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【デルタフォース】クラスの3バカの日常/8-3 - (2010/02/09 (火) 07:57:20) の1つ前との変更点

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『二百五十人のシスターが動き出しました!!そしてその後に何千人かの女魔術姉が!!目的は上条当麻、いえ、御坂美琴の様です!!』 「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 『実はですね、インデックスがこちらに来てから「御坂美琴暗殺計画」 という計画がたてられていたのですが、まあそこはなんとか理性を保てたわけですが、 次に五和達が失敗してきた遊園地の件で理性を保てた者達も暴走して何とか騎士派達で止めたんです、 しかし次の新居と婚約パーティーで騎士派の者達を二百五十人と数千人が通り抜けられたわけです。』 「それマジですかにゃー!?」 『はい、他の騎士派や魔術師達も向かってますが間に合うかどうか…… ちなみにこの二百五十人と数千人を動かしてるのはオルソラです。』 「にゃ、にゃんれすとー!?」 『人間の裏は恐ろしいものです…』 「同感だぜい……」 しかし土御門は魔術師達より上琴の方が怖かった。何故なら、もし魔術師達がこの家に襲撃してきたらどうしよう? 土御門が魔術を使えば何とか追い返せるだろう。 しかし、新居は必ずしも無事なはずがない。もし上琴が帰って来た時に無事なわけない新居を見たらどうなるだろう? 全員を一瞬で殺す大技が出てもおかしくない。そう考えるととても恐ろしかった。 「ねーちんはこっちに来れないのかにゃー? ねーちんと学園都市に残ってる天草式メンバーがいればあるいは……」 『無理です。こっちには五和がいるんですよ。今は幸い眠らせてますが、いつ目を覚ましてそちらに襲撃に来るかも分からないんですよ!』  当てにしていた戦力の確保が出来なかった土御門は落胆するが、五和の存在を考えるとそれ以上は求めなかった。  土御門は次に、このことを知られたくない人物を思い出し、神裂にそのことを尋ねる。 「ところでねーちん、そのことを初春ちゃんには知らせてないよな? あの子が知ったらそれこそ大変なことになりそーだぜい」 『初春ですか? まさか。彼女は今は魔術と関わりを持たせてません。まああの子が知った場合、五和にしたように手段は選ばないでしょうけど……』 「(初春ちゃん、どうやって五和を? それにねーちん、初春ちゃんにこちら側の事情を話すつもりか?)知らないならそれでいいぜよ。ねーちん達は五和のこと、頼んだぜ」 『分かりました。土御門、健闘を祈ります。それと良いお年を』  神裂との電話を切った土御門は今のこちら側の戦力、そして戦力になりそうな人物を算出する。  今こちらに残ってる戦力は土御門、月夜、黒子、一方通行、一応打ち止めとかなり強力だが、それでも相手の戦力差(というか物量)は大きい。  そこで土御門は戦力に、しかも美琴限定でならとっておきの人物を思い出して電話をかける。 「もしもし海原くんかにゃー。こちら土御門だぜい。ただ今、美琴ちゃんに危機が迫ってるぜよ。至急、応援を求むにゃー♪」 「御坂さんの危機ですか! 分かりました、自分もすぐに応援に駆けつけます。ショチトルと結標さんも連れて来ますので!』 「そうしてくれると助かるぜい♪ じゃあ迎撃ポイントを後で転送しておくからそこで思いっきりやって欲しいにゃー♪」  土御門は海原に助っ人を要請はしたが、上琴新居の場所は明かさずに別のポイントでオルソラ率いるシスター魔術師連合軍を叩かせる腹積もりなのだ。  次に土御門は残ってるメンバーを呼び寄せて、詳しい事情は伏せて襲撃の件を伝える。 「というわけで俺達はカミやんと美琴ちゃんの愛の巣、および自分達の身の安全の為に襲撃犯を迎え撃つんだぜい!」 「理由が一部かなり情けないけどやるしかないよ。私もあの二人の怒りに触れたくないし」 「同感ですわ。それに想い人の幸せを祝福出来ない輩には一片の同情も必要ありません。無事に正月を迎える為、戦いますわよ!」 「今年最後にそんな大暴れが出来るってのは嬉しいなァ。溜まりに溜まった鬱憤、ここで晴らさせてもらうぜェ!」  高位能力者がやる気になってくれたことに安心してる土御門だが、打ち止めが何の反応を示さないことを怪訝に思う。  