153
三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 01:49:56 ID:UGPLKTCt
夏美と兄さんはアイスを買いに家を出た。
私はアイスティーを飲みながらぼんやりしていた。春子は客間の布団の用意をしていた。シロは私の横で丸くなっている。私がシロの背中をなでると気持ちよさそうにする。私はシロの背中から手を離し扇子で顔をあおぎながらため息をついた。夏美が羨ましかった。
兄さんは私に尽くしてくれる。私はそれに何の不満もない。ただ、兄さんに甘える事が出来ないのは私にとって大きな不満だ。
兄さんと一緒に登校したいし、今の夏美みたいに兄さんと一緒に買い物したいし、春子みたいに甘えたい。
だがそんな事は出来ない。兄さんは私に嫌われていると思っているから尽くしてくれる。傍にいてくれる。私が兄さんに甘えると前提条件がおかしくなる。
兄さんに甘えるか、兄さんを傍に縛るか。どちらかしか選べない。
いや、私はもう高校生だ。兄さんにべったり甘えるのが許される年頃ではない。それにいずれ兄さんに恋人ができると、傍にすらいられない。
やはり兄さんを騙してでも私のそばに縛り付けるしかない。
私は扇子で顔をあおいだ。涼しい。この扇子は去年の誕生日に兄さんがくれた物だ。いつも手で顔をあおぐ私のために兄さんが選んでくれた。品の良い落ち着いた色と柄。私の宝物。
年頃の妹に扇子というのがいかにも兄さんらしかった。
兄さんは春子と相談して一生懸命考えて選んでくれたらしい。春子はインターネットに詳しく、いいお店を調べて兄さんに教えたらしい。私はこの扇子を一目見て気に入った。
春子と一緒に兄さんは笑顔で渡してくれた。私は本当に感動した。兄さんに抱きついて頬ずりしたかった。兄さんが私のために考えて選んでくれたのが泣きそうなぐらい嬉しかった。
でも私は兄さんを思い切り罵倒した。素直になると、自分の気持ちをさらけ出してしまいそうだったから。
春子は怒った。兄さんはそれを苦笑いして止めた。いつも通りの兄さんだった。
その日の夜、私は部屋で扇子を見ながら頬が緩むのを止められなかった。ずっと嬉しさの余韻浸っていた。
のどが渇いて私は部屋を出た時、もう夜は遅かった。両親も兄さんもとっくに寝ている時間だった。
兄さんの部屋の前を通るとき、兄さんの部屋から何かが聞こえた。私は兄さんの部屋の扉に耳を近づけた。
「…ぐすっ…ひぐっ…うくっ」
兄さんのすすり泣く音が聞こえた。胸を締め付けられるような悲しい嗚咽。
私は驚いて部屋に戻った。兄さんのくれた扇子を握りしめて布団をかぶった。
信じられなかった。兄さんは私がどれだけ罵倒しても少し悲しそうに苦笑いするだけだった。その兄さんがあんなに悲しそうに泣くなど、想像してなかった。
罪悪感に胸が痛んだ。昔の兄さんはお調子者で明るい人だった。今の兄さんはそんな面影はない。今の兄さんはいつも困ったように笑う静かな人だ。だが、裏では私に冷たくされ泣くほど悲しんでいる。
私は頭を振って過去の思い出を振り払った。今更引き返せない。兄さんを傍に置くにはこれしか無い。
「幸一君と夏美ちゃん遅いね」
春子はリビングに入ってそう言った。私は扇子を隠した。
「何かあったのかな」
不安そうに春子は言った。その瞬間、玄関から音がした。
シロは素早く立ち上がり、玄関に走った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ただいまー!」
夏美の元気いっぱいの声。腹が立つ。何がただいまだ。ここは私と兄さんの家だ。
春子が安心したように笑った。
「おかえり。遅かったから心配したよ」
何がお帰りだ。春子の家はここではない。
シロもくーんとなく。シロの家も隣でしょ。何を馴染んでいるの。
とても腹が立つ。他の女に私と兄さんの聖域を侵された気分だ。
夏美のアイスは火照った体にはひんやりとしておいしかった。それがさらに私を苛立たせた。
