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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/素直になったら)

喫茶店を出た上条はいつもの公園に向かった。

「御坂はいないか」

そして自販機の前に来てみたものの、御坂を見つけられなかった上条はメールを送った。
#asciiart(){{{
To:御坂美琴
Sub:

『今からいつもの公園に来てくれ』
}}}

と。
しかし、これは上条にとって賭けだった。
もし御坂が告白しようと思う。
もし来なかったら…
少しの不安をかかえながら待った。


メールを送って20分ほどして御坂はやってきた。

「…」
「…」

お互いに向き合った瞬間、二人は沈黙した。

「「あ、あのさ」」

意を決して話しかけてもかぶってしまう。

「先に言えよ」
「アンタが呼び出したんでしょ、アンタが先に言いなさい」

相手を前にすると、結局いつのも様な態度を取ってしまう二人。
これじゃ進まないと思った上条は、御坂の目をまっすぐ見つめて

「御坂、好きだ」
「え?」

(コイツ、今何て言った?)

あまりにも予想外な上条の言葉に一瞬頭が混乱した御坂はもう一度尋ねる。

「今、なんて」
「御坂、お前が好きだ」

お前が好きだ。
この一言をようやく理解した御坂の目から枯れたはずの涙が溢れてきた。
自分の告白後、いきなり目の前で泣かれ上条があたふたとしていると、

ドスッギュ

御坂が飛びつき抱き付いた。

「まさか、嫌だったか?もしそうでもビリビリはご勘弁を…」

こんな状況でも鈍感ぶりを発揮する上条に御坂は抱きしめる力を強くして、

「嬉し泣きよバカ…」

と呟くと今までの心境を語りだした。

「アンタにキスしたのはね、罰ゲームだったの。
 その罰ゲームの内容は『好きな人にキスする』だったんだけど、
 それ聞いた瞬間ずっと好きだったアンタのことを想い浮かべて。
 もちろん、友達として好きな人とか、頬にするとか考えた。
 でもアンタの周りは女の子いっぱいいるし、
 こんな機会でも利用しないとアンタとこんなこと一生できないかもって思ったのよ。
 そんなこと考えてたらゲームに集中できなくて負けたわ。
 だからあの時、アンタにキスした。
 でも、寮に帰ったらキスしたこと後悔しちゃって。
 どんな顔して会えばいいのかなって、もしかしたら嫌われたかなって」

「バカが」
「え?」

ここまで上条は黙って聞いていたが、最後の一言には口を挟んだ。

「嫌うわけないだろ」
「どうして?私だったら黒焦げにするわよ?」
「言っただろ、好きだって」

さらに御坂をギュッと抱きしめた。

「最初はわけが分からなかった。
 なんで御坂はキスしてたんだ?とか、
 なんで俺なのか?とかな。
 あの時から俺はお前のことばかり考えてたんだぞ。
 授業にも集中できないし、歩いててもいつも以上になにか踏むし。
 でも、嫌とはまったく思わなかった。
 それよりも、この前ここでお前に逃げられた時が一番辛かった」

「あの時は嫌われてないか聞きたかった。
 でも嫌われてたらどうしようって思ったのよ。
 そしたらいきなり声かけられて、怖くなって逃げ出したの」

「俺も似たようなものだな」
「どういうこと?」

「お前に何で逃げたのか聞きたかったってことだよ。
 でもな、また逃げられたらとか思うと聞けなくて。
 変だよな、いつもなら感情のまま突っ走るのに、
 今回だけは不安が大きすぎて出来なかった」

「似た者同士ね私たち」
「そうだな」
「ふふふ」
「あはは」

告白合戦が終了し、ここにきてようやく二人に笑顔が戻った。
最初の暗い雰囲気はどこへやら。
現在は二人で抱き合って見つめ合い、笑い合っていた。
公園の一部が桃色空間に埋もれている。
と、そこへ。

