121 転生恋生 第二十一幕(1/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:14:21 ID:jM5sXBOA
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夢を見ていた。
夢だとわかるのに、夢の中の自分は現実のつもりでいる。そんな不思議な感覚に包まれていた。
そこは電化製品も木製の家具もない、草を編んで組み立てたような、粗末な小屋だった。
俺が普段住んでいる家とは似ても似つかないのに、俺はそこが自分の住処だと知っている。
俺は着物を1枚羽織っているだけで、下半身丸裸で胡座をかいて、黒髪の美しい女が白い肌をさらしながら俺の股間に顔を埋めていた。
ぴちゃぴちゃと音を立てながら、女は俺の猛っているモノをしゃぶり続ける。
俺は女の奉仕を受けながら、指で女の髪を梳く。
体は興奮しているのに、俺の頭はどこか冷めていた。
目の前の女を、俺は確かに愛している。だが同時に、この女の愛情が最近少し重荷に感じられてきた。
美しくて、気立ても良くて、一途で……、男としては理想的な女のはずだが、どこか重苦しいところがある。
そんなことを考えているうちに、体の奥から熱いものがせり上がってくるのを感じた。
察したように、女が口を離して顔を上げた。口紅を塗っているわけでもないのに、女の唇は艶めいて、目を逸らすことができない。
「旦那様」
形の良い乳房を揺らしながら、女が体を起こして、にじり寄る。
「お胤をくださいませ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
目が覚めた。いつものように自分の部屋の天井が目に入る。
だが、股間が熱くて、何かが乗っている重みを感じた。
猛烈に嫌な感覚が走って、俺は自分の下半身に目を向ける。何故か俺は下半身丸出しで、激しく勃起していて、その上に姉貴が覆い被さっていた。
「姉貴!? 何をしている!?」
「あ、たろーちゃん、おはよう」
姉貴は潤んだ瞳で俺を見上げた。だが、すぐに体を起こし、俺の上に馬乗りになった。姉貴は全裸だ。
「昨日、たろーちゃんが湯あたりして気を失っちゃったからできなかったけど、朝のうちに続きをしようと思って」
「続きって何だよ!?」
「もちろん、私とたろーちゃんが結ばれるの」
122 転生恋生 第二十一幕(2/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:15:11 ID:jM5sXBOA
俺の背筋を悪寒が突き抜けた。姉貴の股間にある茂みの中の口がぱっくり開いて、ぬらぬらと糸を引きながら、毒々しいほどに赤い深遠を見せつけている。
本気で俺とハメる気だ!
「やめてくれ! 姉弟でこんなことしたら、本当にしゃれにならないぞ!」
「しゃれじゃないよ。本気だって言ってるでしょ」
姉貴の目がすっと細くなる。
「いつまで待っても、たろーちゃんが千年前のことを思い出してくれないの、いい加減私もしびれを切らしたの」
胸に痛みが走った。姉貴が指で俺の乳首を摘んだからだ。
「だから、先に体に思い出してもらおうかなって。あんなに私の体を求めてくれたんだもの。気持ちよくなれば、自然と私に逆らわなくなるわ」
姉貴が俺のナニをつかんで、自分の縦筋にあてがう。
やばい。本当にこれ以上はまずい。取り返しがつかないことになる。
「やめろ! 子供ができたらどうするんだ!」
「産んであげるよ。当然じゃない」
「学校に行けなくなるぞ! この先の人生どうなるんだ!」
「行けなくなるのは私だけでいいよ。家で赤ちゃんを育てることに専念するから……」
「そんなことできるわけないだろ!」
とにかく、何とかしてこの場を凌がないといけない。俺にできることは……。
「んあぁっ!?」
俺の上に腰を落とす寸前だった姉貴が、嬌声をあげて動きを止めた。
「そ……そんなこと……」
悶えて、悩ましげな声を出す姉貴。原因は、俺がとっさに姉貴の秘所へ右の中指を突っ込んで、ナカをかき回したからだ。
「ん……くぅぅん……」
姉貴のアソコなんか触りたくもないが、俺の貞操を守るためにはしかたがない。やれることは全部やる!
中指で姉貴の膣内をかき回しながら、親指でクリトリスを攻める。濡れてグチャグチャになっているその部分は、たやすくいじり倒すことができた。
「あふんぅぅ……」
姉貴はだらしなく涎を垂らしながら(その涎が俺の顔にかかる)、激しく上半身を揺らしだした。その揺れる乳房を、俺の空いている左手が掴んでまさぐる。
実際のところ、童貞の俺にテクニックなんかあるはずもない。だけど、姉貴が感じているという手ごたえはあった。俺の勝機もそこにある!
「イッちまえ!」
俺の手の動きは止まらない。姉貴はもう完全に受身になって、俺のなすがままだ。
そして、そのときはいきなりキた。
「ひゃんぅぅっっ! くぅひっっ!」
姉貴が大きく背を逸らし、股間から熱い汁が吹き出た。姉貴がイッた今がチャンス!