アイスを食べながら夏美は口を開いた。
「ハル先輩。シロちゃんはどこで寝るんですか?」
「私の家となりだから戻って犬小屋で寝てもらうよ」
わうっ、とないて春子を見るシロ。ちょっとショックを受けているようだ。
「そうなんですか。シロちゃんおやすみなさい」
シロはくーんと寂しそうにないてリビングを出て行った。犬小屋に帰ったのだろうか。シロは賢くて器用だ。自分で家の扉どころか鍵まで開ける。後で戸締りをしっかりしておこう。
「お風呂誰から入る?もう準備はできているよ」
春子はアイスをぺろぺろと舐めながら言った。子供みたいな食べ方。
「先に入る」
私は返事を待たずに立ち上がりリビングを出た。今日は腹立たしい一日だ。
154 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 01:53:49 ID:UGPLKTCt
お風呂を手早く上がると、私はリビングに戻った。兄さんは私にアイスティーを淹れてくれた。冷えていておいしい。私は兄さんにブラシを乱暴に投げつけた。兄さんは難なくキャッチした。
「梓。危ないよ」
兄さんが困ったようにたしなめるが私は無視してソファーに座った。
「突っ立ってないで早く」
兄さんは苦笑して私の背に立った。兄さんの手が私の髪にふれる。いつものとおり兄さんは優しく私の髪をすく。
「幸一君。お姉ちゃんも後でお願いね」
春子は笑ってリビングを出た。次のお風呂は春子のようだ。
兄さんのひんやりした手が気持いい。私のささくれ立った心が嘘のように穏やかになる。夏美は顔を赤くして私と兄さんを見ていた。
「いいなー」
夏美が指をくわえて羨ましそうに言った。その顔は真っ赤だ。ふん。せいぜい羨ましがれ。
私は春子が風呂を上がってくるまで丹念に兄さんに髪をすかせた。
「あれれー?梓ちゃん、まだ終わってないの」
風呂あがりの春子は薄着でむき出しの白い肌が微かに桜色に染まっている。健康的な色気を発散していた。
「あずさー。お兄さんをこき使いすぎだよ」
夏美が羨ましそうに言った。
「夏美ちゃん」
兄さんが夏美を見た。ちょっと顔を赤くしている。むかつく。春子の薄着に見とれているんだ。
しかし次の兄さんの発言は私を驚愕させた。
「よかったら夏美ちゃんの髪もすこうか?」
夏美は目を見開き両手で口元を覆った。耳まで赤くなる。
私は信じられなかった。兄さんから髪をすくなど私にも言った事がない。兄さんは女性に対して奥手だ。自分から積極的に女性にふれることは無い。
「わ、わわわ、私でよければお願いひまふっ!」
噛みまくって答える夏美。
「お風呂いただきます!」
夏美は脱兎の如くリビングを出て行った。私はそれを呆然と見送った。
「梓。これぐらいでいいかな」
私は何も言わなかった。兄さんはそれをイエスと受け取ったのか、私から離れた。兄さんの温もりが消える。
「春子?」
兄さんは春子に声をかけた。春子はぼんやりと私たちを見ていた。いや、兄さんを見ていた。
「ええと、春子も髪をすくんだよね」
春子はぼんやりと兄さんを見て私の横にちょこんと座った。兄さんは春子の髪をすきはじめた。
「幸一君」
春子がぼんやりと兄さんの名前を呼んだ。
「珍しいね」
春子はひとり言のように呟いた。
私は立ち上がって兄さんを見た。赤い顔。私は直感で春子の髪をすいて恥ずかしがっているのではないと分かった。夏美の髪をすくと言った事を恥ずかしがっているんだ。
それが分かった瞬間、醜い感情が私の心で荒れ狂った。
「私もう寝る」
不愉快だった。私はリビングを出て自分の部屋に入った。
ベッドに転がり扇子を取り出す。握りしめ布団をかぶった。
何で兄さんは夏美の髪をすくなんて自分から言ったんだろう。今日のお昼の二人はちょっと気まずかったのに。仲直りしたからなのだろうか。
