~動力室~
「つまらないミイ…おもちゃが欲しいミイ…」
破滅をもたらすためにさまよう1匹の糞子豚。こいつがお前たちを殺すのだ。最期はこいつが看取ってあげるように色々と工夫してやる。
「これ、この前の
スイッチと一緒かミイ?それにこれはなんだミイ?」
豚が見ているのは毒ガススイッチとモニターだ。このスイッチは本来ならデウスエクスマキナよろしく、レベル10の毒ガスであっという間に物語を終わらせられるが、今回はレベル7にしてある。ついでに、この子豚が座っていないと押せないという素敵仕様だ。嫌でもみんなの最期をこの子豚に見てもらおう。
「ここに座って…このボタンを押して…」
何が起こるとも知らずにボタンを押す子豚。毒ガスが出る前に、部屋の様子がモニターに映し出される。
「みんな居るミイ!どうなってるんだミイ!」
まずは電気機関車。狭い部屋の中でタブンネどもがひしめき合っている。
「これを押すと、目の前で素晴らしいショーが見れるミイ?もちろん押すミイ!」
「電気機関車、ロック機能オン。毒ガスレベル7。放出」
「ミ?…ミイイイイイイ!?毒ガスって何ミイ!?」(身体が椅子から出た鎖で拘束される)「な、なにこれミイ!逃げられないミイ!…まさか、罠かミイ?」
今更罠だと気付いたこいつにはとっておきの映像を特別席で見せてやろう。
~電気機関車~
先ほどの放送は当然ここにも流れる。まさに寝耳に水だよねえ。
「なんだミイ!?」「どういう事だミイ!?安全地帯じゃなかったのかミイ!?」「ふざけんなミイ!」
豚が出ようとするが…。
「開かないミイ!」「外から抑えられてるみたいで、びくともしないミイ!」
当たり前だ。外には鉄の塊が置いてあるんだ。ドアはびくともするまい。そして…。
「ミギャアアアア!苦しいミイイ!」「解毒、解毒剤イイイイ!」「助けてくれミイ!」
毒ガスで殺処分した方が、見せしめに森にさらすには丁度いいだろう。
「これさえあれば…助かるミイ…。ゴクゴク」「僕もいただくミイ!」「私の物だミイ!」
先に解毒剤を手にした豚が一気に飲み干すが…。
「ミグアアアアア…!逆に…苦しく…なってきたミイ…!」「ミギャアアア!ゴホゴホ!ゲボオ!」「ミグエエエエエエ!なんだこれはミイイ…!」
馬鹿だなあ。せっかく殺す連中に本物の解毒剤なんかわざわざ渡すわけないじゃん。それは強烈な化学薬品や毒薬だ。中にはタブンネの骨を溶かした液体や脳みそスープ、液体タブンネもあるぞ。
~動力室~
「そんな…嘘だミイ…。僕は、僕は…」
くくく、いい顔している。やはりタブンネには絶望や悲壮感を表す表情がよく似合う。
~電気機関車~
「苦しいミイ!胸が焼けていくミイ!」「だましたなミイ!貴様!」「開けるミイ!」
この期に及んでまだ同族同士で争う豚ども。まあ、扉の向こうの豚はすでに死んでいるけどな。
「なんで…こんな…」「あれは…なんだミイ…!?」
電気機関車のモニターと動力室のモニターは連動している。さて、
お楽しみを始めるか。まずは…。
~動力室~
(翻訳機を持ちながら)「やあ、タブンネちゃん。自分の家族や同族を自らの手で苦しめる気分はどうだい?」
相手は椅子に体を拘束され、手もスイッチの上から動かせないからそもそも何もできない。そんな豚の顔を持ちあげてやった。ちゃんとモニターを見ろ。
「何するんだミイ!」「いやあ~凄惨な光景が広がってるねえ~。「優しいポケモン」が毒ガスで、自分の身内を、皆殺しにするなんてねえ~」
満面の笑みを浮かべて言ってやる。ククク…最高だよ。この絶望の表情。
「違うミイ!違うミイ!」「何が違うのかな~?楽しいことを探して毒ガスをまいてみんなを苦しめていたのに自分はニコニコしてたよね~?」
