【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦9話

531:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦9話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/05(日) 18:44:40.81 ID:SlGgb7fY [6/10]

はあはあはあ・・息が、息が、く、苦しい・・・
ダメだやっぱり、
犬ですら禁忌を犯さないっていうのに。
人間なんだよ。人なんだから、こんなのおかしいよ。
その時、ほほを伝わる熱い何かが流れていた・・・

3人はまだ絡み合っている。
今なら逃げられる。

逃げる?
いいのか?
こんな状態で・・・
ほっといていいのか?

「はあっ・・・ あっ、ああああんっっ!!あっ、やっ、ん・・はあぁんっ!」
「はふん!あん!やっ・・・あん!いい・・・いいよ・・・そこ、そこあん!はふあっ、あっ!あ、あっああん!」
「ああああ、やあ、ん・・・はっ、あっ、ん、あっ、はああぁぁぁん・・・」
3人は夢中になって絡み合っていたまま、まるでナメクジの交尾のようだ。。
ヌメヌメと絡み合い、妖艶なにおいを立ち上らせ留まることをしらない。

不思議と惹かれず、胃から酸っぱいものが上がってくる。

その時はっきりと
胸の奥になにか足りなかった空間に、隙間に
ピッタリと何かが嵌ったようなような気がした。

“逃げよう”

今すぐここから離れる。
そう

“逃げる”んだ!!

ズボンを押さえ、その場からそっと立ち上がり、玄関に向かう。
後ろから、さっきよりひときわ大きな嬌声が聞こえている。
「あああ、ダメ、本当にダメだから・・イッ・・イっちゃ、イッチャウからイイイイッ!はあっ!あああああぁぁぁぁんっっっ!!!」
「ダメ、一人でイかないで、し、ししょう~、蛍も、蛍も、蛍も・・・・もうもうもう・・イイイヤッイイ・・・やああああ」
「あん!あ!アアッ!もう・・もうもう・・・お・おねえ・・ひ・・ひかりも・・・うう・・やっやあ・・もうあああああ」

振り返りそうになるが、頬を伝わる熱い何かがそれを邪魔して、そっとドアを閉めた。

ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう……………。
なんなんだよ。
おかしいだろ?おかしいよな?
あんなキレイな女達に囲まれて、絡まれて、奉仕されて
何もせずともいい状態で、快感の海に溺れて
男の夢ハーレムなんじゃないかよ
ふつうなら喜び噎んで喚起の声を上げるんじゃないのかよ?

違う!違うんだ!!
なんで、なんで、なんで……………。

頬に流れるものは止まらなかった。

532:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦9話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/05(日) 18:46:19.73 ID:SlGgb7fY [7/10]

必死で走る。どこに向かって走るのか?わからない。
とにかく逃げるんだ!

頬を流れる熱いものはそのままに
胃から湧き上がるものを何度も何度も押さえ

本能?そんなモノ?
オレは、オレは、ただ今の関係が、仲のいい関係が続けば
二人ともなんだよ。嫌なのかよ。
しらねーよもう。

気がつけば、公園にいた。
ベンチに腰掛け頭を抱え一人、たたずんでいた。

なんだよ、このシーンは
馬鹿じゃなかろうか。安っぽい三文芝居じゃないか。
これはいったい。なんなんだよ。
ふと家のことを思い浮かべる。
まだあの狂宴は続いているのか?

逃げる?何から?
逃げる?どこへ?
逃げる?今の状況から?

このまま流されてもいいんじゃないか?
このまま歓喜の波に流されて。
このまま快感の海に溺れて。

………ウッ、ウエェッ
そんなことを考えるたびに酸っぱいものがのどの奥から上がってくる。

もう嫌だよ・・・
おかしくなりそうだよ。
どうすれば?

誰か、助けて
助けてくれよ………。

533:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦9話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/05(日) 18:49:26.10 ID:SlGgb7fY [8/10]

どれぐらいそうしてただろう。

突然頭を何か暖かいものに包まれた。

「ヨシ君・・・」
「・・・・・姉さん
「・・・大丈夫だよ、もう大丈夫だよ」
頭に回された手を振り払い、見上げる。

「何が大丈夫なんっ………
と叫ぼうとしたが、途中でその言葉は詰まって………。

姉さんのうつむいた顔からは、なにかが落ちていた。
透明な雫が、ポタポタとコンクリートの上に染みを作っていた。

「兄ちゃん、大丈夫だよ。兄ちゃんの嫌がることをしない。」
「蛍・・・」
今度は右側から頭を抱えられ薄い胸に抱きしめられた。

「ごめんね。兄ちゃん。蛍、兄ちゃんの嫌がることしちゃったね。いじめちゃったね、ゴメン、ゴメンネェ・・」
オレの髪が静かに熱く濡れていく。

「ヨシ君、ほんとごめん。許してなんて言えないけど、ゴメンとしか言えないよ。お姉ちゃんやっぱバカだから。」
k崩れ落ちるように跪き、オレの膝に、顔をうずめる。
俺の膝が熱い息と熱い雫で濡れていく。

「ごめんね、ヨシ君は、今までお姉ちゃんの嫌がること、蛍の嫌がることなんて絶対にしたことなないのに」
「兄ちゃんっ、くぅっ、蛍はぁ、蛍はぁ、うぅっ」
そう言いながら、声にならない声で、しのぶように、耐えるように泣く二人。

………

「だから、だから・・・ひぅっ、兄ちゃんっ、うぅ」
「ヨシ君、ゴメン、ゴメン、ゴメッ、っくぅ、うぅっ、ゴメンなさい」
「いいんだよ、兄ちゃん、もう蛍も許してくれなんていわない。けど出ていくなんていわないで」
「出て行くのはお姉ちゃん達二人だから・・・だから・・・うぅっ」

………………………

オレは馬鹿か
本能?
禁忌?
気持ち悪い?
そんなことの前に、かけがえのない二人を泣かせてどうするんだよ。

大事な家族だろ?