そうだ。兄さんは優しいから羨ましがっている夏美が可哀そうになって髪をすいてあげるって言ったんだ。そうに違いない。いや、それ以外にあり得ないし、あってはならない。
体が熱い。私は扇子で顔をあおいだ。少しだけ気分が落ち着いた。
今日は苛々して疲れていたのだろう。私はすぐに眠気に包まれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私はお風呂の中でぼんやりしていた。
お兄さんの事が脳裏に蘇る。
恥ずかしい。お兄さんに告白してしまった。それだけじゃない。お兄さんと手をつないでお兄さんの家まで帰った。さらにこの後お兄さんが髪をすいてくれる。
私は立ち上がった。体が火照っている。だめだ。思いきり叫びたい。奇声をあげて走り回りたい。
何度も深呼吸した。熱い息を吐き出す。お風呂を出て体を拭いて寝間着に着替えた。
リビングに戻るとお兄さんとハル先輩がのんびりお茶を飲んでいた。
お兄さんが私に気がついて飲み物を淹れてくれた。冷たいアイスティー。私はほとんど一気飲みした。火照った体に心地よい。
私は気合を入れなおしお兄さんを見た。うわっ。恥ずかしい。
「おにいひゃん!」
思いきり噛んでしまった。仕方ないよね。恥ずかしいんだもん。
「お、お願いします」
小さい声しか出なかった。私はソファーにちょこんと座った。お兄さんが私の後ろに立つ気配に心臓が暴れる。
髪に何かが触れる感触。私はびくっと震えた。お兄さんは優しくゆっくりと髪をすく。
155 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 01:56:55 ID:UGPLKTCt
私の髪にお兄さんが触れる感触。ブラシが私の髪をすく感覚。何もかもが嬉しくて恥ずかしい。
「私もう寝るね」
ハル先輩はそう言ってリビングを出て行った。ってちょっと!待って!置いてかないで!
私の心の中の叫びは当然ハル先輩には届かない。リビングに私とお兄さんは二人きり。
だめだ。お兄さんをすごく意識してしまう。恥ずかしい。頭が爆発しそうだ。
天国のような地獄のような時間は過ぎて行く。
終わりは突然だった。髪からお兄さんの感触が離れる。
「こんな感じでいいかな」
振り向いてお兄さんを見ると、お兄さんも顔を赤くしていた。ちょっと安心してしまった。お兄さんも私も同じだ。恥ずかしいんだ。
「ありがとうございました。梓がお兄さんに髪をすかせる理由が分かりました」
私は少し余裕を取り戻してお礼を言う事ができた。
「どういたしまして」
お兄さんは恥ずかしそうに頬を指でかいた。お兄さんの頬。柔らかそう。
頭が爆発しそうだった。取り戻した余裕など一瞬で吹き飛んだ。
「お兄さん!これを見てください!」
私はお兄さんに左手を見せた。お兄さんは不思議そうに私の手を見た。もちろん何もない。
「もっとよく見てください」
お兄さんは腰をかがめて私の手に頭を近づけた。お兄さんの顔が低くなる。
私は背伸びをしてお兄さんの頬に口づけした。
驚いたように私を見るお兄さんの顔が赤く染まる。
「お、おやすみなさい!」
呆然としているお兄さんをリビングに置き去りにして私は逃げた。用意してもらった部屋に入り布団に飛び込んだ。
恥ずかしくて死にそうだった。私は何て事をしてしまったんだ。
すぐに眠気が襲う。今日の出来事に疲れ切っていたのだろう。私はすぐに寝てしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕はシャワーを浴びていた。
頭がぼうっとする。あの後、ずっとぼんやりしていて気がつけば日付が変わっていた。
今日の僕はおかしかった。夏美ちゃんの手を握ったり、夏美ちゃんの髪をすくと言ったり。どこからどう見ても変態以外の何物でもない。
自分の頬を触る。まだ感触があった。顔に血が上るのが分かる。落ち着け。深呼吸する。吐く息が熱い。
その時、扉が開く音がした。誰かが洗面所に入ってきた。
こんな夜遅くに誰が?
