モモミちゃん 1日目

私の名前はモモミ。タブンネってポケモンなの。
明日からナースとしてポケモンセンターで働くのよ。
モモミの自慢はタブンネナーススクールをトップの成績で卒業したこと。
モモミのいやしのはどうを受ければ他のポケモンのいやしのはどうは受けられないわ。
世界一癒されるポケモンタブンネのなかでも最も優秀なのがこのモモミ。
つまり世界一癒されるポケモンなの。
それに加えて見るものすべてをメロメロにしちゃうキュートなお顔に
ラブリーなピンクとホワイトのボディー。
ルックスも中身も一流のスーパーポケモンよ。
ウフフ♪なんて素晴らしいんでしょう。

さ~て、モモミのナースデビューの日がやってきたわ。
モモミが配属されたところは最近開発が進んで人口が増えている
大きな街のポケモンセンターよ。
近くにはドラゴンポケモンが棲む洞くつもあるんだって。
ウフフ♪街のみんな待っててね♪
このモモミちゃんがみんなを癒してあげるからね♪
そして、ゆくゆくはポケモンセンターを大きく変えてみせるわ♪

そうだ、出勤前にお姉ちゃんからスクールの卒業祝いにもらった
とっておきのアロマパフュームをつけていきましょ♪
昔はポケモンナースをやってて、今はお金持ちのトレーナーのエリートタブンネさんと
結婚して幸せな暮らしを送っているお姉ちゃん……
パフューム以来写真をおくってくれないけど子育てに忙しいのかな?

『シュッ シュッ』
ウフフ♪とってもいい香り。モモミも癒されるわ。
モモミ自身からもスイートな癒される香りがするけど
アロマの香りをプラスさせればみんなさらに癒されるわ。
こういう気づかいができるところもモモミが優秀な理由よね♪
さ~て、ナースキャップをつけて出勤よ♪

午前8時、事務室で朝礼の時間よ。
モモミが事務室に入ると若い男の先生と
背中に2か所、羽みたいな痕があるナースタブンネがいたよ。
私がスクールをトップの成績で卒業したモモミよ、よろしくね♪
「あなたがモモミちゃんね、わたしはエンゼル。
これから一緒に頑張ろうね」
エンゼルちゃんがモモミに握手をしてくれたよ。
モモミに比べればトロそうだけどいい子そうね。

「ふ~ん、お前がモモミか……
俺はイゴ、ここのドクターだ。
うちのポケモンセンターでお前が働く時間帯は
お前を含め3匹のナースポケモンがいて
日曜日は全員出勤でそれ以外は交代で休みを取る。
まあポケモンセンターのシステムは前もって聞いてるだろうからいいか」
イゴ先生ってなんだか怖そう……モモミとは初対面なのに
全然スマイルしてくれないよ。

「まあいいや、午前中の業務の説明をすっか……
エンゼルは部屋を回って患者さんの汗ふきと身の回りの整理だ」
「はい、がんばります」
雑用だなんてかわいそうねエンゼルちゃん、あんまり仕事ができない子なのかしら?

「そしてモモミは……」
ウフフ♪モモミのいやしのはどうと優秀さをみたらイゴ先生ビックリしちゃうわ。
はやくいやしのはどうを見せてあげたいな♪
「廊下と各トイレの掃除、そしてゴミ捨てだ」
えっ、何でモモミがそんなことしなくちゃいけないのよ!
私はナースよ!お掃除するためにここにきたんじゃないのよ!

「何だその目は?ああ!?
ポケモンセンターは衛生が大事ってスクールで習わなかったのか?」
そりゃあ習ってるけど……タブンネの仕事はみんなを癒すことよ!
お掃除なんて別のポケモンにやらせてよ!
「患者への巡回と治療は俺がやるからいいんだよ!
さっさと行って来い!」
うっ、何で世界一のナースモモミちゃんがお掃除なんて……

仕方ないからモモミはお掃除をすることになったの。
ホントはこんなことやりたくないけどイゴ先生こわいし……
うっ、次は人間用のトイレ掃除ね。
ってウンチが便器にくっついてるよ……
何でモモミが人間のトイレをお掃除しなきゃいけないのよ……
こんな不潔なところにいたらピンクとホワイトの
ラブリーボディーが汚くなっちゃうよ……
こんなことは街のゴミ捨て場をあさってるミネズミにでも
やらせとけばいいのに!