その場の映像も見せてやる。こういうサービスも必要だろうな。みるみる顔色が青くなっている。
「そんなことしてないミイ!」「嘘はいけないな~。君の顔はここに入ってスイッチを押すまでず~っと笑っていたじゃないか」「そんなはずないミイ!」「嘘つきは舌を抜かれるって言うよ~?」
複数匹一気に精神的に追い詰めるのも楽しいだろう、でも1匹を徹底的に苛め抜くのもこれはこれで面白いはず。責任で押しつぶしたい絶望の底に落としてみたい。こいつはその代表に選ばれたのだ。誇りに思え。あ、何体か倒れた。
「ミイイイイ!死んじゃやだミイ!」「ああ…可哀想なタブンネちゃん…。たった一匹の突っ走りが原因で毒ガスを吸わされ、みんな死んでしまうんだ…。そしてシャンデラさんに魂を燃やされ、永遠に苦しんで苦しんで…」
悲しい顔を作って言ってる最中も画面の中で何体かが倒れる。倒れるだけならまだしも、死んだら責任は全部こいつのせいだ。
「そ、そんなことにならないミイ!タブンネちゃんは、必ず…必ず幸せに…」「その幸せな未来は、とある子供の悪戯によって、永遠に奪いさられることになるのでした…」「そんなはずないミイ!」
必死に否定するところ悪いが、お前のその真っ青な顔を見て必死に笑いをこらえて悲しい顔を作るこっちの気持ちを考えてほしい。責任から逃れる道を少しずつ塞いでいってやるとどんどん表情が暗くなるんだもん。マジ笑える。
電気機関車内の豚に毒ガスをまいた犯人を教えてやっても面白いかなと思い、そっちのモニターとこっちのモニターを繋げてやる。ついでに、一時的に毒ガスの噴出を止めてやる。話している間に死なれたら面白くない。ついでに言うと、俺が持っているのは毒ガスを「止める」スイッチで、出すことができるのはタブンネの右手が乗っているスイッチだ。
「やあ、哀れなタブンネちゃんたち。ご機嫌いかがかな?」
突然モニターが付いたと思いきや、そこに人間と見覚えのあるタブンネが居ることに驚く豚ども。
「…何がどうなっているミイ」「何者だミイ…貴様…」「そこにいるのは…まさか…」「…嘘だミイ…」「タブラス…」
やはり知っている奴が居たか。最初の被害豚の大半はすでにさっきの毒ガスを受けて昏睡状態で動けないがな。
「君たちの命を握っているのは何か、分かるかな?」「…お前が、毒ガスをまいたのかミイ!?」「よくもやったなミイ!!」
酷い誤解だな。なんで俺がいきなり犯人扱いされないといかんのだ。
「何言ってるんだい。やったのはそこのタブンネだよ。僕の横の椅子に座っているね」「嘘だミイ!!」「そんなことないミイ!!」
まあ、証拠を見せないと信用はしないわな。糞豚にも物証が無いとだめだろう。というわけで先ほど横の豚に見せてやった物をこいつらにも見せてやる。…みるみる顔色が変わっていくな。
「…タブラス…まさか…」「初めから…僕たちを殺すつもりで…」「何てことだミイ…」「違うミイ!僕じゃないミイ!」
この期に及んでまだ横の豚は「やってない」と否定する。…その表情が肯定しているんだぞ。そんな中、モニターの中の何処からともなく、こんな声が聞こえた。
「タブラスは悪だ」「奴は一族に災いをもたらす」「奴は生きている資格なし」「タブラスに死を」「断罪されよ」まとめればこんな感じだ。
要するに、電気機関車内のタブンネ全ての怒りが、恨みが、一匹の子豚に向けられたという構図になる。…良い表情だ。信じてくれると思っていた大人たちは本当かどうかも分からない映像をもとに自分が悪だと決めつけ、一方的に非難する。弁明も釈明も一切聞いてもらえず、信じていた豚に裏切られて、聞きたくないことばかり言われて…。そして自分の手元には、そんな奴らを殺せる毒ガスのスイッチがある。…どうするのか、言うまでも無いよね?