耳を澄ます。衣擦れの音。
浴室の扉が開く。そこには春子が一糸まとわぬ姿でいた。
大きな胸にくびれた腰。滑らかな白い肌。匂い立つような成熟した女性の裸身。
僕は思わず見とれた。見とれずにはいられない魅力があった。
春子が近づく。僕は慌てて春子に背を向けた。
「春子!何を考えているんだ?」
「静かに」
春子の声は震えていた。
「梓ちゃんと夏美ちゃんが起きるよ」
背中に柔らかくて熱い感触。白い腕が回される。春子の体温と震えが伝わる。柔らかい感触に頭がくらくらする。
「春子。何を考えている」
無言。
「今すぐ出て行って」
春子の腕に微かに力がこもる。
「お姉ちゃんがいやなの?」
春子の熱い吐息が背中に触れる。鳥肌が立つ。
「春子お願い。離れて」
「いや」
僕は春子の腕をつかみ引きはがした。春子が出ていかないなら僕が出ていくしかない。
振り向いた瞬間。頬に触れる手。唇に熱い感触。
目の前に春子の顔。目を閉じた春子の顔。
唇に熱い何かが入ってくる。
口の中をかき回される。
「ん…ちゅ…んむ…ちゅ…ちゅ…は…ちゅ」
春子の肩を押して離そうとするが、あまりに細く感じる春子の腕を握って躊躇してしまった。
永遠とも思える時間の後、春子の唇が離れた。
かすかに赤い春子の顔が目の前にある。少し恥ずかしそうな表情。
156 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:02:45 ID:UGPLKTCt
「春子。離して」
「いや」
春子の顔が迫る。僕は春子の肩を押さえた。
「落ち着いて。何があったの」
春子が笑う。悲しそうな笑顔。
「お姉ちゃんのキスはいやなの?」
話が通じない。
力ずくで引きはがすしかない。春子の腕を掴む。細い腕。再び躊躇してしまう。思いきり力を入れるとどうなるか分からない。
「ここはこんなに喜んでいるのに」
おもわず腰を引く。春子の指が僕の剛直をつかんでいる。白い春子の指が剛直に絡みつく。そのまま春子の手が上下に動く。腰が引けるほどの快感。声が出そうになるのを必死でこらえた。
「気持いいの?」
春子の手を止めようと腕を伸ばす。
そのとたんに激痛が走る。
「変な動きをしたら潰すよ?」
春子の手が僕の金玉を強く圧迫する。剛直を握る春子の手がさらに動く。
「はる、こ。やめっ…!」
春子はさらに僕の剛直をする。快感に腰が砕けそうになる。
「お姉ちゃんの手が気持いいの?」
春子がほほ笑む。嬉しくて恥ずかしそうな表情。いつもと全く変わらない笑顔に僕は強い恐怖を感じた。
「はるこっ!」
僕は一か八か春子の腕をつかむ。春子の反応は迅速だった。股間に走る激痛に膝をつく。腕を背中にまわされる。
「幸一君大丈夫?」
優しげな声。
「ほら深呼吸して」
春子の手が金玉をなでる。くすぐったい感触に痛みがゆっくり引いていく。
「あまりお姉ちゃんを困らせないでね」
頬に口づけ。熱い。
そのまま押し倒された。春子の白い体が覆いかぶさる。引き離そうとして後ろに回された腕が動かない事に気がついた。
カチャカチャという金属音。これは手錠か?両手が後ろで拘束されている。力を込めるがびくともしない。
春子の腕が僕の顔をつかむ。そのまま口づけされる。
「ちゅ…はん…ちゅ…む…ん…ちゅ」
口内に入り込もうとする春子の下を歯をかみしめて防ぐ。僕の歯茎を春子の舌がなめまわす。春子は顔をあげた。
「幸一君。口を開けて」
「春子。手錠を外して」
股間に感触。春子の膝。硬い膝が金玉にふれる感触に背筋が寒くなる。
「お姉ちゃんの言う事を聞いて」
「もう一度言う。手錠を離して」
春子は再び僕の唇にキスする。春子の舌が僕の唇をなめまわす。時々僕の唇を甘噛みする。
「ちゅ…ん…ちゅ…あふ…ちゅ…ん」
春子の唇が離れる。涎が垂れる。
「体の方は正直なんだね」
カチカチになった剛直に春子の指が触れる。うめき声を上げそうになるのをこらえる。
「ふふ。可愛い顔だよ」
楽しそうな表情。そのまま剛直をこすりつつ僕の体中にキスしてくる。唇の熱い感触が体中に残る。
「ちゅ、ん、こういちくん、ちゅ、む」
「うっ、く」
まずい。射精感が高まる。
こうなれば大声を出して梓か夏美ちゃんに来てもらうしかない。こんな状況を見られるとどうなるか分からないが、このままだと危険すぎる。
そう思って口を開いた瞬間、何かが口に詰められた。
「幸一君ひどいよ。そこまで嫌がるなんて。お姉ちゃん悲しいよ」
舌に布の感触。タオルか?
