440
三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 01:53:33 ID:94LLUvnk
「梓」
僕は自分でも気がつかないうちに梓の名前を口にした。
夏美ちゃんも僕の見ているほうを向いて目を見開いた。
梓はゆっくり近づいてくる。
「梓ちゃん!だめだよ!」
春子もいる。梓の肩をつかむ春子。
梓は春子の手をつかみ関節を極めた。声にならない悲鳴を上げ春子は手首を抑えて膝をついた。梓は春子に一瞥もくれずに近づいてくる。
僕は立ち上がった。つられるように夏美ちゃんも立ち上がる。
夏美ちゃんは震えていた。
梓は僕と夏美ちゃんに手の届く距離で立ち止まった。
怒りと憎しみに歪んだ表情で僕たちを睨む梓。その視線に悪寒が走る。
「ねえ夏美」
梓はゆっくりと夏美ちゃんに呼びかけた。夏美ちゃんは真っ青になって震えている。梓の声は静かで抑制が効いているのに、聞くだけで鳥肌がたつほどの激情を否応に感じさせる。
「私の兄さんに何をしたの」
怒りに震える梓の声。夏美ちゃんは脅えるように一歩下がりベンチに引っ掛かってその上に座りこむようにこけた。震える夏美ちゃんに梓は詰め寄る。
「何か言ったらどうなの!?」
「梓!」
激昂して夏美ちゃんにつかみかかる梓を僕は後ろから羽交い絞めした。梓の肘が僕の首を打つ。姿勢を崩した僕は梓に足を払われ無様にこけた。
「言えって言ってるのが分からないの!?」
梓の叫び。かろうじて受け身をとり起き上った僕の視界に、夏美ちゃんに向かって腕を振り上げる梓の姿が映る。
「梓!」
僕は梓の腕をつかんで止めた。梓は僕をきっと睨んだ。
「何でなの!?何でこんな女を庇うの!?」
夏美ちゃんはびくっと震えた。脅えるように梓を見上げる。梓は憎しみのこもった視線を震える夏美ちゃんに向けた。
「私の兄さんになにをしたのよ!?兄さんは私に逆らわなかったのに!!傍にいてくれたのに!!私を見てくれたのに!!私のものだったのに!!」
「梓!やめろ!」
梓は僕を睨んだ。荒んだ視線に背筋が寒くなる。足がすくむ。
「うるさい!」
地面の感覚がなくなり視界が反転する。梓に腰を払われ僕は地面に叩きつけられた。受け身をとるも硬い地面に投げられた衝撃に息が詰まる。
「ねえ兄さん。この女のどこが良かったの」
梓は膝で僕の指に容赦なく体重をかける。骨の軋む音と感触。動けない。はねのけようとする僕の首筋に梓の手が伸びる。頸動脈を押さえられ意識が遠くなる。
「そんなにこの女のキスがよかったの」
薄れゆく意識を必死で保つ中、唇に何かがふれる感触。歯を割り何かが口腔に侵入してくる。熱い何かが口の中をはいずりまわる。
「やめてっ!!」
夏美ちゃんの悲鳴が鼓膜を貫く。僕は首筋を押さえる梓の腕を払った。意識が鮮明になる。
「んっ、ちゅっ、じゅるっ、んっ、はむっ、ふちゅっ、んんっ」
目に入ったのは僕の唇をむさぼる梓の姿。口腔を舐めまわす梓の熱い舌の感覚に鳥肌が立つ。
僕は梓を突き飛ばそうとしたが、意識が落ちかけた直後のせいか力が入らない。僕の腕はのしかかる梓を引きはがせずにいた。
その間も梓は僕の唇をむさぼる。唇をついばみ、舌に絡みつき、口腔を舐めつくす。おぞましい感触に体がすくむ。
「やだっ!やめてよっ!」
夏美ちゃんの悲鳴。梓はゆっくりと唇を離した。唾液が僕と梓の口の間に糸を引いた。
「ふっ、ふふっ。何よ。簡単じゃない」
梓は嬉しそうに僕を見下ろした。
「ははっ、何よ、変態シスコン、妹にキスされて拒まないんだ」
はっきりとしているがどこか虚ろな声で僕を罵倒する梓。恐怖に鳥肌が立つ。僕はもつれる足で立ち上がり梓と距離をとった。
