この頁はTeXの技法を網羅するのを意図するものでなく、卒論修論を纏めるにあたって自然に出会う/必要になる表現のみをあつめています。
文章中のコマンドについては大抵
で事足りる筈なので、ここでは上のページだけでは分らない設定の部分や他のコマンドに就いて、態々(わざわざ)本やネットで調し回らなくて済む様に、解説します。もしこの頁にも出てなかったら、やっぱり本を見たり、
などのリンクを参照して下さい。
はTeX文書作成の心得?みたいな意味で参考になります。
兎に角書き始められるソースを教えて!
書体
自然数、整数環、有理数体等によく使う中抜き太文字は、amsfonts というパッケージを入れておけば、\mathbb{・}として表せる;\mathbb{R}は所謂実数の集合 を表示する。
代数(的整数論)等ではドイツ語の花文字\mathfrakは要チェック;対称群の は \mathfrak{S}。代数の人で を探し回ってた人がいたがこれも\mathfrak{X}。
\mathcalでは、開集合族や代数的整数の環の を目にすることがあろう。
文章中(非数式モード)では、ウムラウトやグラーヴ、アクセントは簡潔に書けます;H\"{o}lderで; 、Poincar\'{e}で 。
斜体解除をするには"\upshape"を文の前に加えよ。
(以下では、\newtheorem{example}{Example}という設定が成されているものとす。)
文章の構成
目次
目次は作成したい場所に \tableofcontents を書くだけで作成してくれる。但し章立て等の変更は2回コンパイルして初めて反映される。
定理、定義等の見出しに括弧の説明
"\begin{~~~}[・・・]"とすれば、・・・の部分が括弧で現れる;
\begin{example} [Descartes] Cogito Ergo Sum.\end{example}
とすると
となる。
数式の構造
番号振り
改行して二行(或は複数行)になった数式に一つだけ番号を割り振りたい時、eqnarray内で数式を \begin{split}~\end{split} で囲む;例
\begin{eqnarray} \begin{split}
dr&=\frac{\partial r}{\partial x}(dx-(u+\sqrt{\phi'})dt)\\
ds&=\frac{\partial s}{\partial x}(dx-(u-\sqrt{\phi'})dt)
\end{split} \end{eqnarray}
数式中に文章挿入
\mbox{~~~}で挿入できる;
\pi_2(x):=\{n\leq x;\mbox{$n$ and $n+2$ are prime numbers.}\}
複数段の数式の途中で文章を挿入し、等号等の位置を揃えたい場合\begin{align}~~~\end{align} で囲み、揃えたい文字の前に & を書く。挿入文は\intertext{~~~}とすればよい。[要amsmath]
\begin{align}
\lim_{n\rightarrow\infty} \left(1+\frac1n\right)^n
&=1+\lim \sum_{k=1}^n (1-\frac1n)(1-\frac2n)\cdots(1-\frac{k-1}n)\frac1{k!}
\intertext{here, by Tannery's theorem, we may exchange the limit and the summation as}
&=1+\sum_{k=1}^n \frac1{k!} \lim\left[(1-\frac1n)(1-\frac2n)\cdots(1-\frac{k-1}n)\right]\\
&=1+\sum_{k=1}^n \frac1{k!} \cdot 1
\end{align}
数式が長すぎて・・・
\begin{eqnarray}
dr
&=&\frac{\partial r}{\partial x}\left[d\{x- (u+\sqrt{\phi'})t\}\right\\
&&\left +t (1+\frac{d\ln\sqrt{\phi'}}{d\ln\rho})dr+t(-1+\frac{d\ln\sqrt{\phi'}}{d\ln\rho})ds\right]
\end{eqnarray}
例えば、
\int\int\frac{(x'-x)(dydz'-dzdy')+(y'-y)(dzdx'-dxdz')+(z'-z)(dxdy'-dydx')}{[(x'-x)^2+(y'-y)^2+(z'-z)^2+]^{\frac{5}{2}}}=V
は大き過ぎだが、改行もしたくない。そこで全体を{\footnotesize ~~~}(非数式モード)で囲むと丁度よくなる。\footnotesize以外にも、;;;;;が有る。
数式内のテクニック
上付きバーなどの文字・記号の組合せのコマンド
\bar{ } より\overline{ }のほうを多用する。(\bar{AB} はちゃんと出ないはず。\overline{AB}はでるけど。)
(\bar{AB})と
(\overline{AB})の違い
完全系列とかの矢印満載の式
\xrightarrow[<下文>]{<上文>}
もっと詳しく
fibre や vector bundle の定義等でお目にかかる逆三角形の可換図式は、特殊なpackageを用いなければ無理そう。例えば、あべのり氏の所にあるXy-picを使うとか。
プレアンプル(¥begin{document}の前の部分)の設定
documentclassは?
基本は以下
○ article:記事のような小さな文書
○ report :レポートなどの中くらいの文書
○ book :本などの大きな文書
先頭にjをつけて、jarticleなどとして日本語入力できる文書に。tを付けて例えばtbookなどとすると縦書きにできる。
皆どんなpackageを使ってるか?
\usepackage{・・・}
amsfonts, amsmath, amssymb
comment これを入れとけば、\begin{comment}~~~\end{comment}で複数行コメントアウトできる。書きかけのものを提出しなきゃいけない時などに便利!
graphicx 図を貼るに必用
bm ベクトル用の太字が、\bm{・}で打てます。
ソースを簡略化できる \newcommand と \def
殆どの人が使ってるのが、\Z だけで\mathhbb{Z}の
が出て来るようにする様な工夫。
\def \Z {\mathbb{Z}}
とするとよい。代数系の人ではガロア群を書くため、\G だけで
が出るように
\def \G {\text {Gal}}
としている人もいた。
定理(Theorem)や例(Example)を書く度に \begin{}~~~\end{} で囲って入力するのが面倒な場合、例えば
\newcommand {\xpl} [1] {\begin{example} #1 \end{example}}
と設定しておくと、
\xpl{180 is a highly composite number.}
で
と出る。
[1]は引数の数。複数の引数を使いたい場合は以下の例の様にする:
\newcommand {\xpl} [2] {\begin{example} #1 \upshape #2 \end{example}}
という設定をすると、本文中で
\xpl {[Descartes]} {Cogito Ergo Sum.}
と書けば
となる。
幾何系などで図形を沢山挿入する際、\begin{figure}~~~は入力することが多く煩に耐えない。例えば下の如く工夫することができよう;
\newcommand{\fig} [4] {\begin{figure} [#1] \begin{center} \includegraphics [width=#2] {#3} \end{center} \caption {#4} \end{figure}}
#3はファイルの場所を入力する欄(相対参照)である。例
\fig {htbp} {150pt} {pictures/Ramanujan.eps} {The man who knew infinity.}
カラーの画像を挿入したのに、モノクロでしか表示できない??
Dvioutの”Option”タブの”Setup Parameters”で出て来るウィンドウで、”Graphics”タブの右下辺りのGIFの欄で”BMP”を選ぶべし。
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最終更新:2010年05月13日 09:08