転生恋生 第十九幕

195 転生恋生 第十九幕(1/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:29:47 ID:vwQ4uHD4
 連休が終わった。毎年連休明けの登校は気が重いというか、疲れた感じがするが、今年は極めつけだ。
 まずお袋の入退院と俺・姉貴の風邪でちっともレジャー気分に浸れなかった。例年だったら家族でドライブに行くくらいはするはずなのに。
 トドメが昨日の司と姉貴のバトル(?)だ。どういう因縁があるのかは知らないが、あのふたりを対面させてはいけなかったらしい。
 そもそも治りかけだった姉貴がおとなしく寝ていれば顔を合わせずに済んだんだが、俺を心配して玄関先で立ち尽くしていたためにまたぶり返してしまった。
 結局今日も姉貴は欠席だ。
「いいかげんに治さないと困るだろう。今日という今日はおとなしく寝ていろよ」
 登校前に俺が姉貴の枕元に来ると、姉貴は俺の襟首をつかんで、無理矢理自分の方へ引き寄せた。俺と姉貴の額が衝突する。
「痛い!」
「ねぇ、熱があるか測ってぇ」
 姉貴は全く痛みを感じていないらしく甘えた声を出したが、俺からするとヘッドバットを食らったようなものなので、熱を測るどころではなかった。
 それでも言われたとおり額を合わせてみる。まだ少し熱っぽいが、まあ昨日の朝に比べるとマシか。
「だいぶ下がってきたな。とにかくおとなしくしていろ。親父も今日大阪へ帰るし、お袋は病み上がりなんだから、面倒をかけるな」
「たろーちゃん、早く帰ってきてね」
「絶対に表に出るなよ」
 なかなか俺の手を離そうとしない姉貴を「遅刻するから」と説き伏せて、俺は家を出た。このやりとりだけで疲れた。
 昨日はあの後姉貴を寝かしつけたので、結局司とどういうトラブルがあったのか聞き出せなかった。
 まあ、千年前の話はふたりとも口にしていたから、前世の話とすれば辻褄が合うのかもしれない。だけど、そんな話を受け入れるには、俺の頭は健全すぎる。
 でも、司サイドの話も聞いてみるべきだろうか。
 ……いや、あまり建設的な方向には発展しないような気がする。
 それとは別に、雉野先輩の件もある。学校で会ったら、どんな顔をすればいいのかわからない。

 登校して教室に入ると、猿島が既に来ていた。いつものように俺の隣の席で文庫本を読んでいるが、ずいぶんと懐かしい光景のような気がする。
「おはよう」
「おはよう」
 声をかけると猿島も挨拶してくれたが、すぐに読書に戻ってしまう。これもいつもどおりだ。



196 転生恋生 第十九幕(2/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:30:41 ID:vwQ4uHD4
 午前中の授業が終わると、猿島はすぐにどこかへ行こうとする。いったい、いつもどこに行くんだろう?
「なあ、猿島は昼休み何をしているんだ?」
 今日に限ってそんなことを訊かれることに猿島はちょっと戸惑ったような顔をしたが、あっさり教えてくれた。
「演劇部の部室で皆とお弁当を食べてるだけよ」
 なんだ、そんなことか。
「桃川君はいつも一緒に食べる相手がいるのね」
「え?」
 猿島はそのまま弁当箱を持って、前側の扉から教室を出て行った。そこには既に司が来ていて、猿島と入れ違いに教室の中へ入ってきた。
「センパイ、ご飯食べよ」
 ……猿島も司のことを知っていたのか。いや、ひょっとすると俺が自覚していなかっただけで、知れ渡っているのかもしれない。
 ともあれ、俺は司を連れていつものように校舎裏へ行く。司に訊きたいことは色々あるが、まずは昼飯だ。
 ふたりとも黙って弁当を片付けた。司は今日も多めにおかずを持ってきていて、俺は豚肉の天ぷらを分けてもらった。
 食べ終わると、司がポニーテールを揺らしながら俺にすりよってくる。さて、今日はこれからが本番だ。
「なあ、司。今日は真面目な話をするぞ」
「んー? 何かなぁ」
 司はあぐらをかいている俺の懐に入って、胸に頬をこすりつけている体勢だ。傍から見ると、イチャこいてるカップルそのものだな。
 ちゃんと話すために、俺は司の肩をつかんで、俺の正面に向き直らせた。
「おまえは俺の姉貴と知り合いなのか?」
 司の笑顔が強張った。
「……聞いていないの?」
 姉貴から自分のことを聞いていないのか、という意味だろう。
「あの後、姉貴は風邪がぶり返して寝込んだんだ。だから、休ませるためにも余計なことは聞いていない」
 司は俺の目をじっと見つめている。
「ご主人様は本当に思い出していないの?」
「千年前がどうとかいうやつか?」
「……思い出していないんだね」
 司は怒ったような、泣いているような顔になった。
「ボクはこんなにもご主人様に逢えてうれしさいっぱいなのに、どうしてご主人様は思い出してくれないのさ」
 司のこんな表情は初めて見たので、なんだか罪悪感にかられてきた。とはいえ、前世のことを思い出せと言われても、どうにもならない。
「姉貴は雉野先輩についても、千年前に因縁があるようなことを言っていた。おまえもそうなのか? 雉野先輩とも関係があるのか?」
「前にも言ったと思うけど、ご主人様が自分で思い出さないうちは、ボクから教えてあげても意味ないよ。どうせ信じないんでしょ?」
「……信じないというか、信じられないというべきだろうな」
 というか、司は前世の記憶とやらをどうして信じられるんだろう?