そして振り返ると、携帯で誰かと話してる打ち止めに青ピが尋ねる。 「ところで打ち止めちゃんはさっきから誰と話しとんの?」 「初春おねーちゃんだよってミサカはミサカは正直に話して、しかも後ろのみんなの会話はぜーんぶ筒抜けだって白状してみたり」 「「「「「えええええええええええっ!!」」」」」  一方通行からの妨害電波が止まったことで初春が打ち止めに電話をかけ直していたのだ。  その際、後ろで土御門たちが大声で叫んでいるものだからその内容が聞こえるのは当然。  打ち止めが土御門に電話を渡すと、普段どおりの声、しかし得体の知れない恐怖を感じる初春の声がこう紡ぐ。 『当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんを襲撃ですかー。大晦日に暇な人たちもいるんですねー。分かりました、こちらからも何か殺れるようにバックアップしますね♪』 大変なことになった。本当に… 「あの子ならひこぼし二号でもハッキングできますわ…」 「マジかよ!!あれには結構ヤバイ核兵器があンだぞ!!」 「ひえー!!色んな意味で大変や!!」 「元春!!どうするの!?」 土御門は何か諦めた顔をして、なにやらいつもとは違う顔になった。 「初春とか言ったか?」 この言葉でばの空気が固まった。 「つっちー命が惜しくないんか!!」 「今なら間に合いますの!!前言撤回してくださいですの!!」 「元春前言撤回して!!元春死んじゃうよ!!」 初春という存在はカップル達にとって悪魔の様な存在である。だが土御門は 「少し黙ってろ」 魔術師、土御門がそこにいた―― 「初春」 『な、何ですか?』 土御門の気迫は向こうにも伝わったらしい。 「よく聞いておけ、これから戦う奴らは風紀委員なんてお遊びとは違う。」 「『お遊びですって!!』」 初春と白井が怒るがそんな事お構い無しに土御門は続ける。 「そうだ、お遊びだ。お前らのやってるお遊びは今から戦う敵には通用しない。 本気で殺しにかかっても一人を気絶させる位だ。これはあくまで運が良かったらの話だ。素人はすっこんでろ。」 『いいえ、やめません!!当麻お兄ちゃんと美琴おね――』 「いい加減にしろ!!」 この言葉だけで土御門は日常とは違う土御門になっていた。 「ふざけて勝てる相手じゃない、さっきもいったはずだが運が良くて勝てる相手だ!!相手は遊んで人を殺せる力を持っているんだぞ!! それはお前が何かをハッキングして勝てるような相手じゃない!!」 「でもひこぼし二号なら――」 「だからそんなおもちゃで勝てる相手じゃないって言ってるんだ!!それにひこぼし二号がハッキングされたら誰が学園都市を監視するんだ!? そんな事したら学園都市はパニック状態に陥る!!お前らみたいな警備員や風紀委員だけで守れるわけ無いだろうが!!」 『で、でも――』 「そんでもやるっていうならお前は土御門元春の敵だ。カミやんの義妹だろうが何だろうが容赦しない。」 この言葉だけで初春飾利は恐怖を覚えた。まるでライオンの折に放り込まれる様なものじゃない。今の土御門は人間じゃないと初春飾利は知った。 『はい、分かりました。』 土御門の言葉にうなずいてしまうのは当然の事だった。 ピッっと土御門は携帯の通話を切った。しかしまだ土御門はいつもの土御門じゃない。 「元春…だよね?」 白雪が聞いてしまうのもしょうがないことである。 「何言ってんだにゃー月夜、正真正銘土御門元春様だぜい?」 しゃべり方は戻っているのだが明らかにどこかが違う。大きな何かが違うのに何が違うか分からない。 そんな白雪の気持ちなど考えもせず土御門はポケットから地図を出し広げる。 「じゃあ作戦会議ぜよ。敵は東京国際空港に着陸して今神奈川付近にいるのがざっと三百人だ。」 「三百人も!?」 「いや、まだ空港には五千人来ると考えていいな。とにかくこの数は圧倒的に不利だぜい。そこでお前らにやって欲しいことがあるにゃー。」 「何?」 白雪はとにかく今の土御門の役に立ちたかった。それで元春と一緒にいられるならばと、 「――罠、つまりトラップ作りだぜい。しかも特大のにゃー♪」 「ふぅ、あれが土御門さんの本気ですか。煽って正解でしたね。これでいいんですよね? 神裂さん」 『すみません初春。貴女に危険なことをさせてしまって。土御門が本気になれば負けは無いでしょう』  実は初春の土御門のやり取り、これ全て神裂からの指示によるものだった。  