「あはっ、ははっ、あははっ、変な兄さん」
ひきつった笑みを浮かべる梓に底知れない恐怖を感じる。脅える心を必死に奮い立たせて僕は梓を睨んだ。
「あははっ、変な顔、ははっ。まあいいわ。帰るわよ兄さん」
そう言って梓は僕に背を向けた。梓の視線の先に膝をついてうずくまったままの春子がびくっと震えた。
「今日はまだ兄さんに髪をといてもらってないもの。行くわよ」
僕は動けなかった。今の梓と一緒にいる勇気など無かった。ただ恐怖に震えていた。
「ねえ兄さん。聞いてるの?帰るわよ。帰ってシャワーを浴びてから髪をといてもらうわ。兄さんの手料理も食べたい」
そんな僕を苛立たしく見つめる梓。その視線に押されるように僕は後ずさった。
「あはははっ、何を脅えているの?そんなに兄さんは私が怖いの?」
おかしそうに梓は僕に近づく。逃げようとしても足が言う事を聞かなかった。
そこに夏美ちゃんが割って入った。庇うように両手を広げ僕と梓の間に立ちはだかる。
441 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 01:57:00 ID:94LLUvnk
「何なの。邪魔よ」
「あずさぁ。もうやめてあげてよぉ」
夏美ちゃんの小さな背中が震えている。
「お願いだよぉ。お兄さんをこれ以上苦しめないで」
涙ぐんだ夏美ちゃんの声。
梓は何も言わずに夏美ちゃんを突き飛ばした。
倒れる夏美ちゃんを僕は抱きしめるように受け止めた。梓の顔色が変わる。
「兄さん。何をしているの」
僕の腕の中の夏美ちゃんは泣いていた。涙がぽろぽろこぼれて僕の腕をぬらす。
「兄さん。帰るわよ」
僕は首を横に振った。梓は唇をかみしめて僕を睨んだ。
「なんなのよ。いい加減にしてよ」
梓の声は震えていた。怒りか、憎しみか、悲しみか、ほかの感情なのかは分からない。
涙が梓の頬を伝う。そのまま滴となって梓の足元に落ちた。
「また兄さんは私を一人にするんだ」
震える梓の声が僕の胸に突き刺さる。
違うと言おうとして言えなかった。
「ゆるさない」
梓の声に心が軋む。
夏美ちゃんが脅えたように梓を見上げた。
「死んでしまえ」
梓の言葉が胸に突き刺さる。
死んでしまえ。
視界が歪む。頭が
真っ白になる。脳裏に浮かぶのは梓の言葉だけ。
死んでしまえ。
「梓ちゃん!待って!」
気がつけば梓は走って公園を出て行くところだった。春子は立ち上がり、痛そうに手首を押さえた。
「夏美ちゃん!幸一君をお願い!」
そう言って春子は梓の後を追い公園を出て行った。
夏美ちゃんが僕に何か言っているが、脳裏に響くのは梓の言葉。
死んでしまえ。
その言葉が何度も脳裏に響いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
気がつけば僕は横になっていた。
ベッドの上で布団に包まれている。女の子の匂い。僕は起き上がって周りを確認した。
見覚えのない薄暗い部屋には机に大きい本棚。可愛いぬいぐるみがいくつか置いてある。
頭が痛い。梓の言葉が蘇る。
死んでしまえ。
思わず頭を押さえようとして、初めて手の感触に気がついた。
柔らかくて温かい。夏美ちゃんが僕の手を握っていた。
制服のままベッドに突っ伏して寝ている。夏美ちゃんの顔には涙の跡があった。
僕は頭痛を我慢して深呼吸した。ここは夏美ちゃんの部屋か。
頭痛をこらえて思い出す。
公園で夏美ちゃんといて、告白を受けた。
そこに梓がいた。梓は泣いていて。ゆるさないと。死んでしまえと。
僕は深呼吸した。梓に会わないと。会って話さないと。
夏美ちゃんを起こさないようにゆっくりベッドを出た。素足が床につく。僕は梓ちゃんに毛布をかけた。
