変態きょうだい

688 変態きょうだい ◆SVNDcoHudE sage New! 2008/01/06(日) 23:10:23 ID:vKkXdAE8
「このっ! 糞兄貴! これでもか! これでもか!」
「うわっ! や、やめてくれ、真美」
リビングに続くドアをそっと開き、音を立てないように中の様子を覗く。
やっぱりそうだ。今日も「あの人」は真美に踏まれていた。
真美は「あの人」を何度も踏みつけ、「あの人」はそれから身を守るように頭を抱えながら縮こまっている。
一見すると真美が「あの人」を苛めているように見える。が、実際はそうではない。
アレはあの二人に取って、お互いの愛情を確認するための儀式のようなものなのだ。
事実、「あの人」を踏みつける真美の表情は至福に歪み、「あの人」もまた、喜びに身体を震わせている。
真美は「あの人」を踏みつける事によって「あの人」を満足させている。
「あの人」は真美に踏みつけられる事によって自分も満足し、一切抵抗しない事で真美を満足させてもいる。
二人の、二人による、二人のためだけの倒錯的な愛情確認。
――はっきりいって気味が悪い。二人とも変態だ。
妹に罵られる事によって快感を得る兄と、そんな兄を疎ましく思う事もなく、むしろ喜んで受け入れる妹。
なんて気持ちの悪い兄妹なんだろうと思う。恥ずかしくないのか、と思う。
特に「あの人」だ。
いくら血が繋がっていないとは言え、20代半ばの男が10代前半の子供に、しかも妹に欲情しているのだ。
これが異常でなくて何なのか? 本人だって気づいているはずだ。
それなのに……
「ハァハァ……ま、真美。もう、もうお兄ちゃんは我慢できない」
「え……? な、何言ってるの? 兄貴」
自分を踏みつけていた真美の足を掴み、ゆっくりと「あの人」が立ち上がる。
突然の兄の行動に、真美は先程までとうって変わって怯えたような表情になっていた。
しかし、それが演技に近いものである事はすぐに理解できた。
真美の怯えを含んだ瞳の奥には、何かを期待するような光が、確かに宿っている。
「あの人」が気づいているかどうかは知らないが、私にはそれが分かる。
だって私は真美の事を、だれよりもよく知っているから。
「ま、真美! 好きだ! もう限界なんだ!」
「きゃあ!」
「あの人」は足を掴んだまま、真美をソファーへ向けて押し倒した。
草食動物に襲い掛かる肉食獣のようなすばやい動きと勢いで、真美の服を剥ぎ取っていく。
「や、やだ! やめてよ変態兄貴!」
ジタバタと手足を動かし、ほとんど無意味な抵抗を続ける真美。


689 変態きょうだい ◆SVNDcoHudE sage New! 2008/01/06(日) 23:11:33 ID:vKkXdAE8
実際の所、あの子は抵抗なんてする気なんてまるでないんだろう。
でなければ最初に「あの人」に足を掴まれた時、いつものように顔を蹴り上げているはずだ。
それをしないってことは、はじめからこうなることを期待して、いままで「あの人」を踏みつけていたってことだ。
全くなんて子供……いや、女だろう。
「ま、真美。かわいいよ! かわいすぎるよ!」
白いブラウスを剥ぎ取った「あの人」は、露になった真美の白い裸体を眺めながらため息をついた。
真美はもう抵抗なんてしていない。むしろこれから兄に何をされるのか、その期待に胸を膨らませているようだ。
「あの人」の大きな両手が、まだ膨らみかけの小さな胸にのびていく。撫でるように、いたわるように、慎重に指を動かす。
両の乳房をゆっくり揉みしだかれるたび、真美の口から濡れた甘い声が漏れる。
「ふぁぁ……あぁ……お兄ちゃん」
「……え? 真美、い、今、お兄ちゃんって……」
潤んだ瞳で、真美が「あの人」の目を見つめる。
「うん……あのね、私……私ずっとお兄ちゃんの事……」

――まずい! これ以上は!

