モモミちゃん 2日目

モモミちゃんナースライフ2日目が始まったわ。
今日は日曜日だし患者さんもいっぱいくるだろうから
モモミの優秀さを発揮できるチャンスよ。
ウフフ♪「モモミちゃんありがとう!」って声が今にも聞こえてきそう♪

モモミは朝礼のため事務室に行ったの。
そこにはイゴ先生、エンゼルちゃん、そしてなぜかラッキーがいたわ。
「モモミさんですね。わ、私はラッキーです。
こ、これから一緒に皆様を元気にしていきましょう」
ふ~ん、3匹目のナースポケモンってラッキーだったんだ……
なんかおくびょうそうね、大丈夫かしら?
まあスクールをトップで卒業したモモミちゃんのオーラに
おされちゃったのなら仕方がないわね。

「よし、午前中の業務を説明するぞ」
あ、イゴ先生のお話だ。
「エンゼルは今日も患者さんの身の回りの世話だ。
ラッキーは俺のサポート、
モモミは掃除……」
なんでモモミちゃんに掃除をやらせるのよ!そんなものラッキーにやらせなさいよ!

「させるつもりだったが夜勤のタブンネが掃除をがんばってくれたみたいだからな。
モモミも最初俺のサポートをしろ」
やった!今日は朝から治療よ♪
ラッキーと一緒なのが気に入らないけどイゴ先生何考えてるのかしら?

あっ!ラッキーがダメダメナースだからキュートで優秀なモモミちゃんの仕事を見せて
ラッキーにお勉強をさせるつもりなのね!
イゴ先生もモモミの優秀さがようやくわかったみたいでよかった♪

モモミとイゴ先生、ラッキーは外の広場に行ったの。
最初のお客さんは昨日捕まえたポケモンの健康診断と予防接種ですって。
なんだ、いやしのはどうができなくてがっかりね。
「昨日ドラゴングループのポケモンを2匹つかまえたんですよ。
注射とかお願いしますね」
お客さんはそういってまずモノズをボールから出したの。
「ギャ~~ッ!」
だけどモノズったらボールから出た瞬間広場を走りはじめちゃった。
「こらモノズ!こっちにこい!」
トレーナーさんが注意したら戻ってきたけ……って
なんでモモミの方に来るのよ!
『ドンッ!』
キャッ!痛いよぉ……たいあたりされちゃった。
『ガブッ』
しかもモノズったらそのままモモミの腕にかみついてきたの。
いたいいたいいたい!モモミはスイートな香りはするけどおいしくないよ!

「すいません!うちのモノズが……」
「う~ん、モノズは目が見えないから体当たりやかみつきで周囲を判断しますからね…」
なのにイゴ先生ったらモモミを助けようとしないでお客さんと話してるの!
「まあいいや、モモミ、しばらく我慢してろ。
モノズがお前に噛みついてる間に注射うっちゃうから」

うっ、キバがモモミの腕にくいこんで痛いよぉ……
なんでこの人間は目の見えない粗暴なポケモン捕まえるの?
ちょっとラッキー!あなたがみがわりになりなさいよ!

ってラッキーの方を見たらのんきにうたってるの!
こんな時にうたうなんて何考えてるのよ!
ここまでダメダメなナースなんてモモミの卒業したスクールにいなかったわよ!

「ギュウゥゥゥ……zzz」
あらっ?モノズの噛む力が弱くなってきたと思ったら眠りはじめちゃった。
「大丈夫ですかモモミさん?この子は眠らせましたから」
なに?あなたがモノズを眠らせたの?
「はい、この子を眠らせるためこもりうたをうたったんです。
ラッキーのナーススクールではうたうのも
カリキュラムになっているんです。
暴れる子をおとなしくさせたり眠れない子を寝かせるために……」
ふ~ん、ラッキーのスクールって変わったことやらせるのね。