荷物を確認する。時間を見ようと携帯を見るとメールが。春子からだ。
『梓ちゃんとは私が話しています。今は少し落ち着いています。私は梓ちゃんの家に泊まって様子を見ます。今は顔を合わせない方がいいです。耕平君の家にでも泊まってください。おじさんとおばさんには伝えておきます』
文面を何度も読む。
僕には春子が何を考えているのか理解できない。
物心ついた時から春子と一緒にいた。僕と梓の世話を焼き何度も助けてくれた。梓が荒れていた時も大けがをしたのに、原因を誰にも話していない。優しく強い僕のお姉さん。
それなのに僕を犯した。
そして今、また僕と梓を助けようとしてくれている。春子の事が分からない。それでも、今は信じていいと思ってしまった。
後ろで人が動く気配。
「あれ?あれ?」
慌てて起き上がる夏美ちゃん。毛布が肩から落ちる。
「ここにいるよ」
442 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:00:18 ID:94LLUvnk
夏美ちゃんは僕の方に振り返った。
「お兄さん大丈夫ですか?」
心配そうに僕の顔を覗き込む夏美ちゃん。
「心配をかけてごめん。公園であの後僕はどうなったの?」
「覚えてないのですか?」
夏美ちゃんは部屋の電気をつけた。
「お兄さん呆然として何度呼んでも返事してくれなくて」
部屋が明るくなる。夏美ちゃんの心配そうな表情がはっきり見える。
「ほっとくわけにもいけませんからお兄さんを私の家まで引っ張ってきたんです」
全く覚えていない。それほどショックだったのか。
「ベッドに倒れたと思ったら寝ちゃっていてびっくりしました」
「迷惑かけてごめんね」
「そこはありがとうでいいです」
「ありがとう」
夏美ちゃんは笑った。明るい笑顔がまぶしく感じる。
公園での夏美ちゃんの姿が脳裏に浮かぶ。震える小さな背中で僕を庇ってくれた夏美ちゃん。その姿を思い出すだけで涙が出るほど胸が温かくなる。
「…ありがとう」
「え?」
夏美ちゃんは僕を不思議そうに見た。僕は笑ってごまかした。
「僕の靴下脱がしてくれたんだ」
「はい。お兄さん寝ていましたから」
「どこにあるかな」
夏美ちゃんが心配そうな顔をする。
「どこに行くのですか」
「家に戻るよ。梓と話す」
「いけません」
夏美ちゃんは真剣な顔で僕を見上げた。
「今のお兄さんは冷静さを欠いています。酷なようですが、今梓に会っても何もなりません」
「心配してくれてありがとう。今はもう大丈夫だよ」
「気がついてないのですか?」
夏美ちゃんは僕の手をつかんだ。
「見てください」
僕の目の前に夏美ちゃんはつかんだ僕の手を掲げた。
「大丈夫?」
夏美ちゃんの手は震えていた。
「違います」
頭を左右に振り夏美ちゃんはゆっくり手を離した。
震えたままの僕の手。震えているのは夏美ちゃんの手ではなくて僕の手である事に初めて気がついた。
死んでしまえ。脳裏に梓の言葉が蘇る。
「今のお兄さんを梓に会わせることはできません」
僕は手を握りしめた。それでも震えが止まらない。
「私のそばじゃなくてもいいです。どこにいてもいいです。それでも今だけは梓の元に行かせるわけにはいきません」
梓の姿が脳裏に浮かぶ。冷めた表情で僕を睨む梓の表情。死んでしまえという梓の言葉。
「お兄さんは疲れているのです。どんな人でも嫌われ続けるのは大きな負担です。特にお兄さんは梓に、身近な家族に嫌われ続けていたのですから」
今までずっと梓に嫌われ続けても耐えられたのに、この瞬間は耐えられる気がしない。
梓に会う事を考えるだけで足がすくむ。恐怖に冷たい汗が流れる。