さて、最後はゴミ捨てね……裏のプレハブ小屋にゴミ置き場があるって
エンゼルちゃんが教えてくれたけど……
ゴミ袋は食べ残しや汚物で汚れてきたないし重いよ……
早く終わらせてナースの仕事をやりたいな……

ここがゴミ置き場ね、お正月の間はゴミ屋さんがこないから
ゴミ袋が山のようにいっぱい積んであるよ。
ここにおけばいいのね。
『バン!ビビビビ……』
え?何?なんかカベのむこうから何かがぶつかるような音がしたよ。
ゴミ袋の山くずれてこないよね……?
それにしてもポケモン騒がせな子がいて困っちゃう。
ゴミ袋を置いたら注意してやらなくちゃ。

『ドゴォォォォォン!!』
『ズズ、ズザザザザ』
キャアアアアア!!

あれ?動けないよ……
ゴミ袋のなだれに巻き込まれちゃった…
うっ、臭いし重いし最悪だよ……
モモミ何にも悪いことしてないのにどうしてこんなことに……
ホントだったら今ごろいやしのはどうで患者さんを治して
みんなから褒められてるはずなんだけどな……

うっ、息が苦しくなってきちゃった。
モモミ、天国に行くのかな?
こんなところで誰にも気づかれずに最期を迎えるなんて……
悲しい一生だった……な……
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
「おい、おきろ?」
あれ?誰かがモモミをよんでいる?
天使さんかな……
「おい、おきろ?」
モモミが目を覚ますとそこには緑のお顔をした汚いポケモン……ダストダスがいたの。
キャア!そんな汚い顔近づけないでよ!

「おめえ、ゴミなのか?」
ゴミなわけないでしょ!キュートで優秀なナースモモミちゃんよ!
「そんならええが、ポケモンの処分にはちゃんとマニュアルがあんだぞ?
マニュアルどうりやんねえと持ってけねえぞ?」
まったく!私はポケモンナースのトレジャーよ!
そんなことよりさっさとゴミを持っていきなさいよ!
モモミは次のお仕事に行くわ!

まったく、このモモミちゃんをゴミ扱いするなんて!
こんなキュートなゴミがこの世にあるわけないじゃない!
モモミは怒りながらポケモンセンターに戻ったよ。
そしてドアのところについたとき、イゴ先生が腕を組んで待ってたの。

「おい、てめぇ何サボってんだよ!今何時だと思ってんだ!」
うっ、イゴ先生怒ってるよ……
だけどモモミはサボらないでちゃんとお掃除してたよ。
遅くなったのは事故に巻き込まれたからで……

「いいわけしてんじゃねえよ!ったく、
スクールをトップの成績で卒業したって聞いてたから少しは期待してたが
掃除もまともにできねえのかよ。
こんな奴らをナースにさせるとかスクールの連中は何考えてんだか……」
それはモモミにお掃除なんて不釣り合いなお仕事をさせるイゴ先生が悪いのよ。
モモミの真価はいやしのはどうといやしのこころよ!
だからモモミには治療をさせてよ!

「まあいい、お前は今すぐシャワー浴びて全身きれいにしてこい。
その後は患者さんの食事の介助だ。
患者さんが待ってるんだ。サボるんじゃねえぞ」
 ・
 ・
『シャアアアア……キュッ』
ふう、やっときれいサッパリしたわ。
やっぱりタブンネはピンクとホワイトのラブリーボディーが一番よね。
そうだ、アロマパフュームをもう一度つけよっと。
『シュッ シュッ シュッ シュッ』
ウフフ♪とってもいい香り。いっぱいかけたからゴミの臭いもこれでかき消せるよね。
さ~て、食事の介助に行こうっと♪

フフン♪食事の介助なんてちょっとナースらしいお仕事になったじゃない♪
キュートで優秀なモモミちゃんにご飯を食べさせてもらえる
とっても幸せなポケモンはだれなのかしら?
ケガや病気でつらい思いをしてるでしょうけどモモミがその思いを癒してあげるわね。
『トン トン』は~い、ご飯の時間ですよ~♪

