タブンネ絶望力発電

タブンネ虐待愛好会は次世代の虐待を考案すべく異世界転送機を使って別の世界にタブンネを送り込み、
見知らぬ世界で右往左往するタブンネをモニターで観察して楽しむという虐待を実験的に行っていた
カメラ係「すいません会長、タブンネを見失ってしまいました」
会長「そこで変な物と戦おうとしてる奴じゃないか?全身ピンクで腹が黄色なんてタブンネしかおるまい」
監視係「いえ、これはタブンネっぽい服を着た女の子のようです」
会長「紛らわしいな… ん!?おい、転送機の様子がおかしいぞ!」
転送機はグオオオオと轟音を響かせガタガタと激しく揺れている
そしてドン!という爆発するような音がして、モクモクと煙が出てきた
そして蓋がガチャリと開き、中からエーフィかコジョンドのような白くて丸い顔の生き物が出てきた
その生き物は長い耳毛が生えたとがった耳をパタパタ動かし、赤くて丸い小さな瞳で辺りを見回すと人語で何か話しだしたが、
集まっていた会員たちが話を理解する間もなく会長が杖でもって首を打ち、殺してしまった
秘書「会長!どうなされたのですか?!タブンネ以外の生き物を意味もなく打ち殺すなんて…」
会長「いや、こいつは何かこうとてつもなくおぞましい物のような気がしたんだ…」
会員「しかしどういう事でしょうかね?この装置は一方通行で
今の技術では異世界の物を取り寄せたりに送った物を戻すことは不可能はずなのですが」
会長「ふむ、もしかしたらこいつには何か特殊な能力があるのかもしれないな、こいつの死体を科学虐待課に送って分析させてみよう」

その謎の生き物の分析は困難を極め、
科学虐待課の他にあらゆる分野のエキスパートを外から招いて昼夜を問わず解析が行われた


そんな折、会長が科学虐待課に様子を見にきた
研究員「あ、会長。こんにちは」
会長「いつもご苦労さん、アレについて何か分かった事はあるかな?」
研究員「はい、どうもこいつは生き物というか自律して動く機械といった方が正しいのかもしれません」
会長「ロボットということか、誰が何かの目的で送り込んだのだろうな?」
研究員「誰が送ったのかは分かりませんがこいつの役目は大方判明しました。それはエネルギーを集める事です
その方法は中学生ぐらいの女の子を何らかの方法で深く絶望させ、その時に発生するエネルギーを回収するのです
会長「恐ろしい奴だな…、…ところで、そのエネルギーってのはどの位の量なんだ?」
研究員「それが驚くべきことにですね、電力に換算すると個人差はあるようですが女の子一人でイッシュ全体の全消費電力2年分に相当する熱量です」
会長「それはすごいな、…そうだ!その絶望をエネルギーにする技術というのは再現できないのか?」
研究員「え?わたしの見立てでは出来なくはないとは思いますが…」
会長「女子中学生の絶望には及ばなくても、タブンネの絶望でもけっこうな量のエネルギーが発生するはずだ!
タブンネの絶望で発電所を作るんだよ!」
この日から研究方針を絶望からエネルギーを取り出す方法の再現に転換したのであった
そして1年の月日が流れ、ついにタブンネ絶望発電機の試作機が完成し、実験が行われる事となった
実験方法は子タブンネの目の前で親タブンネを殺し、子タブンネの絶望を集めるという物だ
実験室の水槽に閉じ込められた子タブンネたち、
絶望集積装置は水槽の底に敷き詰められているものとパラボラアンテナのような形の2タイプの試作品が設置されている
その水槽の前に連れてこられた母タブンネ、不安げな表情で水槽の中の子供たちに「ミィミィ」と必死に呼び掛けている