「とりあえず座ってください」
夏美ちゃんが僕の手を引いてベッドに座らせた。とても小さな力なのに、僕は逆らえなかった。
背を向ける夏美ちゃん。
「飲み物を持ってきますね」
夏美ちゃんは振り向いて僕を見た。
気がつかないうちに僕は夏美ちゃんの袖を握っていた。
僕は何をしているのか。頭が混乱する。それでも夏美ちゃんがいなくなると思っただけで耐えがたい心細さを感じた。
夏美ちゃんはベッドに座った僕を抱きしめた。
「大丈夫です。私はどこにもいきません」
優しい囁き。泣きたくなるほどの温かさ。自然と袖を握る力が抜ける。
「大丈夫です」
僕は夏美ちゃんの袖を離した。
「待っていてくださいね」
夏美ちゃんは微笑んだ。優しくて温かい笑顔。
443 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:02:25 ID:94LLUvnk
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夏美ちゃんは湯気の昇るカレーとお茶を持ってきた。
「お腹すいていませんか?」
匂いを嗅いだ瞬間、現金な胃袋が食べ物を求める。カレーはおいしかった。
食事が終って夏美ちゃんが入れてくれたお茶を飲んだ。
「お兄さん。今日はどうします」
夏美ちゃんが質問した。どうするか。家には帰れない。耕平にでも連絡して泊めてもらおう。
「よかったら泊まっていきませんか?」
僕は驚いて夏美ちゃんを見た。夏美ちゃんは顔を赤くしてあたふたする。
「いえ、その、そう言う訳じゃなくてです、その」
大きく深呼吸する夏美ちゃん。すーはーすーはーと聞こえるぐらいに息をする。
「もう夜も遅いですし」
「でも家の人がいるでしょ」
夏美ちゃんが首を横に振った。
「お父さんもお母さんも今は単身赴任してるんです」
寂しそうにつぶやく。
「だから私この広いマンションに一人きりなんです。さみしいですよね」
ごまかすようにえへへと笑う。
「だから問題ナッシングです!」
「あのね夏美ちゃん」
僕は頬をかく。
「男を軽々と家に泊めるものじゃないよ」
何で僕はこんな事を言わなくちゃいけないのだろう。
「お兄さんなら大丈夫です」
「男は基本的に狼って聞いたことない」
「お兄さんもですか。私を食べちゃうんですか?」
にやにやする夏美ちゃん。僕の胸を指先でつんつんつつく。
「僕も男だよ」
硬直する夏美ちゃん。
「あんまり男をからかわない方がいい」
顔を赤くする夏美ちゃん。僕も恥ずかしい。
「僕だって夏美ちゃんを傷つけるような事はしたくないしするつもりもない。でも、間違いはどこでも起こるよ」
あの時の春子と僕のように。
顔を真っ赤にしてあわあわ言う夏美ちゃん。頭から湯気が出そうだ。
「今日はありがとう。帰るよ」
僕は鞄を見つけた。中には僕の靴下がきれいに折りたたまれて入っていた。
靴下をはきハンガーに掛けられている学生服を着た。
「今日は本当にありがとう。じゃあね。また明日」
僕は夏美ちゃんに背を向けてドアのノブを握る。
その時、背中に温かくて柔らかい感触。
腰にまわされる白くて細い腕。
「お兄さんとなら」
まわされる腕に力が入る。
「間違いが起きてもいいです」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夏美ちゃんの腕は細かった。簡単に振りほどけるだろう。それなのに僕は振りほどけなかった。
熱を持った細い腕が万力のようにしっかりと、羽のように優しく締め付ける。
「夏美ちゃん。冗談はやめて」
何を言っている。僕のすべきことは何も言わずに去ることだ。