いかに相手が強大とはいえ、トリックスターの土御門の頭脳があれば負けは無いと神裂は踏んでいたのだ。  そこで土御門を本気にさせられそうな初春に一芝居打ってもらったという訳だ。 『ですが、本当にいいのですか? その、初春が私達魔術側の事情を知るということは……今までの生活を捨てることと同じなんですよ』 「分かってます。でも、それでも守りたい人達が居ますから。土御門さんはお遊びって言ってましたけど、私なりに出来ることを探していくつもりです」 『……私は正直、今でも反対です。ですが貴女とは短い付き合いですが、頑固者だということは理解してます。ですから私は、いえ天草式十字凄教一同はここに誓います』  初春の覚悟、それは子供ゆえの無茶だとは分かっていても、神裂に少女を止める術は無い。  ならばせめて、彼女と共に歩む為、神裂は他の天草式メンバーが同じ思いと信じて初春に誓いを立てる。 『私達はこれから先、初春飾利を護り抜くことを誓います。仲間として、友として、そして家族として貴女を護りましょう』 「私も誓います。これから先、私は貴女達天草式十字凄教および貴女の大切な友、そして仲間の助けになることを誓います。仲間として友として、そして家族として自分なりの戦いをもって」  神裂火織、天草式十字凄教、そして初春飾利の新たなる、しかし強固な絆が結ばれることになる。  重苦しい雰囲気を解いた二人は今、当麻と美琴の為に出来ることを模索する。 「じゃあ神裂さんにお願いがあります。五和さんの監視は対馬さんと浦上さんに任せて、建宮さんと最愛さんと共に魔術師の数を減らせるだけ減らして下さい」 『確かに五和が寝てる以上、必要以上の監視は不要ですね。分かりました、すぐに向かいます』 「それと土御門さんの要請で学園都市から3名の協力者が出るみたいなので、合流して事に当たって下さい。きっと見れば一目で分かります」 『分かりました。さすがに全てを片付けるのは私達でも無理でしょうが、やれるだけやりましょう。ところで初春はどうしますか?』  神裂は初春からの指示を受けた後で、彼女自身の役割について尋ねる。  電話越しからでも楽しげな雰囲気は消え、本当に真剣な空気が神裂には伝わってくる。 「事後処理ですよ、事後処理。もともと私、戦うのって向いてないですから。最初から土御門さん達に戦ってもらって私はサポートに専念するつもりでしたし」 『まったく貴女という子は……。土御門には後で私から連絡しておきましょう。貴女の本気の覚悟もしっかりと。では初春、全てが終わった後で』 「神裂さん、決して無茶だけはしないで下さい。それと、土御門さんに伝言をお願いします。初詣にいけないようになったら怒りますって♪」 『フフッ、それは怖いですね。分かりました、ちゃんと伝えておきます』  神裂と電話を終えた初春は自分が足を踏み入れた世界の恐ろしさを思い、体が震えるのを感じる。  でも、それでも自分を貫き通す為に、彼女は体の震えを抑えて、自分なりのやり方で戦いに身を投じる。 「さて、今年最後の大一番。影ながらのサポートを頑張るとしましょうか」  そう言って彼女は自分のPCのキーボードを叩き始めるのだった。  その頃、神裂から指示を受けた天草式十字凄教学園支部(五和除く)と絹旗も動き出す。 「魔術側の人間結構一般人に化けてますね」 「そうなのよね。でも天草式十字凄教に及ばないのよね」 「見つけ次第、人気のないところまで追って、そこで気絶させてください」 「気絶でいいのですか?女教皇」 「一応、イギリス清教の仲間です。殺してはいけません」 「そうですか。でわ」 作戦会議を終えた後、天草式十字凄教学園支部は散っていった 「私はもう裏に首を超つっこんじゃってますから、裏の裏は超表ですよ」 「ありがとう絹旗。じゃあ、あなたは上条当麻を護衛してください」 「超わかりました。では」 「(みなさん、無事で・・・)」 絹旗も作戦開始で、全員戦闘モードに入ったそのとき、初春から衝撃の情報が・・・ 『大変です!!魔術師達が御坂さん達に接触した模様!!更になぜか滝壺さんが人質に!!』 「「「「「「「「「「「「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」」」」」」」」」」」」 御坂美琴が魔術師達と接触するのは予想していたがまさか人質をとるのは予想外だったらしい。(当たり前か) 「なんで滝壺さんが超捕まってるんですか!?」 