会長「よ~し、さっそく私がこのママタブンネさんに最高の絶望を…」
研究員「いえ、その必要はありません
    母タブンネには数種類の強力なキノコの毒を混ぜた団子をヘルガーの毒炎で炙ったものを事前に飲み込ませております」
会長「そうか、私がやろうかと思ってたのだが…
   まあいい、毒キノコを食べた時のタブンネの悶絶ダンスはかなり笑えるからな」
解放された母タブンネは水槽に駆け寄りガラス面をぺたぺたと触りながらミィミィと中の子供たちと呼び掛けている
3匹の子タブンネもまたガラス面に集まってきてガラス越しに会話をするようにミッミッと鳴いてはしゃいでいる
再会できてうれしいのか子タブンネ達は満面の笑顔だった。これから起こる事も知らずに
研究員「そろそろ毒が効いてくる時間ですよ」
「ミヒッ?!」
母タブンネは自分の鼻から鼻血が出ている事に気がついて、手でくしくしと鼻をぬぐっている
鼻だけではなく口から、厳密にいえば歯と歯茎の間からも血を垂らして鼻から顎にかけて真っ赤だった
「ミヒーッ!ミヒーッ!」
息苦しいのか、体を硬直させプルプルと震えだし、そしてじわじわと耳が赤っぽくなっていった
見物会員「耳が赤くなってやがる、あのタブンネ息が止まってるなw」
会長「いや、あれは毒で耳の毛細血管が破壊されてああなってるんだ」
「ガプッ… ガプッ…」「ミィッ!ミィッ!!!」
母タブンネはビクンビクンと激しく痙攣して血でうがいをするように赤いあぶくを噴いた
それだけではない、目からも涙のようにタラタラと血を流れだした
子タブンネは母親の急変に焦り出しミーッ!ミーッ!と泣き叫んで小さな手でガラスをぺチぺチと叩きだした
その中の一匹は両手を前に突き出していやしのはどうの真似事をしている
「ガバガバッ!ガババオグエエエエエエエエエエエ!!!!ミエエエエエエエエエエ!!!!!」ビタッ、ビタビタッ、ベトッ!
「ミ゙ィィィィィィィィィィ!!!ヴミィィイィィィイィィィィ!!!!」
母タブンネは突然下を向いたかと思うと口と尻から赤黒いドロドロしたものをドバドバと吐きだして、
ぐらりとふらつき水槽に向かってべチャリと倒れこんでしまった
そして全身の毛穴から血を噴き出し、ピンクの毛皮を赤く染めていく
子タブンネは母親のあまりの惨状に絶叫し、ウエッ、ウエッとえづきながら涙を流している

会長「はははは!、あれは毒でもって破壊された内臓のなれの果てだw」
「ウギィィィィィィイィィイイイイイ!!!!……ガバッ!」
「ミィ!ミィミィ!キィィィィ!!!」
「無理しないで」そう叫んでいるのだろうか、子タブンネは枯れかけた声で必死に母親に何かを訴えかけている
母タブンネは最後の力を振り絞り水槽を支えに立ち上がろうとするも、水槽に当てた手の皮膚がずるりと崩れ落ち、
そのまま溶けていくアイスクリームのように全身からまんべんなくダラダラと出血して再び崩れ落ちてしまった
血まみれのゾンビのような外見になり果てた母タブンネ。もう2度と立ち上がる事は無かった
「ミィ…ミィィ…」
子タブンネたちは水槽のガラスに両手をついたまま茫然としていた、
虐待愛好会員ならば幾度となく目にしている「絶望の表情」で

研究員「タブンネの絶望エネルギーの回収に成功しました!さっそく電力に変換します」
ウイィィィィンという音と共に電力変換機のメーターの値がどんどん上がっていく
会長「どうだ、実用化はできそうか?、せめて自動車のバッテリーぐらいの電力は出ていて欲しいのだが」
研究員「いや…、それどころか計算ではタブンネ一匹分の絶望でヒウンシティ全体の1日分の消費電力に相当する電力です
    …危険なのでここでは一度に電力にはできませんが」
会長「なんと! …よし、虐待愛好会エネルギー課を立ち上げ、エネルギー業界に殴りこみだ!
   手始めに愛好会に所属してるタブンネ農家に絶望発電機を配って発電事業をさせてみる事にしよう」

