「ミギャアアアアアアア!!」
毛と同じピンク色のリボンを左耳に付けたタブンネは椅子に縛り付けられペンチで歯を抜かれていた
一本一本、男は丁寧に抜いていく
「チィチィ!」
「ママに何するの、やめて!」と男の足を叩いて訴える母親とお揃いのリボンを付けたベビンネを無視し、男は最後の一本を抜いた
「ヒャフ・・・ヒャフヘ・・・」
「チィチィチィ!」
タブンネの体をベビンネは小さい体でよじのぼり、歯の抜けた口へ両手をあてる
「なるほど、すでに癒しの波動を覚えてるのか」
男は感嘆の声を出し・・・母ンネからベビンネを取り上げた
「チィ!」
「ヒュィィィィ!!」
「やめて!」と訴える母ンネを蹴飛ばして床に転がす
ビデオが録画中になっているのを確認しながら、ジューサーへベビンネを入れた
「ヂィ!ヂィィィィィ!!」
ジューサーを知っているのか、ベビンネはお漏らしをしながら必死になって抵抗を始める
男は力づくで蓋を押さえ付け、
スイッチをONにした
「ヂ・・・ヂギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「ヒィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
ベビンネは断末魔を上げながら赤いジュースと化した
男は結果に満足そうにうなづき、カミソリを出す
「さぁ、キレイキレイしようね糞豚ちゃん」
たっぷり3時間後、子を目の前で殺され全身の毛を剃られたタブンネは死んだ
いや、それはすでに肉塊も同然だった
全身の皮膚を刻まれ全身を殴打され、血と痣でまさに
ボロンネだ
男は笑いながら肉塊の上に右足を乗せ、ビデオカメラにピースした
「愛護ちゃ~ん、見てる? キミの可愛いブタンネはこんなになっちゃいました、ギャハハハハ!!」
男はひとしきり笑うと、録画スイッチを切った・・・これは虐待愛好会で高く売れるだろう
あとは肉塊と化した豚とジュースになった子豚を袋に詰めてDVDと共にあの家の前に放置するだけだ
愛護はさぞやいい声で泣いてくれるだろう
金も手に入り一石二鳥、これだからタブ虐はやめられない!
プツッ!
DVDの再生が終わり白髪の老人はテレビの電源を切った、部屋は静寂に包まれる
部屋の中にはテレビとDVDの再生装置、そして「机」と椅子のみがあった
男は椅子に縛り付けられ自分で撮った録画を一部始終見せられた
老人が口を開く
「身代金は払ったはずじゃ・・・ワシの曾孫のポケモンを何故殺した」
「サンドバック潰しただけで、なんでここまでされるんだよ!」
男の返答から反省の気配が無いと悟った老人は、言葉を続けた
「質問を変えよう、なぜワシの曾孫を傷つけ苦しめた? 金は払ったはずじゃぞ」
「へ、愛護なんざ苦しめてなんぼ、恨むなら糞豚をペットにした曾孫の愚かさを恨めや!」
老人はかぶりを振り「机」の引き出しを開けた、中からペンチを取り出す
「お、おい、何をする気だ?」
「自分で撮ったビデオを見たじゃろう?」
サッと、男の顔の血の気が引く
「しょ、正気かてめぇ!」
「正気じゃとも、これでも若い頃は傭兵として国外を転々としておっての、汚れ仕事もしたものじゃ」
男は悟った、この老人は本気だと
「た・・・助けてくれ、金なら返す!」
「金などいらん、あの二匹の命を返せ、そうすれば許そう・・・できないじゃろ? じゃからワシは貴様を許さん」
男は全身痣と切り傷だらけで全裸のままで自宅前に倒れている所を、様子を見に来た虐待愛好会会員に発見された
男はすぐに病院へ運ばれ一命は取り留めたものの、歯を全て抜かれており総入れ歯を余儀なくされた
さらに追い打ちは続く
例のビデオが警察に匿名で送り付けられ、警察が動いた
虐待死したタブンネが二匹とも頭にリボンをつけており、それが被害届の出ていた案件と一致した事が動く決め手となった
野性のものならともかく、人の持つポケモンを殺傷する事は犯罪だ
こうして男は逮捕された
男を傷つけた「老人」についても捜査のメスが入ったが・・・ほどなくして彼は5年前に海外で戦死していた事が判明する
では男を拷問したのは一体誰だったのか?
謎を残したまま、この捜査は打ち切られた
男は余罪を追及され全財産を失い虐待愛好会からも追放され、ムショで長い時間を過ごす事になる
(完)
最終更新:2015年02月11日 15:35