絶叫と、衝撃的すぎるその光景が、タブンネ達を包み込んでいたドロドロした空気を吹き飛ばした。
「ミッ…ミィァアアアアアアアアアアアア!!」
タブンネ達が悲鳴を上げると、一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
すると一本の無線が入った。
「今夜は豚肉バイキングだ!食べ放題!取った分は最後まで食べるんだぞ!」
ユーモア混じりの無線だったが、怒りのこもった声だった。そういえば、隊長だけまだシチューを食べていないのだった。
兵士達はノリ良く返事をすると、逃げ惑うタブンネ達を次々に捕まえていく。
タブンネ達は短い足で必死に逃げるが、自分達が撒き散らした皿の破片や糞に足を取られずっこけてしまっている。
また人間の歩く速度=タブンネの走る速度なため、捕まえるのは容易だった。
耳や尻尾を掴まれたタブンネ達は手足をバタバタと振るだけで、全く抵抗にもなっていなかった。
3分も経たぬ内にタブンネ達は鉄製の大きな檻に入れられてしまった。
「ミィイイ!ミッミミィ!ミッミィ!」「ミヒェェエエエエエン!ミェエエエン!」
涙を目に浮かべ鉄格子を掴み揺らすタブンネ達。子タブンネ達は耳にキンキンと響くような声で泣き叫んでいる。しかしそんな命乞いも意味を成さない。
さてどうしてくれようかと、兵士達は微笑んだ。
数の多いタブンネ達を見て、どうやって処理していくか迷っていた兵士達だったが
隊長の「腹が減った」発言により、味見がてら子タブンネを焼いて食べる事にした。
「ミィ~……」「ミィッ!ミミィミミミミィッ!」「ミッミッミッ…」
檻に近づく兵士達を見ると、タブンネ達は何かを訴えるように語りかけてきた。
皆子供を抱えて、「子供が腹をすかせた、何か食わせろ」とでも言っているようだった。
隊長が檻を開けるとタブンネ達はホッとしたような顔を浮かべ、子タブンネ達は「ミィ♪」と両手を広げ喜んだ。
どうやらこれから助けてもらえると思っているらしい。実におめでたい。
隊長が笑顔で子タブンネを抱えると、タブンネ達は喜んで檻から出ようとする。しかしここですばやく扉を閉める!
ガシャン!という音の後、タブンネ達が「えっ」という顔した。しかし手の中の子タブンネはピィピィ鳴いて喜んでいる。
隊長がポケットから串を取り出し、子タブンネの肛門に当てがった。「ミィ~?」不思議がる子タブンネ。
「ふんッ!」ブスッ ブチブチブチィィッ
そして次の瞬間、子タブンネの可愛らしい顔が苦痛に歪んだ。
「ン゙ン゙ミ゙ィ゙イイイイイイイア゙ア゙ガガガガガ!!」
目を見開き、この世の物とは思えないような絶叫を上げる子タブンネ。
串は肛門を突き抜け内臓を突き破り、子タブンネの脳味噌の下辺りまで来ている。肛門から糞混じりの血が吹き出す。
「ミィァアアアアアアアアアア!!!」
親タブンネが泣き叫んだ。しかし隊長は冷酷にも油をひいたフライパンを手に取り、近くにいたバシャーモに火炎放射を命じた。
もの凄い勢いで熱を帯びていくフライパン。そして左手に持っていた子タブンネをそれに背中から押し当てる。
「ピギャァアアアアア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
地獄の如き熱に悶え苦しむ子タブンネ。喉が壊れる程の絶叫を上げている。良く見れば喉チンコが串にピタピタと当たっている。
くりくりの目は限界まで見開き、大粒の涙がボロボロと出ている。涙がフライパンに落ちてパチンとはじけた。
「ミ゙ィーーーッ!ミ゙ィーーーーーッ!」
親タブンネがやめてくれと鉄格子をベシベシと叩き始めた。他のタブンネはその光景に背を向け、耳を抑えブルブルと震えている。
体の動かせる部分全てを動かし、苦痛から逃れようとする子タブンネ。
「ハガガガガガガガガガ!!ンギィィイイイイイッ!!」
もはやタブンネの物ではないような声で鳴き続け、助けと情けを求め続ける。
そして隊長がひょいっと串を持ち上げた。そしてくるりと一回転、子タブンネを顔からフライパンに勢い良く押し当てる。
「ブァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」「ミ゙ィイイイイイイイ!!」
親子の奇跡のデュエットに、兵士達のテンションはMAXだ。そして仕上げにワインを入れる!
「ム゙ァアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ボッ!子タブンネが火をまとった。思わぬ
パフォーマンスに歓声があがる!正しタブンネ以外から。
こうして子タブンネの串焼きは出来上がった。ピンクの体は茶色に染まり、目や口、鼻から肉汁が染み出ている。
目は焼き焦げ、フワフワの尻尾などただの消し炭に等しかった。
そして隊長が子タブンネのでっぷりとした腹にかぶりついた。兵士達やポケモンは興味津々で様子を伺う。正しタブンネ以外。
「うっ…………う…ウマいっ!!」
兵士達から声が上がる。そして隊長はものすごい勢いで腹周りを食べていく。
最後に耳にかじりつくと、パリッとした快音が響き渡る。やがて頭と下腹部のみになってしまった無様な子タブンネが出来上がった。
親タブンネは涙をボロボロ流し力無く血まみれの手を鉄格子にたたきつけている。
「いや素晴らしい!これほどまでにウマい肉があったとは!」
隊長がポイッと無様な子タブンネを檻の中に投げ入れて言った。
「ミッ………ミィイイイイイイイイ!!!」
親タブンネが泣きながら生首になって帰って来た息子を抱きよせた。下腹部がボトリと地面に落ちる。
もはやタブンネ達は顔面蒼白。いつかは自分達もああなるかもしれない…タブンネ達は恐怖に怯えるしか出来なかった。
最終更新:2014年08月15日 13:34