278
裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 00:56:40 ID:8l/RsgQN
アキラメルナー,アラガウノサー,ムry)
9時を知らせる放送が裁判所内で響く。
「おはよう、うむ、遅刻はしてないな。」
「当たり前だ。そっちこそいつも10分前行動の大先生が時間ぴったりとは珍しいな。」
「いや、いろいろ手続きを片さねばならなかったものでね。」
その割には酒臭い。これからこのご主人様で大丈夫なのだろうか。
いや、他に当てなんて無いけど。
「どうでも良いが金は有るんだろうな、忘れたとか言われたらこの場で誘拐に切り替えるぞ?」
「安心したまえ、ほれほれ、キャッシュで6000万。あの時間に用意するのは大変だったんだ。
もっとご主人様に感謝したらどうだ、なんだったら犬みたいに這いつくばってくれてもいい。」
エリスはそう言ってジュラルミンのケースを持ち上げる。
「うるさい、まだ俺は自由民だ。」
「ふふん、あと1時間もすればそうなる。なんにせよ、この金を受取る気があるなら、早く僕と共に来るがいい。」
こうして、上機嫌なエリスと地裁の中に入る。
279 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 00:59:01 ID:8l/RsgQN
ここで、この国の自己売買について説明する。
奴隷売買とはいえ、こんなものが横行したのでは当然国が立ち行かなくなる。
だから、厳格な規則に基いて行われる。
①売買は裁判所で、非公開にて行われる。
②支払いは売買成立後、その場で現金にて支払う。例外は認めない。
③自己の売買を希望するものは、その事情及び売買をする権利について事前に審査を受ける。
④売買は競売によって行われる。
⑤参加資格者は事前に裁判所の認めたもの、又は競売対象の6等親以内の親族に限られる。
⑥競売中外部との連絡を禁ず。
⑦未成年の売買は特別な事情を除き許されない。
⑧競売に使用される言語及び通貨は当国のもののみとする。
⑨売買の結果は1ヶ月以内に官報に公告する。
以上が大まかな原則だ。
特に③、⑤の審査は厳密で、担当官が売買する権利の内容、落札希望者の地位・人格、
落札希望額、競売対象との関係等を審査し、合格したもののみが参加者として認められる。
基本的に参加を許されるのはごく少数、要は競売といってもデキレースな訳だ。
お蔭様でこの国は人身売買が合法ではあるが、別に鎖につながれた奴隷が発電機を回しているなんていうことはない。
まあ平々凡々な国家だ。
そもそも売買自体が実のところほとんど行われない。
さらに、普通は審査に早くて一月は掛かるし、
まして結婚権や居住権などの個人の自由に深く関わる権利を売ると書けばそれだけでも跳ねられる要因になる。
ついでに今更だが、全人権込みで6000万は破格の安さだ。
これらの問題を無視して、申請を一晩で通すとはエリスはどこにどう手を回したのだろう。
金とか権力って恐いね、全く。
280 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 00:59:40 ID:8l/RsgQN
午前10:00、競売が始まる。
俺は被告人席に立ち、裁判官のほうを向いている。
競売対象は参加者に背中を見せるのが規則だ。
ちなみに競落人は傍聴席に座る。
「それでは、○○年第××××号、永瀬 宗一の競売を始めます。」
裁判官が宣言する。
「はい!! 6000万!!」
元気良く手を挙げるエリスの声が法廷に響く。
うわっ、どう見ても社会科見学の小学生にしか見えないな、あれ。
ほら裁判官も思わず競落人リストを照合してるよ。
なんにせよだ、これで落札決定だな、毎度あり。
「6000万円以上を提示するものは挙手してください。」
一応慣例として応札を呼びかけるのだが居るわけがない。デキレースなのだから。
このたびはお買い上げ誠にありがとうございました、っと。
まあ、これでしばらくはさよならだな、夜澄。
「提示者は居ません、では6000ま「1億円。」」
静まっていた法廷内に凛とした声が響く。
何!? どういうことだ!? 競合者!?
そんなことありえない!