「ん!んー!」
ほとんど声が出ない。
春子が僕の体をまたいで座る。胸に春子のお尻の柔らかい感触。
「お姉ちゃんが気持よくしてあげるね」
春子は僕に背を向けた。春子の性器が目の前に迫る。
思わず見とれてしまった。春子の膣の入り口は薄い桜色をして綺麗だった。そこは頭のくらくらするほど女の匂いがした。すでに見て分かるほど濡れていた。
突然股間が温かい感触に包まれる。
「ん、ちゅ、はむ」
「ん?ん?」
157 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:04:52 ID:UGPLKTCt
「ちゅ、はむ、お姉ちゃんの、ちゅ、お口は、ん、ちゅ、どう?」
剛直を熱い何かが包む。快感に腰が引ける。
「んっ、ちゅ、はむ」
意思とは無関係に腰が跳ねる。目の前の春子の性器が目に飛び込む。
熱くてざらざらした感触が剛直の先端を包み込むように何度もこする。たまらない快感。
「ん!んー!」
まずい。イッてしまう。そう思った瞬間、剛直が涼しい空気にふれた。
「ふふ。お姉ちゃんのお口はそんなに気持いい?」
春子が嬉しそうに微笑む。その笑顔を僕は睨みつけた。
「いいよ幸一君。その強気な顔。ぞくぞくするよ。本当に立派になったね」
春子が僕の腰にお尻を落とす。
「その顔が崩れる瞬間を想像するとお姉ちゃん興奮しちゃうよ」
白い指が剛直をつかむ。そのまま膣の入り口に誘導する。剛直の先端が膣の入り口にふれる。クチュリと音がした。
「ん!んー!!!」
僕は体をよじる。拘束はびくともしない。
「こら!あばれないの」
春子がゆっくりと腰を落とす。
「ん……は……あ……大きい」
少しずつ僕の剛直が熱い膣に包まれていく。お互いの性器がこすり合う感覚が腰が引けるほど気持いい。
「んっ……あっ……いっ……つっう」
春子の顔がゆがむ。
「あっ……ふふっ……んっ」
春子は微笑んだ。その直後一気に腰が落ちる。
「あっ、ああっ、つっ、ふっ、あっ、あああああああああーーーーーーっ!」
息を荒くして僕の胸に腕をつく春子。顔が痛みと、悦びに染まっている。
「ふっ、ふふっ、んっ、幸一君、お姉ちゃんの中っ、どうっ?」
痛みを堪えて微笑む春子。春子の中は熱い。からみつく感触が経験した事のない快感をもたらす。
「っう……つっ……あっ……んんんっ」
春子が身をよじる。そのたびに膣が剛直を刺激する。
「んっ、幸一君、動くっ、よっ」
春子がゆっくりと腰をあげる。剛直を擦られる快感が全身に駆け巡る。
「うっ……ああっ……こすれるっ……幸一君のが……お姉ちゃんの中をこするよぉ」
春子が再び腰を落とす。剛直の先端が子宮の入り口にぶつかる。膣がきゅっと締まる。
「んっ……いっ……あっ……んんんんっ!」
剛直をこする膣の感触に声を上げそうになる。春子の白い胸が揺れる。
「すごっ……これっ……すごいよっ……幸一君……あっ……んっ」
春子が腰を揺らす。たどたどしい動き。胸が不規則に大きく揺れる。
「あっ……あんっ……はっ……いいっ……幸一君……ああっ……んっ」
僕は膣が擦れ合う快感を必死にこらえた。
「んっ……幸一君……感じてるんだね」
春子が嬉しそうに微笑み見下ろす。
「お姉ちゃん頑張るよっ……んっ……あん……ああっ……はんっ」
腰を振り続ける春子。剛直の先に春子の膣の奥がコツンコツンとぶつかる。
「いいっ……いいよっ……お姉ちゃんのっ……奥に……幸一君のが当たるよっ……あん!」
春子の白い体が僕の上でいやらしくくねる。
結合部のこする水音と春子の喘ぎ声が浴槽に響く。
「んー!んんー!」
僕は逃れようと暴れる。
「あああ!いいよっ!幸一君!動いてっ!」
そんな必死の抵抗も春子にとっては快感にしかならない。
射精感がじわりと腰に来る。
「ああんっ、んあっ、んっ、ああっ、ひゃんっ、いいっ」
容赦なく腰を振る春子。白い体が僕の上で揺れる。僕は必死に射精しようとするのをこらえた。