「そうですか。それではこちらから浜面さんに伝えておきましょう」 「よろしくお願いします。相手は30人程度です」 トゥルルルルル ちょうど、浜面から電話がかかってきた 「ちょっと、神裂さん!滝壺がいないんですけど!」 「そのことなんですが、どうも相手に人質に取られたみたいで・・・」 「なんですと!?」 「そこには御坂さんもいるのですが、どうも一人じゃ無理らしいので・・・」 「場所を教えてください!すぐに行きます」 「神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度!!間違いありません!!」 「わかりましたブチッ」 今の音は、通話が切れた音か、それとも浜面がキレた音か・・・ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「滝壺が人質にとられたそうだ。御坂さんもそこにいる。今から行きたい」 「美琴がいるなら俺も行く!」 「もう一人増援を送るから、まずは走るんだにゃー」 「「んじゃ!」」 「(ココは取り合えずあいつに電話だ)」 トゥルルルルルルル 「もしもし?なんでしょうか?」 「オレだ。第○学区の○○で御坂が危険だ。すぐに向かえ」 「御坂さんが!?わかりました!」 御坂と滝壺のピンチに幻想殺し、最強のLEVEL0、アステカの魔術師が向かう!! 888 :ё:2010/02/08(月) 21:07:21 ID:cjLbDi1A 『最愛さんは予定を変更して、滝壺さん救出に向かって下さい。滝壺さんの身の安全も大事ですが、最愛さんも無茶はしないで下さいね』  初春の指示を受けた絹旗も、神裂から同行を命令された対馬と共に滝壺救出へと動き出す。  ちなみに対馬と浦上は本来は五和の監視だったが、カエル顔の医師にここは大丈夫と言われたので前線に出て来ている。  完全に先手を打たれ、形勢は早くも不利かと思われたが初春がもたらした次の情報はその不利を跳ね返すほど強力だった。 『神裂さんは焦らずそのまま行動をお願いします。空港では騎士団長さんとウィリアムさん、えっとこの場合は後方のアックアさんですね。お二人が暴れてくれています♪』 「そ、それは確かに心強い援軍ですね(こちらが要請せずにあの二人が動いた……おそらく魔術側の恥部ともいえる彼女達の暴挙を止める為でしょうね)」 『ですが5000人全員では無いようです。1000人を逃がして、残る4000人が足止めしてるみたいですね』  本来ならあの二人で空港の魔術師全員を相手にして欲しいと無茶を願った神裂だが、それでも4000人を相手にしてくれたことには感謝した。 『私は皆さんが気兼ねなく暴れられるように情報操作、ならびに情報規制をかけます。当麻お兄ちゃん達を巻き込んだのは不覚でした。でもこれ以上は相手の好きにはさせません!』 「その意気です初春。ではこちらも遠慮なく力を振るうことにしましょうか」 『神裂さん、無茶だけはしないで下さいね。神裂さんに何かあったら怒りますから♪』 「それは怖いですね。肝に銘じておきましょう。ああ、それと建宮に何か言いたいことはありませんか?」  神裂は建宮のモチベーション大幅アップを願って、初春からの伝言を彼に伝えようとしていた。 『そうですね~。死なないで下さい、そして学園都市に戻ってきたら元気な姿を見せてくださいとだけ。では、また後で』 「……あの子は天然であのようなことを言ったのでしょうか? まあ、建宮のテンションが上がるならそれに越したことはありませんが」  初春からの伝言を建宮に伝えようとした神裂だったが、目の前に魔術師達が現れたので相手をする為に伝言は後回しにするのだった。  その頃、空港では騎士団長とアックアの親友コンビによる大立ち回りが演じられていた。 「折角の休みであるというのに…最悪である。」 「全くだ。さっさと片付けてゆっくりすごそうとするか。」 「全くその通りである。面倒はさっさと潰すに限るのである!!『Flere210(その涙の理由を変える者)』!!」 飛ぶわ飛ぶわ、メイスとフルンティングを振るうたびに魔術師達が高く飛んでいくのだった。 たいして時間はかからなかった。 ものの5分足らずで約5000人の魔術師達は気絶。 または行動不能な状態にさせられていた。 「案外、早く片付いたのである。」 「そうだな。」 二人はちょっと前まで殺しあっていた仲とは思えないほどの、 チームワークを発揮していた。 二人に吹っ飛ばされた中に 無理やり参加させられたステイルがいたのは誰も知らない。 その頃、買い物にいった女性陣二人は…