「お兄さん」
それなのに動けない。
「好きです」
夏美ちゃんの囁きが熱い。
「好きです」
僕は馬鹿みたいにドアノブを握ったまま動けない。
夏美ちゃんの白くて小さい手がドアノブを握る僕の手をつかみ、僕の指をドアノブから引き離していく。
触れる指が熱い。
444 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:04:41 ID:94LLUvnk
「お兄さん。こっちを見てください」
見れば一線を越えてしまう。
腰にまわされた夏美ちゃんの腕がかすかに震えている。
「やっぱりダメですか」
震える夏美ちゃんの声。
「私だと魅力ないですか」
違う。僕は振り向いた。顔を真っ赤にした夏美ちゃん。目尻に浮かぶ涙。
小さなあごに指をかけ上を向かせる。桜色の小さな唇。
僕はキスした。
柔らかくて温かい感触。
「ちゅっ、ちゅっ、れろっ、はむっ」
夏美ちゃんは拙い動きで一生懸命僕にキスしてくる。夏美ちゃんの舌が僕の口腔に入ってくる。
「んっ、じゅるっ、ちゅっ、んんんっ」
拙い動きで一生懸命舌を絡めてくる夏美ちゃん。
「んんんんっ!?」
僕は夏美ちゃんの唇をむさぼった。
「んっ、んんっ、んんんっ!」
唇をゆっくり離す。夏美ちゃんの唇から涎が落ちる。
僕は夏美ちゃんをベッドに押し倒した。
小さくて軽い体。
「魅力があり過ぎて困る」
夏美ちゃんの耳に囁く。夏美ちゃんが泣きそうな顔をする。
「いいんだね」
夏美ちゃんは赤い顔で何度も首を縦に振った。
「最後は外に出すよ」
突然の事なのでコンドームなんて気の利いたものはない。夏美ちゃんは首を横にふった。
「私、今日は大丈夫な日です。気にしないでください」
そう言って夏美ちゃんは僕の頬にキスした。
「お兄さん。一つだけお願いしていいですか」
白くて小さい手が僕の頬に触れる。温かくて柔らかい感触。
「私、初めてですからきっと痛がると思うんです」
その手はかすかに震えている。
「だから、私が何を言っても痛がっても無視してください」
恥ずかしそうにもぞもぞする。
「私を滅茶苦茶にしてください」
僕は無言でうなずいた。
夏美ちゃんのワイシャツのボタンを外していく。白いブラジャーと微かに桜色に染まった肌が見える。
「恥ずかしいです」
顔を真っ赤にする夏美ちゃん。震える小さい肩。
僕はブラジャーを外した。程よい大きさの胸が露わになる。白い滑らかな肌。僕は上から包み込みように撫でた。
「ひゃんっ」
夏美ちゃんが小さな悲鳴を上げる。柔らかくて滑らかな肌。僕はそのままゆっくり愛撫した。
「きゃっ……やんっ……ああっ……お兄さん……んあっ」
僕の下で顔を真っ赤にして身をよじる夏美ちゃん。その姿に僕の興奮も高まる。さらに激しく胸を揉む。
「ああっ……お兄さん……きゃっ……ああっ……んっ……うううっ……あっ……やあっ」
白くて滑らかな肌が汗に濡れしっとりする。
「やっ……んっ……くすぐったいです……あんっ……あっ」
夏美ちゃんの唇から喘ぎが漏れる。
僕はその唇にキスした。
「んっ!」
そのまま舌を入れ夏美ちゃんの口腔を舐めまわす。
「んんっ!じゅるっ!んっ!ちゅっ」
さらにそのまま胸をはげしく揉む。夏美ちゃんの体が震える。
「んんんんっ!ちゅっ、じゅる、ちゅ、ちゅっ、んんんっ!」
乳首をつまむ。
「んーっ!んんんんんんんっ!んっ!」
唇を離す。
「ああっ、あ、あんっ、やあっ、はぁっ、やあっ」
首筋にキスする。強く吸う。
「ひうっ!!」
445 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:07:07 ID:94LLUvnk