思わず後ろを振り向く、そこには夜澄がいた。
こんなところには居るはずがない、こんな事知っているはずのない大切な妹が。
281 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:00:29 ID:8l/RsgQN
*************************************
「貴様、どういうつもりだ!!」
エリスは後ろを振り向いた。
そして、涼しい顔をして手をあげる夜澄を睨みつける。
「どういう? 見ての通り宗一兄様を落札したのですが?」
「なんでお前がここに居るのかと聞いているのだ!?」
「あら、ならそう言っていただかないと分かりませんよ? 頭悪いんですね、アナタ。」
「何だと!?」
「最高価格は1億円です、1億円以上を提示するものは挙手してください。」
裁判官の声に慌ててエリスが手を挙げる。
「待て、2億、いや3億出す!!」
その取り乱し様を鼻で笑う。
「ふふ、失礼ですけどそれを現金でお持ちですか?」
「何!?」
「糸川 エリス、貴方は入廷時に所持金6000万円と申請していましたが、その他にお持ちで?」
裁判官が尋ねる、エリスが慌てて返答する。
「待て、確かに今はそれしかない。だが、連絡を入れればすぐに4億でも、いや10億でも用意する!!」
「ここでは外部との連絡は禁止ですよ? 競売のルールも分からないなんて、やっぱり頭悪いですね、アナタ。」
夜澄が呆れたようにエリスを横目で眺める。
「落札、○○年第××××号、永瀬 宗一、価格1億円で落札とする。
なお、落札者は手続きがあるので第3応接室へ来室されたい。」
「くすくす・・・・・・、夜澄がお買い上げ、ですね。」
エリスの顔が青ざめる、そしてその様子が何とも楽しいのか鈴の様に笑う。
「くすくす・・・・・・、アナタみたいに頭の悪い方には兄様なんてとても勿体無さ過ぎると思いますよ?
アナタには、ああ、そうですね、ソーセージなんて生涯の伴侶にぴったりじゃないでしょうか?
芥子でもたっぷりと着けて挿れれば発育不全で不感症、貧弱な体でも楽しめるかもしれませんよ?
ふふ、では、受け取りとお支払いがありますので失礼しますね。」
エリスはまだ状況を飲み込めず固まったままだった。
普段聞けば怒り狂ったであろう夜澄の暴言すら耳に届いていない。
その様子を満足そうに眺めた後、夜澄は立ち上がり、出口に向かう。
282 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:02:18 ID:8l/RsgQN
やっと正気を取り戻したエリスが跳ねがり、夜澄の白い腕を握り締める。
「待てよ!!」
「あら、まだ何かありましたっけ、痛いので放していただけませんか?」
痛いなどと口では言っているが、その顔には余裕が浮かんでいる。
「ふざけるな人形女!! 僕を嵌めたな!!」
「嵌める、人聞きが悪いですね~?」
「貴様!! そのふざけた笑い顔も明日にはできないようにしてやるからな!!」
「あら、それは怖いですね~。でも、アナタに何が出来るんですか?」
夜澄は子供をあやす様にエリスに応える。
「ふざけるな!! お前なんかどうにでもできる!!」
「どうにでも? くすくす、法に訴えますか?
でも、夜澄は危うく奴隷として売られそうだった兄様を家族として買い戻しただけですよ?
くすくす、一晩で全人権をたったの6000万で買おうとしたなんて、どんな不法をされたんですか?
もし法を頼れば、アナタの方が裁かれるかもしれませんね。」
「なっ!?」
「それとも、夜澄を闇討ちしますか? できませんよね、この状況では確実に誰の仕業か分かります。
そうすればアナタだけじゃなく、ご両親も、その会社の方も、ご同僚も巻き込まれてしまいますね。
いえ、それどころかあなたの研究で救われるはずだった方の希望も失われてしまうかもしれません。
もしも、大企業のご令嬢で世界的に著名な大学者のエリスさんがそんなことをしてしまったら・・・、くすくす。
それに、くすくす、ご自身よりも大切な夜澄を傷つけたエリスさんを、兄様が許してくださると思いますか?」
エリスから血の気が引く。冷静になって考えればその通りなのだ、エリスに取れる手など無い。
非凡の明晰さであらゆる可能性を思案する、しかし、どの手段もエリスをより悪い方向へ導くだけだった。
もしもエリスがただの少女ならば自分以外の事など考えなくて良かっただろう。
愚かであったならば感情だけで動けただろう。
だが、糸川 エリスはどちらにも該当しなかった。
だから、最早出来る事など何も無かった。
「さて、くすくす、怖い怖いエリスさんは夜澄をどうして下さるのですか?」
「でき・・・な・・・い。」
「くすくす、はい、よくできました。お利口ですね~、ふふ。」
そう言って夜澄は少し腰を曲げて、エリスの頭を撫でる。
エリスは全力でその手を払いのける。
283 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:03:23 ID:8l/RsgQN
「あら、痛い。ふふ、つれないですね、くすくす。
例えばですが、唯一の家族を奪われそうになった重病の妹とその兄を窮状に付け入って買い叩こうとした大先生。
世間の方々はどちらの味方になってくれるでしょうか? くすくす、その若さで大先生、さぞ敵を作られたのでしょうね?