「…ふざけるなミイ」「…タブラス?」「何するつもりだミイ?」「僕を一方的に非難して…僕がどれだけ悲しんだかも知らないで…僕がどれだけ苦しいかも知らないで…」「タブラス…まさか!!」「止めるミイ!!」
そして、スイッチに手がかかった。
「僕を非難するお前たちなんか…死んじゃえミイ!!」
とうとう自分の意思でスイッチを押しやがった。電気機関車への毒ガス散布再開。濃度は…「レベル8だミイ!!僕を傷つける奴なんか、苦しみぬいて、死んでいけミイ!!」散布までのカウントダウンが始まる。
「タブラス考え直すミイ!!」「止めてミイタブラス!!ママが…ママが死んじゃうミイ!!」「この糞豚めミイ!」「お前こそ毒ガスに飲まれて死んじまえミイ!!」「助けてミイ!!」「タブラス様お願いします!!どうか命だけは助けてくださいミイ!!」「タブラスなんて死んでしまえミイ!!」
…ホント、どうしようもない奴らだねえ。
毒ガス噴出…3、2、1…噴出開始。
ついに毒ガスが電気機関車のタブンネを襲い始めた。タブラスを非難していた豚も、タブラスに命乞いしていた豚も、あっという間に煙の中で倒れていく。
「僕を非難する奴らには…お似合いだミイ。ミヒャハハハ!僕こそ最強のタブンネ様だミイ!」
毒ガスで苦しむ同族を見ながら高笑いしている実行犯のタブンネ。だが、もう一つあるんだよな。毒ガスを使わせる場所は。
「タブラスめ…死んじまえ…ミイ…ミガアッ!」「腐れ外道に…ミイミイ神さまの…怒りを…ミグウッ」
とうとう全員死んだか。じゃあ、実行犯に聞いてみようか。
「ねえ、今君は「自分の意思で」同族を毒殺したよね?ねえどんな気持ち?」「最高だミイ!あの糞豚ども、この美しいタブラス様を罵りやがってミイ!居なくなってせいせいしたミイ!」
…培養実験室につなげるか。たしかそこにはこの豚の「ママ」が居たはずだ。…やばい、これから行われるショーの内容を思い浮かべると笑いが止まらなくなってきそうだ。
「ねえ、もう一つ、タブンネが集まるところがあるんだけど、見たくない?」
背中を押す、もとい、遊べる所を教えてやる。答えは当然
「見るミイ!見せてくれミイ!」
さて、母子のコメディーはどうなるかな?楽しいものになればいいなあ。
培養実験室のモニターと繋げてあげた。豚どもは皆驚いているが、中に1匹、恐怖心のようなものを抱いてこちらを見ている豚が居る。あれがこれの親か。
「タブラス!あなた何をしてるミイ!」「…ママミイ!なんでママが居るミイ!?」
母子感動のご対面。
「えっと、君がこの豚のママってわけだ」「タブラスを返してミイ!」「まあ、そう焦るな。俺はこいつにどうこうする気はない」
他の豚(多分こっちのリーダー)が詰め寄ってきた。
「電気機関車の方のみんなはどうなったミイ!」「ん?」「あっちの方の仲間は無事なのかミイ!」「ああ…。ちょっと待ってろ。今映像を見せてやるからさ」
さっきの光景をこいつらに見せてやる準備はできた…な。さて。
「ねえ、映像を流す前に君から何か一言ある?」「僕の雄姿を、とくとその目に焼き付けるがいいミイ!」「タブラス…あなた、何をしたミイ?」
さーて、映像のスイッチオン。上映しまーす。ついでに出口も塞いでおきまーす。
「なんだこれはミイ…」「酷いミイ…」「タブラス…」「まさか…本当に…」「そんなミイ!!嘘だミイ!」
お、母親が発狂している。そろそろ今回最大のお楽しみが始まるぞ。仮にタブラスがキレてスイッチを押しても俺が押しているからコントが終わるまでは問題なしだ。
「どうだミイ!凄いだろうミイ!」「タブラス…」「ママ…?すごくないのかミイ?」「あなたって子は…あなたって子は…」「凄くないのかミイ?」「仲間を全員毒殺することの何が凄いんだミイ!このタブ殺しッ!」「ミイ!?ママまで…非難するのかミイ?」「せっかちだけど優しい子だと思っていたのに…」「な、何言ってるミイ!」「ママは、タブラスをそんな子に育てた覚えはありません!!あなたはママの子じゃありません!!私には子供は居ません!!」
「何を言い出すんだミイ!ママがママじゃないというなら僕は誰の子なんだミイ!」「お前みたいな悪魔の子、私の子じゃないミイ!」
醜いコントが続いているな。…ところで、こいつの父親いないのかな?