耳を甘噛みする。夏美ちゃんは小さな悲鳴をあげて震えた。
さらに胸を揉む。大きく揉み、乳首をいじる。全身に口づけする。夏美ちゃんは激しく身をよじった。
「あんっ、きゃっ、んあっ、ああああっ」
夏美ちゃんが僕の頭を抱きしめる。
「お兄さんっ、だめっ、恥ずかしいですっ、ああっ、やあっ」
僕は細い腕を引きはがしベッドに押さえつけた。
荒い息をつく夏美ちゃん。そのたびに胸が揺れる。
赤い顔は羞恥と快感に染まっている。
僕はスカートに手をかけた。脱がしやすいように夏美ちゃんは腰を浮かしてくれた。
スカートを脱がすと、白い可愛らしい下着はすでにぐしょぐしょに濡れていた。
その下着に手を添える。
「あっ」
恥ずかしそうに眼を逸らす夏美ちゃん。しばらくして観念したように腰を浮かした。
僕はゆっくりと下着を脱がす。
「やっ、ああっ!」
悲鳴を上げる夏美ちゃん。張り付いた下着が離れる。糸を引く。
一糸まとわぬ夏美ちゃんがそこにいる。
恥ずかしそうに足を閉じる。僕は夏美ちゃんの膝をつかみ足を開いた。
「きゃっ!?」
僕は夏美ちゃんの股間をじっくり見た。夏美ちゃんは顔を真っ赤にする。
「やあっ!お兄さん!そんなに見ないでください!」
恥ずかしそうにもがく夏美ちゃん。僕はそれをしっかり押さえてじっくり観察した。薄い桜色の膣の入り口は濡れてひくひく動く。
夏美ちゃんは観念したようにもがくのをやめた。
「お兄さん、意地悪ですよ」
よわよわしい夏美ちゃんを見ているとさらにいじめたくなる。
僕は夏美ちゃんの股間に顔を寄せた。
「きゃっ!おにーさん!?」
僕の頭を押し返そうとする夏美ちゃんの手。無論僕はびくともしない。
夏美ちゃんの膣の入り口をぺろっと舐める。
「ひゃっ!」
夏美ちゃんの体がびくっとはねる。可愛い反応。
僕はだんだん激しく舌を這わせる。
「ひゃんっ、だめですっ、そんなとこ舐めないでください、あああっ」
激しく身をよじる夏美ちゃん。非力な力で僕の頭を引きはがそうとする。
「あんっ、やっ、だめっ、ああっ、ふっ、んんっ、んあっ、ああっ、だめですっ、んんっ」
喘ぎ声には隠しきれない快感がにじむ。
「だめっ、もうだめですっ、あんっ、きゃっ」
クリトリスを舌でつつく。
「ひゃああ!?」
夏美ちゃんの体が跳ねる。
「お兄さん!そこはだめっ」
さらにクリトリスをつつく。
「あああっ!だめっ!やあっ!」
性器全体を舐めまわしさらにクリトリスを時々つつく。
「んあっ、おにいひゃ、ああっ、んっ、ひゃんっ、らめっ、らめでしゅっ、ああああああっ」
舌が回らない夏美ちゃんが可愛い。
「おにいひゃんっ、もうらめっ、らめですっ、ああっ、んあっ、ああああっ、あああああああああああっ!!」
背を反らして嬌声を上げる夏美ちゃん。ひときわ大きい嬌声をあげて夏美ちゃんはぐったりと力なく横たわる。
僕は顔を離した。
一糸まとわぬ姿で足を開き荒い息をつく夏美ちゃんは壮絶な色気を放っていた。
「ごめん」
愛おしさを感じて僕は夏美ちゃんの頬に優しくキスした。
「おにいひゃん、らめれすっ」
ぐったりして舌が回らない夏美ちゃん。僕は夏美ちゃんの呼吸が整うのを待ってから服を脱いだ。
「ひゃっ」
僕の股間を見て驚く夏美ちゃん。僕の剛直はすでにがちがちになっていた。
「夏美ちゃん。もう一度聞くけどいいんだね」
夏美ちゃんは恥ずかしそうに太ももをすり合わせる。
息を荒くして僕を見つめる。
夏美ちゃんは深呼吸しておずおずと足を開いた。
446 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:10:18 ID:94LLUvnk