123 転生恋生 第二十一幕(3/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:16:09 ID:jM5sXBOA
「うおおおおおぉぅっっ!」
俺は右手でサオを掴むと、激しくしごく。すでに勃起状態だったそれは簡単に絶頂に達した。
姉貴に負けず劣らず、激しい射精で俺は精液を姉貴の体にぶちまけた。一部は俺の腹にもかかる。
「ふはぁーっ……」
快感と安堵感で、俺は大きく息を吐いた。一度射精してしまえば、姉貴も挿入できない。この場を逃れるにはそれしかなかった。我ながらナイス判断だったと思う。
自分で自分を褒めてやりたいと思ったのはいつ以来だろうか。
「ふぁ……たろーちゃん……もったいない」
姉貴が俺の腹に頬ずりして、飛び散った精液を舐め取る。気色悪い光景だが、俺は耐えた。今後のためにも、ここで姉貴を説き伏せないといけない。
「姉貴、頼む。子供だけは勘弁してくれ。それ以外のことなら、何でもするから。今みたいに、姉貴を気持ちよくしてやるから」
俺の懇願に、姉貴は期待と不信の入り混じった視線を向けてきた。
俺はとぼとぼと力なく登校の途にある。
姉貴はあの後シャワーを浴びたが、俺は一緒に入りたくなかったし、かといって時間もないので、ウェットティッシュで体を拭いただけだ。だから体がべたべたする。
結局、なんとか姉貴を説き伏せて、本番をするのだけは勘弁してもらった。
でもその代わり、俺はこれから毎日姉貴と本番なしのプレイをして、姉貴を満足させてやらなければならなくなった。昔風にいうと夜伽だ。
どこの世界に、実の弟を性奴隷にする姉がいるんだよ!
もう、男としてのプライドを粉みじんに砕かれた感じだった。自分が情けなくて、泣きたくなる。
「ふんふんふふん~♪」
俺と無理矢理腕を組んでいる姉貴は、能天気な鼻歌を歌ってご機嫌だ。絞め殺してやりたい。力関係的に無理だけど。
それにしても問題なのは、姉貴が普通に俺を勃たせられるようになったってことだ。ちょっと前までは、姉貴が触れた途端に萎えていたというのに。
俺の体に何か深刻な変化が起きたんだろうか。
そんなことを思い悩んでいるうちに、学校に着いた。
「それじゃあ、たろーちゃん。放課後ね」
姉貴は機嫌よく3年生校舎に向かっていく。俺は思わずため息をついて、2年生校舎に入る。
教室へ着いて自分の席に座ると、「おはよう」と無機質な声がした。返事だけ返して、俺はぼんやりと天井を眺めていた。
暫くして、無機質な声がもう一度届いた。
「桃川君、具合でも悪いの?」
声の方へ顔を向けると、猿島が俺を見つめていた。今更ながら、隣の席が猿島だったことを思い出す。
「ちょっとな」
説明できるわけがない。話しかけてほしくないというポーズを示すために、俺は机へ突っ伏した。
「なら、いいんだけど……」
猿島はそれ以上声をかけてこなかった。
124 転生恋生 第二十一幕(4/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:16:56 ID:jM5sXBOA
その日の午前中の授業は全く頭に入っていない。何をやったかも覚えていないし、後で確認したらノートも白紙だった。
あっという間に昼休みになった。
「センパーイ! ご飯食べよ!」
能天気な声で俺は我に返った。ポニーテールを元気に揺らしながら、司が手を振っている。
そうだ、俺は司と恋人同士になったんじゃなかったか? 一線とは言わないが、半線……いや七割五分線くらいは越えたはずだ。
司という希望が俺にはあったんだ。
「司! 行くぞ」
俺は自分でも驚くほどの勢いで立ち上がると、教室の入り口に立っていた司の腕を掴んで、いつもの場所目指して歩き出した。
「ちょっと! どうしたのさ、センパ……」
俺の背後で司が面食らっているのがわかったが、気に留めない。すれ違う同級生たちの視線も意に介さず、俺は司を引っ張っていく。
ふたりの指定席になっている校舎裏へたどり着くと、俺は弁当そっちのけで司を強く抱き締めた。か細くて柔らかくて、腹の底から温かいものが湧いてくる。
「ご主人様……なんで今日は積極的なの……?」
「嫌か?」
「嫌じゃないよ。うれしいけど……」
体を離してみると、司は多少顔を赤らめながらも、戸惑いの色を浮かべていた。
本当のことを言うわけにはいかない。姉貴に嬲られた心の痛みを癒してもらいたいだなんて、言えるわけがない。
「俺なりの愛情表現だ。俺たち、もう恋人同士だろ?」
「元々主従関係のつもりだけど……」
どうしてあれだけ積極的だった司が、この雰囲気でわけのわからないことを言うんだ?