197 転生恋生 第十九幕(3/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:31:32 ID:vwQ4uHD4
「ねぇ、それよりさ」
 急に司の表情が明るくなった。無理に気分を変えようとしているのだということはすぐにわかる。
「放課後、暇でしょ?」
「え? まあ、それなりに」
「じゃあ、ここで待ち合わせしよう。絶対来てね」
「何かあるのか?」
「そのときまで内緒」
 本当は早く帰って姉貴の看病をするのが正しい家族のあり方なんだろうが、今は司の用に付き合ってやった方がいいような気がした。 

 そして連休明けでいつもより長く感じられた午後の授業が終わり、俺は約束どおり待ち合わせの場所に来た。
 5分くらいしてから、司が現れた。ヘソ出しタンクトップにショートパンツ、スニーカーという、陸上部のユニフォーム姿だった。
「ご主人様、待った?」
「いや、今来たばかりだ」
「じゃあ、ついてきて」
 司は俺の手を取って歩き出した。やっぱり女の子の手だから柔らかい。
 目的地は、学校の敷地の外れにある古びた倉庫だった。司はポケットから鍵を取り出して扉を開けた。なんともいえないすえた匂いが漂ってくる。
「中に入って」
「どこだ? ここは」
「第二体育倉庫だよ」
 古くなった体操マットや体育用具、学校行事のときにしか使わないテントの資材などを保管してある倉庫だ。勝手に入っていいんだろうか。
「大丈夫だよ。ほら、入って」
 司に背中を押されるようにして中へ入ると、床に2枚重ねで敷いてあった古いマットの縁につまづいて、マットの上に転んでしまった。
 あたりが急に暗くなる。司が内側から扉を閉めたせいで、高い位置にある採光窓に光源が限定されたせいだ。
「おい、なんで閉めるんだ?」
「えへへ」
 司は質問には答えずに、俺もろともマットの上に倒れこんできた。ちょうど俺の上に馬乗りになった。
「なんなんだよ、いったい?」
「ご主人様ぁ」
 変に甘ったるい声を出しながら、司が俺の右手をつかむ。そして自分の腹を触らせる。
「おいおい……」
 柔らかくて、すべすべしている。そのまま司の手に誘われて、俺の右手は司の腹から上の方へ滑っていき、タンクトップの内側へ入り込んだ。



