ライモン学園部活動調査記録

先輩~、タブンネの巣なんて見つけてどうするんです?」
「それはだね、皆が驚くような食材があるからだよ明智君!」
「タブンネなんてどこでも売っている品物じゃないですか?あと明智じゃなくて桂ですから。」
「肉そのものはね。だが今日のお目当ては別の品物さ明智君♪」
「桂です!肉以外じゃ...ミルクとか涙とか?けどミルクはミルタンクに劣るし
涙はプロが高価な施設と時間を用意してようやく採取できるようなもんでしょ?」
「どちらも外れさ。これから獲るものはある程度平和に暮らしているタブンネのなら
栄養満点なものを採取出来るし甘味の強いものだから人気の出る食材なのだよ。
さあモンスターボールを用意したまえ!ここは生存競争の緩い一番道路とはいえ油断は禁物だ!」
私は先輩と同時に勢いよくボールを投げた。

「ミイイイィィィィィィ!?」
作業はあっけなく終わった。私のヨーテリーの吠えるで炙り出し
先輩のデンチュラの糸で捕縛する。縛りあげられたボンレスハム5つの出来上がりだ。
「ふんふんふんふふふん~♪」
先輩は鼻歌を歌いながら馬鹿みたいに太い注射器を組み立てている
予防接種前の子供に見せたら号泣ものだろうな。
「準備完了、見ておきたまえ明智君!これが前代未聞の我がライモン学園調理部の切り札だ!!」
だから桂だってば。先輩は電磁波と糸を吐くで微動だに出来ない大人タブンネに
注射器を射し込みチューブ先の機械にスイッチを入れた。
「ミッミギッ!?ミギャアアアアァァァァァァ...ァァ..ァ...」
「おっとこれ以上は流石に死んでしまうな。」

スイッチを切りタンクに溜まった血液を見てご満悦の先輩。タブンネの方は干からびた姿でプルプルしてる。
「これが答えさ。血液は栄養の詰まった命の水だからね。野生とはいえ温暖な気候で
大した強敵もいないここは天然の養殖場という訳さ。」
盲点だった。確かにブラッドソーセージなんてものも世にはあるし、どこぞの料理大会
鳩の血の卵でデザートを作り上げた話だって耳にしたことがある
「今採取したのは後で衛生検査しなければならないから私が事前に用意した物を味見してごらん?」
渡されたペットボトルの口に恐る恐る口を着けてみると...
「あ...甘い!?」
血とはこんなに甘美な物だったのだろうか まろやかでコクのある味わい...。
実習で一口だけ味わえた高級食材達にもひけをとらない。これほどのものが今まで見向きもされなかったなんて!
「気に入ったようだね。甘い木の実を好む習性があるから肉に、血に自然な甘さが浸透してるだろう?
残ったタブンネはまた採血出来るまでリサイクルするのもありだが、今回は日干ししてジャーキーにしよう。
栄養満点な血とミィアドレナリンの組み合わせは最高だぞA・K・E・T・I君よ。」
K・A・T・U・R・Aですよこの野郎。でも確かにこれはすごい。ある程度育ったタブンネじゃないと
味と量に期待できないけどタブンネ料理に一波紋起こせる!ううんそれ以上だって...!


これが後に料理界に大旋風を巻き起こすタブラッドになることはこの時先輩と私二人だけであった
最終更新:2015年02月18日 17:08