「んっ、幸一君、イきそうなのっ?」
春子が僕の頬を両手ではさむ。そのままタオルをはずす。
「ごほっ、春子、お願い、止めて!」
そのまま僕にキスする春子。歯と歯の間に春子の舌が入り込む。
「んっ、ちゅ、じゅるっ、ちゅっ、むっ、じゅる」
僕の咥内を春子の舌がなめまわす。春子の唇が離れる。春子の唇からよだれが垂れる。
嬉しそうに笑う春子。腰の動きが再開する。
159 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:09:32 ID:UGPLKTCt
「春子、うっ、止めろ、でる!」
「いいよっ、あんっ、ああっ、こういちくんっ、ひゃん、やっ、お姉ちゃんの、ああんっ、中に、あっ、あっ、あああっ」
「うっ、くっ、やめろ!」
「いくのっ、いいよっ、出して、ああっ、あんっ」
目もくらむような快感。
春子の膣がぼくの剛直の先端にぶつかった瞬間、僕は達した。
「あああああ!」
春子はひときわ大きな嬌声をあげた。
頭が
真っ白になるような快感。食いしばった歯の間から声が漏れる。
「んあっ……あっ……熱いよっ……んっ……あっ……ひゃん……奥にっ……当たって……ああっ……んっ」
膣が僕の剛直を締め付ける。春子は大きく背をそらし震えていた。春子がびくっと震えるたびに膣が締め付ける。
「んっ……あっ……はぁ……はぁ……はぁ」
肩で呼吸しながら春子が僕にもたれこむ。そのまま僕に口づけをする。僕は歯を噛み合わせ春子の舌を防いだ。
「んっ、ちゅっ、じゅる、はんっ、じゅるっ、ちゅ」
春子がゆっくりと腰を上げる。
「んっ……ああっ……あふれるよぉ」
春子の膣の入り口から精液と愛液が混ざった何かがこぼれる。かすかに血が混ざっていた。僕は歯をくいしばってその光景から目をそむけた。
「ふふ、すごいよ幸一君。お姉ちゃんの中いっぱいだよ」
「手錠を外して」
僕は声を押さえて告げた。
「ふふ、立派だね幸一君。ごめんね、今外してあげる」
春子は僕の手錠を外した。僕はゆっくり起き上がった。春子に背を向けシャワー出す。冷たい水が二人の体液を流す。
「春子、何でこんな事を」
僕は春子に背を向けたまま尋ねた。春子は後ろから僕を抱きしめた。春子の素肌の温かい感触が悲しかった。
「幸一君。夏美ちゃんをどう思ってるの?」
春子の表情が見えない。
「いい子でしょ?幸せにしてあげなきゃね」
「春子。僕の質問に答えて」
背中から春子の感触が離れる。振り向いた瞬間唇に柔らかい感触。
春子はゆっくりと唇を離した。
「おやすみなさい」
春子は浴室を出て行った。僕はそれを止めなかった。
浴室の窓を開け換気する。梓はいつも朝にシャワーを浴びる。換気して掃除しなければ。時間を確認する。すでに深夜の三時を回っていた。
寒気を感じて身をすくめた。部屋に戻ろうとして止めた。眠れるとは思えなかった。リビング座り体を震わせる。
春子の笑顔が浮かぶ。物心ついた時から一緒にいた明るくて優しい笑顔。
いつもお姉さんぶって僕と梓の世話を焼いてくれた一番身近な女性。
僕は手首を見た。手錠をかけられて暴れたせいか、血がにじんでいた。
訳が分からなかった。悪い夢でも見ているのかと思ったが、手首の痛みは本物だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
寒い。寒くて動けない。
あまりの寒さに震えていると、温もりが僕を包んだ。
温かい。温かさに涙が出そうになる。僕はうっすら目を開けた。
寝ていたのか?
そして寝る前の事を思い出す。思わず体が震える。
立ち上がろうとしたとき、初めて抱きしめられているのに気がついた。
柔らかくて温かい。
春子が僕を抱きしめていた。僕は思わず春子を突き飛ばした。
「いたっ」
春子は転がった。
「幸一君!当然起きないでよ。びっくりしたなあもう」
ぷんぷんする春子。いつもと全く変わらない。
僕は呆然とした。あれは夢だったのか?