ラッキーとお話ししてる間にモノズの検診と注射が終わったみたい。
お客さんは次にギャラドスを出したよ。
なんでこのお客さんは凶暴なポケモンばかり捕まえるのかな?
キュートで癒されてクレバーなタブンネにすればいいのに。
モノズみたいに暴れださなきゃいいけど……って心配しちゃうよ。

だけどギャラドスは眠ってたわ。
「このギャラドスは捕まえるときにさいみんじゅつをかけたので
しばらくおきないですよ」
ならよかった。

「おいモモミ、ギャラドスのおなかをみたいからあおむけにさせろ」
イゴ先生がモモミに指示を出したよ。
でもイゴ先生って頭が悪いのね。
こんな大きなポケモンキュートなタブンネに動かせるわけないじゃない。
筋肉をつけるしかとりえのない格闘ポケモンじゃあるまいし。

「できないのか?じゃあラッキーやってくれ」
さすがにモモミにできないとわかったイゴ先生は次にラッキーに仕事を振ったわ。
「わ、わかりました」
ラッキーは返事をしてギャラドスのところにいったけどムリよムリ。
モモミちゃんにできないことがラッキーにできるわけないじゃない。
はぁ、こんな頭の悪いドクターについちゃってモモミは災難だわ。
いくらモモミが優秀でもドクターを優秀にしてあげるのは難しいかもね……

「う、う~~ん!」
ラッキーはボディーをふるわせながらギャラドスを持ち上げようとしてるけど
ムリよム……あれっ?
『ズ……』
ギャラドスが浮きはじめた?
な、なんで?世界一こうげきが弱いポケモンって言われるラッキーに
なんでギャラドスが持ち上げられるの?
『ズン……』
そしてそのままギャラドスをあおむけにしちゃった。

ちょっとラッキー!どういうことよ!
「わ、私、相手を傷つけることは苦手ですけどかいりきを持ってるんです。
ナースって患者さんをベッドから起こしたり運んだりと
肉体労働が多いじゃないですか。
そんなときに困らないようスクールでかいりきを身につけたんです」
そ、そんなことまでラッキーのスクールはやるの?

「どうだモモミ、これがナースポケモンだ」
な、何?イゴ先生ったらモモミにラッキーの仕事を見せつけるために一緒にさせたの?
こんなのおかしいわ?何かの間違いよ!!
ラッキーがモモミちゃんより優秀だなんてありえないわ!

モモミ、ここはいいから洗濯と患者さんの部屋を掃除して来い」
えっ?モモミはまだ治療してないよ?
モモミは患者さんを癒したいよ……
「何だその目は?あぁ!?
おまえさっきの検診で何もしてねえじゃねえか。
ラッキーが頑張ったからこそスムーズにできたんだ。
それなら他のコトさせた方がよっぽど効率がいいぜ」
うっ、モモミはモノズに噛みつかれたりとひどい目にあったのに……
何もしてないなんてひどいよイゴ先生!

「仕事はできねえくせに態度だけはでけえな……
もう一度お仕置きしてやろうか?あぁ!?」
そう言いながらイゴ先生は拳をボキボキならしたの。
モモミが天使なのをいいことに暴力で言うこと聞かせるなんてイゴ先生ひどすぎるよ。
だけど痛いのは嫌だからモモミはお洗濯をしにいったの。

それから2時間くらいたったかな、モモミはお洗濯とお掃除を頑張ったよ。
そしたらラッキーがしょんぼりした顔で歩いてきたの。
「あっ、モモミさん……」
ウフフ、どうしたのかしら?イゴ先生に怒られちゃったの?

