433 名前:
パンドーラー16 ◆ZNCm/4s0Dc [sage] 投稿日:2014/12/31(水) 10:09:04.92 ID:AzNU26iF [2/7]
トシヤは雨音で目が覚めた。
時間は六時過ぎだが、雨雲で外は薄暗いようだ。
七月になり季節は梅雨入りし、部屋は
なんとなく蒸し暑かった。
しかし、それは梅雨のせいではなく―――
「すー、すー…」
ベッドでマキと一緒に寝ていたからだ。
最初に二人で寝た日から、寝るときはずっとマキと一緒だった。
トシヤは倫理的に悩み、ある時に断ろうとすると、マキは悲嘆な表情をし懇願を繰り返した。
マキの瞳から涙まで流れ出そうになり、ついにトシヤは根負けした。
そうして二人で添い寝し、どちらともなく自然にキスをしながら眠りに入るのが
日常となりつつあった。
トシヤは自分からは一線は超えまいと我慢の連続だったが、痛いほど腫れた男根に
マキが気付かないわけがなかった。
トシヤから求めてもらうこと、それがマキの当面の目標だった。
恐らくそれは時間の問題であろうとマキは愉悦に浸りながら、絶頂を迎え眠りにつくのだ。
トシヤが悶々としているのはキスだけではなかった。
マキの服装だ。
去年までの年相応(?)の地味な物ではなく、肌を過度に露出させた扇情的な物を着始めた。
例を挙げれば、今のマキの恰好だ。
ワンピース型のナイトウェアだが、肩紐は細く、丈はかなり短い。
しかもブラをつけておらず、床に座ればショーツが覗けるようなものだ。
姉といえども女性なので、トシヤはマキに興奮し、そして感情を抑圧した。
風呂場やトイレは数少ない性欲の発散の場となった。
勿論、妄想の対象はマキだった。
最近では普通のAV等ではオーガズムを感じられなくなってしまい、トシヤは
酷く背徳感に興奮しながら悩んだ。
434 名前:パンドーラー16 ◆ZNCm/4s0Dc [sage] 投稿日:2014/12/31(水) 10:10:08.63 ID:AzNU26iF [3/7]
「近所の夏祭りに行かない?」
あくる日の夕飯にマキが唐突に提案してきた。
「神社でやってるやつ?あれは土曜日だから…明日か」
「私まだこっちに越してきて一年経ってないから、ここのお祭りは初めてなんだよね」
期待に目を輝かせながら、マキは御飯を頬張った。
「そっか…。うん、行こうか。あんまり大きいお祭りじゃないけど」
「ありがとう、浴衣姿を楽しみにしておいて♪」
マキ
姉さんの浴衣姿―――
艶やかな姿を想像し、トシヤは自身がそそり立つのを我慢出来なかった。
土曜日の昼下がり。
炎天下の中、買い物がてらにトシヤは街中をぶらついていた。
ふと、後ろから声を掛けられた。
「トシヤ君、こんにちは」
「やぁ、ユリコちゃんと、紅保先輩。お久しぶりです」
ユリコと兄のユウイチも一緒だった。
「あ、あぁ…」
「どうかしましたか?」
「いや、何でもないんだ…」
ユウイチは酷く落ち込んでいるような表情だった。
目からは生気が感じられない…。
「何処か、買い物?」
「暑いからね、アイスとかでも…。ユリコちゃんは?」
「新しい水着が欲しくてね。さぁ、兄さん♪」
「わ、わかってる…。トシヤ、お前は―――いや、いいんだ…」
「は?」
紅保ユウイチはユリコに腕を引っ張れるように去っていった。
「(まるで恋人みたいだったな、ユリコちゃん…)」
二人の関係をそれ以上詮索する気にはなれなかった。
なにしろ―――
「暑い…。早く買って帰ろう…」
435 名前:パンドーラー16 ◆ZNCm/4s0Dc [sage] 投稿日:2014/12/31(水) 10:10:53.46 ID:AzNU26iF [4/7]
午後七時を回っても暑さは消えなかった。
熱帯夜の中、トシヤはマキと並んで神社に向かう。
「浴衣って意外と暑いわね…」
扇子を仰ぎながら、マキは暑さにうだっていた。
「でも、き、綺麗だよ…」
藍色に赤い金魚があしらわれた、シンプルだがまさに浴衣の魅力を感じさせるものだった。
髪を結い、うなじが露わになったマキも色気を一段と感じさせ、トシヤはつい口走っていた。
言った後、顔が赤くなるのを感じた。
「ト、トシヤ…!」
マキも戸惑っていた。
可愛いは言われたことはあるが、綺麗は初めてだった。
まして自分の想い人に言われれば、マキは嬉しさと恥ずかしさで胸がいっぱいになった。
ガっ!