198 転生恋生 第十九幕(4/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:32:42 ID:vwQ4uHD4
 指の先に突起が触れる。それが何かを悟って、俺の顔の表面温度が急上昇した。
「おまえ、ノーブラなのか?」
「だって、ボク、ブラジャーなんかつける必要ないもん」
「それでも乳首が見えるのは女子的にまずいだろ」
 そんなことを言いつつも、俺の手は誘導されるままに司の胸を撫で回している。
 服の上からだとぺったんこに見えるが、ささやかながら柔らかく盛り上がっていて、揉むことはできた。
「んっ……」
 いきなり司の顔が急接近してきたかと思うと、唇が重なった。俺は口を開いていたから、そのまま司の舌が侵入してくるのを防げなかった。
 司の舌が生き物のように俺の口の中で暴れて、歯茎やら頬の内側やらをつつきまわす。
 まるでモールス信号か何かのように、舌の先で口の中をつつかれる度に、司の熱情が伝わってくる。
 そして司の想いで加熱された俺の脳は、あっという間にゆだってしまった。
「……っはぁっ!!」
 司が唇を離してくれたので、俺は大きく息を吸い込んだ。自分が呼吸できないでいたことにも気づかなかった。
「もっとボクに触って」
 司に潤んだ瞳でせがまれて、俺は右手で司の胸を揉みながら、左手を司の腰に回した。腰から尻にかけて撫でて、その柔らかくも張りのある肉感を確かめる。
「気持ちいい……」
 司が俺の耳元で囁いて、俺の首筋に舌を這わせる。電気が走ったような感じがした。
 自分の意思とは無関係に俺の手は夢中で動いている。右手は人差し指と中指で司の左の乳首をはさみ、掌の部分で胸の柔らかい感触を味わう。
 そして俺の左手がショートパンツの上から司の尻の割れ目をなぞり、両足のつけねの間に達すると、司の口から吐息が漏れた。
「ぁぁ……」
 普段の司からは想像もつかないような、切なげで色っぽい吐息だった。思わず司の顔を見直すと、薄闇のせいでいつもよりも大人っぽく見えた。
 不意に司の右手が俺の股間を撫でた。
「うぁっ!」
 今度は俺が声を出す番だった。触られたのは股間なのに、ぞくりとする感触が脊髄を貫くのがわかった。
「硬くなってる……」
 司が通常よりも低い声で呟くと、まるでそれが当然であるかのように俺のファスナーを下ろして、中からカチカチになっているモノを引っ張り出した。
 薄闇の中で輪郭もはっきりしないけど、自分の体の一部が屹立して天井を見上げているのがはっきりとわかる。



199 転生恋生 第十九幕(5/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:33:24 ID:vwQ4uHD4
「ちょっと待て、こんなところで……」
 白々しくも良識的な言葉が俺の口から出てきた。学校でこんなことをしてはいけないなんて、今の俺は少しも思っていない。
 むしろここまでしてくれる司の気持ちにこたえてやるべきじゃないか。初めて会ったときから俺に気持ちをぶつけてきてくれてるんだから。
 そりゃ、ちょっとアレなところはある電波女だけど、かわいいし、気が利くし、何よりこんなエッチなことをしてくれるじゃないか。
 男としてこたえてやるべきとかいう以前に、とにかくもう我慢できない。ここで止めたら頭がおかしくなってしまう。早く出したい……!
 それなのに、どうして俺の口は心にもないエセまじめなことを言ってしまうんだ!
 頼む、司。俺の言うことなんかきくな。そのままヌいてくれ……!
「大丈夫だよ」
 司は人差し指で俺のモノを軽く撫で上げながら、俺のチキンな理性と加速する欲望の両方を納得させる恵みの言葉を与えてくれた。
「この倉庫は運動系部活動の有志が学内カップル用に管理している“そのための場所”なの。今日は運良く予約できたから、ボクたちが自由に使っていいの」
「じゃあ……」
「誰も来ないから、安心していいよ」
 俺のチキンな理性はそれを聞いて昇天した。あとは加速する一方の欲望を吐き出すだけだ。
「続けてくれ……」
「ご主人様も」
 司は両手で俺のモノを包むと、ゆっくりと上下にしごく。俺も両手をそろえて司の尻から背中、胸と往復して撫で回す。
 姉貴にしごかれても気持ち悪いだけなのに、他の女の子にしてもらうと各段に気持ちいいのは何故だろう。
 やっぱり、肉体的刺激だけじゃなくて、精神的なものが大事なんだと改めて思う。いつも子供っぽいけど健全なイメージの司がいやらしいことをしてくれるというのがいいんだ。
「硬いのに柔らかいね。変なの」
 司が息を荒くしながら笑った。やっぱり、女からすると不思議な感触なんだろうな。俺にとっても、司の乳首とその周辺は慣れない感触だ。
「おまえの体も柔らかくて張りがあって、すべすべしていて……ずっと触っていたい」
「いいよ。ボクの体で気持ちよくなって」
 司の手の動きが若干速くなった。体中が熱くなって、更に深いところから熱の塊がこみ上げてくるのを感じる。
 ……いや、限界が近づいているんだ。もっと長持ちさせたいが、これだけ興奮させられると無理だ。
「司、そろそろ……」
「ん? 出るの?」
「ああ」
「でも、このままだと服が汚れちゃうね」
 そう言って司はいったん手を止め、屈みこんで俺の股間に顔を近づけた。
「……っ!」
 俺の先端部を湿った肉の感触が包み込んだ。司が咥えたんだ。それだけで体も心も快感が倍加する。