「おい、後ろの豚ども。お前らの中に、こいつの父親っていないの?」
聞いてやると、一匹のこのこ近づいてきた。…いかにも自己中で「俺は権力になんか屈しない!俺はヒーローだ!」とか言ってそうな豚だな。
「パパだミイ!」「タブラス、いい加減にし「あなたの馬鹿!!」ミギャア!?」
パパが近づいて何か言おうとしたところでママのやつあたり炸裂!
「い、いきなりなにするんだミイ!」「あなたの汚らしい遺伝子が混ざったから、タブラスなんて悪魔の子が生まれてしまったんだミイ!」「お前のそのふざけた性格こそ、タブラスの材料になったんじゃないのかミイ!」
夫婦喧嘩(笑)開幕。お前ら両方の責任だっつーの。そもそも飯と異性豚の事しか頭にないから教育なんてしていないのだろう。
「あんたなんかと一緒にならなければよかったミイ!一緒になったせいで、私は今虐げられてるんだミイ!」「被害者面すんなミイ!そもそもお前はあっちこっちで♂豚と子づくりしてたじゃないかミイ!」「あなただって、私なんか放って他の♀豚の所に行ってたじゃないかミイ!」「言い訳すんなミイ!」「あなたが悪いミイ!」
責任のなすりつけあいと言う名の夫婦喧嘩(笑)。相手を落として自分は助かろうという意思しかないらしい。
「大体タブラスだって、お前がよその♂の所に行かなければ生まれるはず無かったミイ!」「私は悪くないミイ!あんなの♂豚を満足させられない他の♀豚が悪いミイ!」「お前みたいな脂肪の塊抱いて喜ぶなんて、とことん屑ミイね!タブンネとしての品位を疑うミイ!」「あんただって脂肪の塊でしょうがミイ!こんな脂肪の塊に満足させられるなんて同じ美少女タブンネとして情けないミイ!」「おまえのどこをどう見たら美少女に見えるミイ!」
周りのタブンネもなんか騒がしくなってきたな。タブラスよりも相手がほかの異性豚とやっていたことの方が深刻らしい。
「あんたまさか…」「ひ、人の事言える立場かミイ!?」「最低ミイ!」「お前こそふざけるなミイ!」「私以外抱かないと言ったのはうそだったミイね!」「脂肪の塊を抱いてうれしいはず無いミイ!」
夫婦喧嘩があちこちで発生。子供たちは泣きながら祈っている。こいつらにも燃料を注いでやるか。
「パパ…ママ…止めてミイ…」「夫婦仲良く暮らすって言ってたのにミイ…」「喧嘩は止めてミイ!」「やあチビちゃんたち。パパとママが喧嘩しちゃってつまらないよね?」「ミイ!?」「横の子供たちが居るから…喧嘩しているのかもしれないよ~?」「どういう事ミイ…?」「君たちだって、賢い子の方が、強い子の方が、愛されるでしょ?あえて大人たちが喧嘩して、君たちがどういう対応をするのか見極めようとしているんだよ」
そんなはずはないが、子供には嘘でも十分に通じる。だから、こう言ってやる。
「もし、自分がほかの子供よりも強くたくましい子だって示したら、大人たちは喧嘩を止めるかもしれないね」
突然子供たちが動き出した。まずは体が小さく弱いベビンネをターゲットにしたようだ。
「悪いけど、犠牲になってもらうミイ!」「チイイ!チイイイ!」「逃がさんミイ!」「チギャアアア!」「殺すミイ!殺すミイ!」
ベビンネ一匹を集団で攻撃する子供ンネ。チイチイ泣きながら逃げ回るが、子供ンネのしつこい攻撃によっていたぶられる。…さて。
