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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/25スレ目ログ/25-584 - (2013/08/01 (木) 22:42:09) の1つ前との変更点
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*想い 3
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行くあてなどない。
上条当麻に会いたい。
それだけの思いで寮を抜け出した。
どれだけ歩いたかわからない。
「・・・・・・いた」
「み、御坂か」
やっと見つけた。
けれども、何を話したらいいかわからない。
今すぐに抱きついてしまいたいが、彼女にはそれもできない。
「・・・・・・あのさ、ごめん」
「え・・・?」
なぜ彼が謝るのかわからなかった。
「なにも考えないで、お前を怒らせて・・・昨日からそれだけが気になって」
嬉しかった。
内容なんかどうでもよかった。
ただ上条が自分のことだけを考えていてくれてたことが。
きっともう、引き返せないところまで気持ちが来てしまっているのかもしれない。
(もういいじゃん)
『ミコト』の声がする。
抑えようとする心さえもなくなってきた。
(がまんナんかしなイで)
足が前へ出る。
あとはもう心に付き従うだけだ。
(ゼンブハキダソウヨ)
体が宙に浮く感じがした。
視界が揺いだ。体が宙に浮いた。
背中が地面につくのを感じた。
(なに・・・が?)
目をあけると、美琴の顔があるのみだ。
「あんたが欲しい」
「み、さか・・・?」
「あんたしかいらない。ずっと渡しといて。誰にも渡したくない!私だけを見て!!」
「御坂!!」
怖くなって、上に乗っかる美琴を無理やりどかして、逃げるように下がりながら立ち上がる。
「どうしたんだよ、最近おかしいぞお前」
その言葉が、きっかけとなってしまった。
「・・・・・・私だって・・・」
ポツリと美琴は呟いた。
「わたしだってわかんないわよ!あんたのことが好きで好きでたまらなくて、別に彼女でもないのに、あんたが他の女と喋ってるだけで嫉妬して。憎くてどうしようもなくて」
バチバチと、美琴から発生した大量の電撃が四方八方へと飛んでいき、自動販売機が爆発した。
「どうしたらいいかわからなくて」
その悲痛な叫びに上条は何も言えなかった。
「そうしたら、聞こえてくるの。これが私なんだって。我慢なんてしなくていいって」
雷撃の一片が上条の足元を、これ以上来るなというように、横一線に地面を黒く染めた。
「もうだめ。自分でもどうしようもない・・・たすけて」
やがて電撃によって集められた砂鉄が美琴を包み込むように『殻』を作っていく。
「御坂!?――――――!!?」
足が焼け焦げてできた『ライン』を超えた。
『殻』から放たれた砂鉄の鞭が上条をなぎ払う。
(痛ぇ、けど・・・・・・)
美琴の心の苦しみに比べたらと。右腕の痛みに耐え、立ち上がる。
(ただ止めるだけじゃだめだ!)
異能なら何でも打ち消せる右手さえあれば、暴走する美琴を止めることはできるだろう。
だけども、美琴の苦しみまで消せるわけではない。
このままじゃ、また同じことを繰り返してしまう。
これ以上の苦しみが美琴を襲うことになるだろう。
「俺は、右手なんて使わない」
覚悟を決めた。
美琴の愛も怒りも悲しみも憎しみも。全てを受け止める覚悟だ。
迷いなく、『ライン』を超えた。
「だから話を聞いてくれ」
砂鉄の槍が上条へと襲いかかる。
けれども、槍は目の前で止まったかと思うと、再び『殻』の一部へと戻っていった。
「御坂、そんなことやめてさ、またいつものお前に戻ってくれよ。そんなお前が好きなんだよ」
『殻』は開いていき、やがて美琴から生えた6本の『翼』のように変形していく。
「やめて。そんな、期待しちゃうようなこと言わないで!!」
上条は一歩、前へ出た。
『翼』の1本、2本と襲いかかるけれども、それが上条を貫くことはなかった。
一歩、もう一歩と、確実に美琴に近づいている。
「なんで、なんで!!?」
自分を苦しめるものを排除したい気持ちと、上条を傷つけたくないという気持ち。
この2つが美琴を苦しめているのだと、上条はなんとなく理解していた。
そして、その原因が自分だということも。
そして、美琴の目の前で止まって、力強く抱きしめた。
「え・・・ぁ・・・・・・」
「御坂・・・・・・俺は、」
美琴を止めるためだけでない。
これは上条自身のケジメでもあった。
『約束』であり、『前へ進むための一歩』でもある。
「俺は強気で、短気で、ビリビリしてくるし、抱えたことは全部自分で背負い込んで、でもそんなお前が好きなんだ。そんな御坂美琴に惚れたんだ!!」
「あ、ぁぁ」
上条の思いの全てを聞いて、美琴の『翼』は崩れていく。
「信じて、いいの?」
「ああ」
美琴から涙が流れていく。
「こんなことしたのに、嫌いにならないの?」
「嫌いになんかなるもんか。悪いのは、気持ちを伝えられなかった俺だ。お前はなんにも気にすることはない」
「・・・じゃあ、わたしが好きだって、証明してみせて。気休めの優しさなんかじゃない。私にだけに出来ることを」
上条当麻は迷うことなどなかった。
『口付け』
それは今の彼に出来る唯一のこと。
けれども、愛を証明するためには十分だった。
力果てて、倒れ込む美琴を上条は抱きとめた。
「・・・・・・ごめんな、美琴」
その顔は安らぎに満ちていた。
それを見て、どっと力が抜けてきた。
(あ、あれ?ちからが・・・やべ、みさ、かをはなすわ、けには・・・・・・)
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