大岡裁き

「お奉行様、このタブンネはわたくしの子でございます」
「いいえ、この女は嘘をついております、本当はわたくしの子なのでございます」
「ミッミッ・・・」
「相分かった、さればそなたたち二人でタブンネの両腕を引っ張り合うがよい。
引き勝ったほうを真の母親とする。では始めい」
「ええい!」「むむう!」
「ミヒイイイ!ミテテテテ!・・・ミギャァッ!!」
「お奉行様、両腕がもげてしまいました」
「これでは決着がつきませぬ」
「ならば今度は両足をそれぞれ引っ張り合うがよい、では始めよ」
「そおれ!」「なんの!」
「ミギィィィギャァァァァァ!!!」
「お奉行様、真っ二つに裂けてしまいました」
「これは如何様にすれば」
「そなたたち、わかったであろう。争いとはかくも醜く空しいものなのじゃ。
両名ともそれを持ち帰り、タブンネ鍋などつつきながら反省するように」
「ははあっ!」
「これにて一件落着!」
最終更新:2014年12月31日 20:05