「ご、ごめん春子」
春子に手を差し伸べる。背筋に寒気が走る。僕の手首には傷が残っていた。
「しっかりしてよね。お姉ちゃん心配だよ」
差し伸べた手を握る春子。僕は呆然としながらも引っ張って春子を立ち上がらせた。
そのままに勢いで春子は僕に近づき僕の頬を両手で包む。自然にお互いの唇が触れる。
「んっ」
160 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:12:23 ID:UGPLKTCt
春子の唇が僕の口の中に侵入する。
「はんっ、ちゅっ、んむっ」
僕の口内を暴れる春子の舌が熱い。頭がくらくらする。
「んっ」
春子の唇が離れる。春子はそのまま抱きついてきた。
「ふふっ、可愛い」
幸せそうに僕の胸板に頬ずりしてくる春子。
僕は悟った。あれは夢ではない。僕は春子の肩をゆっくり押して引き離した。
「春子。どうして」
どうしてあんな事を。
「どうして、って?」
春子は微笑んだ。いつもとは違う寂しそうな笑顔。
「好きだから」
春子はまっすぐに僕を見つめる。
「幸一君を愛しているから」
理解できない。愛しているなら何であんな事を。
春子は僕を見て優しく微笑んだ。いつもの笑顔。いや違う。今まで見たことのない寂しさの混ざった笑顔。
「幸一君。そろそろ梓ちゃんと夏美ちゃんを起こしてあげて。もうすぐ朝御飯ができるよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕は自分の部屋からジャージを持って一階に降りた。着て袖を確認する。手首の傷はうまい具合に隠れた。
春子が何であんな事をしたかはわからない。だけど、今は他の者に気がつかれるわけにはいかない。
そんな事を考えていると梓が降りてきた。
「おはよう」
「兄さんおはよう」
お互いにあいさつをする。僕を見つめる梓。
「どうしたの?」
「別に」
梓はそっけなくつぶやいた。
「おはよーございます!」
夏美ちゃんが降りてきた。
「…?お兄さん。どうしたんですか?元気なさそうですよ」
不思議そうに尋ねる夏美ちゃん。
「あまり眠れなくて」
僕は無理やりほほ笑んだ。
「私はすぐに寝ちゃいました」
夏美ちゃんは照れたように笑った。夏美ちゃんの笑顔が遠く感じる。
「みんなー。朝ごはんできたよー!」
春子の声がリビングに響いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
朝ごはんはトーストとサラダ、ベーコンエッグ。この家では珍しい洋食だった。
朝食は静かだった。時々夏美ちゃんと視線が合った。その度に夏美ちゃんは恥ずかしそうに視線をそらした。
朝食が終わって食器を洗ってから春子は帰った。用事があるらしい。風呂場での事をみじんも感じさせない普段の春子だった。
梓は「寝る」と言って部屋に引きこもった。
僕は夏美ちゃんと二人でリビングのソファーに並んで座りぼんやりしていた。
「お兄さん」
夏美ちゃんが僕の顔を覗き込む。おもわず目線を逸らしたくなるのを我慢した。
「私そろそろ帰りますね」
「…うん」
僕は玄関まで夏美ちゃんを見送った。
「お兄さん。今日はゆっくりしてくださいね」
夏美ちゃんは僕が体調不良だと思っているようだ。実際頭が重い。
「ありがとう夏美ちゃん」
僕は無理やり微笑んだ。
「無理しないでくださいね」
夏美ちゃんは優しく微笑んだ。昨日の言葉が耳に蘇る。
「夏美ちゃん」
161 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:15:47 ID:UGPLKTCt
「はい」
「昨日言ってたことだけど」
昨日の事。春子の寂しそうな表情と夏美ちゃんの恥ずかしそうな笑顔が脳裏に浮かぶ。何て答えればいいのだろう。
夏美ちゃんは僕を見て口を開いた。
「私はお兄さんを信じています」