もしも夜澄がちょっと背中をとん、と押して差し上げれば・・・・・・。」
「僕を破滅させる気なのか?」
精一杯の敵意で夜澄を睨み付ける、それだけが唯一エリスに出来る反撃だった。
そんなエリスの無様な姿を見て、機嫌がよさそうに夜澄が答える。
「いえ、できるというだけですよ。
だってそんな事しても手間が煩わしいだけで夜澄にはなーんにも得が有りませんもの。」
「何だと!?」
「くすくす、夜澄にとってはアナタなんて初めから何の脅威でも無いのですよ?」
エリスは下を向いて、歯を食いしばる。
「それで、夜澄をどうなさるんですか?」
「うるさい・・・・・・。」
「あら?」
「う・・・るさ・・い、う・・・るさ・・い、えぐっ・・大っ・・・嫌い・・・だ、お前・・・なん・・・・・か。
僕・・・はまた・・・・こ・・・れで・・・・えぐっ、独り・・・・だ、
面・・・えぐっ・・白い・・・んだ・・・・・ろ、愉快・・・・なん・・・だ・・・ろ。
お・・・・前・・・が・・居な・・えぐっ・・・ければ・・・・宗一と・・・・・居・・・られる・・・・のに。
何で・・・居るん・・・・・・だ・・・お前・・・なんて・・・えぐっ・・・消えちゃえよ・・・・・・ぐす・・・えぐっ。」
エリスはそこまでを言い切ると声を上げて泣き出した。
夜澄はその様子を詰まらなさそうに眺めている。
夜澄にとってのエリスは不愉快ではあったが、初めからどうでも良い存在だった。
エリスが何で泣いているのかなんて全く理解できないし、そもそも考える気も無かった。
エリスが孤独だろうと、今更泣こうと全く興味が持てない。
「はぁ、何と言いますか・・・・・・、白けました。
兄様が唯一親しかった、もちろん夜澄は愛されてますから別格ですが、方ですので多少はとも思いましたが。
くすくす、まあ夜澄と兄様は特別ですから仕方が無いですか、くすくす。
では、今度こそ失礼いたしますね、くすくす、さようなら、未来永劫、永遠に。」
夜澄は再び出口に向かって歩き出した。
284 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:04:35 ID:8l/RsgQN
**********************************
夜澄とエリスが何かを話しているのが見えた。
エリスが泣いている?
話を終え、そんなエリスに構わず出て行こうとする夜澄を見て、俺は怒鳴った。
「おい待て! 夜澄! どういうことなんだよ!?」
だが、夜澄はこちらを向こうとせず出口に向かって歩く。
「待てよ! どうしてここに!? 夜澄!!」
被告人席を飛び出し、追いかけようとした俺は警備員に押さえつけられ、スプレーを吹きかけられる。
その途端に視界が暗転し、そのまま意識を失った
285 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:05:36 ID:8l/RsgQN
意識を取り戻したときには自分の部屋で仰向けに寝ていた。
もう窓の外はすっかり暗くなっている。
押さえつけられた後、そのまま自宅に直送された訳か。
多少冷静になったので再度状況を考えてみる。
夜澄は何らかの方法で俺の事を知ったのだろう、あの医師が口を滑らせたのかな?
そして何らかの手段で金を工面し、俺を買い戻した。
あいつでは一晩で金は工面できないだろうから、・・・・・・隠し財産でもあったのだろうか?
まあ、家族が競売に参加して買い戻すというのはそこまでおかしい話ではないな。
いずれにせよ金は俺の手元に有るのだから手術代はそこから工面すればいい。
もしも、万が一まずい金なら俺が全部責任を被ればいいだけだしな。
ということはだ、考えてみればそんなに悪い状況ではないじゃないか。
・・・・・・エリス大先生にぶち殺されなければ、いや、バラされて素材にされても文句言えんがな・・・。
あれかな、モツを抜いて禁●人形かな?
286 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:06:30 ID:8l/RsgQN
・・・・・・まあいいか、先々の事なんぞ考えてもしょうがないな。
取り敢えず夜澄はっと?
ふむ、今は居ないか。まあ、戻ってきたら事情を聞けばいい。
さて、と体を起こそうとしたがそれは出来なかった。
手足の手錠がジャラリと音を立てる。
「あれ?・・・、これはどういう?」
「あら、兄様、お目覚めになりましたか。」
夜澄が部屋に入ってきた、いつも通りの藍色の着物姿だ。
「ああ、ちょうど良かった取り敢えずこれを・・・・・・、!!」
外してくれと言おうとしたところで、俺の口は夜澄の口で塞がれた。
驚いて思わず、頭を持ち上げてしまった。
そのまま夜澄の頭とぶつかる、鈍痛が走る、かなり痛い。
「おい! いきなり何をするんだ!?」
「それは夜澄の台詞ですよ。う~、痛いじゃないですか、兄様。
ちょっと権利を使ってみただけじゃないですか、夜澄は兄様のご主人様なんですよ!?」
もうっ、と涙目になりながらすねた様子で自分の頭を抑える夜澄。
その後で、イタズラが上手くいった子供のようにくすくすと笑う。
驚きで頭が回らなかったが、ここでやっと気がついた。
ああ、要はからかっているんだな?