「足をケガした患者さんがリハビリをするというのでお手伝いしようとしたんです。
だけどその患者さんとトレーナーさんが
『ラッキーじゃダメだ!タブンネを呼んで来い!』って私を拒否するんです。
私、患者さんの役に立てないことが悲しくて……」
そういいながらラッキーったら泣き出しちゃったわ。

ま、ラッキーよりも世界一のナースポケモンタブンネに
癒してもらいたいって言うのが
患者さん全員の思いよね。
イゴ先生も患者さんのニーズがわからないとダメよ。

わかったわラッキー、ここはキュートで優秀なモモミが行ってあげるから
あなたは代わりに掃除しなさい。
「わ、わかりました。お願いします」
ウフフ♪これでナースのお仕事ができるわ♪

そしてモモミはうたいながらリハビリ室に行ったよ。
『ガラッ』
は~い、キュートで優秀なタブンネのモモミちゃんですよ~~♪
「おっ、来たぜオコリザル」
「フンッ!!」
そこには怖そうなおじさんとオコリザルがいたの。

「おいタブンネ、俺のオコリザルはよぉ、
新技の練習中足を痛めちまってここで治療してたんだ。
今からリハビリもかねて新技の練習をするから手伝えや」
おじさんがモモミにお願いしたよ。
ちょっと言葉づかいの悪さが気になるけどまあいいわ。
モモミはオコリザルの足にいやしのはどうをしてあげたの。

「どうだオコリザル?できそうか?」
「フンッ!!」
オコリザルはうなづいた後足首をまわしてピョンピョン飛び跳ねたわ。
そしてモモミに猛スピードで向かってきたの!

『ドゴンッ!』『バンッ!』
うっ、ぐっ、はぁ……
い、痛いよぉ……オコリザルのキックを受けたモモミは壁までふっとばされたの。
これはリハビリだよ?バトルじゃないんだよ?

「おいオコリザル何やってんだ!」
さすがにおじさんも注意したわ。それなりに常識のある人だったのね。

「リハビリの時はタブンネにクッションを持たせてやらねえとダメだろ!
お前の足また痛めちまうぞ!」
そういっておじさんはモモミにクッションを投げつけたの。
そこじゃないわよ!モモミに攻撃することをやめさせてよ!

「よし、もう一度メガトンキックだ!」
「フンッ!!」
オコリザルはもう一度モモミに襲ってきたの!
モモミはクッションを盾に体をまるくしたよ。

『バンッ!』
 ・
 ・
あれっ、痛くない……?モモミはおそるおそる顔をあげたの。
オコリザルのメガトンキックはモモミに当たらないで壁に当たったみたい。
ほっ、助かった……

「まだ距離感がつかめてねえのと治りかけだから勢いが足りねえな。
まあそれは今後なおしていくか。
オコリザル、メガトンキックのリハビリはこれくらいにするぞ」
よかった、リハビリはこれでおわったのね。

「次は治療でなまった体のリハビリだ。
からてチョップをしろ」

えっ?何でそこまでするのよ、そんなことは外でやってよ!
「何か文句あんのか?患者を元気にするのがお前の仕事だ……ろっ!!」
『バシッ!』
うっ、オコリザルのからてチョップがモモミの頭に当たっちゃった……
『バシッ! バシッ! バシッ!』
いたい!いたい!いたい!なんでこんなことするの?
モモミはナースよ!サンドバッグじゃないのよ!

「ポケモンセンターでこうやってるとよ……
リフレクター豚野郎を思い出すぜ。
なにが『ここは戦うところじゃない』だ、正義ぶりやがって」

リフレクターを使う豚?ブーピッグのことかしら?
やつあたりならブーピッグにやってよ!
天使のモモミちゃんは何も悪くないのよ!
ほら、ピンクのボディーが真っ赤になっちゃってかわいそうでしょ?
モモミのいやしのこころでいやしてあげるからやめて!ね?