「お兄さん。お願いします。私を、女にしてください」
小さい声だがはっきりと言った。
僕は夏美ちゃんに覆いかぶさった。夏美ちゃんの細い腕が僕の背中に回される。その腕は震えていた。
剛直の先を夏美ちゃんの膣の入り口に添えた。
「ひうっ!」
夏美ちゃんは震えた。目をギュッと閉じて顔を逸らす。
僕はゆっくり腰を押し出した。
「ひあっ……やっ……うっ……んっ……んあっ……んんっ」
夏美ちゃんは苦しそうに身をよじった。夏美ちゃんの膣は濡れているが痛いぐらいきつい。
「ひっ、おにい、さんっ、止めないでっ、ああっ、つっ、んあっ」
何かを突き破る感触。
「あああああああああっ!」
夏美ちゃんが悲鳴を上げる。僕にしがみつく腕に力がこもる。
「夏美ちゃんっ」
「うっ……あうっ」
言葉少なく痛みをこらえる夏美ちゃん。僕を見つめながら荒い息をつく。
「おにい……さん……おねがいっ……いっきにっ」
僕は夏美ちゃんの眼もとの涙をぬぐいキスして一気に腰を押し出した。
「ひうっ!」
短い悲鳴。剛直の先端が膣の奥にぶつかる。
「夏美ちゃん。全部入ったよ」
夏美ちゃんが歯を食いしばりながら何度もうなずく。
僕は夏美ちゃんの胸を揉みながら夏美ちゃんにキスした。
「ひゃっ……ああっ……んんっ……ちゅっ」
夏美ちゃんの歯を割り舌を入れる。胸もゆっくり大きく揉む。
「んっ……ちゅ……んんっ……ちゅっ……じゅるっ……はむっ……ちゅっ」
唇を離す。涎が垂れる。夏美ちゃんは痛そうだが、嬉しそうな顔をしている。
「んっ……お兄さん……大きいですよ……はぁ」
夏美ちゃんの頭をなでると、くすぐったそうな顔をする。夏美ちゃんの膣は動かさなくても剛直に絡みついて気持いい。
「あうっ……お兄さん……いいですよ……んっ……動いてください」
気丈に微笑む夏美ちゃん。僕はうなずくとゆっくりと腰を引いた。
「つっ……ああっ……ひゃうっ……いっ……やあっ……ああああっ……んあっ……ううっ」
顔をゆがめ身をよじる夏美ちゃん。僕の下で白い体がくねる。
剛直の先っぽが膣から出そうなところで再び挿れる。
「ひあっ……うっ……ああっ……やあっ……んあっ……あうっ……ひっ」
僕の下で激しく身をよじる夏美ちゃん。再び子宮の入り口を剛直の先端が叩く。
それを何度も繰り返す。剛直に絡みつく膣が気持いい。
「あっ……きゃうっ……いっ……つうっ……ああっ……はあっ……はっ……やんっ……あああっ……んっ……あんっ……うあっ……ああああっ」
夏美ちゃんの声に艶がにじむ。僕はいったん腰を止めた。
「あっ……おにいさん……何でやめちゃうんですかぁ」
顔を赤くして切なそうな顔を僕に向ける。
「私はへいきですよ…もっと…はげしくてもへいきです…その…めちゃくちゃに…して…ください」
あまり痛くはなさそうだ。僕は腰の動きを速めた。
「ひうっ、ああっ、んんっ、あんっ、いいですっ、ひゃふっ、あっ、ああっ、んっ、おにいさんっ、もっとっ、ああっ、ひうっ、あうっ」
剛直と膣がこすれるのがすごい快感だ。夏美ちゃんも僕の下であられもなく喘ぐ。僕はさらに腰をふる。こすれあう性器がぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
腰を止めずに夏美ちゃんの胸、首筋、唇、頬などありとあらゆるところにキスすし、しゃぶりつく。胸を強く揉みほぐす。そのたびに膣が剛直をキュッと締め付ける。
組み伏せられ快感に身をよじり喘ぐ夏美ちゃん。
「ひいっ、んんっ、ちゅっ、ぷはっ、んあっ、あんっ、はっ、うっ、ああっ」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響く。膣がこすれる感覚が堪らなく気持いい。