「えっ、ごはんのじかん?……ゴホッゴホッ」
モモミがお部屋に入るとそこには風邪をひいた子供のスカンプーがいたわ。
スカンプー……おしりから臭い液体を出すからみんなに避けられてる
かわいそうなポケモンなのよね。
みんなから愛されるタブンネとは大違い。
だけど悲しまないでね、
モモミが風邪だけでなくあなたのすさんだ心も癒してあげるからね♪

ほ~ら、スカンプーちゃん♪あなたのご飯よ~♪
「う、うん、いただ……クシュン!!」

キャッ!!スカンプーのくしゃみがお顔にかかっちゃった!
汚いわね!くしゃみなら誰もいないところでやってよね……
タオルタオルっと……
 ・
よし、とりあえずこれでいいわ。これが終わったらもう一回シャワーね。
さ~て、さっさと終わらせましょっと♪
は~い、スカンプーちゃん♪あ~~~
「うわっ、おねえちゃんくさい!!」
『プピュッ!』

キャアア!目がぁ!目がぁ!ジュエルのようにきれいな目が開けられないわ!
それにすっごく変な臭いがするわ!
ちょっとあなた!このモモミちゃんになんてことするのよ!!
「だって……おねえちゃんいろいろな
においがまじってくさいんだもん……うわあぁぁん!」

うっ、うるさいわねぇ……泣きたいのはモモミよ!
そもそもモモミが臭いですって?
あなたにそんなこといわれたくないわよ!
モモミはねぇ!アロマの香りをつけてきてるのよ!
あなたよりずっといい匂いがするわよ!

「お~い、スカンプーちゃ~ん、ちゃんと食べてるかな~って
くせっ!?な、何やってんだ!?」
そのあと、イゴ先生が入ってきたみたい。
モモミはまだ目が開けられないけど……
「うわあぁぁあん!おねえちゃんが!おねえちゃんが!」
「どうしたんだ?このタブンネが何かやったのか?」
イゴ先生はスカンプーにかけよっていろいろ話しかけてるみたい。
モモミもスカンプーにひどい目にあわされたのに全然かまってくれないよ…

「よしよし、いい子だから泣くんじゃないぞ~
ほら、先生がご飯食べさせてやるから、な」
そういってイゴ先生はスカンプーにご飯を食べさせ始めたみたい。

「……モモミ……この子の食事が終わったら事務室に来い」

スカンプーの食事が終わったからモモミはイゴ先生に手をつかまれて
事務室に連れて行かれたみたい。
「まずはこれで顔をふけ、スカンプーの液がとれる」
イゴ先生がモモミの手にぬれタオルをのせてくれたから
モモミはそれでお顔をふいたよ。
 ・
ふぅ、ようやくにおいがとれてジュエルのような目があけられるようになったよ。
「よし、目が見えるようになったな。じゃあ俺の顔を見ろ」
どうしたのかしらイゴ先生?モモミの目が悪くなったんじゃないかって
心配しているのかし……ヒッ!

「てめぇよぉ……何スカンプー泣かしてんだ、ああ!?」『ドゴッ』
ぐうっ……おなかが……痛いよぉ……
「痛いか?」
あ、当たり前じゃない……パパにもママにもお姉ちゃんにも、スクールの先生たちからも
ぶたれたことなかったのに……
モモミに暴力をふるうなんて許されないことなのよ……

「痛いだろ?でもなぁ、あのスカンプーの心はもっと傷ついたんだ!
あの子の痛みはこんなもんじゃねえんだ!ああ!?」
『ドゴッ!ドゴッ!』
キャア!痛いよ!もうやめて!何でモモミが蹴られなきゃいけないの?
モモミはスカンプーに臭いっていわれたうえに臭い液体を
キュートなお顔にかけられた被害者なのよ!
モモミは患者さんのためにアロマの香りをつけてきたのにどうして……?