「ちょっと待った!」

大声を出しながら、薄く開いていたドアを渾身の力で蹴破り、私はリビングへ侵入した。
真美に覆いかぶさっていた「あの人」は、突然の大声と共に現れた私を見て、さっきまでの行為を完全にやめた。
真美も私の方へ顔を向け、二人揃って驚きの声を上げる。

「お、お姉ちゃん!?」
「ね、姉さん!?」

つい先程まで真っ赤になっていた二人の顔が、一気に真っ青になっていく様子がなんだかすごく、滑稽に見えた。


690 変態きょうだい ◆SVNDcoHudE sage New! 2008/01/06(日) 23:12:22 ID:vKkXdAE8
「いい加減にしなさい、真美。何度言えばわかるの?」
「…………」
私の言葉が心底気に入らないのか、はたまたどうでもいいことなのか、真美はまるで聞く耳を持たない。
「いい? 貴方達は兄妹なの。なのにあんな事するなんて許されないのよ?」
「…………」
「真美! 聞いてるの?」
「うるさいなー。分かってるわよ」
今までも散々同じ事を言ってきた。それこそ、何度も何度も。
なのに状況は悪化するばかりだ。真美はどんどん「あの人」にのめり込み、「あの人」もまた、真美にのめりこんでいる。
「あーあ。最悪」
ソファーに横になりながら、真美がつぶやいた。
その言葉が私に向けていった言葉なのか、ただの独り言だったのかは区別がつかなかった。
真美の目線は私の方へとは向いておらず、ずっと天井を見つめたままだ。
「……とにかく、もう今後一切ああいうことはやめなさい。いいわね」
「はいはい。……っていうかさ、ああいうことってなに?」
「ああいうことはああいうことよ。踏みつけたり、その……せ……せせ、セックスの、真似ごと、とか」
思わず言葉に詰まってしまった。相変わらず私はこういうことを言うのが苦手だ。
そんな私の様子がおかしかったのか、真美が小さく吹き出した。
「ふふっ……ホントはお姉ちゃんもしたいくせに。お兄ちゃんを踏みつけてみたいくせに」
「何を言っているのよ。そんなわけないでしょ」
急に何を言っているんだろう、この子は。私がそんな変態であるはずがない。
私はこの二人とは違う。もっとまともで、ちゃんとした人間のはずだ。
「ああ……そうね。逆か。踏みつけられたいのよね、お兄ちゃんに」
そう言うと、真美は勢いよくソファーから立ち上がった。
下着とブラウスは着てはいるものの、スカートは脱いだままだ。
目を細め、口元を三日月型に歪めながら、ゆっくりこちらに向かって歩いてくる。
その様子がなんだかとても恐ろしくて、私はまるで身動きできなかった。
目の前まで来た真美は、私の全身をじっくり舐めるように見つめると、突然、スカートの中に手を伸ばしてきた。
「な、何するの、真美! やめなさい!」
抵抗しようと思っても、なぜか身体が動かない。
私の言葉など耳に入っていないように、真美は下着の上をなぞるように撫で回す。
淫靡な水音が、静かなリビングの中に響き渡る。


691 変態きょうだい ◆SVNDcoHudE sage New! 2008/01/06(日) 23:12:54 ID:vKkXdAE8
「……やっぱりね。濡れてる。私達を見て興奮してたんでしょ?」
「ち、ちがうわ! そんなことあるわけ……」
「違わないわよ。お姉ちゃんも変態さんだもん。弟に欲情しちゃう変態さん……」
真美の手の動きがより激しく、強くなっていく。吐き出す息が、どんどん荒くなる。
抵抗したいのに、やめてほしいって思ってるはずなのに……どうして?
「お姉ちゃんも混ざりたかったんでしょ? 私達と一緒に遊びたかったんでしょ?」
真美の声が、喜びに弾んでいるように聞こえる。
「ホントは羨ましかったんだよね? 私達が……」
羨ましい……そうかもしれない。私はただこの二人が羨ましかっただけなのかもしれない。
同じ姉妹なのに、真美は私と違って「あの人」に求められている。
「あの人」の欲しいものを与えて上げられている。「あの人」と理解しあっている。
私もそうなりたかったのに、真美に嫉妬して無理やり二人を変態だって決め付けていただけなのかもしれない。
「だいじょぶよ……これからは3人で遊びましょう。ホラ、もっと声出して。お兄ちゃんに聞こえるかもよ?」
私が真美に説教をしている間に、「あの人」は二階の自室に逃げ込んでしまった。
私の声が聞こえたらここに戻ってきてくれるだろうか。
もし、戻ってきたらこんな私を見てなんて言うだろうか。
「イッちゃいなさい。お姉ちゃん」
優しく、慈悲深いような声で真美が言う。
「ああ……あぁあぁ!」
妹にいいようにされて喜ぶ私を見て……あの人は……!




――頭の中が真っ白になった。何も考えられない。

意識がゆっくり遠のいていく。
完全に世界が閉じていくその直前、真美の小バカにしたような声が聞こえた。







「ふん……お兄ちゃんがあんたみたいな年増のこと本気で相手にするわけないでしょ。
私にベタボレだし。この変態が。一人で自慰でもしてな、バーカ」

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最終更新:2008年01月08日 04:31
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