200 転生恋生 第十九幕(6/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:33:56 ID:vwQ4uHD4
「飲んであげるから、いつでも出していいよ」
 いったん口を離してそう言ってから、司は再び俺のモノを咥えこんで、舌でじっくりしゃぶり尽くす。雁首の周りを舌でなぞられて、俺の口から情けない声が漏れた。
 司の体勢が低いので、もう胸に触ることはできない。代わりに俺は司の頭を撫でる。
「んっんっ……じゅ……」
 司は音を立てながらしゃぶり続ける。舌のざらざらした感触が俺の一番敏感なポイントを刺激する。
 もう限界だった。頭の中が真っ白に爆ぜた。
「出る……っっ!!」
 物凄い勢いで、俺の尿道を精子の大群が全力疾走で駆け抜けていった。そのまま司の口の中を満たして、あふれ出そうになるが、司は咽喉を鳴らして飲み込んだ。
 揺れる司のポニーテールが、まるで犬の尻尾に見えた。司も喜んでいるんだと思った。
 射精も一段落ついて、俺が落ち着いてきた頃に、思わぬ追撃があった。司が尿道の中に残っていた精液をストローのように吸い上げた。
「うぁ……」
 今日一番情けない声が俺の口から出た。全身を電気が貫いたみたいだ。
 暫く俺は天井を見上げながら、司の頭を撫でていた。司はまるでお清めであるかのように、硬さを失っていく俺のモノをしゃぶり続ける。
 やがて、司が顔をあげた。いつものあどけない表情に戻っているが、やけに満足げだ。
「ご主人様、気持ちよかった?」
「ああ、凄くよかった」
 俺の中で、性欲とは違う感情が湧きあがってきた。司を抱き締めたくてたまらない。
 だから、そうした。
「えへへ……、うれしい」
「ありがとうな……。というか、ごめん」
「なんで謝るの?」
「だって、その……汚かっただろ?」
 考えてみれば、今日は登校してから3回ほどトイレに行っている。ションベン臭かったんじゃないだろうか。
「平気だよ。ご主人様のだもん」
 司は何のてらいもなく笑った。それでまた司を抱き締めたくなったので、抱き締めた。



201 転生恋生 第十九幕(7/7)  ◆.mKflUwGZk sage New! 2010/02/03(水) 22:34:31 ID:vwQ4uHD4
「なぁ、司」
「何?」
「おまえ、どうしてここまでしてくれるんだ?」
「ボクがそうしたいからだよ。今のご主人様には、それで充分でしょ」
 確かにそうだ。千年前がどうのとかいう話はどうでもいい。今の俺には、可愛くてエッチさせてくれる女の子がそばにいるということが重要だ。
 夢にまで見た童貞卒業の機会は目の前にある。
「司、今度はおまえを気持ちよくしてやりたい」
 俺は司の服を脱がそうとした。だが、司は俺の手を止めた。
「今はダメ」
「何で!?」
 お預けを食わされた俺は思わず大きな声をあげた。
「今日はご主人様を気持ちよくしてあげればいいの。ボクの初めてをあげるのは、もっとちゃんとした場所がいい」
 記念すべき初体験の場所が体育倉庫ではイヤだということか。こういうところはさすがに司も女の子だな。
 ……初めて? だとすると、血が出るのか。確かにここはまずい。上級者向けの場所だ。
 ということは、運動系の連中には結構慣れているヤツがいるってことだ。畜生、うらやましいぞ。
 いや、うらやましがる必要はないな。司がその気でいる以上、俺も童貞卒業は時間の問題だ。
 とにかく、今日は切り上げるしかなさそうだ。
「ここが空いている日があったら、今みたいに気持ちよくしてあげるね」
 司はウェットティッシュで俺のモノを拭いて、元通りしまってくれた。なんて気立てのいい女の子だ。
「さっきまで大きかったのに、今はなんかかわいいね」
 もう、この際電波が入っていようがどうでもいい。人生初の彼女ゲットだ。本音を言えばもうちょっと胸がほしいけど、このまま司と初体験しよう。
「司、近いうちにデートしような」
「うん。じゃあ、携帯の番号とアドレスを教えて」
 そういえば、一番親しくしている女の子なのに、携帯の番号も教えていなかった。何をやっていたんだ、俺は。
 倉庫の外に出てから、俺たちは携帯の番号とアドレスを交換した。辺りに誰かいないか気になったが、誰もいなかったのでほっとする。
 部活へ戻る司を名残惜しく見送ってから、俺は下校した。電車の中で倉庫でのことを反芻するうちにまた勃ってきて困った。
 この時点で俺は姉貴の存在をすっかり脳内から消し去っていた。


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最終更新:2010年02月07日 20:25
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