「ミッ…ミィ…」
そうだ…昨日も経験値目当てのゴーリキーにボコボコにされたんだっけ
思わず目を擦るも、腫れあがった瞼に手が触れ跳び上がりそうな痛みが走る
今日は草むらに出るのはやめよう…誰も来ない森の中でゆっくり休むんだ…
腿の激痛に耐えながらなんとか立ち上がるも、足の指が折れてるのが判る
もう慣れっこだ…器用に這って草むらから出ると木に寄りかかり休む
「ミギィッ…」
木に触れて初めて肩甲骨と肋骨も折れている事に気づく
痛みで呼吸するのも辛い、今敵に出会ったらお終いだろう
ふと気づくと産まれた直後の事を思い出していた
ママンネの暖かい胸、兄弟たちの柔らかな体…
…皆…経験値稼ぎ目当ての連中に殺されてしまったな
悟ったような顔で目を瞑る
もう目が覚めなければ苦しまなくて済むのに…そう思いながら
束の間の休息も許されなかった
ふと目を開けると野生のデオキシス(アタックフォルム)が、音も立てずに目の前に立っている
何を言ってるかわからねーと思うが、とにかく頭がどうかなりそうだ
デオキシスはタブンネを敵とすら認識していないようで、不思議そうにタブンネを眺めている
しかし焦るタブンネ、何かしなきゃ…何かしなきゃ殺される…!
とっさに出た技は「おさきにどうぞ」
しまった!
顔面蒼白になるタブンネ
デオキシスはゆっくりとタブンネの目を見つめ、
テレパシーで問い掛ける
「オマエハ…テキ…ナノカ?」
タブンネは答えた、満面の笑みで
「タッ…タブンネ!」
「…サイコブースト!」
光だ、強い光が見えた
もうこれで苦しまなくて良いと思うと、タブンネは安堵すら感じて居た
目を開けると、自分とデオキシスの間に焦げた仲間のタブンネが立ちはだかっていた
どうやら仲間は身を呈して庇ってくれたつもりのようだ
焦げンネは後ろを振り返ると
「ミィィッ」
今のうちに逃げろと促しているようだ
デオキシスは焦げンネの異常な行動が理解できないようで不思議そうに首を傾げている
その隙に渾身の力でひみつのちからを放つ焦げンネ
意表を突かれ吹っ飛ぶデオキシス、そして追加効果が発動し眠ってしまった
デオキシスが起きると
タブンネ2匹は居なくなっていた
彼は確信した、タブンネという種族全てが敵だという事を…
何かを探すように周囲を見渡すと、おぞましい雄叫びを上げたのち、テレポートでどこかに消えた
タブンネちゃん逃げて
最終更新:2014年10月07日 22:19