「ねえ、君はこれを見て、どう思う?」
横の豚に聞いてやる。こいつには、これが終わった後で役立ってもらうのだ。洗脳…じゃなかった。価値観の改善は行っておかないとな。
「タブンネとは最低な種族ミイ。ママはもちろん、パパも僕を捨てるし、勝手に産むだけ産んで放置するなんて最低ミイ」
良い回答だ。でも、もう少し嫌ってもらわないとな。
「タブ~タブ~」「新しいベビンネミイ!」「奴を攻撃するミイ!」「ベビンネが居るから、僕らは愛してもらえないミイ!」
卵から今孵りました、とばかりにベビンネが一匹。周りの生意気な糞豚と違い、タブ~タブ~と可愛い声をあげるその姿は純粋に可愛く、だからこそ虐めたい。殴りたい。踏みたい。
「タアブ~!タアブ~!」
ママを求めて泣きはじめる。ああ純粋に可愛い。殴りたい。他の子たちと違って愛の拳を母乳の代わりに与えたい。この時点なら純粋に可愛いのに…。ああ…潰したい…。
「タブ!?」「ママはここには居ないミイ。居るのは…」「お前を成敗する、正義のヒーローミイ!」「討伐対象を発見ミイ!」「殺して、ママの愛情を独占するミイ!」「タブネ~!」
そのまま糞ガキンネにリンチされる
生まれたてベビンネ。必死にママを呼ぶも、とうのママは
「あんたなんか…こうだミイ!」「ミギャアアアア!!目がアアア!目がアアア!」
夫と楽しいコントを繰り広げておりました。
「タブネ~~~~!」「やったミイ!悪は滅んだミイ!」「僕らの勝ちだミイ!」
そりゃあ、抵抗も何もできない生まれたてベビンネ相手に負ける方がありえないって。この糞ガキンネを見た感想を聞いておくか。
「ねえ、今生まれたての赤ちゃんを集団で攻撃する糞ガキンネを見たけどさ、どう思う?」「…最低だミイ!外道だミイ!屑だミイ!」
まあ、タブンネ以外でもこう思うだろうな。普通は。俺は素晴らしい物を見た感動が収まらない。だって、守るはずの物を壊すんだぞ?自分たちの意思で。
「で、さ。毒ガスがあるけど、どうする?」「…まだ、押す気にはならないミイ…」
ふむ。まだ粘るか。
「でもさ、あんな奴らが自由になって良いと思う?」「どういう事だミイ?」「だから、あいつらが野放しになったら、周りの人やポケモンに凄く迷惑かけるだろって言いたいわけ」
普通の虐待派なら「言うこと聞け屑!」とか叫んで金属バットや鈍器で殴っていう事を聞かせるだろう。だが、それでは変わらない物もある。そうやってただ数を減らしても、いくらでも子づくりして増えるだろう。暴力で従えても、逃がしたら意味が無い。ほぼすべてのタブンネの去勢をするのも凄まじい労力やコストがかかる。だったら…
「ああいう馬鹿を支配するのに望ましいのは、周りに迷惑をかけないタブンネだと思う」「何故だミイ?」
まあこれも詭弁だが。本当の目的は人里に寄り付かないようにすることと、ひたすら子づくりしたがる気持ちを萎縮させることだしな。毎年毎年増えすぎだ。
「あいつらだけじゃない。森にはまだ糞豚が居る」「それは分かるミイ。それと僕に何の関係があるミイ?」「ここでタブンネの真実を知ったお前が、タブンネのリーダーになって、糞豚を統制するのさ」
全く、さっさと理解すれば楽なんだが。こいつらを毒殺したのち、森の入り口に埋めれば毒ガスの臭いと効果でこいつらは近づけないし、タブンネの本性を知ったやつが交尾を行う権限を持てば、子づくりは萎縮するだろう。