だけどオコリザルは鼻息がどんどん荒くなってボディーが真っ赤になっていくの。
「エリートだかなんだか知んねえが豚野郎の分際で俺に指図すんじゃねぇ!
てめえのきどったツラが俺をずっとムカつかせてんだよぉ!!」
『バシィィイン!!』
あっ………モモミの頭はグルグルしちゃって……何も見えなく……。
 ・
 ・

 ・
 ・
うっ、モモミは……生きてるの?
モモミは何とか起き上がったよ。
オコリザルとおじさんはいなくなったみたい。

はぁ……はぁ……何で……こんなことになったの?
モモミは……今日あったことを思い出してみたの。
 ・
モノズ?関係ないわ。
 ・
ブーピッグ?何か違う気がするわ。
 ・
……ラッキー?そうよラッキーよ!
あの子モモミが入ったばかりで患者さんのコト知らないのを利用して
トラップをしかけたんだわ!
あの異名は本当だったのね!

許せない……許せないわラッキー!
オコリザルから受けたダメージはまだ回復しないけど……
モモミはフラフラになりながらもラッキーのところにいったの。
 ・
そしてモモミは事務室の前についたわ。
多分今頃イゴ先生とお昼ごはんをたべて……
「ハハハハハ」
あっ、モモミの天使の耳がイゴ先生たちの話声をキャッチしたよ。
何話してるんだろう?

「どうぞイゴ先生」
「おっ、いつもありがとな。
お前のたまごを食べれば疲れが全部ふっとんじまうぜ」
 ・
……そうだったのね。
ついにすべての謎がわかったわ。

モモミはラッキーが部屋からでるのを待ったわ。
そしてラッキーがついにでてきたの。

「モモミさん?どうしたんですかそのケガは?」
ラッキーはあわててモモミにかけよっていやしのはどうをかけたの。

……何よ。何にも知らないふりして。
モモミが何も知らないと思ってるの?

「えっ?」
ラッキーったら固まってるわ。

だれのせいでモモミがこんな目にあったと思ってるのよ!
あのオコリザル達はあなたが仕組んだトラップでしょ!

「ち、ちがいます。わ、私は本当に……」
じゃあなんでモモミはリハビリであんなひどい目に合わされたの?
みんなから愛されるタブンネがこんなことされるなんてありえないのよ!
あなたがモモミを追い出すために仕組んだとしか思えないわ!
キュートで優秀なモモミが入って自分の立場が危うくなるからね。

「信じてください。
私はモモミさん、エンゼルさん、イゴ先生たちと一緒に頑張りたいんです」
ラッキーは手を組んでウルウルしながら言ってるわ。
だけどあなたの言葉が嘘だってこと天使の耳を使わなくてもわかるのよ!
エンゼルちゃんはだませてもモモミはだませないんだから!

あなたがイゴ先生にタマゴをプレゼントしてることも知ってるんだから
そうやってポイント稼いでるんでしょ!
イゴ先生がモモミに冷たい理由がそれならわかるわ!

「えっ?私はイゴ先生がいつも忙しくて大変だから栄養を付けてもらおうと……」
いいわけはいいの!イゴ先生が大変?
そんなことあなたが気にしなくていいのよ!
モモミに治療を任せればも楽できるのに任せないイゴ先生が悪いんだから。
ま、それもあなたがイゴ先生に重労働させるよう仕向けてるんでしょうけどね。
最低なポケモンね。さすが《悪魔》とよばれるだけあるわ。

「あ、悪魔?ひどいですモモミさん……」
あら知らないの?あなたやハピナスはトレーナーから《ピンクの悪魔》って
おそれられてるのよ。
モモミが実習生だったころ通ってたポケモンセンターで
強そうなトレーナーがそんな会話してたのを覚えてるわよ。

あなた達悪魔がナースをやってるのもイメージ回復なんでしょうね。
天使のナース、タブンネ達の邪魔をしないでほしいわ。

まぁいい機会だからあなたに真実を教えてあげる。
ポケモンセンターでナースとして一番活躍してるポケモンは誰?

「それは……タブンネさんです」
そう、ナースポケモンで一番活躍してるのはタブンネなの。
それはドクターさんも患者さんからも必要とされてるからよ。
だからいっぱいのナースタブンネが働いているの。

いやしのはどうにいやしのこころ、聴診器いらずで相手の気持ちも読める天使の耳、
キュートでメロメロになっちゃうルックス。
これ以上ナースにふさわしいポケモンがこの世にいるの?

