…そして…うっすらと聞こえる健吾の声…
健吾「オッケー!!じゃ、みんな昼食に入っていいよ!」
逝ってしまいゴリラの中で朦朧とする明江に、その言葉はうっすらと届いていた。
明江(………ぁ…もう…昼の…休憩に…はいるん…だ…)
健吾「近くの中華料理屋にうまいとこあるんだよ、みんなで行こう!」
明江(…昼食…どっかに…出るんだ…)
そんな明江を他所に、健吾の声が少し遠くなっていった。
健吾「…いやあ…あそこのさ…炒飯がさ……………」
明江(!?ちょ、ちょっと!私は?…健吾さん!!私!忘れてない!!)
ゴリラの着ぐるみを着させられ、ワイヤーで吊るされたままの明江は必死にもがき、
健吾に自分の存在をアピールした。
しかし、まともに声すらも出すことも出来ない明江は、誰にも気付かれることはなかった。
その後もそれなりに動いアピールはしたものの、スタジオには他の音は一切なく、
静まりかえってる。
もうスタジオに誰もいないことを悟り、明江は昼休憩が終わるまでこのままいる事を決意した。
ゴリラの着ぐるみに包まれ、宙吊りにされた状態で…。
30分は経っただろうか…明江は大変な事態に陥った。
明江(…ど…どうしよ…おしっこがしたいよ…もれそう…)
午前中から着ぐるみを着続けている訳だから当たり前の事だ。
しかし宙吊りにされた明江にはどうしようもない。
頼みは、どのくらいで帰ってくるかも分からない健吾達を待って、脱がしてもらうしかない。
明江(…もう…無理…健吾さん…早く帰って…来て…)
誰もいないスタジオで、宙吊りにされたゴリラの着ぐるみは、
もぞもぞと一人で動き続けていた。
明江の期待とは裏腹に、健吾達は帰ってくる気配はない。
明江の我慢も限界に達した。
明江(…も…もう…無理…も…もらし…ちゃう…でも…着ぐるみの…中で…なんて…
…でも…あ…ぁ…ぁ…あぁぁぁぁ…………)
明江は着ぐるみの中で漏らしてしまった…。
明江(…あ…あたし…なんてことを…どうしよぉ、どうしよぉ…)
明江の中で色々な考えが駆け巡る。
仕事の道具を汚してしまった罪悪感、それに脱がしてもらう時に全てばれてしまう事、
着ぐるみの中でおしっこをしてしまったという…事実が…。
明江(どうしよぉ…どうしよぉ…困ったよぉ…こんなことがばれたら…私…)
軽くパニックに陥っている明江に、遠くから声が聞こえてくる。
健吾「うまかったなぁ~!やっぱ炒飯うまいっしょ!」
明江(!?健吾さんたちが戻ってきた!!どうしよ…どうしよ…)
さっきまでは脱がして欲しくてしょうがなかった明江だが、今はうってかわって
むしろ、脱がして欲しくなくなっていた。
健吾「あ!?ゴメンゴメン!そういえば明江ちゃん、そのままだっけ!降ろしてあげて」
健吾がそういうとワイヤーが動き出し、地面に降ろされる明江。
健吾「悪いね!一旦、部屋に戻ろう!」
明江は健吾と一緒にとりあえず必死に着替える部屋に戻っていった。
帰りの移動は、暑さもかなりのものになり、ふらふらと進むのが限界だったが、
それよりもこの後、もらした自分がどうするかが一番の気がかりであった。
暑さと呼吸の限界も伴いなんとか部屋にたどり着くと、
健吾「お疲れ!じゃ、脱がすね!」
健吾は、ふらふらの明江をためらいもなく脱がせる。
明江はもらしたことがばれるのは困るが、もう抵抗する体力もない。
ゴリラの背中のチャックを開け、頭と肩口くらいまでだけ出される明江。
健吾「あれ?なんかおしっこ臭くない?」
明江「ぅううぅぅ…」
必死に違うとアピールしようとする明江、しかし言葉にはならない。
健吾「もうちょっと、着ぐるみ開けてみるね」
明江(や…やめてぇぇぇぇぇ!)
もがく明江をよそに、上半身を引き摺りだす健吾。
健吾「あ、やっぱりおしっこしちゃったんだ…困るな…」
明江「うぅ!!」
突然健吾の口調が厳しくなり、明江を責め始める。
健吾「仕事で着ぐるみの中で、おしっこするなんて、どういう事だよ…」
明江「…うぅ…」
健吾「まあ…しょがないか…とりあえず今後のこともあるし、黙っておいてあげるから
これから俺の言う事はなんでも聞くってのはどう?オッケーなら首を縦に振って」
明江は、ばれたら今後この業界でやっていくのは無理だと思い、首を縦に振った。
健吾「オッケー!物分りがいいねぇ…ちなみに今の、漏らしたことも今の話も全部、
映像にとってあるからね。契約は守ってね♪」
明江(!?)
明江はその言葉を聞いて、自分がはめられたことに気がついた。
それに反論しようとしたが声は出ない。さらに追い討ちをかけて、
健吾「まあ…吊るされて気持ちよくなってたんでしょ…
着ぐるみで吊るされて、逝っちゃってお漏らし、お友達やご家族に知れたらどうかなぁ?」
そういわれた瞬間に、明江はもう健吾のいいなりになるしかない事を悟った。
…そしてスタジオの撮影は終わった。
撮影が終わり部屋に帰ると健吾が、
健吾「明江ちゃん…あ!?ゴリラちゃん…この箱に入って!」
そういわれた先には一箱のダンボールがあった。
明江は健吾の言うとおり、そのダンボールに入っていく。ゴリラのまま。
少し小さいダンボールに入ったところで、健吾が上からふたを閉める。
健吾「もう少し小さくなってよ。ふたが閉まらないから…」
明江はダンボールの中に出来る限り小さく丸まった。
健吾はその上からふたをして、ガムテープで厳重に封をした。
最終更新:2015年03月21日 09:52