「つまり、僕が族長になって、タブンネを正しく率いて行けってことミイ?」「そうだ。今のお前ならできる」「…」
もう少しだ。まあ、繁殖行動を減らしたら絶滅、増やしても餌が無い、毒ガスミイラに阻まれ人里に取りに行けないって罠にかかっているがな。
「分かったミイ」「ん?」「僕が新たなリーダーンネになるミイ。そして、一族を正しく導くミイ!」「よく言った。じゃあ、最後の仕上げだ」「ミイ?」「そのスイッチを、押しな。自分の邪魔をしている奴らとの決別だ」
さて、仕上げに入るか。これであの森のタブンネはいずれ数が激減する。でも毒ガスミイラの埋葬含め狩り、虐待では無いから愛誤は何も言えない。完璧だ。
「スイッチオンミイ!」
レベル7の毒ガスが喧嘩によって疲弊した豚どもを襲う。
「ミギャアアアア!」「タブラス…しまったミイ」「忘れていたミイ…敵の…存在…」「ママ…これで…僕を…愛し…」
糞豚どもが毒ガスに飲まれ、死んでいく。もはやもがく力も残っていない豚どもはあっけなく全滅した。
「やったミイ…」「お見事」「当然ミイ!僕が新たなリーダーだミイ!」
さて、と。睡眠薬をこいつに使うか。起きていると運ぶのが面倒だからな。
「少し眠りな」「ミッ…?なんで…眠く…?」
さて、
後片付けだ。
「では手筈通り、毒殺した遺体はあの森の地面に「箱に入れて」葬ってください。森を囲むように、お願いします」
屈強な男たちやポケモンが次々に毒ガスンネを運び出していく。この方達はタブンネに困らされている街の住人だ。
「タブンネが絶滅しても、困りませんよね?」「ええ、あの森には草食系のポケモンしか住んでいませんし」
そして5分後、研究所はもぬけの殻になった。そこに居たであろうタブンネは跡形もなく消え去り、汚い血の跡もなくなっている。
~糞豚の森~
例の子豚を解放したのち、作業を始める。子豚の睡眠薬はあっさり切れるだろうから、もう起きてるだろう。
「箱のふたを閉めて…土を被せて…終了!」「お疲れ様でした」「ふう、やっと終わったな」
先ほどの手筈通りに進み、あっけなく対策は終了した。タブンネ用に今回作った毒ガスは遺体の中からでも
タブンネの触角や鼻に作用するらしく、タブンネ以外には害が無いが、当のタブンネちゃんには500年後も反応するくらい強力なタブンネ除け効果がある。それこそ地面の箱の中からボールの中のタブンネちゃんを苦しめるくらいな。
「ミイイイ!ミイイイ!」「おや、どうしたんだ?帰れないぞ?」
今もそうだ。そのボールに入れたタブンネを向こう側(森側)に出してあげた途端、凄まじい速さ(笑)で奥の方に逃げ、こっちに近づけなくなったのだ。笑える。他の方も面白そうだ。
「じゃ、帰るからね~」「ミ、ミイイイ!ミグアアア!」ドスドスドス
飼い主の僕を追いかけようにも埋まっている毒ガスンネのせいで全く近づけず、凄まじいまでの中毒作用に耐えられないから逃げるしかない。バイバイタブンネ!(笑)
「じゃあ、帰りますね」「ああ、これでタブンネが街に来なくなればいいな」「全くです」「ミイヤアアアアア!!」
1か月後、近くの街からタブンネの姿も、糞尿問題もなくなり、森の景観もよくなったという。めでたしめでたし。
最終更新:2015年01月03日 01:05