『二百五十人のシスターが動き出しました!!そしてその後に何千人かの女魔術姉が!!目的は上条当麻、いえ、御坂美琴の様です!!』 「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 『実はですね、インデックスがこちらに来てから「御坂美琴暗殺計画」 という計画がたてられていたのですが、まあそこはなんとか理性を保てたわけですが、 次に五和達が失敗してきた遊園地の件で理性を保てた者達も暴走して何とか騎士派達で止めたんです、 しかし次の新居と婚約パーティーで騎士派の者達を二百五十人と数千人が通り抜けられたわけです。』 「それマジですかにゃー!?」 『はい、他の騎士派や魔術師達も向かってますが間に合うかどうか…… ちなみにこの二百五十人と数千人を動かしてるのはオルソラです。』 「にゃ、にゃんれすとー!?」 『人間の裏は恐ろしいものです…』 「同感だぜい……」 しかし土御門は魔術師達より上琴の方が怖かった。何故なら、もし魔術師達がこの家に襲撃してきたらどうしよう? 土御門が魔術を使えば何とか追い返せるだろう。 しかし、新居は必ずしも無事なはずがない。もし上琴が帰って来た時に無事なわけない新居を見たらどうなるだろう? 全員を一瞬で殺す大技が出てもおかしくない。そう考えるととても恐ろしかった。 「ねーちんはこっちに来れないのかにゃー? ねーちんと学園都市に残ってる天草式メンバーがいればあるいは……」 『無理です。こっちには五和がいるんですよ。今は幸い眠らせてますが、いつ目を覚ましてそちらに襲撃に来るかも分からないんですよ!』  当てにしていた戦力の確保が出来なかった土御門は落胆するが、五和の存在を考えるとそれ以上は求めなかった。  土御門は次に、このことを知られたくない人物を思い出し、神裂にそのことを尋ねる。 「ところでねーちん、そのことを初春ちゃんには知らせてないよな? あの子が知ったらそれこそ大変なことになりそーだぜい」 『初春ですか? まさか。彼女は今は魔術と関わりを持たせてません。まああの子が知った場合、五和にしたように手段は選ばないでしょうけど……』 「(初春ちゃん、どうやって五和を? それにねーちん、初春ちゃんにこちら側の事情を話すつもりか?)知らないならそれでいいぜよ。ねーちん達は五和のこと、頼んだぜ」 『分かりました。土御門、健闘を祈ります。それと良いお年を』  神裂との電話を切った土御門は今のこちら側の戦力、そして戦力になりそうな人物を算出する。  今こちらに残ってる戦力は土御門、月夜、黒子、一方通行、一応打ち止めとかなり強力だが、それでも相手の戦力差(というか物量)は大きい。  そこで土御門は戦力に、しかも美琴限定でならとっておきの人物を思い出して電話をかける。 「もしもし海原くんかにゃー。こちら土御門だぜい。ただ今、美琴ちゃんに危機が迫ってるぜよ。至急、応援を求むにゃー♪」 「御坂さんの危機ですか! 分かりました、自分もすぐに応援に駆けつけます。ショチトルと結標さんも連れて来ますので!』 「そうしてくれると助かるぜい♪ じゃあ迎撃ポイントを後で転送しておくからそこで思いっきりやって欲しいにゃー♪」  土御門は海原に助っ人を要請はしたが、上琴新居の場所は明かさずに別のポイントでオルソラ率いるシスター魔術師連合軍を叩かせる腹積もりなのだ。  次に土御門は残ってるメンバーを呼び寄せて、詳しい事情は伏せて襲撃の件を伝える。 「というわけで俺達はカミやんと美琴ちゃんの愛の巣、および自分達の身の安全の為に襲撃犯を迎え撃つんだぜい!」 「理由が一部かなり情けないけどやるしかないよ。私もあの二人の怒りに触れたくないし」 「同感ですわ。それに想い人の幸せを祝福出来ない輩には一片の同情も必要ありません。無事に正月を迎える為、戦いますわよ!」 「今年最後にそんな大暴れが出来るってのは嬉しいなァ。溜まりに溜まった鬱憤、ここで晴らさせてもらうぜェ!」  高位能力者がやる気になってくれたことに安心してる土御門だが、打ち止めが何の反応を示さないことを怪訝に思う。  そして振り返ると、携帯で誰かと話してる打ち止めに青ピが尋ねる。 「ところで打ち止めちゃんはさっきから誰と話しとんの?」 