「・・・ヨ、ヨシくっうぅ」
「兄ちゃっ、兄ちゃっ・・ひぅっく」

いつまで泣かせるつもりだよ。
一番バカなのはオレじゃないのかよ。
ひとり常識人ぶって、
その癖、二人からのスキンシップを受けて
結局は喜んでたくせに。
二人のせいにして、
自分は何も悪くない?
ただの卑怯者じゃないか。

かけがえのない姉妹だろ?

………………………

「・・・何言ってんだ、二人とも」
「「・・・え?」」
姉さんがオレの膝から顔を上げ、蛍が、オレの頭を離して見下ろす。。

「出ていくも何も、家族だろ、兄弟姉妹だろ?」
「・・・・ヨシ君」
「兄ちゃん・・・」

「・・・ヨシ君、なに・・何いってるの・・泣かせたのは・・・お、お姉ちゃんだよぉ・・」
「兄ちゃん、いじ・・めたの・・・は、蛍だよ・・・」

「それでもオレが泣かせたじゃないか、『大事な人』を」

「ヨジグ~~ン、ううぅっ、うぇっ、うえ~~~ん、大事な人って大事なって、うえええええん」
「にいちゃあーん、ぶえぇーーん、ごべんなざーーーい、ごべんよーーおおおぉぉ」

二人は、堰を切ったように、子供の様に泣いた。
とても見れたもんじゃなかったけど、涙や鼻水、涎を垂らして泣いた。
姉さんは女の子座りしたまま、のけぞるように上を向いて、口を大きく開いて。
蛍は突っ立ったまま、両手を垂らし、流れる涙をそのままに、天に向かって吠えるように泣いた。

534:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦9話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/05(日) 18:55:16.99 ID:SlGgb7fY [9/10]

バカ姉妹が、
と二人を胸に抱き寄せ、ギュッと抱きしめてやる。
それでも二人は泣き止むことはなく、
オレを必死につかみ、より一層、火のついたように、大きな声で子供のように泣いた。

バカ野郎が・・・オレ本当にバカだよな。
世界一のバカだよ。
でも世界一の・・・シスコンだ。

「帰ろうぜ」

二人を抱きしめ、声をかける。
二人は聞こえているのか、肩を震わせ、しゃくりあげる。
なんとか泣き止もうとしているが、すぐには止まらないようだ。


「ひぐっひぐっひひひっひぐ、かえるの?」
「ひゃぐぅ、ひゅぐっ、ひゅうう、ど、どこに?」

「決まってんだろ、3人の家だよ」

オレにしがみ付く力が一層強くなり、今度は嬉しそうに顔をオレの胸にすりつけた。

あーあーマーキングにしてはひどすぎだよ。あちこちベタベタだよ。

「さあ」
と立ち上がり、二人の手を取る。
二人とも嬉しそうにオレの手を取り、開いてる手で顔をこすった。

ポケットに入っていた、クシャクシャになったハンカチを取り出し、
蛍の顔を拭いてやる。くすぐったそうにしている蛍。
その顔はぐじゃぐじゃだけど、天使のような微笑みが見えた。

「ああ~ん、ずる~い、お姉ちゃんは?」
「はいはい順番、順番」

今度は姉さんだ。

あ~あ、結局二人とも許しちゃったな。
まあ自分の気持ちに正直になるのはいいけど、
やっぱりその、最後の一線てのは、やっぱりなんか嫌だ。

友里さんがいってたけど、確かに男と女、オスとメスなんだろうけど。
倫理や禁忌としてなんて、今更いわない。言いたくない。
けどやっぱり時間がかかりそうだ。

そんな風に思いながら微笑んだ姉さんの顔を拭いた。

「どうしたの?ヨシ君?なんか嬉しそう?」
「ん?そう?」
「兄ちゃんが嬉しいなら、蛍も嬉しくなるよ」
「そっかそっか」
ポンポンと蛍の頭をたたく。

「あ~お姉ちゃんもナデナデして~」
「はいはい」

535:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦 9話◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/05(日) 18:57:43.96 ID:SlGgb7fY [10/10]

この時、オレは幸せだったのかもしれない。
いや、確実に幸せを感じていた。

でも、本当は勘違いしてたんだ。

オレは本当に馬鹿だった。

この後起こることを思えば、まだこの時『逃げる』選択肢は残っていた。

でもそうはしなかった。


そう二人は大切な、大事な、何にも変えられない『姉妹』だったんだから。




戻る 目次 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年04月08日 03:14
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。