「あ、あのモモミさん、ポケモンナースにタブンネさんが多いの……」
『パシン』
何?モモミが間違ってるっていうの?
あなたの言葉なんて聞かないわよ!

他のポケモンならあなたはボコボコにされてるんでしょうけど
モモミは天使だからこれで許してあげるわ。
モモミのいやしのこころに感謝することね!
そしてこれから自分はどうするべきかよく考えなさい!
それだけ言ってモモミはお昼ごはんを食べに行ったわ。

ウフフ、ピンクの悪魔もこれで心を入れ替えるかしら?
あんなひどい目にあっても許してあげるモモミちゃんって
本当にキュートで優秀なナースね♪

さて、午後のお仕事よ。
モモミ達は事務室に集まったわ。
「よし、午後の業務の説明をするんだがその前に
さっきボランティア団体から連絡があったんだ。
トレーナーを失ったポケモン達の施設へいって彼らのケアをしたいから
ナースポケモンを貸してくれないかってな。
つーわけでモモミ、行ってきてくれ」

なんでイゴ先生はモモミを邪魔者みたいに言うのよ!
そろそろモモミに治療をさせてくれてもいいでしょ!
「何だその目は?また俺にたてつく気……」

「あ、あのイゴ先生、私……」
「ん?ラッキーどうしたんだ?」
あら?ラッキーが前にでてきたわ?

「わ、私……施設へ……行きたいです……」
ラッキーったらさっきのお説教がきいたのかしら?
自分からこんなこと言い出すなんて?

「何だラッキー?お前施設に行きたいのか?」
「は、はい……」
「まぁモモミじゃ昨日のスカンプーみたいに余計心を傷つけるだけかもしれないからな。
よし、じゃあラッキー行ってきてくれ。
仕方ねぇ、モモミは診察室で俺の手伝いをしろ」
うっ、モモミはスカンプーに何も悪いことしてないのに……
けどこれでラッキーは追い出せたわ♪
ウフフ♪これでモモミちゃんの実力が発揮できるわ♪

モモミはイゴ先生と診察室でお仕事をしたの。
だけどイゴ先生ったらモモミに「薬とってこい」とかいうだけで
全然治療させてくれないの……
 ・
 ・
……あっ、もうすぐ終わりの時間だ。今日もいやしのはどう出せなかったよ……
『ピピピピピ ピピピピピ』
あれ?電話だ。

「はい、もしもし……ああ……
何?火事で大勢のポケモンがケガしたって!?」
どうしたのかしら?イゴ先生が大声をあげてる?
「ああ、こっちにも何匹かまわしてくれ、頼むぞ」

「モモミ、今からここにやけどしたポケモンが大勢運ばれてくる。
一刻をあらそう事態だ。
俺一人の手では間に合いそうにないから
モモミとエンゼルもやけどとケガの治療をしろ」
やったわ!ついにモモミちゃんの力を発揮する時がきたわ!

「くそっ、こんなことになるんならラッキーを行かせるんじゃなかったぜ」
イゴ先生ったらまだラッキーのこと考えてるわ。
だけどケガしたポケモンをみんな癒したらモモミの優秀がイゴ先生にもわかるよね。

さあみんな!キュートで優秀なモモミちゃんが癒してあげるからいらっしゃい!