「てめえみてぇな患者さんを傷つけるナースなんて必要ねえ!
消えちまえ!!」

『トン トン』
そのとき、事務室のドアをノックする音がしたの。
ノックの音を聞いたイゴ先生も蹴るのをやめてくれたよ、助かった……
「ちっ……誰だよこんなときに……は~い、どうぞ~」
『ガチャ』
「やあイゴ先生、しっかりやっているかね」
「オセロ先生!どうしたんですか?」
事務室に入ってきたのは白髪のおじいさんの先生だったよ。
どうしたのかしら?イゴ先生の態度が急に変わっちゃったみたい。

「今日からここに新しいナースタブンネ君が配属になったからね、
様子を見に来たんだ。モモミ君だったかな?どうだい?」
「どうもこうもないですよ。
掃除もまともにできないうえにサボるし、食事の介助中スカンプーに
暴言を吐いたみたいで……おしおきしてたところです。
はっきりいって役立たずのゴミです。クビにしましょうクビ」
キュートで優秀なモモミちゃんを役立たずのゴミですって……?
モモミの方がイゴ先生よりポケモンを癒すの上手なのにどうしてそんなこといえるの?

「イゴ先生……確かにここは他者の命を預かる失敗の許されないところだ。
しかし、気に入らないからといって即座にクビにできないことは
キミもわかっているだろう」
「は、はぁ……」
あれ?イゴ先生怒られてる?ウフフ♪モモミを役立たずのゴミなんて言うからよ。

「だけどこんな奴ナースにしてたら絶対取り返しのつかないコト起こしますよ」
「だから君がいるんだろう。ナースタブンネを上手に働かせるのも
ポケモンドクターに求められる大事な能力だよ。
スクールから聞いた話ではこの子はポケモンを癒すのが大好きなそうじゃないか。
どうだね?午後はキミの治療のアシスタントをやらせてみては。
この子を判断するのはそれからでもいいとおもうがね」
なんだ、オセロ先生はモモミのことわかってるのね。

「わかりました……モモミ、午後から常連さんの予約がはいってるんだ。
その方のポケモンを世話をしてもらうぞ」
イゴ先生もやっとモモミに治療をさせる気になったみたい。

「そうだ、自己紹介をモモミ君にしてなかったね。
私はオセロ。この地域全体のポケモンセンターの指導、管理をしている者だ」
ってことはイゴ先生よりずっと偉い先生なのね。
その偉い先生が優しい先生でよかった♪
「君はポケモンの治療をしたくてしたくてしょうがないようだね。
だけどね、君が何をしたかは知らないが患者さんの心を傷つけてはダメだよ。
君は午後の仕事をする前にスカンプーに謝りにいきなさい。
それをしないと午後の仕事をさせてあげないよ」
そんな……モモミは何も悪くないのに……

「たとえ向こうに非があったとしても君が謝りなさい。
君から謝ることでそのスカンプーはずっと心が楽になるだろう。
入院している患者さんにとって居心地のいい環境をつくることも
ポケモンナースの大事な仕事だよ。
さあ、私も一緒に謝りにいってあげるから」
しょうがないわね、オセロ先生がそこまで言うなら謝りにいってあげるわ。
 ・
 ・
そしてモモミとオセロ先生はスカンプーに謝ったよ。
スカンプーは気にしてなかったみたい。
ウフフ♪これでやっとポケモンの治療ができるのね♪

さ~て♪午後の仕事の時間よ♪
オセロ先生は次のポケモンセンターに行くって帰っちゃったけど
イゴ先生は約束通りモモミを診察室に連れて行ってくれたわ。
モモミの優秀さを見せつけてあげるわ♪

『ガチャ』
「は~い、イゴちゃ~ん☆ウチのポケモンたち今日もヨロシクね~☆」
「おうリュウイチ、相変わらずだな」
そしてお化粧をした男の人が入ってきたよ。
「モモミ、この人が予約を入れたドラゴン使いのリュウイチさんだ。
ちゃんと仕事しろよ」
「あらモモミって……新しいコ?大丈夫なの?」
「こいつはポケモンを癒すのが大好きらしいからな。
いつもはエンゼルにやらせてたが今日からはこいつにやらせるさ。
「ふ~ん、まあいいわ☆出てらっしゃい☆みんな☆」
そういってリュウイチさんはポケモンを出したよ。
リザードに、チルットに、クリムガンね♪
みんな元気そうだけど……そんなにいやしのはどうを受けたいのかしら?