僕でも信じられない事を夏美ちゃんは信じてくれるのか。
「例え何があってもです」
春子との出来事を知ってもこの子はそう思えるのだろうか。
夏美ちゃんの手が僕の頬を包む。
「だから安心してください」
顔が近い。目を閉じた夏美ちゃんの顔がゆっくり近づく。
お互いの唇が触れる。柔らかくて温かい。
春子のそれが脳裏によぎる。思わず夏美ちゃんから唇を離した。
「あっ」
夏美ちゃんが驚いたように目を開ける。
「その、あの、お兄さん」
慌てる夏美ちゃん。
「えと、あの、ご、ごめんなさい」
目に涙を浮かべ震える夏美ちゃん。思わず僕は夏美ちゃんを抱きしめた。
「きゃっ!?」
唇を強引にふさぐ。
「ん?んんっ!」
夏美ちゃんは驚いたようだが、すぐに目を閉じた。
ついばむように夏美ちゃんに何度もキスする。
「ん、ちゅっ、ちゅっ、んっ」
夏美ちゃんの口をこじ開け舌を入れる。
「んっ?んんんっ!」
口内を滅茶苦茶にかき混ぜる。
「はんっ!ちゅっ!じゅっ!んんんんっ!」
震える夏美ちゃん。
「んっ!ちゅっ!ん、ちゅっ、んんっ」
ゆっくりと唇を離す。
夏美ちゃんはとろんとした目で僕を見た。
「…お兄さん」
甘い囁き。僕は我に帰る。
「ご、ごめん!」
夏美ちゃんの顔は真っ赤だった。
「いえ、嬉しいです」
軽くキスする夏美ちゃん
「キスってこんなに気持ちいいんですね」
夏美ちゃんは幸せそうにつぶやいた。
「お兄さん。私帰ります。これ以上いたら名残惜しくて帰れなくなっちゃいます」
離れる夏美ちゃん。
「ありがとうございました」
夏美ちゃんは頭を下げた。
「またね」
僕は手を振る。夏美ちゃんも手を振って去った。
玄関で僕は立ち尽くした。強烈な罪悪感が胸を渦巻く。
何をやってるんだ僕は。
思わず唇にふれる。春子と夏美ちゃんの唇の感触が蘇る。
頭を振って階段を昇る。恥ずかしさと罪悪感と寝不足が混ざって最悪の気分だった。
部屋に入ると梓がいた。
梓は僕のベッドの上で布団にくるまっていた。
「梓?どうしたの」
梓は起きて僕を見た。
「兄さん」
無表情に僕を見上げる梓。暗い瞳が僕を射抜く。
「昨日の夜どこにいたの?」
心臓が跳ね上がる。
162 三つの鎖 7 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/11/30(月) 02:18:03 ID:UGPLKTCt
僕は必死に平静を装った。
「家にいたけど」
「家のどこに?」
梓はベッドを出て僕に近づく。幽鬼のような不気味さを感じさせる足取りで一歩一歩近づいてくる。
「今日起きたらお風呂が掃除されてた」
僕の頬に梓の手が伸びる。
「何で?」
頬にふれる梓の手が熱い。梓は何かを感づいている。だけど何といえばいいのか。
春子に襲われたとなど。
言えない。
梓が僕を見上げる。突然地面の感触が消える。違う。梓に足を払われた。かろうじて受け身をとる。
床に転がった僕に梓がのしかかる。僕の頬を梓の両手が包む。
唇に熱い感触。
「んっ!」
お互いの唇が触れる。熱くて柔らかい。
「ちゅっ、んっ、じゅるっ、ちゅっ」
歯の隙間を割って梓の舌が侵入する。僕の口内を舐めまわす梓の舌。
「じゅるっ、んっ、じゅむっ、ちゅっ、れろっ」
僕は梓の顔を引き離した。
「梓!何を」
「誰とキスしたの」
底冷えするような声。
「誰」
梓の視線が僕を射抜く。
「どっち」
僕の顔をつかむ梓の手に力がこもる。梓の手は燃えるように熱かった。
「昨日の夜、お風呂で誰と何をしていたの」
無表情な梓の両眼が恐ろしい光を放っている。僕は何も言わなかった。言えなかった。
梓は起き上がり部屋を出て行った。
僕は何も分からなかった。梓も春子も僕自身も。
生まれた時からずっと一緒にいる人がまったく理解できなかった。
脳裏に夏美ちゃんの笑顔が浮かぶ。無性に夏美ちゃんに会いたいと思った。
最終更新:2009年12月15日 14:26