少ししたら広場に大勢ポケモンが運ばれてきたわ。
みんなやけどして苦しそう……
でも大丈夫♪キュートで優秀なモモミちゃんがいるから助かるわよ。

タブンネの治療はとっても簡単。
まずはいやしのはどうでポケモンの傷を治療してあげるの。
そして【やけどがなおりますように】っていやしのこころで祈ってあげるだけ。
 ・
ほら、もうポケモンの傷がなくなっちゃった♪
こんなすごいことが簡単にできちゃうなんて自分でもびっくりよ。

イゴ先生はどうかな?
あら、まだ1匹目の治療中?
遅いわね、こんな無能なのにモモミに偉そうにするなんて信じられないわ。

エンゼルちゃんはどうかな?
「やけどをなおしてください、やけどをなおしてください……」
手を組んでお祈りしてるわ。
「エンゼル!祈ってねえでいやしのはどうもしろ!
そうしてる間もポケモンは弱ってくんだぞ!」
「ご、ごめんなさいイゴ先生」
あら怒られちゃった。エンゼルちゃんもドジね。

その後もモモミ達は傷ついたポケモンを治療し続けたの。
だけど疲れてきちゃった……
いやしのはどうってすごい技だけど1日10回ぐらいしか使えないのよね。
いくらモモミが優秀でもこれだけ大勢のポケモンを治すのはきついわね。

「やばいな……数が多すぎる。
このままじゃやけどで取り返しのつかないポケモンもでてきちまう」
イゴ先生も汗びっしょりで困っちゃってるよ。

『ガラッ』
「み、みなさん大丈夫ですか?」
ラッキー?ボランティアから帰ってきたのね。
「やっと帰ってきたかラッキー。
疲れてるとこわるいがお前も治療にあたってくれ」

「は、はい」
そういってラッキーは目を閉じて集中し始めたわ。
この非常時になにやってるのかしら?
これだからいやしのこころを持たないピンクの悪魔はダメなのよ。
まあいいわ、こんな役立たずはほっといて治療しなきゃ。
 ・
 ・
……あら?なんか癒される香りが……
これはアロマの香り?いったいどこから?

モモミはあたりを見回したよ。
そしたらラッキーから緑色のオーラと一緒にアロマの香りが放たれてたの。
「ふぅ……」「あれ?なんか楽になったみたい……」
どういうこと?なんか患者さんのやけどが治っていくわ。

そして気が付いたらみんなのやけどが治っていたの。
「助かったぜラッキー。おまえのアロマセラピーは相変わらずすごいな」
アロマセラピー?なんでラッキーがそんなことできるの?

「は、はい。父から教わりました。
私の父はアロマセラピーを得意とするロズレイドなんです」
うっ、まさかラッキーにアロマセラピーが使えるなんて思わなかったわ。
モモミですらアロマパフュームを使わないとできないのに……

『ガラッ』
「イゴ先生。大変なことになったみたいじゃないか」
あっ、オセロ先生が来たわ。

「そうなんですよ。
でもラッキーのアロマセラピーのおかげで大惨事はまぬがれました。
あとは体力を回復させれば大丈夫ですよ」
「そうだったのか、いや、お手柄だよラッキー君」

えっ?何でラッキーだけが褒められてるのよ!
モモミだって最初からずっと頑張って癒してたのよ。
ラッキーなんて遅れてきておいしいところを持ってっただけじゃない。

「ラッキー君にはナース殿堂入りを考えてあげないといけないな」
で、殿堂入りですって?
ナースポケモン最大の栄誉である殿堂入りをアロマセラピーをしただけの悪魔が?
そんなの間違ってるわ!
「い、いえ、私が殿堂入りだなんて……」
そうよ、ラッキーなんてふさわしくないわ。
キュートで優秀でアロマの香りをつけているモモミこそふさわしいのよ。
だからオセロ先生、モモミを殿堂入りさせて♪

「どうしたのかねモモミ君?
モモミ君とエンゼル君もご苦労だったね。
さあ、あとは私たちと引き継ぎのタブンネ君がやるから今日はあがりなさい」
えっ?それだけ?
モモミもヘトヘトになるまで頑張ったんだからもっと褒めてよ……

だけどオセロ先生もイゴ先生も治療に集中してモモミのお願いをきいてくれないの。
うっ、これじゃラッキーの引き立て役じゃない……
どうにかしないと……

2日目 おしまい

最終更新:2015年01月03日 00:55