「初春おねーちゃんだよってミサカはミサカは正直に話して、しかも後ろのみんなの会話はぜーんぶ筒抜けだって白状してみたり」 「「「「「えええええええええええっ!!」」」」」  一方通行からの妨害電波が止まったことで初春が打ち止めに電話をかけ直していたのだ。  その際、後ろで土御門たちが大声で叫んでいるものだからその内容が聞こえるのは当然。  打ち止めが土御門に電話を渡すと、普段どおりの声、しかし得体の知れない恐怖を感じる初春の声がこう紡ぐ。 『当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんを襲撃ですかー。大晦日に暇な人たちもいるんですねー。分かりました、こちらからも何か殺れるようにバックアップしますね♪』 大変なことになった。本当に… 「あの子ならひこぼし二号でもハッキングできますわ…」 「マジかよ!!あれには結構ヤバイ核兵器があンだぞ!!」 「ひえー!!色んな意味で大変や!!」 「元春!!どうするの!?」 土御門は何か諦めた顔をして、なにやらいつもとは違う顔になった。 「初春とか言ったか?」 この言葉でばの空気が固まった。 「つっちー命が惜しくないんか!!」 「今なら間に合いますの!!前言撤回してくださいですの!!」 「元春前言撤回して!!元春死んじゃうよ!!」 初春という存在はカップル達にとって悪魔の様な存在である。だが土御門は 「少し黙ってろ」 魔術師、土御門がそこにいた―― 「初春」 『な、何ですか?』 土御門の気迫は向こうにも伝わったらしい。 「よく聞いておけ、これから戦う奴らは風紀委員なんてお遊びとは違う。」 「『お遊びですって!!』」 初春と白井が怒るがそんな事お構い無しに土御門は続ける。 「そうだ、お遊びだ。お前らのやってるお遊びは今から戦う敵には通用しない。 本気で殺しにかかっても一人を気絶させる位だ。これはあくまで運が良かったらの話だ。素人はすっこんでろ。」 『いいえ、やめません!!当麻お兄ちゃんと美琴おね――』 「いい加減にしろ!!」 この言葉だけで土御門は日常とは違う土御門になっていた。 「ふざけて勝てる相手じゃない、さっきもいったはずだが運が良くて勝てる相手だ!!相手は遊んで人を殺せる力を持っているんだぞ!! それはお前が何かをハッキングして勝てるような相手じゃない!!」 「でもひこぼし二号なら――」 「だからそんなおもちゃで勝てる相手じゃないって言ってるんだ!!それにひこぼし二号がハッキングされたら誰が学園都市を監視するんだ!? そんな事したら学園都市はパニック状態に陥る!!お前らみたいな警備員や風紀委員だけで守れるわけ無いだろうが!!」 『で、でも――』 「そんでもやるっていうならお前は土御門元春の敵だ。カミやんの義妹だろうが何だろうが容赦しない。」 この言葉だけで初春飾利は恐怖を覚えた。まるでライオンの折に放り込まれる様なものじゃない。今の土御門は人間じゃないと初春飾利は知った。 『はい、分かりました。』 土御門の言葉にうなずいてしまうのは当然の事だった。 ピッっと土御門は携帯の通話を切った。しかしまだ土御門はいつもの土御門じゃない。 「元春…だよね?」 白雪が聞いてしまうのもしょうがないことである。 「何言ってんだにゃー月夜、正真正銘土御門元春様だぜい?」 しゃべり方は戻っているのだが明らかにどこかが違う。大きな何かが違うのに何が違うか分からない。 そんな白雪の気持ちなど考えもせず土御門はポケットから地図を出し広げる。 「じゃあ作戦会議ぜよ。敵は東京国際空港に着陸して今神奈川付近にいるのがざっと三百人だ。」 「三百人も!?」 「いや、まだ空港には五千人来ると考えていいな。とにかくこの数は圧倒的に不利だぜい。そこでお前らにやって欲しいことがあるにゃー。」 「何?」 白雪はとにかく今の土御門の役に立ちたかった。それで元春と一緒にいられるならばと、 「――罠、つまりトラップ作りだぜい。しかも特大のにゃー♪」 「ふぅ、あれが土御門さんの本気ですか。煽って正解でしたね。これでいいんですよね? 神裂さん」 『すみません初春。貴女に危険なことをさせてしまって。土御門が本気になれば負けは無いでしょう』  実は初春の土御門のやり取り、これ全て神裂からの指示によるものだった。  いかに相手が強大とはいえ、トリックスターの土御門の頭脳があれば負けは無いと神裂は踏んでいたのだ。  そこで土御門を本気にさせられそうな初春に一芝居打ってもらったという訳だ。 