偶然と思いつきから生まれたタブンネ電力事業…それはタブンネ達のさらなる地獄の時代の始まりであった

ようやく実用化にこぎつけたタブンネ絶望力発電、
最初はタブンネ畜産業者の副業として田舎から広まっていった
最初は「なんで養タブ場から電気が出てくるんだ?」と怪しんでいた人々だったが、
ちゃんと安定して電気が来ると分かるとすぐに飛び付いてきた
何せ電気代が従来の電気会社の3分の1ほどなのである、
養タブ農家では毎日のようにタブンネの虐待や屠殺を行っていて絶望には事欠かず
発電の元がタダ同然だから安いのは当たり前だが
中には、お得意さんに電気をタダで供給している農家もいた
一方、都市部では若手の虐待愛好会会員が普及に努めていた
6畳ほどのスペースがあれば発電ができるので、団地やアパートの一室など草の根活動的に発電と供給を行っていた
タブンネの悲鳴がうるさいと苦情が来ることもあったが
料金の安さから学生やフリーターなど経済的に余裕が無い層を中心にゆっくりとそのシェアを広げていく

会長は巨額の自費を投じ、工場や鉄道向けに発電所という名の巨大なタブンネ拷問場を作ろうと画策していたが、
自宅に自家発電用の絶望集積機を設置したところ
一ヶ月でイッシュ全体の消費電力の1年分の電力が発生したのでそれを使い回す事にした
虐待愛好会会員の努力と絶望発電機の小型化、量産化による普及、
何よりも燃料(タブンネ)コストの安さによる電気料金の型破りの安さで虐待愛好会のタブンネ発電のシェアは70%に達していた
残る30%の旧来の電気会社も絶望発電機を導入していて、効率的に絶望させる方法を求めてタブンネ虐待を繰り返していた
つまりは大陸全体のほぼ全ての電気がタブンネの絶望によって供給されるようになったのだ
これによってタブンネ需要は一気に急上昇、
特に離乳するかしないかの月齢の子タブンネが
絶望したときに一番多くの電力を生み出すというので高値で取り引きされた
タブンネを絶望に追い込む虐待の方法は様々だが
「もう二度と餌をあげないよ」という旨を伝えて
頑丈な箱や水槽に閉じ込めるという虐待が楽だがなかなか電力が出るので広く行われている


エコロジーな電力ができた上電気代も安くなってみんな大助かりなはずだが、
タブンネ愛護団体だけは話は別だった
愛護団体は総力を結集して各種メディアを史上空前の愛護活動を行ったが
「新聞の印刷機もテレビもパソコンも動くたびにタブンネさんが絶望して死んでいくんだよw」という指摘に反論する事ができず、
またその事実に耐えられなくなる団体員も増えてきた
やがて愛護団体たちは「タブンネの森」と呼んでいた樹海の奥深くのタブンネ保護区域に電気を全く使わない集落を作り、
そこを拠点に手透きのわら半紙のチラシを町で配り
電気を使わない昔ながらの豊かな生活の啓蒙をするようになった
そこに描かれているのはイモやブドウなどの作物がたくさん植えられた小さな畑をタブンネと一緒に耕している風景で、
牧歌的な「タブンネと暮らす理想の田舎」といった光景だが現実はまったく逆であった
なぜなら、全土から子供が捕まって電力会社に売られる事を恐れた野生タブンネ達が集落の周辺に集まってきて
集落の作物を食い荒らすようになったからである
愛護団体員はタブンネに対して軽く追い払ったり柵を作ったりしたのだがまったく効果を為さない
それどころか隠しておいた種芋さえ食い尽くされてしまい
集落は一年で木の皮や雑草を食べて飢えをしのぐ飢饉状態へと陥ってしまった
はじめは大勢いた愛護団体員は一人、また一人と集落を去っていき、
一番酷いのになるとグチャグチャに潰された子タブンネの死体と
「タブンネなんか大嫌いだ!」と壁にタブンネの血で書き置きを残して夜逃げしてしまった一家だった
それでも熱狂的な十数人の団体員は集落に留まり続けたがもはや町での啓蒙活動は行われず
愛護団体の集落はその存在を忘れられていった
それから月日が流れ、ある虐待愛好会員がタブンネ狩り中に偶然その集落を発見した
そこには荒廃した集落じゅうに腐敗した大小たくさんのタブンネの死体が転がっていて
その中心にミイラ化した十数人の人間の死体が折り重なっていた
愛護団体員たちは頭がおかしくなり、野生のタブンネを巻き込んで毒草での集団自殺を決行したのだ…
最終更新:2014年08月15日 13:42