復活のアルティメットバトル

ここはカイリキーの営業する天丼屋、イッシュ地方の取れたての新鮮な野菜の数々を透き通るような油で揚げる、その絶妙の揚げ加減で作られた天ぷらは老若男女問わず大人気
「大将春野菜丼ひとつちょうだい」
お客のチラチーノがワクワクしたような笑顔で注文する
「へいお待ち!」
ホカホカの白米の上にカラっとした天ぷらが盛られたおいしそうな天丼が目の前に出される
「カイリキーさんの天丼はホント絶品ね」
「ええ、新鮮な野菜を使ってるからお肌にもいいのよ、見てよこの鱗肌」
チラチーノとママンボウが楽しそうにガールズトークを始める
「大将あっちのお客さんに丼運んでおいたよ」
「おっすまねぇな」
「いいってことよその代り具材一個おまけしてくれよな」
「はいよw」
彼はナゲキ、近くの建築現場で働く心優しい青年でお昼この店に食べにくる際店を一人で切り盛りしているカイリキーの手伝いをしているのだ
そんなこんなでこの食堂はポケモンが互いを助け合い楽しく絶品の食事をする場所となっていた
しかし・・・悲劇はこれから訪れた
「ぶっひゃひゃひゃ、ミィ様達が食いに来てやったぞ!」
いきなりドアを開け放ち豚小屋のような異臭を放った三人の親子が入ってきた
「あらぁ~あなたぁ私らが食いに来たんじゃなくて店主が土下座したんでしょおう~あらいけない屁が(ブッ)」
ありもしない勘違いをしママンネが屁をこきながら涎を垂らしゲラゲラ笑う
「おいじじい、ばばあ!ぼくちゃまはおなかがぺこぺこなんだぞ!このくそきたないみせでもいいからくわしぇろ!!あ、うんこ」
実の親とジジババといいところ構わず大をする教養のかけらもないベビンネが糞をたらす
「お、お客さん困りますよここは飲食店ですし」
カイリキーが怒りを抑え突然現れた不快な物体を注意しに行く
当然他の客は3匹に対して猛烈な不快感を覚えるが他ならぬカイリキー大将の店だからぐっと我慢する
「うるさいブヒ、ミィたちはわざわざテメェの店に飯食いに来てやったんだぞ客だぞ早くご案内しろ!」
パパンネがその汚い手でカイリキーをドンと押したつもりだったが「ミギャァァァ」と悲鳴をあげ逆に吹っ飛ぶ
鍛えられた鋼の肉体と全身贅肉では体のポテンシャルに差があり逆にパパンネが吹っ飛んだのだ
ブヒブヒ文句たれるパパンネを追い出したい気持ちだが客商売のプライドがあるし食べに来てくれる人は一応お客様だ
カイリキーはベビンネが糞を漏らさないことをパパンネを刺激しないように説得し店内に上げた
「ブヒャヒャーなかなかのあじじゃねーか」
「もぉフォアグラとかキャビアとか食べ飽きたからしょみんもいーわねぇえん、フォアグラとキャビア?木の実でしょおんあたいセレブゥだから何でもしってるわぁん」
「おいじじいばばあおかわりをどれいにめいれいしろ、みいはじぇんじぇんたりないぞ、あやべまたうんこが」
ベビンネが食ったそばから糞をたらし明らかにセレブとはかけ離れたママンネがブヒブヒわらいパパンネが周りにご飯粒をまき散らしながらごはんをかっこむ
その食べ方は新鮮な野菜を味わうということをせずまるで家畜でとうてい味などわかっておらず腹にためりゃなんでも同じ的な食い方だ
「ぶぃー食った食った」
机には散乱したドンブリとご飯粒、ベビンネがした糞とママンネがした屁で異臭を放っていた
普段どんな生活をすればここまで堕落できるのか聞いてみたいものだ
「あ、ではお客様お勘定・・・」
カイリキーはーもう爆発寸前だったがかろうじでこれで終わりと言い聞かせ笑顔で対応する
「あーかんじょう?そんなもんわな」
パパンネがママンネとベビンネで首で合図すると・・・なんと一家が入口に向かって走り出したのだ!
「ぶっひゃひゃ!こんな汚いところにかねなんかはらうかよあーばよ!」
パパンネが顔を不気味に歪めあかんべーをする
「やっぱあたしぃはセレブな料理しかうけつけないわぁんじゃーね」
「おいばばあそんなことこのいなかくさいやつにいってもわかんねーよみぃたちせれぶだから」
ベビンネとママンネも後に続いて逃げ出す
「さあわが家の疾風迅雷の高速移動をみせてや・・・(ドン)いてってあれ?」
目の前にはカイリキーがいた別にどうということはない普通に歩いて店の入り口に先回りしただけだ
三匹が疾風とか言ったがその速度は人間の赤ん坊のハイハイよりはるかに遅かったのだ
「おいじじいばばあどれいがさからうぞやっちまえ」
「ブヒー」「みひー」
パパンネとママンネが全身の贅肉をプルプル揺らす威嚇のつもりだろうか?
「なあ知ってるかい、食い逃げした時点でてめえらはな・・・」
カイリキーは右側の拳をこれでもかというほど固く握り腕の筋肉を倍近く膨張させ
「客じゃねーんだよ!」
その丸太をはるかに超えるオリハルコンのような固さの拳をママンネにたたきつける、地面に拳2つ分の穴が開きそこにはピンク色の毛と肉塊が転がっていた
「ママ……ママ……」
その威力に他の客が驚く中ナゲキが衝撃の事実を告発する
「あ、あの力はポケモン無差別格闘技チャンピオン∞手のカイリキーの頃の力」
そうこのカイリキーは天丼屋の前は格闘界を激震させたチャンピオン、その4本の手から様々な攻撃を繰り出す∞手のカイリキーその人だったのだ
「ひぃぶひぃぃぃ」
パパンネはカイリキーの強さに失禁し急いで逃げようとするがすぐに捕まってしまう、カイリキーはパパンネの手と足を4本の手でがっちり掴み頭を肩に背負い店の屋根を突き破り上空へと飛びだす
「あの技はカイリキーさんの現役時代の最高の技、アルティメットカイリキーバスター!」
そのまま地面に向かうがここで予想外の出来事が起こる、普通の戦士ならここで潔く諦めるがパパンネは下種な考えから往生際悪く暴れたせいで首のクラッチが外れかけたこれでは威力が半減以下になってしまう
「くそ、あれがアルティメットカイリキーバスターの欠点、首のクラッチが若干甘いところカイリキーさんはその欠点があるため引退してしまったんだ」
カイリキーは悔しく思ったこんな下種な豚にまで自慢の技が不発に終わるのか・・しかしそのときカイリキーが引退記念とカロス地方で拾った石を拾って加工したブレスレットが光りだした!
カイリキーの筋肉が一層膨張し腕がさらに生え六本となるそうこれはメガストーンでカイリキーはメガカイリキーに進化したのだ!
生えた腕でパパンネの首をクラッチして完全に固定して技をきめる、パパンネは絶叫とともにバラバラになり霧散する
「ちょんなじじいとばばあが・・・・・フミィィン」
残ったベビンネは得意のこびへつらいを始めるが蚊のようにメガカイリキーの六本の腕につぶされる

その後カイリキーは店を閉め復活のアルティメットカイリキーと名乗り再び格闘界へリターンしたのであった
(おわり)
最終更新:2015年02月18日 20:27