『ですが、本当にいいのですか? その、初春が私達魔術側の事情を知るということは……今までの生活を捨てることと同じなんですよ』 「分かってます。でも、それでも守りたい人達が居ますから。土御門さんはお遊びって言ってましたけど、私なりに出来ることを探していくつもりです」 『……私は正直、今でも反対です。ですが貴女とは短い付き合いですが、頑固者だということは理解してます。ですから私は、いえ天草式十字凄教一同はここに誓います』  初春の覚悟、それは子供ゆえの無茶だとは分かっていても、神裂に少女を止める術は無い。  ならばせめて、彼女と共に歩む為、神裂は他の天草式メンバーが同じ思いと信じて初春に誓いを立てる。 『私達はこれから先、初春飾利を護り抜くことを誓います。仲間として、友として、そして家族として貴女を護りましょう』 「私も誓います。これから先、私は貴女達天草式十字凄教および貴女の大切な友、そして仲間の助けになることを誓います。仲間として友として、そして家族として自分なりの戦いをもって」  神裂火織、天草式十字凄教、そして初春飾利の新たなる、しかし強固な絆が結ばれることになる。  重苦しい雰囲気を解いた二人は今、当麻と美琴の為に出来ることを模索する。 「じゃあ神裂さんにお願いがあります。五和さんの監視は対馬さんと浦上さんに任せて、建宮さんと最愛さんと共に魔術師の数を減らせるだけ減らして下さい」 『確かに五和が寝てる以上、必要以上の監視は不要ですね。分かりました、すぐに向かいます』 「それと土御門さんの要請で学園都市から3名の協力者が出るみたいなので、合流して事に当たって下さい。きっと見れば一目で分かります」 『分かりました。さすがに全てを片付けるのは私達でも無理でしょうが、やれるだけやりましょう。ところで初春はどうしますか?』  神裂は初春からの指示を受けた後で、彼女自身の役割について尋ねる。  電話越しからでも楽しげな雰囲気は消え、本当に真剣な空気が神裂には伝わってくる。 「事後処理ですよ、事後処理。もともと私、戦うのって向いてないですから。最初から土御門さん達に戦ってもらって私はサポートに専念するつもりでしたし」 『まったく貴女という子は……。土御門には後で私から連絡しておきましょう。貴女の本気の覚悟もしっかりと。では初春、全てが終わった後で』 「神裂さん、決して無茶だけはしないで下さい。それと、土御門さんに伝言をお願いします。初詣にいけないようになったら怒りますって♪」 『フフッ、それは怖いですね。分かりました、ちゃんと伝えておきます』  神裂と電話を終えた初春は自分が足を踏み入れた世界の恐ろしさを思い、体が震えるのを感じる。  でも、それでも自分を貫き通す為に、彼女は体の震えを抑えて、自分なりのやり方で戦いに身を投じる。 「さて、今年最後の大一番。影ながらのサポートを頑張るとしましょうか」  そう言って彼女は自分のPCのキーボードを叩き始めるのだった。  その頃、神裂から指示を受けた天草式十字凄教学園支部(五和除く)と絹旗も動き出す。 「魔術側の人間結構一般人に化けてますね」 「そうなのよね。でも天草式十字凄教に及ばないのよね」 「見つけ次第、人気のないところまで追って、そこで気絶させてください」 「気絶でいいのですか?女教皇」 「一応、イギリス清教の仲間です。殺してはいけません」 「そうですか。でわ」 作戦会議を終えた後、天草式十字凄教学園支部は散っていった 「私はもう裏に首を超つっこんじゃってますから、裏の裏は超表ですよ」 「ありがとう絹旗。じゃあ、あなたは上条当麻を護衛してください」 「超わかりました。では」 「(みなさん、無事で・・・)」 絹旗も作戦開始で、全員戦闘モードに入ったそのとき、初春から衝撃の情報が・・・ 『大変です!!魔術師達が御坂さん達に接触した模様!!更になぜか滝壺さんが人質に!!』 「「「「「「「「「「「「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」」」」」」」」」」」」 御坂美琴が魔術師達と接触するのは予想していたがまさか人質をとるのは予想外だったらしい。(当たり前か) 「なんで滝壺さんが超捕まってるんですか!?」 「そうですか。それではこちらから浜面さんに伝えておきましょう」 「よろしくお願いします。相手は30人程度です」 トゥルルルルル ちょうど、浜面から電話がかかってきた 「ちょっと、神裂さん!滝壺がいないんですけど!」 