「確かに似たもの同士ですわね」
「「白井(黒子)!?」」

いつの間にか白井が椅子に立っていた。

「このようだともう大丈夫みたいですね」
「いいなあ、初春~私も彼氏欲しい」
「自分で見つけてください」

初春と佐天を連れて。

「いつからいたの!?」
「とうまが抱きしめたあたりかな」
「ってインデックス!」
「やっほーです、上条ちゃん」
「小萌先生まで!?」

それにインデックスと小萌まで近くにいた。

「どうしてここに?」
「あんな相談を受けたんですからどうなったのか知りたいじゃないですか」

上条も御坂も思考回路がショートし固まった。
そして白井が先ほどの呟きを続ける。

「それにしても、お二人とも似ていますの」
「「「それはどういうことですか?」」」

その呟きに小萌、初春、佐天が疑問を持つ。

「似たような理由で悩み続けるところや、
 告白時に周りが見えなくなっているところですわね」

でも、と白井は続け

「一番は自ら事件に首を突っ込むところですの」

確かに、上条は突っ込んで入院するし、御坂も幻想御手の時のように突っ込んでいる。

「大変なカップルができちゃいましたね」
「「「「「はあ」」」」」

今度から二人で首を突っ込みそうだ。
と、そこにいる5人は思った。

「そりより二人とも、いつまで抱き合っているのかな?」

インデックスの言われ、それまで固まっていた上琴はようやく離れた。

「「///」」

ここでこれまでの出来事(告白&抱きしめ)を思い出したために顔が真っ赤だ。

「ところで白井さん、怒らないんですか?」
「呆れて怒る気力もありませんの」
「珍しいこともあるんだねえ」

上から初春、白井、佐天の順である。
御坂大好きな白井が怒らないなんてと思った初春が尋ねてみるが、
今までの沈んだ御坂や上条とシンクロしているところを見ると怒ることなどできない。
ただ呆れるばかりだった。

「上条ちゃん、今日もシスターちゃんを預かりますから、御坂さんとの時間を満喫してください」

時刻はそろそろ夕方だ。
学生ばかりのこの街ではみんな帰りだす時間である。

「不純は行為は先生が許しませんから。それでは」

そう告げると小萌はインデックスを連れて帰って行った。

「それでは私たちも帰りますの」

白井は初春、佐天と共にテレポートで去った。
しかし、御坂はさっきの小萌の言葉に引っかかりを覚えた。

「ねえ、『今日もシスターを預かる』ってどういうこと?」
「そ、それは…」

まだ言ってなかったインデックスが居候していること。
上条は何て言うか困った。
御坂のことばかりで、インデックスのことを考えていなかったせいであるが。

「ねえ?」

御坂の追及に逃げられないと悟った上条は仕方なく説明する。

「あいつはうちに居候してるんだよ」
「は?」

御坂には意味が分からなかった。
自分に告白してきた男が他の女と同居している。
そんなのすぐに理解しろと言われても無理だった。

「それはいつから?」
「記憶を無くす前からだと思う」

「記憶」という言葉を聞いて御坂は少し後悔した。
リアルゲコ太以外は自分しか知らない上条の秘密。
相手にとってはあまり触れたくない話なのに、自分が聞いたせいで話すことになってしまった。

「家に帰った時は当たり前のようにいたし、こっちにいる時の保護者扱いになってるから。
 お前が嫌と言っても、これは譲れない」

どこまでお人よし何だろう。
御坂は思った。
記憶を無くす前も後も本質はやはり変わらないらしい。

「分かったわ。これに関しては不問にしてあげる」
「そうしてくれると助かる」

でもねと御坂は続け

「私嫉妬深いからあの子ばかり構ってると超電磁砲撃つからね」
「気をつけます」
「よろしい」


「ところでさ」
「なんだ」
「いつから、その」
「なんだよ」

急に口ごもる御坂に、それを促す上条。

「いつから私のこと好きだったの?」
「よく分かんねえ。恋人ごっこの時からかもしれねえし、ロシアの時からかもしれない」

ここに初めて会った時がないのはご愛敬。

「気付いたのはさっきなんだけどな」
「私はずっと前からだったわよと、当麻」

自分は二十二学区での出来事からなのにずるいと思った御坂は、不意打ち気味に名前で呼んでみた。

ドキッ

御坂から名前で呼ばれたことはない。
苗字でさえも。

「そ、それでさ」

少し様子が変わった上条に、御坂は作戦成功と心の中でVサインをする。
しかし、それ以上の言葉が上条から発せられた。

「御坂いや、美琴、付き合ってください」
「はい!」

美琴の門限が迫るまで、二人は仲良く抱き合っていた。

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