そうだな、いきなり何も知らせずに消えようとしたんだ。意地悪の一つもしたくなるよな。
もう取り戻せないと思っていた大事な家族との日々が戻ってきたんだよな。
1週間前、医師から手術の事を聞いた時以来張り詰めていた物がやっと緩んだ。
「っぷ、あははは、すいませんねぇ、ご主人様。
でも、イタズラが過ぎると心臓に悪いですよ。
私めのにも、ご自分のにも。」
特に夜澄のは爆弾つきなんだから。まあ、この程度なら大丈夫かな?
なんにせよ全てが上手く行くんだ、うん、良かった、良かったんだ。
これで何もかもが巻き戻るんだ、これ以上を望めないほどの最高のハッピーエンドじゃないか。
全ては大団円だ、奇跡は起きた、全米が泣いた、歴代興行収入第1位の超大作でスポンサーも大満足じゃないか。
「ところで兄様、実は一つ謝らなければならないことがあるんです、大したことではないのですが・・・・・・。」
笑うのを止めた夜澄はイタズラっぽい目つきのままに話しかける。
「何だ? 言ってみろよ、何だって許してやるぞ。」
夜澄はそんな幸せな俺の顔を見てにっこりと微笑む。
その笑顔に釣られて自分の顔も緩む。
「ふふ、実は・・・・・・、全部ウソ、だったんです。」
にへらにへらと緩んでいた顔が一瞬で引き攣った。
287 裏切られた人の話 sage 2010/07/04(日) 01:07:53 ID:8l/RsgQN
俺は回らない舌を無理に動かして言葉を作る。
「え、嘘? 何が・・・・・・? 金・・・・・・か? それとも、・・・・・・手術か・・・?」
「全部です、くすくす・・・・・・。」
夜澄がまたさっきのようにくすくすと笑い出す。
けれど、今度は何か禍々しいものを感じる。
「くすくす、全部ですよ。夜澄が1億円必要なのも、移植手術が必要なのも、病気なのもぜーんぶ嘘なんです。」
あっ、でも兄様への気持ちは嘘偽りなんてありませんから安心してくださいね、と夜澄が付け加える。
「嘘だ・・・・・・。」
「嘘ではありませんよ、その証拠に・・・・・・、ほら?」
軽く胸元をはだけさせ、つながれた俺の手のひらに押し当てる。
ドクン、ドクンと停止寸前のはずの心臓は力強く脈を打つ。
「じゃあ、どうしてだ? どうしてそんな嘘をついたんだ!?」
「あら、兄様を愛してるからに決まっているじゃないですか?」
さも当然というようにあっさりと答える。
「愛してる?」
「ええ、もちろん異性的な意味も込めてですよ、夜澄はずうっと兄様の事を愛していました。」
「異性って、お前、それは外の人間から選ぶものだろ?」
「くすくす、夜澄にとって男性は、いえ、人間なんて兄様しかいませんよ、くすくす、それでどうやって選ぶんですか?」
夜澄は、おかしそうに笑う。
「人間がいない?」
「ええ、夜澄と兄様だけ。」
夜澄は、またおかしそうにくすくすと笑う。
俺は理解した。
夜澄がどうしてこんな事をしたのか。
そして、自分のしてきた事の罪深さを後悔した。
288 裏切られた人の話 3 sage 2010/07/04(日) 01:08:13 ID:8l/RsgQN
人間はいない。
ああ、そうか今の状態は全部俺のせいだ。
結局、あの時から俺はこいつを歪ませていたんだ。
事故の後、俺の世話に付きっきりだった夜澄に遊ぶ時間があっただろうか、友人や恋人を作るだけの時間は、自分の夢を見つける時間は?
友達の話を聞いたことは無かった、学校での話も、いや、そもそも夜澄が自分の話をする事自体が無かった。
夜澄は俺の身勝手のために、ずっと兄と自分だけしか存在しない世界に縛り付けられていたんだから。
夜澄は俺以外の人間を知らずに、だから俺だけを愛していると錯覚させられた。
俺は何度も夜澄を裏切り、いくつもの未来を夜澄から奪った。
その結果がこの永瀬宗一だけを愛する夜澄なんだ。
表面上は癒えた様に見えても、新しい傷が付く度に少しずつまた開いていく。
ああ、きっと夜澄は何回目もの裏切りで壊れた、いや壊されてしまったんだ、俺によって。
最終更新:2010年07月12日 20:27