「ひいっ、ああっ、あんっ、うっ、ひゃうっ、あっ、ああっ、あああああーーーー!!」
ひときわ大きく喘ぐ夏美ちゃん。膣の締め付けが一気に強くなる。
僕は腰を止めた。夏美ちゃんはとろんとした目で荒く息をつく。ゆっくりと膣から硬いままの剛直を引き抜く。愛液に微かに血が混じっていた。
「ひうっ……あっ……はあっ……はあっ……んっ」
身をよじる夏美ちゃん。小さい方が大きく動く。ほんのり染まった肌には汗が玉のように浮かんでいる。僕は肌をなめた。
「ひゃうっ!」
びくりと体を震わす夏美ちゃん。
「夏美ちゃん、まだ大丈夫?」
夏美ちゃんは硬いままの僕剛直を見ると、ぼんやりとうなずく。
「おにいさん、まだいってないんですね」
夏美ちゃんは四つん這いになってお尻を向けた。夏美ちゃんの白い指が性器の入り口を開く。愛液でぐしょぐしょの膣の入り口が目に入る。
447 三つの鎖 8 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2009/12/12(土) 02:12:23 ID:94LLUvnk
「おにいさん、なつみできもちよくなってください。なつみのアソコをおにいさんのおチンチンでたくさん突いてください」
あられもない夏美ちゃんの痴態。頭がおかしくなりそうな興奮。僕は夏美ちゃんの腰をつかみ、一気に挿入した。
「ひゃうっ!?」
びくりとのけぞる夏美ちゃん。夏美ちゃんの膣は熱く気持いい。僕は少し速めに腰をふった。
「ひうっ、ひゃあっ、あんっ、あうっ、んあっ、おにいさっ、ひうっ」
ぱんっ、ぱんっ、と柏手を打つような音が響く。結合している場所からはぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。
「ああっ、んあっ、ひうっ、ひぐっ、あんっ、あああ!」
剛直が膣をえぐる快感に僕は熱い息を吐いた。責められる夏美ちゃんは体を震わし喘ぐ。白い背中に玉のような汗が浮かぶ。
「おにいひゃっ、あうっ、らめっ、ひいっ、らめですぅ、あんっ、ああ、ひぎぃっ、ひゃうっ、らめっ、ひあっ、しゅごい、ああっ」
何度も腰をつく。じわじわと射精感が高まる。
「らめっ、おにいひゃん、なひゅみ、もうらめですっ、あん、へあっ、ああっ、んんっ、あっ、あっ、あっ、ああっ、ああああああああああっー!!!」
膣が強烈に締め付ける。射精する前に抜こうとして僕は失敗した。
膣の奥、子宮の入り口に射精する。頭が真っ白になるような快感。
「あつっ……ひっ……ひゃうっ……ひうっ」
夏美ちゃんが体をよじり喘ぐ。そのたびに僕は射精した。長い射精が終わり僕は剛直を抜いた。
ベッドに突っ伏したまま荒い息をつく夏美ちゃん。性器から白い精液がこぼれおちる。
僕は夏美ちゃんを抱きしめた。頬にキスする。夏美ちゃんは泣きそうな顔を僕に向けた。
「夏美ちゃん。すごく良かった」
夏美ちゃんは嬉しそうな泣きそうな顔をする。そのまま夏美ちゃんは僕の頬にキスした。
「私も、です、すごく、気持ち、良かったです」
息も絶え絶えに恥ずかしそうに僕に囁く夏美ちゃん。
夏美ちゃんは僕に体をすりよせ、疲れたように目を閉じた。すぐに寝息が聞こえる。よっぽど疲れたのだろう。何か悪い事をした気がした。僕は夏美ちゃんにシーツをかぶせた。
僕たちは抱き合いながら眠りについた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次の日、僕と夏美ちゃんは二人で学校に行った。
梓と春子は学校に来なかった。
最終更新:2009年12月15日 14:52