「とにかくだ。俺は司を抱き締めたい」
「いいけど……ご飯にしない? ボク、お腹が空いた」
色気より食い気かよ。がっかりするけど、まあ司らしいか。
「わかった。食べよう」
俺たちは腰を下ろして、弁当を広げた。なんだか急に食欲が湧いてきた。
いつもみたいに馬鹿話をしながら弁当を食い終わると、俺は司を抱き寄せた。とにかく、俺は自分が普通の恋愛ができる人間だと思いたかった。
「ねぇ、ご主人様」
「何だ?」
俺としては司の感触を楽しみたかったが、司はずいと顔を寄せてきた。
「昨夜、どうして電話に出てくれなかったの?」
125 転生恋生 第二十一幕(5/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:17:38 ID:jM5sXBOA
「昨夜?」
「携帯の番号交換したから、いっぱいおしゃべりしようと思って電話したのに、全然出てくれないんだもん」
制服のポケットから携帯を出して着信履歴を確かめると、昨夜の20時から「犬井司」が10件並んでいた。メールの受信履歴の方も同様だった。
そうか、昨夜は風呂場で湯あたりして倒れて、そのまま寝ちまったから気づかなかったんだ。
でも、そんな事情を話すことはできないし、今後のことを考えると自宅に電話されるのはまずい。姉貴に睨まれる。
「昨夜はちょっと体調が悪くて、早く寝たんだ。ごめんな」
「そうなの?」
半信半疑の顔をする司に、俺は申し訳なく思いながらも、電話は控えてほしいと頼むことにした。
「姉貴に睨まれるとまずいからさ……」
見る見るうちに司の顔が怒りで歪んでいく。俺は司をなだめるために、強く抱き締めて、耳元に唇を寄せた。
「おまえにはすまないと思う。でも、辛抱してくれ。そのうちきっと、姉貴に理解してもらう。俺は司と真剣に付き合うつもりだから」
「……本当?」
「本当だ。今の俺は、本気で司が好きだ」
最初は傍迷惑で鬱陶しい電波女だと思った。いや、今でもそう思わなくもない。
だけど、それ以上に、俺を慕ってくれる司が可愛い。体に触れさせてくれる司が愛しい。早く司と体を重ね合わせたくてたまらない。
「おまえも、俺のこと好きなんだよな?」
司の反応がない。
あれ? どうしたんだ? ひょっとして、何か失敗したか?
「司?」
不安に思って司に向き直ると、司は顔を真っ赤にしていた。
「……ご主人様、ボクのこと、好きになってくれたの?」
「ああ、好きだ」
「……うれしいよぅ。……ひっく」
司が声をあげて泣き出しかけたので、俺は反射的に自分の唇で口を塞いだ。泣き声を聞きつけて誰かが寄ってくるとまずい。
「ううぅぅ……」
焼肉の味がしたけど、気にならなかった。キスしたまま、司はむせび泣いていた。
司が落ち着くのを待って、俺は唇を離した。ちょっと酸欠気味だ。
126 転生恋生 第二十一幕(6/6) ◆.mKflUwGZk sage 2010/06/23(水) 00:18:42 ID:jM5sXBOA
「えへへ……」
照れ隠しに笑いながら指で涙を拭う司がいじらしくて、俺はまた司を抱き寄せた。今度は俺の手がスカートの裾から中に侵入して、太腿を撫で回す。
「ひゃん! ご主人様やらしーよ!」
「嫌じゃないだろ?」
「嫌じゃないけど……誰か来るよ? 風に乗って匂いがする」
司の嗅覚は鋭敏だ。俺はおとなしく手を引っ込めて、司の体を離した。少しして、本当に女子生徒2人組が近くを通りかかった。
……まあ、並んで腰かけている分には、普通の学内カップルに見えるだけだし、問題はないだろう。
通行人が見えなくなってから、俺は慎重に司の手だけ握った。
「なあ、体育倉庫に行かないか? この前の……」
「昼休みはもうすぐ終わるよ」
司は左手首にはめた腕時計に目をやる。俺も携帯で確かめたが、本当にいつの間にか残り3分になっていた。
……意外と冷静だな、司は。俺は司と抱き合って、頭に血が上っていたっていうのに。
「それに、当分放課後は予約で一杯なの」
そんなに利用されているのか、あのスペースは。
「……ボクもご主人様に可愛がってもらいたいな」
再び頭に血が上りそうだ。遠まわしだけど、俺とヤりたいってことだよな。
「今度の土曜日、暇か?」
「土曜日は部活があるから、日曜日がいい」
「よし、じゃあ……」
逢うのはいいが、どこでヤろうか。俺の家は無理だし、司の家も親がいるだろうからダメだよな。ラブホって、この近くだとどこだろう?
俺の思考を読んだかのように、司がニヤニヤしだした。
「大丈夫。いい場所知ってるから、ボクに任せて。……それより、鬼につかまらないように気をつけてよ」
鬼って、姉貴のことか。確かに、言いえて妙だな。俺の貞操を賭けた鬼ごっこってわけだ。
司と初体験するつもりだと知れば、姉貴は怒り狂って、約束を反故にして俺を犯すだろう。事後に知っても同じことだ。
いつまでも姉貴をごまかせるという保証はない。それなら、せめて童貞喪失は本当の恋人と普通に体験したい。
決行は日曜日と決まった。それまで、何としても俺は貞操を守る。そう誓った。
……そのためにはこれから毎日姉貴を性的な意味で満足させて、不信を抱かせないようにしないといけない。実に気が重い……。
最終更新:2010年06月30日 19:10