「そのことなんですが、どうも相手に人質に取られたみたいで・・・」 「なんですと!?」 「そこには御坂さんもいるのですが、どうも一人じゃ無理らしいので・・・」 「場所を教えてください!すぐに行きます」 「神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度!!間違いありません!!」 「わかりましたブチッ」 今の音は、通話が切れた音か、それとも浜面がキレた音か・・・ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「滝壺が人質にとられたそうだ。御坂さんもそこにいる。今から行きたい」 「美琴がいるなら俺も行く!」 「もう一人増援を送るから、まずは走るんだにゃー」 「「んじゃ!」」 「(ココは取り合えずあいつに電話だ)」 トゥルルルルルルル 「もしもし?なんでしょうか?」 「オレだ。神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度で御坂が危険だ。すぐに向かえ」 「御坂さんが!?わかりました!」 御坂と滝壺のピンチに幻想殺し、最強のLEVEL0、アステカの魔術師が向かう!! 『最愛さんは予定を変更して、滝壺さん救出に向かって下さい。滝壺さんの身の安全も大事ですが、最愛さんも無茶はしないで下さいね』  初春の指示を受けた絹旗も、神裂から同行を命令された対馬と共に滝壺救出へと動き出す。  ちなみに対馬と浦上は本来は五和の監視だったが、カエル顔の医師にここは大丈夫と言われたので前線に出て来ている。  完全に先手を打たれ、形勢は早くも不利かと思われたが初春がもたらした次の情報はその不利を跳ね返すほど強力だった。 『神裂さんは焦らずそのまま行動をお願いします。空港では騎士団長さんとウィリアムさん、えっとこの場合は後方のアックアさんですね。お二人が暴れてくれています♪』 「そ、それは確かに心強い援軍ですね(こちらが要請せずにあの二人が動いた……おそらく魔術側の恥部ともいえる彼女達の暴挙を止める為でしょうね)」 『ですが5000人全員では無いようです。1000人を逃がして、残る4000人が足止めしてるみたいですね』  本来ならあの二人で空港の魔術師全員を相手にして欲しいと無茶を願った神裂だが、それでも4000人を相手にしてくれたことには感謝した。 『私は皆さんが気兼ねなく暴れられるように情報操作、ならびに情報規制をかけます。当麻お兄ちゃん達を巻き込んだのは不覚でした。でもこれ以上は相手の好きにはさせません!』 「その意気です初春。ではこちらも遠慮なく力を振るうことにしましょうか」 『神裂さん、無茶だけはしないで下さいね。神裂さんに何かあったら怒りますから♪』 「それは怖いですね。肝に銘じておきましょう。ああ、それと建宮に何か言いたいことはありませんか?」  神裂は建宮のモチベーション大幅アップを願って、初春からの伝言を彼に伝えようとしていた。 『そうですね~。死なないで下さい、そして学園都市に戻ってきたら元気な姿を見せてくださいとだけ。では、また後で』 「……あの子は天然であのようなことを言ったのでしょうか? まあ、建宮のテンションが上がるならそれに越したことはありませんが」  初春からの伝言を建宮に伝えようとした神裂だったが、目の前に魔術師達が現れたので相手をする為に伝言は後回しにするのだった。  その頃、空港では騎士団長とアックアの親友コンビによる大立ち回りが演じられていた。 「折角の休みであるというのに…最悪である。」 「全くだ。さっさと片付けてゆっくりすごそうとするか。」 「全くその通りである。面倒はさっさと潰すに限るのである!!『Flere210(その涙の理由を変える者)』!!」 飛ぶわ飛ぶわ、メイスとフルンティングを振るうたびに魔術師達が高く飛んでいくのだった。 たいして時間はかからなかった。 ものの5分足らずで約5000人の魔術師達は気絶。 または行動不能な状態にさせられていた。 「案外、早く片付いたのである。」 「そうだな。」 二人はちょっと前まで殺しあっていた仲とは思えないほどの、 チームワークを発揮していた。 二人に吹っ飛ばされた中に 無理やり参加させられたステイルがいたのは誰も知らない。 その頃、買い物にいった女性陣二人は…

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