「よ~し、リザードにチルットはこっちにおいで~」
あれ?何でイゴ先生がポケモンを診るの?
モモミにやらせてくれるんじゃなかったの?

「タブンネ、アタイの肌をはやくケアしなさいよ!」
そのときモモミを呼ぶ声がしたよ。
振り向くとクリムガンがマットに寝転んでいたわ。
「新米ちゃん☆あなたはこのコのお肌をケアしてあげてね☆」
リュウイチさんがモモミにお願いしたよ。
よ~し、世界一のいやしのはどうをかけてあげるからね♪
『パアアアア』
ウフフ、これが世界一のいやしのはどうよ。
気持ち良くて癒されるでしょう?

「ねえ、アンタ何やってんの?」
だけどクリムガンはモモミに怖い声で話しかけたよ。
癒してっていわれたから癒してあげてるのになんでそんなこと言うのよ!

「アタイはケガしてないからそんなものは必要ないわよ!
あれでアタイの肌を磨くのよ!」
そういってクリムガンはテーブルに置いてあったタブンネサイズの手袋を指さしたわ。
その手袋はザラザラしてたよ。
「新米ちゃん☆その手袋でクリムガンの全身の古い角質をとってあげてね☆
そうしたら新しいきれいなお肌がでてくるのよ☆
こればっかりはいやしのはどうでも機械でもできない手作業なの☆」
えっ、まさかイゴ先生最初からモモミにクリムガンの肌磨きをさせる気だったの?
モモミに治療をさせる約束を破るつもりなの?

「何だ?怒った顔しやがって。
俺は常連さんのポケモンの世話をさせるとしか言ってないぞ?
それをお前がケガの治療と勘違いしただけだろ。
その仕事はクリムガンの肌を癒すことだ、お前の大好きな癒しだぞ?
文句があるならエンゼルにやらせている掃除と交換させるぞ?」
うっ……お掃除なんてやりたくないし……
さっさと終わらせて他のお客さんのポケモンを癒してあげるわ。

『ゴシゴシ……』
モモミはグローブでクリムガンのお肌をこすり始めたよ。
「もっと力をいれなさいよ!」『バン!』
ぐっ……それなのにクリムガンがしっぽでモモミの背中を叩きつけたの。
癒してもらう立場なのに何でこんなに偉そうなのよ……
あなたみたいな変な顔のポケモンがお肌を磨いたって何の意味もないのに……

『ゴシッ ゴシッ』
だけどモモミはこのクリムガンをさっさと帰らせて他のポケモンを治療するため
力いっぱいクリムガンのザラザラお肌をこすったよ。
だけど疲れて手が止まったりするたびにしっぽでモモミをぶつの。
リュウイチさんとイゴ先生はいつの間にか別室でチルットたちの世話をしてたから
モモミがひどい目にあってるのを気づいてくれないし……
モモミの目からはクリスタルのような涙が出ていたわ。
 ・
 ・
「よし、もういいわ、アンタ初めてにしては上手じゃない。
また近いうちケアしてもらうからちゃんとやるのよ」
はぁ、はぁ……ようやく全身をこすり終えたわ。
ず~~っとこすってたから腕の筋肉がとっても痛いよ……
それにピンクのラブリーな背中はクリムガンのしっぽでヒリヒリするよ。
なんでナースをやってるのにこんな傷だらけになっちゃうの?

「おし、ご苦労だったなモモミ。もう今日は帰っていいぞ」
気づいたら勤務時間が終わってたからモモミは地下の寮に帰ったよ。
結局今日のお仕事はお掃除と食事の介助とクリムガンの肌磨きだけだったな……。
汚いし、危険な目にもあうし、きついだけで
思ってたナースライフと全然違ってたよ……
だけど、モモミがキュートで優秀なナースなのは間違いないわ♪
明日こそはいろんなポケモンを癒してみんなに感謝されてみせるわ♪

1日目 おしまい

最終更新:2015年01月03日 00:54