「キャッ!!?」
「マキ姉さん!?」
慣れない下駄だったので、マキは地面の段差に躓いた。
それをトシヤが間一髪で支えることが出来た。
「だ、大丈夫…?」
「ええ、ありがとう…」
マキを支えているために、抱きしめているような体勢になった。
「あ、ゴメン…」
マキが元の姿勢になると同時にトシヤは身体を離した。
が、マキはトシヤの裾を握ったまま―――
「ねえ、手を繋いで…。また転ばないように…」
「ッ!―――わかったよ…」
恐る恐るといった感じに、トシヤはマキの差し出された手を握った。
マキの手は柔らかく、すこし汗ばんでいたが、不快ではなかった―――
436 名前:パンドーラー16 ◆ZNCm/4s0Dc [sage] 投稿日:2014/12/31(水) 10:12:09.56 ID:AzNU26iF [5/7]
神社についてからも二人は手を繋いだままだった。
いくつかの店でゲームをやり、焼きそば等の料理を堪能した。
マキがリンゴ飴を食べ終えるころには一段落したが、二人は心ここにあらず、といった様子だ。
ゲームをしている時も、焼きそばを食べている時も、お互いのことが気になって仕方がなかった。
「マキ姉さん…」
トシヤがマキを連れて歩きだした。
神社の奥、人の気配がない場所まで来ると―――
「―――ゴメン」
急にマキにキスをした。
「ト、トシヤ…」
マキもそれに応えた。
今までのような触れるだけのキスではなく…深くお互いを求める激しいものになった。
「―――ん―――」
「んん!ん―――」
ぐちゅぐちゅと、口からは唾液が漏れて互いの唇や顎まで濡らしたが、気にしなかった。
トシヤはマキの柔らかい身体を強く抱きしめ、マキも同じようにトシヤを抱きしめた。
「はぁ―――はぁ…」
「あ、―――はぁ―――」
トシヤは息が苦しくなり、ようやく口を離す。
マキは惜しむような声を出した。
「マキ姉さん―――」
「トシヤ―――」
二人はそのまま…
「―――あの射的―――当たらない―――」
「あれ―――取れない―――」
他の声が聞こえてきて、ふと二人は我に返った。
しかし、お互いに暴発寸前だ。
「帰ろう…」
「うん…」
437 名前:パンドーラー16 ◆ZNCm/4s0Dc [sage] 投稿日:2014/12/31(水) 10:13:05.10 ID:AzNU26iF [6/7]
家に帰り着き、トシヤの部屋に直行すると、汗まみれなのも気にせず二人はキスを再開した。
「マキ姉さん…好きだ…!」
「トシヤぁ…わ、私もぉ…」
服を脱ぐのも、もどかしくなり半脱ぎの状態でお互いを求めあった。
マキの熱い中を感じ取り、トシヤは一心不乱に求め続けた。
二人の汗が交じり合い、部屋の温度と湿度を上昇させても、止まらなかった。
「マキ、姉さんっ…」
「あ、あぁぁ、トシヤ―――」
そうしてお互いに絶頂を迎える。
「はぁはぁはぁはぁ…」
「はぁ…はぁ…」
背中に手を回し抱き合ったまま、余韻に浸る。
「ありがとう…トシヤ…」
「マキ姉さん…」
「今が一番幸せ…」
マキの本当に嬉しそうな表情にトシヤは惹かれていた。
「ゴメン、僕まだ…」
「いいよ、でもその前にお風呂ね…」
二人が一夜の内にどれだけ行為に及んだかわからない。
しかしその時、避妊は考えていなかった―――
最終更新:2015年03月22日 02:12